Coolier - 新生・東方創想話

東方黒妖録1

2022/03/04 16:31:30
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人里に来ていたルーミアは、ぶらぶらと歩きながら散策していると、大量の本を抱えて歩いている少女、本居小鈴を見かけた。見るからに危なげだ。

「小鈴!?危ないのだー!」

ルーミアは小鈴を抱えて、倒れないようにしている。

「ありがとう。ルーミア。助かったよ。」

「大量の本…どうしたのだー?」

「返却本を取りに行った帰りなんだけど、ちょっと疲れちゃって。」

「私も手伝うのだー」

「そう?じゃあ…お願いね。」

「わはー」

小鈴の持っている大量の本の半分をルーミアに持たせてみると、軽々と本を持ち上げる。

「ルーミア。重たくない?」

「軽いのだー」

「ルーミア。お礼にかき氷御馳走してあげるね。」

「良いかー?」

「手伝ってくれたお礼だよ。」

「わはー」

鈴奈庵に到着すると、小鈴はルーミアに頼み事をする。

「少しの間だけ、待ってもらってもいいかな?本のチェックとかき氷の準備をしてくるから。」

「わかったのだー」

小鈴はルーミアを店内に残して、奥の部屋に行った。ルーミアはソファーに座るなり、本棚の本を読んだりして暇を潰した。

「この本は…わからないのだー」

ルーミアは本棚から黒い表紙の本を発見して読んでみるが、何が書いてあるのかわからないようだ。

「仕舞っとくのだー」

「ルーミア。かき氷の準備出来たから上がってきて。」

「わかったのだー」

ルーミアは黒い本を本棚に戻して、小鈴の元に向かう。たが、ルーミアが戻した黒の本から禍々しいオーラが漂っていた。























小鈴の部屋でかき氷を嬉しそうに頬張るルーミアを見て、クスリと笑う小鈴。

「むー。何で笑うのだ―」

「ルーミアの食べ方が…ぷっ!」

「笑うなー!」

ルーミアが頬を膨らませると、小鈴の指がルーミアの頬を押すと、ぷしゅーと萎んだ。

「私は妖怪だぞー!ガオー!」

「それだと虎になっちゃうよ?」

「食べちゃうぞー」

ルーミアは小鈴に抱きついて、押し倒している。

「る、ルーミア!?食べないよね!?」

「小鈴とお昼寝するのだー!そしたら食べない。」

「仕方ないね。一緒にお昼寝しよ。」

ルーミアと小鈴は布団に入ると、眠気が来たのか眠ってしまった。





















夜明け前に小鈴はルーミアを鈴奈庵の外までお見送りする。

「ルーミア…大丈夫?眠くない?」

「大丈夫なのか~」

ルーミアは眠いのか、テンションがおかしいことになっている。

「それじゃあなのだ~」

小鈴はルーミアが帰るのを見送ると、部屋に戻ろうとした。だが、ソファーに黒い本が置きっぱなしになっていた。

「こんな本。売り物にあったかな?」

小鈴は黒い本に触れた瞬間。導かれるように本を開き読み始める。









博麗神社ではいつものように、霊夢が境内の掃き掃除を行っていると、物凄いスピードで射命丸が突っ込んできた。

「危ないわよ!夢想封印(物理)!」

霊夢の右ストレートが炸裂して、射命丸の横腹に命中する。

「あややや!?霊夢さん!痛いじゃないですか!?私が人間だったら死んでますよ!」

「あんたが突っ込んできたせいで、掃除がやり直しになったんだけど。掃除を手伝ってもらうわよ。御賽銭もしなさい。」

物凄い睨みで、射命丸を見る。

「わかりましたよ。掃除手伝います。」

「で、私に何かよう?急いでたんでしょ。」

霊夢は掃除しながら、射命丸の用件を聞くことにした。

「博麗の巫女に依頼を頼みたいの。」

射命丸の記者モードではない、話し方で霊夢に頼み込んできた。

「妖怪の貴女が、博麗の巫女に依頼…人里関係?それとも、幻想郷での危機的なもの?どっち?」

「ある妖怪が噂をしてたんだけど、人間の少女に妖怪が討伐されている噂。気にならない?」

「殺し…規模は?」

「10~20。もっといるかもしれないけど。どうする?」

「他にわかっていることは?全て言いなさい。」

「降参よ。人間の少女以外に、黒の妖怪が他の妖怪を殺してるのよ。」

射命丸からの資料を受け取って読み進める。

「この内容だと、人里を攻め込められるわね。でも、黒の妖怪も他の妖怪を殺してる?まさか、全ての妖怪を殲滅するつもりじゃあ…」

「そうなったら、幻想郷のバランスが崩れかねないわね。博麗の巫女…貴女の判断に任せるわ。」

「射命丸文。他の勢力のトップに通達しなさい。人里には、妖怪の襲撃に警戒するように情報を流して。博麗の巫女、博麗霊夢としての依頼よ。」

「巫女の依頼なら断るわけにはいきませんね。」

霊夢は射命丸に書状を渡した。

「確かに…受け取りました。」

射命丸は博麗神社を出て行った。
近い時期に第2話を投稿します
クロス
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