この作品は、東方Projectの二次創作です。
原作の上海アリス幻樂団様及びその関係者様とは関係ありません。
東方外界神
序章 「外界人と異変の前兆」
七月の中旬。夏の昼下がり。澄み切った青空に蝉や鳥達が歌う。心地よい風は熱さを少しの間だけだが和らげる。平和な午後。そうして時間は過ぎていく・・・はずだった。
ドサッ!!
「・・・何かしら今の音!?」
高いところから何かが落ちたような大きな物音がした。それを聞いた一人の少女が現場に駆け寄る。
彼女が駆け寄った先には一人の青年が倒れていた。彼女の名前は博麗霊夢(はくれいれいむ)。幻想郷と呼ばれるこの世界で博麗神社という神社の巫女をしている。
「ちょっと貴方!!大丈夫!?・・・意識が無いわね。中まで運びましょう。」
霊夢は彼を中に運んだ。
◇◇◇◇
「・・・ん、ここは一体・・・?」
青年が目を覚ました。隣には霊夢が座って彼を見ている。
「あら、気が付いたようね。貴方、さっき外で倒れていたわよ?」
少し心配そうな、しかしどこか警戒心を滲ませたような表情をしている。
「あ、そうでしたか・・・ありがとうございます。で、ここは一体?そして貴女は?」
ようやく体を起こし、周りを見るために首を左右に捻る。
黒いジーンズ、白いシャツの上にはフードとファスナーつきの黒いパーカー。全身が黒に覆われ、夜になれば存在すら認識できないほど闇に溶け込んでしまうだろう。
「あら?貴方、もしかして博麗神社と私を知らない!?」
「すいません。存じませんが・・・。」
霊夢は驚愕した。この幻想郷と言われる世界の中で彼女や博麗神社を知らない者はまずいないのである。
(おかしいわね。もしかして迷い込んだ人かしら?)
「ねぇ、この神社は何ていう場所にあるか分かる?」
深く探りを入れるために質問を続ける。
「・・・存じません。神社なんですか?」
「ほんとに知らないの?」
ここまで知らないというのもおかしな話だと思ったのだろう。少し怪訝な表情になった。
「・・・はい。気づいたらこの部屋にいました。」
怪訝な表情に怯んでしまってはいるが、答える。
「それ以前の記憶は?」
「・・・すいません。それが曖昧な状態なんです。」
この一言により、霊夢は大きなため息を一つついた。
「・・・名前とかは憶えてる?」
面倒くさそうに記憶の確認を始める。
「野神茉鵯禍(のかみまつひか)です。」
「野神茉鵯禍ね・・・。私は博麗霊夢。この博麗神社の巫女をしているわ。で、この世界は幻想郷って言うの。貴方は恐らく外の世界からここに来たと思われるわ。」
名前だけでも憶えていたのが幸いしていたのか、少し穏やかな顔になって簡単に説明をする。
「幻想郷・・・博麗神社・・・」
頭に叩き込むように二つの単語を呟く。
「そう。それより怪我とかはないかしら?ここでは妖怪とかがそこら辺にいるから弱い人間は簡単に襲われるわ。」
「よ、妖怪ですか!?おっかないですね。でも今のところは大丈夫ですが・・・」
涼しい顔で淡々と話す霊夢にも、その内容にも、彼は驚きを隠せない。
「でも記憶が曖昧、でしょ?」
「はい・・・。」
少し考えこんだ後、霊夢がまた口を開く。
「まぁ記憶喪失みたいな感じだろうし、あとで永遠亭っていうところ・・・外の世界で言う病院っていうのかしら?まぁそこに連れていくわ。」
「ありがとうございます、博麗さん。」
永遠亭とやらに連れて行ってくれるという事で、彼も礼儀正しく正座になって、頭を下げる。
「霊夢でいいわ。博麗さんって呼ばれるの慣れてないし。」
「あ、はい、霊夢さん。」
「・・・それよりお昼食べましょう。まだ食べてないからお腹空いたわ。」
雰囲気が少し穏やかになったところで、霊夢が提案してきた。
「はい。」
穏やかな天気の中、食事の支度を始める。
平和に流れているように感じるこの瞬間でさえも、幻想郷にはいくつかの異変が起きている。
「・・・んぉ、なんだこれ。お札か?良く分かんねぇから後で霊夢のとこ寄るか。」
◇◇◇◇
「ご馳走様でした。美味しかったです。」
しっかりと手を合わせて、空になった食器や霊夢に頭を下げる。
「お口に合って良かったわ。」
少しばかり嬉しそうな顔で答える。
「そういえばお祓いとかもできるんですよね?すごいです!!」
話していた内容の中で思ったことを率直に述べている。
「まぁそれが仕事だからね。私にかかれば悪霊なんてすぐに逃げ出していくわ。」
少しばかり気が大きくなった霊夢は、大幣を取り出し、それを掲げて自慢している。
「すごいですね!!それほど強いということですね!!」
「まぁここを守る素敵な巫女だからね。そろそろ永遠亭に・・・」
上機嫌のまま、永遠亭に行こうとしたその矢先。また別の一人の少女が現れる。
「おーい霊夢ぅー!!」
「ん?魔理沙じゃない。どうしたのよ。」
少し呆れたような顔でその少女を見る。
「よくぞ聞いてくれた!!さっき面白いもの見つけたんだよ!!・・・っていうか。」
魔理沙(まりさ)と呼ばれた少女が不思議そうに二人を見ている。黒い帽子に黄色の髪。箒を携えたその姿は、さながら魔法使いのようだ。そんな彼女は警戒している様子ではないが、ポカンとした表情である。するといきなり帽子を深く被り直して箒に跨るなりこう言った。
「・・・霊夢。邪魔して悪かった。その人と末永く幸せにな・・・!!」
「待ちなさい魔理沙。なーに勘違いしてんのよ。」
(なるほど。どうやら自分はこの人に霊夢さんの彼氏とでも勘違いされているようだ。)
心の中で冷静に分析してみる。
「えっと、彼女の事も何も存じ上げないんですが、そ、その・・・」
しかし、真っ当な言葉は出るはずもなく、余計にこじらせてしまった。
「うるさーい!!霊夢は私の嫁なのに!!私から霊夢を奪いおって!!」
顔を真っ赤にして猛抗議する彼女。
「嘘ぉ!!本当なんですか!?」
自分の嫁という発言に彼が戸惑う。
「何言ってんのよ魔理沙。勘違いよ。しかも私はあんたの嫁になった覚えはないわ。」
全力で驚いている彼に対し、霊夢は涼しい顔で淡々と否定する。
「霊夢も霊夢なんだぜ!!私がいるのに裏切って、私の何が不満なんだよ!!」
魔理沙は今にも泣きそうな顔をしている。よほど霊夢のことが好きなんだなぁと思ったのも束の間。彼女は懐から、角ばった何かを取り出して。
「うぅー!!二人揃って酷いぜ!!マスパでも食らえ!!」
こう言うと彼女が手にしていたものが変形した。彼が駆け出す。
(自分が霊夢さんを守らないと!!)
自分の身を顧みず、突っ込んでいった。
「恋符 [マスタースパーク] 」
彼女の手にしていた物体が発光し始めた。その時、彼は霊夢の前に立ち、両手を広げる。
「ちょ、ちょっと野神茉鵯禍!?」
「うぁぁぁぁぁっ!!」
彼の体が宙を舞った。そして背中に衝撃が走る。おそらく背骨は折れていない。しかし、彼の意識は再び、遠のいていく。
原作の上海アリス幻樂団様及びその関係者様とは関係ありません。
東方外界神
序章 「外界人と異変の前兆」
七月の中旬。夏の昼下がり。澄み切った青空に蝉や鳥達が歌う。心地よい風は熱さを少しの間だけだが和らげる。平和な午後。そうして時間は過ぎていく・・・はずだった。
ドサッ!!
「・・・何かしら今の音!?」
高いところから何かが落ちたような大きな物音がした。それを聞いた一人の少女が現場に駆け寄る。
彼女が駆け寄った先には一人の青年が倒れていた。彼女の名前は博麗霊夢(はくれいれいむ)。幻想郷と呼ばれるこの世界で博麗神社という神社の巫女をしている。
「ちょっと貴方!!大丈夫!?・・・意識が無いわね。中まで運びましょう。」
霊夢は彼を中に運んだ。
◇◇◇◇
「・・・ん、ここは一体・・・?」
青年が目を覚ました。隣には霊夢が座って彼を見ている。
「あら、気が付いたようね。貴方、さっき外で倒れていたわよ?」
少し心配そうな、しかしどこか警戒心を滲ませたような表情をしている。
「あ、そうでしたか・・・ありがとうございます。で、ここは一体?そして貴女は?」
ようやく体を起こし、周りを見るために首を左右に捻る。
黒いジーンズ、白いシャツの上にはフードとファスナーつきの黒いパーカー。全身が黒に覆われ、夜になれば存在すら認識できないほど闇に溶け込んでしまうだろう。
「あら?貴方、もしかして博麗神社と私を知らない!?」
「すいません。存じませんが・・・。」
霊夢は驚愕した。この幻想郷と言われる世界の中で彼女や博麗神社を知らない者はまずいないのである。
(おかしいわね。もしかして迷い込んだ人かしら?)
「ねぇ、この神社は何ていう場所にあるか分かる?」
深く探りを入れるために質問を続ける。
「・・・存じません。神社なんですか?」
「ほんとに知らないの?」
ここまで知らないというのもおかしな話だと思ったのだろう。少し怪訝な表情になった。
「・・・はい。気づいたらこの部屋にいました。」
怪訝な表情に怯んでしまってはいるが、答える。
「それ以前の記憶は?」
「・・・すいません。それが曖昧な状態なんです。」
この一言により、霊夢は大きなため息を一つついた。
「・・・名前とかは憶えてる?」
面倒くさそうに記憶の確認を始める。
「野神茉鵯禍(のかみまつひか)です。」
「野神茉鵯禍ね・・・。私は博麗霊夢。この博麗神社の巫女をしているわ。で、この世界は幻想郷って言うの。貴方は恐らく外の世界からここに来たと思われるわ。」
名前だけでも憶えていたのが幸いしていたのか、少し穏やかな顔になって簡単に説明をする。
「幻想郷・・・博麗神社・・・」
頭に叩き込むように二つの単語を呟く。
「そう。それより怪我とかはないかしら?ここでは妖怪とかがそこら辺にいるから弱い人間は簡単に襲われるわ。」
「よ、妖怪ですか!?おっかないですね。でも今のところは大丈夫ですが・・・」
涼しい顔で淡々と話す霊夢にも、その内容にも、彼は驚きを隠せない。
「でも記憶が曖昧、でしょ?」
「はい・・・。」
少し考えこんだ後、霊夢がまた口を開く。
「まぁ記憶喪失みたいな感じだろうし、あとで永遠亭っていうところ・・・外の世界で言う病院っていうのかしら?まぁそこに連れていくわ。」
「ありがとうございます、博麗さん。」
永遠亭とやらに連れて行ってくれるという事で、彼も礼儀正しく正座になって、頭を下げる。
「霊夢でいいわ。博麗さんって呼ばれるの慣れてないし。」
「あ、はい、霊夢さん。」
「・・・それよりお昼食べましょう。まだ食べてないからお腹空いたわ。」
雰囲気が少し穏やかになったところで、霊夢が提案してきた。
「はい。」
穏やかな天気の中、食事の支度を始める。
平和に流れているように感じるこの瞬間でさえも、幻想郷にはいくつかの異変が起きている。
「・・・んぉ、なんだこれ。お札か?良く分かんねぇから後で霊夢のとこ寄るか。」
◇◇◇◇
「ご馳走様でした。美味しかったです。」
しっかりと手を合わせて、空になった食器や霊夢に頭を下げる。
「お口に合って良かったわ。」
少しばかり嬉しそうな顔で答える。
「そういえばお祓いとかもできるんですよね?すごいです!!」
話していた内容の中で思ったことを率直に述べている。
「まぁそれが仕事だからね。私にかかれば悪霊なんてすぐに逃げ出していくわ。」
少しばかり気が大きくなった霊夢は、大幣を取り出し、それを掲げて自慢している。
「すごいですね!!それほど強いということですね!!」
「まぁここを守る素敵な巫女だからね。そろそろ永遠亭に・・・」
上機嫌のまま、永遠亭に行こうとしたその矢先。また別の一人の少女が現れる。
「おーい霊夢ぅー!!」
「ん?魔理沙じゃない。どうしたのよ。」
少し呆れたような顔でその少女を見る。
「よくぞ聞いてくれた!!さっき面白いもの見つけたんだよ!!・・・っていうか。」
魔理沙(まりさ)と呼ばれた少女が不思議そうに二人を見ている。黒い帽子に黄色の髪。箒を携えたその姿は、さながら魔法使いのようだ。そんな彼女は警戒している様子ではないが、ポカンとした表情である。するといきなり帽子を深く被り直して箒に跨るなりこう言った。
「・・・霊夢。邪魔して悪かった。その人と末永く幸せにな・・・!!」
「待ちなさい魔理沙。なーに勘違いしてんのよ。」
(なるほど。どうやら自分はこの人に霊夢さんの彼氏とでも勘違いされているようだ。)
心の中で冷静に分析してみる。
「えっと、彼女の事も何も存じ上げないんですが、そ、その・・・」
しかし、真っ当な言葉は出るはずもなく、余計にこじらせてしまった。
「うるさーい!!霊夢は私の嫁なのに!!私から霊夢を奪いおって!!」
顔を真っ赤にして猛抗議する彼女。
「嘘ぉ!!本当なんですか!?」
自分の嫁という発言に彼が戸惑う。
「何言ってんのよ魔理沙。勘違いよ。しかも私はあんたの嫁になった覚えはないわ。」
全力で驚いている彼に対し、霊夢は涼しい顔で淡々と否定する。
「霊夢も霊夢なんだぜ!!私がいるのに裏切って、私の何が不満なんだよ!!」
魔理沙は今にも泣きそうな顔をしている。よほど霊夢のことが好きなんだなぁと思ったのも束の間。彼女は懐から、角ばった何かを取り出して。
「うぅー!!二人揃って酷いぜ!!マスパでも食らえ!!」
こう言うと彼女が手にしていたものが変形した。彼が駆け出す。
(自分が霊夢さんを守らないと!!)
自分の身を顧みず、突っ込んでいった。
「恋符 [マスタースパーク] 」
彼女の手にしていた物体が発光し始めた。その時、彼は霊夢の前に立ち、両手を広げる。
「ちょ、ちょっと野神茉鵯禍!?」
「うぁぁぁぁぁっ!!」
彼の体が宙を舞った。そして背中に衝撃が走る。おそらく背骨は折れていない。しかし、彼の意識は再び、遠のいていく。
まず、投稿する前にルールを読むところから直していけばいつか良い作品が書けるんじゃないかな?