「ねぇお姉様…」
「あらどうしたの?こんな時間に。」
「あのね…その…こ…怖い夢見たから一緒に寝てほしいなって…」
「あらあら…もちろんいいわよ。こっちへいらっしゃい。」
「…うん」
「…それで、どんな夢を見たの?あぁ話したくないなら別にいいわよ。」
「あの…えっとね…お…お姉様がね私をおいて逝ってしまうの…」
「あらあら…それはとても怖い夢ね。」
「…うんすっごく怖かった…怖かったよぉ…グスッ…」
「よしよし。いいこだから泣かないで。私はあなたをおいていなくなったりしない。絶対に。約束するわ。」
「…ほんと?」
「えぇ。ほんとのほんと。」
「絶対に?絶対絶対私を置いていかない!?」
「もちろん絶対に。あの貴女のように美しい満月に誓うわ。」
「…よかった。ねぇお姉様私たちは死ぬときも一緒だよ。」
「もちろんわかっているわ」
「…安心したら眠くなってきちゃった…お姉様…そのまま
抱いててくれる?」
「えぇ可愛いフランの頼みなら。」
「ありがとうお姉様。…ずっとずっと命がつきるその時まで私の隣にいてください…」
「当たり前よ。私はいつでも貴女と一緒。生きている間も、死ぬときも。だから安心してちょうだい。…貴女が二度と悲しんだり怖がったりしないように運命を操っておくわ。もうそんな怖くて悲しい夢は見なくていいのよ。」
「う…んあり…がと…うおね…様…」
「可愛い可愛い私のフラン。おやすみなさい。」
涼しい風がふきこむ部屋の中ベッドの上ですやすやと幸せそうにねむる可愛らしい妹とそんな妹をいとおしそうに抱き締める美しい姉を満月が優しく照らしていた。