Coolier - 新生・東方創想話

このままで。

2020/09/26 00:05:55
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        「このままで」

仕事がまだなんだが。まぁいいか今は
      このままで。

私には妹がいる。現在、私に頬擦りをしているのがその愛する妹、
フランだ。
仕事の途中ほんの少し休んでいるところ急に
私のところに飛び込んできた。


「聞いてお姉様!私ね、この前こいしちゃんと
  買い物に行ったの!」

「へぇ、こいしちゃんと?どうだった?」

物を壊してはいないだろうか。
運命操作をすれば回避も可能だろうがあんなもの使いたくは無い。
家族のためなら躊躇うわけにはいかないが。

「なんかね、お店の人達がね。
『嬢ちゃん達可愛いから一つおまけしちゃうよ』
って言ってくれたの!」

良かった。何もなかったようだ。
それにしても分かってるじゃないか店主。私の妹は世界一可愛いんだよ。

「それで何をおまけしてもらったの?」

「えっとね、タバコだよ」

「タバコ!?」

「あ、ごめん違って、えっと、その
タバコみたいなやつ?かな。今持ってるこれなんだけど」

焦った。
フランがタバコを吸ったのかと思った。

「ココアシガレットね」

「そうそう、多分それ!」

なんでそれなんだ。どういうチョイスなんだよ
店主。

「こいしちゃんがね、『カッコよく吸うからみてて』って言うのに可愛くにしかならないの!
思わず笑っちゃった」

想像つくなぁその光景。
きっとフランもそうだったに違いない。

「あら、フランはカッコよく出来たのかしら?」

ちょっといじわるしたくなった。
可愛すぎるのがいけないな

「え、う、うん勿論。カッコいいって言われたよ」

目がブレる。羽が吊り上がる。
昔から変わらないフランが嘘ついてる時に出る癖だ。

「へぇ、やるじゃない。流石ねフラン。
フランはカッコいいものね?」

可愛い嘘だ。見逃してあげよう。

「むぅ、お姉様信じてないでしょ」

あれ?バレちゃった。

「よく分かったわね」

「お姉様ってすっごく分かりやすいから。
目がフラフラになるし羽がグイってなるもん」

「え!?」

「やっぱり気づいてなかったんだね昔から
ずーっとだよ」

「‥フランもよ?」

「え!?」

「フランも昔からずーっとよ?」

フランが困惑している。私も流石に驚いた。
そうか私もか。なんだよそれ。


‥すっごく面白いな

フランと目があった。と、同時に顔を見合わせて噴き出してしまった。


「ふふふふっ。あははっ。お姉様もおんなじ
あはははっ」

「ふふっ。フランもか。
ふふっ。2人揃って同じ癖かあはははっ」

2人で涙が出るほど笑った。
お腹つりそうだよもう。

「ふふっ。なんだか気分がいいわ。フラン。
お礼にカッコいいココアシガレットってのを見せてあげるわ」

笑わせてもらったお礼だ。

「え、どうやるの?やってやって」

期待に満ちた目で見る。ほんと一から十まで可愛いなこの子。
フランから渡されたココアシガレットを口に咥える。

片目をつぶり、足を組む。澄ました顔で
首を少しだけ捻らせた後に咥えたコレを左手で覆い隠すようにして、右手で火を一瞬点火させる。ココアシガレットの先が黒く焦げたら右手の人差し指と中指で持ち、口から紅霧を出す要領で白い煙を吐く。

思ったよりカッコよくはならないかも。どうだろ。そう思いフランの方を見ると

「わぁ、カッコいい!」

目がキラキラしてる。良かった。成功だ。

「お姉様もっかいやって!」

「え、また?いいけど‥」

もう一度やってあげると今度はフランが自分で挑戦し出した。

「えっと、片目にして。足を組んで。なんかカッコつけた感じの雰囲気出して。えっとそれから‥」

カッコつけた雰囲気だしたのバレてた。
まぁ、いいか。フランが満足すればそれで良い。

「どう!?お姉様!!」

やっぱり可愛いだけね

「やっぱり可愛いだけね」

しまった声に出た。

「もう!!!」

「ああ、ごめんね?フラン。悪気はないのよ?」

フランが機嫌を損ねてしまう。
どうしようかと悩んでいると咲夜がきた。

「お嬢様、フラン様。おやつのプリンができました」

でかした咲夜。流石私の従者だ。

「食べる!」

フランがプリンの元へ駆け込む。
そんなに慌てなくてもプリンは逃げないよ。

「お姉様、プリンいらないのー?」

「食べるよ!」

急いで駆け込んだ。

「ふふっ、プリンは逃げませんよ」

分かってるよそんなこと
 
食堂にプリンを食べに行ったついでに
料理担当の妖精メイド達と会話をした。
みんなよく懐いてくれる。私が名付けた私の愛する家族。
ひとりの名前をつけるのに何日も悩んでしまうから、結局いくつかの候補を本人に選ばせるのが
いつもの流れ。
咲夜の時はバッチリ私が決めたのになぁ。

「でね、咲夜。お姉様ったらすごいの。」

何か向こうで私の話をしているようだ。

「まぁ、何をなさったんです?」

「ココアシガレットをタバコみたいにできるの!」

「タバコ‥」

咲夜の様子が変わった。まずい気がする。

「何回か吸ったことあるのかも。じゃないとあんなのできないよ。」

あれは妹紅の真似なんだけど‥

「お嬢様?こちらへいらしてください」

やっばい。目がだめだ。叱る時の目してる。

「う、うん」

「お嬢様、タバコ吸ってませんよね?」

「吸ってないよ、吸ったら君たちにも迷惑がかかっちゃうだろ」

「そうですか‥であれば良いのです」

よかったセーフだ。

「しかし、お嬢様。フラン様を誘惑なさらないでください。フラン様は純真なのです。
タバコに憧れを持って吸ってしまっては大変です」

確かに。憧れはありそうだな。

「あ、うん。ごめんね。咲夜」

「お姉様怒られてる〜」

「フラン様もです!タバコなど百害あって一利なし!
お二人の健康が害されてしまいます。そもそもですね‥」

話長くなるパターン入った。あ、パチェだ。
パチェ助けて。

「レミィ、お風呂の時間じゃない?」

「そ、そうだね、パチェ。よし、フラン入るわよ!」

「う、うん入ろ!」

アイコンタクトだけで通じた。やっぱあいつは私の親友だ。

「あ、まだ終わってませんよ!
もう、お二人のことを考えて言っているのに‥」

「レミィもフランも吸血鬼よ?タバコなんて毒にもならないわ。それに2人は自分より他人を気にかける性格だし、吸うことだってまず無いはずよ」
 
「た、確かに‥」

フォローも完璧だよ我が親友。
その会話まで聞いて風呂場へと駆け込んだ。

「まったく、危ない目にあったわ」

「ごめんなさいお姉様」

しょぼくれてる。可愛いけどこれは違うな。
家族はみんな笑顔で、だ。気を紛らせないと。

「いいよ、フラン。髪洗ってあげるからこっちおいで」

「うん!」

すぐ笑顔になった。こうでなくては。

「今日ね、お姉様。いっぱいいろんなことあったの」

「へぇ、どんなの?」

「まずね、メイリンに武術を教えてもらったよ。
メイリンたらすごいの。戦ってるのに踊ってるみたい」

美鈴はまるで舞ってるようにして戦う。
何度あの子の戦い方に見惚れたことか
膨大な数ある美鈴の好きなところの一つだ。

「綺麗よねあれ。すごく好きなんだ私も」

「うん、それでメイリンの後パチュリーのところに行ったの。なんでも知ってるねパチュリーって。こあと2人でずっと聞いてたよ。」

容易に想像がつく。得意げに話してるパチェの顔。あれもパチェのいくつもある好きなところの一つだ。
話が長すぎるけどあれがみれるなら安いものだ。

「今度聞くときがあったらパチェの顔をみてごらん。それはそれは良いものがみれるわよ」

「あ、たしかに。なんか楽しそうだよね。
でもちょっと話が長すぎるよぉ」

そこがいいのに。フランもまだまだ。

「まぁ、確かに長いものね。
でも、楽しかったでしょ?」

「うん、とっても みんな優しいんだもん。
すっごく楽しいよぉ。」

あくびをしだした。眠いのだろうか。

「あ、さっきのもすっごく楽しかったよ〜」

「ふふ。私もあなたと過ごすってだけで
楽しくてたまらないわ」

「ほんと?嬉しいなぁ」

目がトロンとしだした。
急に眠たそうになるなこの子は。

「ほらフラン、寝ちゃう前にお風呂あがりましょ?」

「う、う〜ん」

かわいい。

幸せな時間だ。こうして家族と過ごす日々が
なによりの幸せだと改めて実感する。

フランを連れてベッドに寝かせた。
あとはもう部屋から出るだけだったのだが

「‥お姉様。今日ね。お姉様と一緒に居られてとても嬉しかった。」

どうやら意識が少し戻ったようだ。

「嬉しかった?」

「うん、嬉しかった。
だってお姉様人気者だから。いっつも誰かに取られてるの。
それなのに仕事もあるから私とは最近あんまり
一緒に居られなくて、だからちょっとだけ寂しかった。」

確かに。
フランと一緒に過ごすなんていつぶりだろうか。
すぐに思い出せないほど前か。
しまった。なんたる失態だ。
家族に寂しい思いをさせていたのか私は。

「ごめんね、フラン。寂しい思いをさせてしまったわ。今度からもっとあなたの側にいるから」

「ううん、いいの。しょうがないよ。
私は大丈夫だよお姉様。」

目がブレる。羽が吊り上がる。
この仕草はー

「フラン」

そう言ってフランを抱きしめる

「わっ」

私の感情が
   このまま伝わってくれたらいったいどれほど嬉しいことか。

心から貴方達に愛しているを伝えたい。

「フラン、今日からあなた達家族と過ごすためだけの日を作るわ。
あなた達に寂しい思いなんか絶対させない。」

軽くおでこを合わせて本気で語る。

「うん、お姉様‥。 …大好きだよ。」

「私もよ。ずーっと大好きだわ」

少し泣きそうなフランの頭を優しくなでると
安心したのか目がとろけてきた。
なんか私も眠くなってきたな。

   このまま寝てしまおうか。

「おやすみ、フラン」

返事は帰ってこない。しかし繋いだ手だけは
しっかりと。

特筆すべきことも何一つとして無い。
なんでもない日。でも決してどうでもいいというわけではなくて。
なんでもない、けれど愛おしき日々。
どうかどうかいつまでも、いつまでも
    
   
        《このままで。》
話の評価をしていただけると幸いです。
アカフ
nyanigogyo@neko2.net
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コメント



0.40簡易評価
1.90奇声を発する程度の能力削除
穏やかな雰囲気で良かったです
2.100サク_ウマ削除
癒されました。良かったです。
3.100終身削除
仕事中に時間を割いて他愛ない話にも耳を傾けてあげているようなレミリアの優しさとそのかいあってとても幸せそうに話をしているフランが眩しかったです いつもの日常にある喜びが素敵だったと思います
4.100スカーレット削除
レミリアがお姉さんしてて良かったです。
うちのフランもこんなお利口だったらなぁw...
5.80大豆まめ削除
フランちゃんはかわいい(真理)
優しくてほっこりするいいお話でした。
ココアシガレット、そう言えば食べたことないかも
6.100ヘンプ削除
可愛いですね……良かったです。
7.100Actadust削除
和やかでいいですね。素敵でした。
8.90名前が無い程度の能力削除
ほのぼのいいね
9.100めそふらん削除
平和だ…和みますねぇ。
11.100南条削除
面白かったです
なんと平和でかわいらしい紅魔館でしょう
微笑ましくてよかったです
12.100熱燗ロック削除
かわいい!
13.90クソザコナメクジ削除
可愛かったです
14.80夏後冬前削除
可愛らしくて平和でよかったと思います。
15.80名前が無い程度の能力削除
かわいらしいレミフラって良いと思うのです