Coolier - 新生・東方創想話

霊夢が魔理沙に化粧する

2020/09/05 22:02:52
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「勝負をしましょうか、魔理沙」
 ふと思い出したかのように、霊夢はぽんっと手を叩いた。
「あん、どんな?」
「そうね。化(ば)かす勝負かな」
「そんなのは、」と魔理沙はふわぁとあくびをする。「狐と狸にでもやらせとけよ」
「まぁまぁ、どうせ暇なんでしょ」
「どんな勝負だよ?」
「やるの?」
「まぁ、暇だしなぁ。内容による」
「乗ったわね」
「もったいぶらずに言えよ」
「お化粧勝負」
 霊夢は笑った。

 ◇

 ——私の鼻って、何だかぺちゃってるよな。

 鏡にうつる自分と向き合うのは、なかなかにキツいものがある。
「なぁ、霊夢」
「なに」
 背後では霊夢が化粧箱を覗き込んで、筆やら白い粉やら小皿やらを床に散らかしていた。
「お前、化粧なんてするのか?」
「えっ、しないわよ」
「じゃあ、その箱はなんだ?」
「紫に押しつけられたのよ」と霊夢は目の前に道具を並べていく。「これでちゃんと修行しなさいって」
「修行?」
 化粧なんてチャラついたのと修行というのがどうも繋がらない。
「降魔、降霊、憑依術。ほら、魔理沙も前の異変で動物霊を憑依したでしょ。月に行った時も神さまをお迎えしたじゃない。その修行よ」
「はぁ? 化粧が?」
「もともと化粧ってのは呪術儀式のひとつでね。戦化粧って聞いたことがあるでしょ。体中をしましまに塗って、虎みたいにね、獰猛な動物になりきって戦うの。あれも立派な憑依術の一つ」
「へ〜」
「って、紫がどや顔で言っていたわよ」
 なんだそれ。
「ちょうど昨日ね。こうやって私も鏡の前に座らされて、紫に化粧をされたの。その後に、自分でも練習しなさい、って」
「それで私が練習台か? それじゃあ意味ないだろ」
「これは遊びよ。勝負で冗談なの。興味はあるでしょ、化粧に」
「ねぇよ」
 あったとしても、ちょっとだけだ。
「……で、私に何を憑依させるつもりだ」
「ん。可愛い女の子よ」
 霊夢は水を張った小皿に白粉を入れ、指でとき混ぜている。
「はぁ?」
 ミルク色に濡れたその指を私の額にちょんとつけ、そこから顔に馴染ませるように薄くのばしていった。
「おいおい、いったい誰を私に憑依させるつもりだ」
「だから、可愛い女の子よ」
「だから、誰だよ」
「あんたを可愛くすれば、私の勝ち。そういう勝負なの」
 鏡ごしの霊夢の表情は真剣で、すごく綺麗だった。化粧されている自分の顔なんかより、霊夢ばかりに目が引き寄せられてしまう。
 霊夢は塗った白粉水を紙で吸い取り、そのふきこぼしを毛先のやわらかい筆で払っていく。最後に紅(べに)をつけた筆を頬と目元に薄くぬると、ふぅ、と額をぬぐった。
「よし」
 霊夢は私の肩をばんと叩く。
「私の圧勝ね!」
百合は湿度管理が重要です。
百合科レイマリ属の育成には湿度は40%くらいが最適かと。
熱燗ロック
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コメント



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1.90奇声を発する程度の能力削除
良かったです
2.100終身削除
やり取りを見てるとこの2人にも普通の女の子らしい幸せやそういうのへの興味のある感じがして暖かかったです 紫ももしかするとそういうお節介な気持ちで化粧道具を持ってきたのかもしれないと思うと微笑ましいですね
3.100サク_ウマ削除
可愛い。良きですね。
5.100名前が無い程度の能力削除
可愛い!!
6.100モブ削除
とても可愛らしいお話でした。面白かったです
8.100南条削除
面白かったです
かわいいは作れる!
9.100めそふらん削除
とにかく可愛いなって思いました。
読みやすくかつオチの霊夢が可愛らしくて面白かったです。
10.90Actadust削除
化粧に色めく二人が可愛いですね。素敵でした。