こあっ♪ こあっ♪
少し埃っぽい空間の中、四方八方が書物の詰め込まれた本棚に囲まれて今日も幸せて夢気分。メイド服を着た妖精も居るので尚更、夢っぽい。私の御主人様であるパチュリー様もビブリオフィリアではあるが、どちらかといえば読書家としての傾向が強く、本を愛する同志に対しては書物を貸し出すことも少なくない。対する私はビブリオマニア、珍しい書物を見つければ、兎に角、手に入れなければ気が済まない。無論、それは私の給金の範囲で行うし、香霖堂には気が向けば、鈴奈庵には人里に訪れる度に足を運んでいる。
両手にお気に入りの書物を抱えているだけで、ほっとひと息、心がすぅっと落ち着いた。少し古びた紙の香りが好きで、ギュッと抱き締めながらスンスンと鼻を鳴らすのが好きだった。変態だって自覚はある、でもまあ、私は本に関する悪魔である為で、ついでに云えば、大図書館は私と密接に繋がっている。簡単に説明しちゃうと、此処はヴワル魔法図書館という名前でありまして、ヴワルというのはソロモン72柱の1柱、過去、現代、未来の知識と数多くの秘術を用いたと云われる悪魔のことだ。その名を冠することで、この魔法図書館には古今東西の書物が集まるような仕組みが施されており、その仕組みの一端を私が担っている。ヴワルの権能、その一部を持つ悪魔、故にヴワルの小悪魔。つまり私は小悪魔である。
そんな私にとって知識は甘い汁、そして書籍とは知識の結晶だ。こうやって書物を抱きしめているだけでも胸がキュンキュンって鳴っちゃう。ポンポンと頭からハートが飛び出して、息が荒くなって、お腹の奥の方が潤と濡れる。おっと涎が、いけない。濡らして良いのは股下だけで、書物を水気に晒すのは御法度なのだ。
口の端から垂らした涎を、じゅるりと吸い上げて、この大図書館で私が最も愛する存在の下へと歩み寄る。
こあっ♪ こあっ♪ と陽気を隠せず、頭と背中の翼をパタパタと上機嫌に動かした。
私は魔法使いという存在が好きだ。
本棚一つ分にも満たない肉体に、書籍の数千冊、いや数万冊以上にも及ぶ知識が詰め込まれた存在を私はこよなく愛している。度重なる魔法の実験により、水銀などの有害物質に蝕まれた肉体は数百年の刻を生きる存在としては、あまりにもか弱いが、そこがまたビブリオマニアとしての血が騒いだ。書籍は管理を怠ると簡単に劣化して駄目になる、それと同じように我が主人の肉体も脆くて簡単に体を壊してしまいそうだった。
だから私は徹底的に彼女を管理している。
朝に目覚めた時、洗面の手伝いをした後に髪の手入れをする。ついでに寝巻きを脱ぎ脱ぎして、ゆったりとした楽な衣服に着替えさせる。朝食は摂らせるし、昼食も、晩飯もしっかりと摂る。パチュリー様は面倒だっていうけども、愛するものを徹底的に管理するのが私の役目である。お風呂もしっかりと入れているし、肌は磨いている。ずっと椅子に座っているものだから夜中、寝る前にはしっかりとマッサージも忘れない。私が召喚されるまで、パチュリー様はずっと不眠で本の虫だったけど、精神状態は頗る悪かった。常に頭痛とイライラが止まらない御主人様を睡眠魔法――は契約違反になるので、無理やりベッドに転がして子守唄を歌って寝かしたのは今でも良い思い出だ。それから暫く、子守唄を歌ってはひっそりと添い寝する。スンスンと鼻を鳴らす。臭いを嗅ぐのは好きだった、そして魔法使いからは知識の香りがする。パチュリー様からは私の好きな本の香りが特別強かった。
ギュッと抱きしめると嫌がられる、指を絡めるように手を結ぶのも嫌がられる。睡眠不足が解消されてからは添い寝もしてくれなくなった。あまり肌を触れ合わせることに精力的ではない御主人様の為、普段はそっと遠巻きから眺めている。なんでも読書の邪魔になるのが嫌だとか、読書中、そんな御主人様とお近付きになれるのは紅茶を淹れる時くらいなものだ。
大図書館、備え付けの給仕室。紅茶を淹れる時、数多ある書物から培った知識で淹れる紅茶は最善に美味しい。でも完全に瀟洒なメイドを自称する咲夜さんが淹れる紅茶は最高に美味しかった。経験でいえば、私の方が上であるのに彼女の紅茶の美味しさは私とは比べものにならない。一時期、咲夜さんの紅茶だけを飲み続けた時期があり、一日の大半を読書に費やすパチュリー様とお近付きになる機会がめっきりと減ってしまったことがあった。
それがまあ幻想郷に来てから暫くの話。紅霧異変を終えた後、大図書館へ頻繁に訪れるようになった黒白の魔法使いと七色の魔法使いに浮気した。浮気したっていう言い方は悪いかも知れないが、黒白の魔法使いは人間にしては良質な知識量を持っているし、七色の魔法使いはパチュリー様と負けず劣らずの知識量を内包していた。さりげなく肌を触れ合わせたり、キャラを作ってギュッと抱き締めたりする。魔法使い分、美味しいです。私の大事な大事な書物を盗っていく、黒白はさておき、七色の魔法使いに関しては紅茶の一杯や二杯もおもてなしとして出すのも吝かではない。アリスさんは大好きだ。騙されやすいし、流されやすい。私がボディタッチを繰り返している内に、ちょっと肌を触れ合わせるくらいなら気にも止められなくなった。それに書物を大切に扱ってくれるし、丁寧に返してくれるのも最高だった。「お探しの本は何ですか?」「そうね、今日はこういったものを探しているのよ」そんなやり取りをにっこりと笑って繰り返している毎日、ちょっとした感謝の言葉と共にギュッと相手の手を両手で包み込むのも最早、手慣れたものだ。
そんなある日のことだ、パチュリー様に呼び出された。
今日は何の書物を御所望だろうか。そんなことを考えつつ、今日はアリスさんが本を返しに来る日でもあって、私はウキウキでパチュリー様の下へと赴いた。
「紅茶を入れて頂戴」
「えっ?」
「二度は言わないわよ」
たった、それだけのこと。
私は首を傾げながら、はあ。と気のない返事を返した。
地下室にいるフランドール様は意外と書物が好きだ。館内を歩き回るようになってからはよく大図書館にも訪れるようになり、何かしらの書物を引き抜いては部屋へと戻っていった。そんな彼女に「おすすめの本ってある?」と聞かれたので「ええ、ありますよ。どんなものがお好きですか?」と返した。それで紹介した書物がお気に召してくれたのか。大図書館に訪れる度におすすめの本を訊かれるようになった。彼女は物語をよく好んだ。時には魔術書や哲学書を求めることもあったが、星の王子さまといった古くからある名作を彼女は好んで読んだ。書物を読み込む度に彼女の中で知識が蓄えられていくのが分かる。だから、おすすめの書物を訊かれる度に私は、彼女が自分好みの味に育つように書物を選んで手渡した。それはまるでワインを熟成させるように、それはまるでコンソメを煮込むように、丁寧に、丹念に知識を蓄えさせていった。今から数百年後が楽しみで仕方ない。
こあっ♪ こあっ♪ と妹様育成計画の順調な滑り出しで上機嫌になっているとパチュリー様に呼び出された。
「……何かおすすめの本とかないかしら?」
「え? 私がおすすめできる本でパチュリー様が読んでいない本はないと思いますが?」
「なら、貴女が好きな本を持ってきて頂戴。ええ、そうね。気晴らしに読める物語とかないかしら?」
私は不思議に思いながらも銀河鉄道の夜を手渡しておいた。
フランドール様を籠絡した現在、私は事ある度にアリスさんに紅魔館への移住を推奨している。最初に言ったように私はビブリオマニア、気に入ったものは手に入れないと気が済まない。今はまだ、でも、いずれいつの日か。咲夜さんには魔法使いの管理は私の管轄です。とでも言って、朝から晩まで付きっきりで管理するのだ。フランドール様も食事の準備は咲夜さんだけど、髪の手入れなんかは私がやらせて貰っている。昔は美鈴がしていたとか言っていた。咲夜さんが紅魔館に来て、彼女が門番になってからは私の仕事だ。時折、フランドール様がとても寂しそうにするものだから、その心の隙を突いて添い寝することもある。その時には、美味しくなーれ、美味しくなーれ。と頭を撫でながら子守唄を歌ってあげた。
黒白の魔法使いは野生においておいた方が美味しく育ちそう、とか思っているとパチュリー様に呼び出された。
「小悪魔、今日は……その、添い寝しなさい」
「はい? えっと、前に嫌って言いましたよね?」
「に、二度は言わないわよ」
目の前には顔を赤くしたパチュリー様、書物で顔を隠しているがバレバレだった。
はて、と首を傾げる。これはどういう心変わりか? 思考して、思案して、ポンと両手を叩いた。にんまりと笑みを浮かべて「もちろん、御一緒させて貰います」と告げた。よく手入れのされた寝室にて、寝やすいように手早く衣服を脱いだ私はパチュリー様が座るすぐ隣に腰を下ろす。吐息の音が聞こえる、呼吸の度に胸が僅かに膨らんだ。手を触れ合わせて、指を絡める。そして、まだ頬を赤らめる彼女の目元に片手を添えて、ゆっくりと押し倒した。パチンと指を鳴らす、部屋の照明が消える。
「大人の子守唄って知っていますか?」
美味しく育った熟れた果実、艶やかな唇に自らの唇を落とす。
翌朝、思いっきり距離を取られた。
少し埃っぽい空間の中、四方八方が書物の詰め込まれた本棚に囲まれて今日も幸せて夢気分。メイド服を着た妖精も居るので尚更、夢っぽい。私の御主人様であるパチュリー様もビブリオフィリアではあるが、どちらかといえば読書家としての傾向が強く、本を愛する同志に対しては書物を貸し出すことも少なくない。対する私はビブリオマニア、珍しい書物を見つければ、兎に角、手に入れなければ気が済まない。無論、それは私の給金の範囲で行うし、香霖堂には気が向けば、鈴奈庵には人里に訪れる度に足を運んでいる。
両手にお気に入りの書物を抱えているだけで、ほっとひと息、心がすぅっと落ち着いた。少し古びた紙の香りが好きで、ギュッと抱き締めながらスンスンと鼻を鳴らすのが好きだった。変態だって自覚はある、でもまあ、私は本に関する悪魔である為で、ついでに云えば、大図書館は私と密接に繋がっている。簡単に説明しちゃうと、此処はヴワル魔法図書館という名前でありまして、ヴワルというのはソロモン72柱の1柱、過去、現代、未来の知識と数多くの秘術を用いたと云われる悪魔のことだ。その名を冠することで、この魔法図書館には古今東西の書物が集まるような仕組みが施されており、その仕組みの一端を私が担っている。ヴワルの権能、その一部を持つ悪魔、故にヴワルの小悪魔。つまり私は小悪魔である。
そんな私にとって知識は甘い汁、そして書籍とは知識の結晶だ。こうやって書物を抱きしめているだけでも胸がキュンキュンって鳴っちゃう。ポンポンと頭からハートが飛び出して、息が荒くなって、お腹の奥の方が潤と濡れる。おっと涎が、いけない。濡らして良いのは股下だけで、書物を水気に晒すのは御法度なのだ。
口の端から垂らした涎を、じゅるりと吸い上げて、この大図書館で私が最も愛する存在の下へと歩み寄る。
こあっ♪ こあっ♪ と陽気を隠せず、頭と背中の翼をパタパタと上機嫌に動かした。
私は魔法使いという存在が好きだ。
本棚一つ分にも満たない肉体に、書籍の数千冊、いや数万冊以上にも及ぶ知識が詰め込まれた存在を私はこよなく愛している。度重なる魔法の実験により、水銀などの有害物質に蝕まれた肉体は数百年の刻を生きる存在としては、あまりにもか弱いが、そこがまたビブリオマニアとしての血が騒いだ。書籍は管理を怠ると簡単に劣化して駄目になる、それと同じように我が主人の肉体も脆くて簡単に体を壊してしまいそうだった。
だから私は徹底的に彼女を管理している。
朝に目覚めた時、洗面の手伝いをした後に髪の手入れをする。ついでに寝巻きを脱ぎ脱ぎして、ゆったりとした楽な衣服に着替えさせる。朝食は摂らせるし、昼食も、晩飯もしっかりと摂る。パチュリー様は面倒だっていうけども、愛するものを徹底的に管理するのが私の役目である。お風呂もしっかりと入れているし、肌は磨いている。ずっと椅子に座っているものだから夜中、寝る前にはしっかりとマッサージも忘れない。私が召喚されるまで、パチュリー様はずっと不眠で本の虫だったけど、精神状態は頗る悪かった。常に頭痛とイライラが止まらない御主人様を睡眠魔法――は契約違反になるので、無理やりベッドに転がして子守唄を歌って寝かしたのは今でも良い思い出だ。それから暫く、子守唄を歌ってはひっそりと添い寝する。スンスンと鼻を鳴らす。臭いを嗅ぐのは好きだった、そして魔法使いからは知識の香りがする。パチュリー様からは私の好きな本の香りが特別強かった。
ギュッと抱きしめると嫌がられる、指を絡めるように手を結ぶのも嫌がられる。睡眠不足が解消されてからは添い寝もしてくれなくなった。あまり肌を触れ合わせることに精力的ではない御主人様の為、普段はそっと遠巻きから眺めている。なんでも読書の邪魔になるのが嫌だとか、読書中、そんな御主人様とお近付きになれるのは紅茶を淹れる時くらいなものだ。
大図書館、備え付けの給仕室。紅茶を淹れる時、数多ある書物から培った知識で淹れる紅茶は最善に美味しい。でも完全に瀟洒なメイドを自称する咲夜さんが淹れる紅茶は最高に美味しかった。経験でいえば、私の方が上であるのに彼女の紅茶の美味しさは私とは比べものにならない。一時期、咲夜さんの紅茶だけを飲み続けた時期があり、一日の大半を読書に費やすパチュリー様とお近付きになる機会がめっきりと減ってしまったことがあった。
それがまあ幻想郷に来てから暫くの話。紅霧異変を終えた後、大図書館へ頻繁に訪れるようになった黒白の魔法使いと七色の魔法使いに浮気した。浮気したっていう言い方は悪いかも知れないが、黒白の魔法使いは人間にしては良質な知識量を持っているし、七色の魔法使いはパチュリー様と負けず劣らずの知識量を内包していた。さりげなく肌を触れ合わせたり、キャラを作ってギュッと抱き締めたりする。魔法使い分、美味しいです。私の大事な大事な書物を盗っていく、黒白はさておき、七色の魔法使いに関しては紅茶の一杯や二杯もおもてなしとして出すのも吝かではない。アリスさんは大好きだ。騙されやすいし、流されやすい。私がボディタッチを繰り返している内に、ちょっと肌を触れ合わせるくらいなら気にも止められなくなった。それに書物を大切に扱ってくれるし、丁寧に返してくれるのも最高だった。「お探しの本は何ですか?」「そうね、今日はこういったものを探しているのよ」そんなやり取りをにっこりと笑って繰り返している毎日、ちょっとした感謝の言葉と共にギュッと相手の手を両手で包み込むのも最早、手慣れたものだ。
そんなある日のことだ、パチュリー様に呼び出された。
今日は何の書物を御所望だろうか。そんなことを考えつつ、今日はアリスさんが本を返しに来る日でもあって、私はウキウキでパチュリー様の下へと赴いた。
「紅茶を入れて頂戴」
「えっ?」
「二度は言わないわよ」
たった、それだけのこと。
私は首を傾げながら、はあ。と気のない返事を返した。
地下室にいるフランドール様は意外と書物が好きだ。館内を歩き回るようになってからはよく大図書館にも訪れるようになり、何かしらの書物を引き抜いては部屋へと戻っていった。そんな彼女に「おすすめの本ってある?」と聞かれたので「ええ、ありますよ。どんなものがお好きですか?」と返した。それで紹介した書物がお気に召してくれたのか。大図書館に訪れる度におすすめの本を訊かれるようになった。彼女は物語をよく好んだ。時には魔術書や哲学書を求めることもあったが、星の王子さまといった古くからある名作を彼女は好んで読んだ。書物を読み込む度に彼女の中で知識が蓄えられていくのが分かる。だから、おすすめの書物を訊かれる度に私は、彼女が自分好みの味に育つように書物を選んで手渡した。それはまるでワインを熟成させるように、それはまるでコンソメを煮込むように、丁寧に、丹念に知識を蓄えさせていった。今から数百年後が楽しみで仕方ない。
こあっ♪ こあっ♪ と妹様育成計画の順調な滑り出しで上機嫌になっているとパチュリー様に呼び出された。
「……何かおすすめの本とかないかしら?」
「え? 私がおすすめできる本でパチュリー様が読んでいない本はないと思いますが?」
「なら、貴女が好きな本を持ってきて頂戴。ええ、そうね。気晴らしに読める物語とかないかしら?」
私は不思議に思いながらも銀河鉄道の夜を手渡しておいた。
フランドール様を籠絡した現在、私は事ある度にアリスさんに紅魔館への移住を推奨している。最初に言ったように私はビブリオマニア、気に入ったものは手に入れないと気が済まない。今はまだ、でも、いずれいつの日か。咲夜さんには魔法使いの管理は私の管轄です。とでも言って、朝から晩まで付きっきりで管理するのだ。フランドール様も食事の準備は咲夜さんだけど、髪の手入れなんかは私がやらせて貰っている。昔は美鈴がしていたとか言っていた。咲夜さんが紅魔館に来て、彼女が門番になってからは私の仕事だ。時折、フランドール様がとても寂しそうにするものだから、その心の隙を突いて添い寝することもある。その時には、美味しくなーれ、美味しくなーれ。と頭を撫でながら子守唄を歌ってあげた。
黒白の魔法使いは野生においておいた方が美味しく育ちそう、とか思っているとパチュリー様に呼び出された。
「小悪魔、今日は……その、添い寝しなさい」
「はい? えっと、前に嫌って言いましたよね?」
「に、二度は言わないわよ」
目の前には顔を赤くしたパチュリー様、書物で顔を隠しているがバレバレだった。
はて、と首を傾げる。これはどういう心変わりか? 思考して、思案して、ポンと両手を叩いた。にんまりと笑みを浮かべて「もちろん、御一緒させて貰います」と告げた。よく手入れのされた寝室にて、寝やすいように手早く衣服を脱いだ私はパチュリー様が座るすぐ隣に腰を下ろす。吐息の音が聞こえる、呼吸の度に胸が僅かに膨らんだ。手を触れ合わせて、指を絡める。そして、まだ頬を赤らめる彼女の目元に片手を添えて、ゆっくりと押し倒した。パチンと指を鳴らす、部屋の照明が消える。
「大人の子守唄って知っていますか?」
美味しく育った熟れた果実、艶やかな唇に自らの唇を落とす。
翌朝、思いっきり距離を取られた。