Coolier - 新生・東方創想話

博麗霊夢の静かな一日

2019/11/19 22:39:42
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午前五時、あまりの空腹に空気を食べる博麗霊夢は朝焼けをぼーっと眺めていた

お布団から出たばかりの温い身体は厠へ向かうよう寝起き顔の霊夢を急かす
冷えた巫女服に身を包み、髪を梳かしてリボンの角度を調整する鏡越しの姿
赤いリボンを揺らしながらせっせとご飯をこしらえる紅白のシルエット

霊夢「あら、お茶碗が欠けてる。気に入ってたのに」

 今日は白飯を山盛りにしよう。昨晩の宴会の残り物がおかずね
 朝にしては多くないか?って魔理沙に言われそう
 そういえば昨日は清酒とおつまみちょこっとで摘んで宴会後すぐに
 寝ちゃったんだっけ。
 まあ、そういう日もあるわ。

霊夢「いただきます」

酢で漬けた川魚は意外とご飯に合うようで食欲を引き立たせる。
お次は余った山菜で作った昨日のかき揚げに醤油をかけて天丼にするようだ
黙々とmgmgする霊夢は最後の天ぷらでふと、箸が止まる

 もしかしたら朝食目当てに魔理沙が来るかもしれないから残しておこうかしら
 
霊夢「ごちそうさまでした」
芋の天ぷらを残し朝食を終える霊夢


その日、魔理沙は昼を過ぎても来なかった


橙の夕日に照らされる博麗神社。
彩度を増す紅葉の中、博麗霊夢は退屈そうに落ち葉を集めていた。
酒臭い小鬼も小煩い仙人も鬱陶しい妖精達もいない幻想郷の静かな一日。
妖怪退治も無ければ新たな商売も思いつかない。
紫色に染まりつつある空を眺めながら人恋しい気持ちを否定する。

魔理沙「おーい霊夢ーっ!」

霊夢が集めた落ち葉をクッションにして着地した白黒の魔法使い

魔理沙「焼き芋しようぜっ!」
その手には大量のお芋が...

霊夢「その前に自慢の箒で落ち葉を集めてもらえるかしら」
身体中落ち葉まみれの霊夢は怒ったような嬉しいような笑みでニッコリ笑った

魔理沙「今日は朝から何も食べてなかったんだよなー。
ああ、焼けるまでの間が待ち遠しい」
霊夢「それなら良いものがあるわよ」
魔理沙「...昨日の宴会の芋の天ぷら?」
霊夢「宴会後の後始末よろしく♡私は焼き芋食べるわー」あははー
魔理沙「こらーずるいぞーっ」

霊夢「そろそろ焼けたわね」
悴む手で熱々の焼き芋を割ってみると湯気とともに甘い香りが立ち込める
魔理沙&霊夢「「美味しそー♡」」

早苗「わぁ!美味しそうですねー♡」

魔理沙「甘い芋の匂いを嗅ぎつけてぞろぞろと集まって来たな...」
萃香「私の分はー?」
歌仙「火事には気をつけるのよ」
サニーミルク「スター、ルナ、魔理沙さんに気づかれたわ!」
菫子「霊夢さん秋刀魚持って来またよっ!」
紫「茶碗が欠けてるそうね。こんなのどうかしら♡」
神僧妖怪「ガヤガヤガヤ...」
霊夢「もう、なんなのよーっ!」
魔理沙「だぜ」
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コメント



0.200簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
どこか優しい日常感好きです
2.100名前が無い程度の能力削除
文章を読んでるだけでyatyouさんの絵が頭に浮かびます
4.80名前が無い程度の能力削除
旧作臭でつつも、蓬莱スタイルまねしようとしたの好きよ
押し絵こないかなぁ
5.100モブ削除
雰囲気が柔らかな作品だと思いました。
6.90ヘンプ削除
可愛い感じで良いですね
7.90青生姜削除
ストーリーがよかったです
8.100南条削除
静かな一日と言いながら結局にぎやかになってしまう神社に霊夢が愛されていることを感じました
面白かったです
12.50名前が無い程度の能力削除
誰にも会わないと人恋しくなるよね
13.100終身削除
文花帖の一番初めに載っている漫画を思い出すようなほのぼのしていてゆるい空気で癒されました 食べ物にも色々種類があって宴会や集まりの賑やかな感じが思い浮かんでくるようで良かったです