休息一回目「わかさぎひめのごはんは?」
1.しらべたこと
人げんはお魚をたべます。大きなお魚は人げんを食べます。わかさぎひめはお魚を食べるのか、それとも人げんを食べるのか気になったのでしらべてみました。
2.よそう
わかさぎひめは人げんとおはなしできます、なのでお魚を食べると思います。
3.しらべた方ほう
(1)わかさぎひめをつかまえる。
(2)お魚と人げんをあげる。
(3)じかんがたったら見にいく。
4.けっか
りょう方食べずにおなかがへってしんでしまいました。
5.思ったこと
りょう方食べられないことが分かりました。つぎから気をつけたいです。
休息二回目「多々良小傘は満たされない」
一人驚かせれば一週間は腹が持つ。一人驚かせれば最悪五年は生きていける。多々良小傘は燃費の良い妖怪だった。そしてもうすぐ五年が経過しようとしている。
とある茶屋にて。
「わちきの人生はもうすぐ終わりです。早苗、今までかまってくれてありがとね」
「なんですか、突然」
「誰も驚いてくれないの……。私もうすぐ死んじゃうよ……」
「なるほど」
「一人でも驚かせれば五年は生きられるよ」
「うーん、無理ですね……」
「ひどい……」
小傘は悲しそうに団子をほおばる。
「ねえ、小傘さん」
「ん、なあに」
「結局それって死因は何になるんです?」
「ええっ、いまそんなこと聞く?」
「いいじゃないですか、冥土の土産に教えてくださいよお」
「それ私のセリフじゃないの……」
小傘はお茶を一口飲んだ。
「それで死因は?」
「しいて言うなら餓死かな?」
「ええ!? 目の前で団子食べてるのに餓死なんて、あなたの口は何のためについてるんですか!? 私が今まであなたに御馳走した団子とお茶の代金返してくださいよ!!」
「あ、お腹膨れた」
休息三回目「りんごのりんご」
りんごが歩いてるとりんごを見つけた。しかしながらりんごはりんごを見たことは無かったのでりんごというものは食べ物であることが分からずにりんごはりんごを捨ててしまった。りんごはりんごのことを忘れようと歩いていたがどうしてもりんごのことを忘れられなかったのでりんごはもう一度りんごを取りにりんごが落ちていたところに戻っていった。しかしりんごが落ちていた場所にりんごは無かった。りんごは悲しんだ。りんごはどうしてもりんごのことが気になったので友達の清蘭のところにりんごのことを聞きに行った。だが、りんごはりんごのことを知らなかったので、りんごの名前も分からなかった。だからりんごはりんごのことがうまいこと説明できずに困り果ててしまった。清蘭もりんごが困っていたのでどうにかしてりんごが思い浮かべている物体(すなわちりんご)を聞き出そうとあれこれ質問した。しかしりんごによるりんごの説明は曖昧である。りんごはむしゃくしゃして傍にあったりんごの木を思いっきり蹴飛ばした。するとりんごの蹴りによってりんごが落ちてきた。りんごはりんごを見て幸せそうだ。よかったねりんごと、清蘭がりんごに呟いた。
休息四回目「庭渡久侘歌のチキン大作戦」
庭渡久侘歌は悩んでいた。どうにかして家畜として扱われている鶏の社会的地位を向上させれないものかと。皆が鶏を崇め奉るような世界に成らないものかと。そこでまずはどうして鶏の地位がこんなにも低いことから突き止めようと考えた。そもそもどうして鶏は家畜になってしまったのだろうか。
「そういうことで霊夢さん、どう思いますか?」
「おいしいからよ」
「魔理沙さん?」
「うまいから」
「妖夢さん?」
「安くておいしいのでいつも助かっています」
庭渡久侘歌は鶏の地位が低い理由はおいしいからという結論を得た。となれば話は簡単で、鶏の味を落とせばいいのである。彼女は早速寝床の妖怪の山に戻ると毒キノコを大量に調達し、少しずつ鶏のエサに混ぜ始めたのだった。
「最近、鶏まずくないですか?」
「あ、分かるぜ。生ごみみたいな味がするよな。病気になるから食うのやめようぜ」
空からそんな会話を聞いて庭渡久侘歌は喜んでいた。これで鶏は家畜から解放されるのだ。そうすれば地位もだんだんと向上するに違いない。
十年後
「は、鶏の神様? なんだよ、鶏って食えるのか?」
「鶏? 聞いたことないですね……」
「鶏ってドブ水みたいな味がする鳥だろ?」
庭渡久侘歌は鶏を食べておいしさをアピールしようとしたがどうしたものか味はいつまでも戻らなかった。鶏は毒に耐えるように体内で毒を生成するようになったのだ。これは大いなる進化だろう。
休息n回目「お昼時の永久機関」
からりとした清々しい晴れ間、八雲紫と博麗霊夢は縁側でお茶を飲んでいた。小鳥は楽しそうに羽を広げて飛んでいる。夏の暑さも和らいで実に過ごしやすい気候である。
「平和ね……。なんか面白い話しでもしてよ、紫。長いこと生きてるんだからとんでもない話の一つや二つでもあるでしょ? 」
「とんでもない話って言われても……。大体、とんでもないものなんていつも見てるじゃない。」
紫は楽しそうに目を細めて空に向かって指を差す。墨汁のような濃い影が地面に落ちる。
「空がどうかしたの?」
「もっと先」
「何でそうあんたはそう回りくどいのよ。月って言いたいならそういえばいいじゃない」
紫は満足そうに笑って再び音をたてずにお茶を啜る。霊夢もそれに釣られるようにお茶を飲む。
「いや、月の凄さは少し滞在してたから十分分かってるつもりなんだけど……」
「あら、そうだったかしら」
「ええ、とにかく凄かったわ。自動で開閉するドアや伸縮自在の文字とか」
紫は持っていた湯呑をことんと地面に置いた。
「そうね、あそこは何でも揃ってる。技術も物も」
「でも不思議なのはどうやってあんな文明を維持し続けられてるのかって言う点ね。何か無限にエネルギーを作る手段でもあるのかしら」
「流石にいくら月でも無からエネルギーを生むことは出来ないわ。宇宙の理よ。これを破ると大変な罰が下るの」
紫はどこからか扇子を取り出すとあおぎ始めた。霊夢は再び湯呑を口に近づける。
「宇宙の理ねえ……。大体紫だってスペルカードで何かあったじゃない。第一種永久機関とか何とか」
「よく覚えてるわね、そんなの。でもあれはエネルギーが回収できないようにちゃんとなってるのよ」
「ふうん……」
霊夢はつまらなそうにお茶をずずずと啜る。紫は欠伸を扇子で隠すように一つする。暫くして霊夢は何か閃いたようにお茶を啜るのを突然止める。
「ねえ紫一つ思いついたんだけどあんたの能力でさ、スキマの丁度真上に同じ大きさのスキマを作って、その中に何か物を落としてみたらそれが永久に……」
「え、ごめん。なにか言った霊夢? ちょっと眠くてぼうっとしちゃって」
「えっとだから……」
次の瞬間、霊夢の体はまるでスポンジのように穴だらけになり、その血が縁側に雨のようにばら撒かれ、体が宙に浮いたと思うとくるくるっと回転し何かの穴に吸い込まれるように鈍い音を立てて消えてしまった。湯呑が地面に当たり、ガランと砕ける音が辺りに響く。
「え……。ちょっと霊夢何これは。えっ……。どういうことなのよ」
日の光が強く残酷に大妖怪に降り注ぐ。
「意味わかんない。なに、今のは」
紫は辺りを大急ぎで辺りを見渡すが、霊夢が先程までここにいた痕跡を表すのは湯呑の破片と大量の血液のみである。まるで初めから一人で縁側に座っていたようにそれ以外は全く変わっていない。
「目の前で意味不明な手段によって霊夢が消えた。霊夢が死んだ。理由はよく分からない。体さえあれは何とかなるのだけれど……」
どう考えても人為的には不可能な力が働いている。そこで紫は、これは神的な何かによるものではないかと考えた。しかしそのトリガーが分からない。まさか、先程聞き逃した霊夢の言葉によるものでは? だとしたら何という失敗だろう。せめてなんて言ったか分かれば……。私の能力が時間を戻せるものならば……。
だが紫の頭に昔聞いたあることが浮かんだ。時間というものは不連続であり、瞬間の連続であるということを。もし、連続していないならば必ずそこには境界が存在するはずだ。それを操作すればもしかしたら時間を動かせるかもしれない。これまで試したことはないがやってみる価値はある。
八雲紫は覚悟を決めると日が傾きかけた空に向かって手をかざし始めた。
1.しらべたこと
人げんはお魚をたべます。大きなお魚は人げんを食べます。わかさぎひめはお魚を食べるのか、それとも人げんを食べるのか気になったのでしらべてみました。
2.よそう
わかさぎひめは人げんとおはなしできます、なのでお魚を食べると思います。
3.しらべた方ほう
(1)わかさぎひめをつかまえる。
(2)お魚と人げんをあげる。
(3)じかんがたったら見にいく。
4.けっか
りょう方食べずにおなかがへってしんでしまいました。
5.思ったこと
りょう方食べられないことが分かりました。つぎから気をつけたいです。
休息二回目「多々良小傘は満たされない」
一人驚かせれば一週間は腹が持つ。一人驚かせれば最悪五年は生きていける。多々良小傘は燃費の良い妖怪だった。そしてもうすぐ五年が経過しようとしている。
とある茶屋にて。
「わちきの人生はもうすぐ終わりです。早苗、今までかまってくれてありがとね」
「なんですか、突然」
「誰も驚いてくれないの……。私もうすぐ死んじゃうよ……」
「なるほど」
「一人でも驚かせれば五年は生きられるよ」
「うーん、無理ですね……」
「ひどい……」
小傘は悲しそうに団子をほおばる。
「ねえ、小傘さん」
「ん、なあに」
「結局それって死因は何になるんです?」
「ええっ、いまそんなこと聞く?」
「いいじゃないですか、冥土の土産に教えてくださいよお」
「それ私のセリフじゃないの……」
小傘はお茶を一口飲んだ。
「それで死因は?」
「しいて言うなら餓死かな?」
「ええ!? 目の前で団子食べてるのに餓死なんて、あなたの口は何のためについてるんですか!? 私が今まであなたに御馳走した団子とお茶の代金返してくださいよ!!」
「あ、お腹膨れた」
休息三回目「りんごのりんご」
りんごが歩いてるとりんごを見つけた。しかしながらりんごはりんごを見たことは無かったのでりんごというものは食べ物であることが分からずにりんごはりんごを捨ててしまった。りんごはりんごのことを忘れようと歩いていたがどうしてもりんごのことを忘れられなかったのでりんごはもう一度りんごを取りにりんごが落ちていたところに戻っていった。しかしりんごが落ちていた場所にりんごは無かった。りんごは悲しんだ。りんごはどうしてもりんごのことが気になったので友達の清蘭のところにりんごのことを聞きに行った。だが、りんごはりんごのことを知らなかったので、りんごの名前も分からなかった。だからりんごはりんごのことがうまいこと説明できずに困り果ててしまった。清蘭もりんごが困っていたのでどうにかしてりんごが思い浮かべている物体(すなわちりんご)を聞き出そうとあれこれ質問した。しかしりんごによるりんごの説明は曖昧である。りんごはむしゃくしゃして傍にあったりんごの木を思いっきり蹴飛ばした。するとりんごの蹴りによってりんごが落ちてきた。りんごはりんごを見て幸せそうだ。よかったねりんごと、清蘭がりんごに呟いた。
休息四回目「庭渡久侘歌のチキン大作戦」
庭渡久侘歌は悩んでいた。どうにかして家畜として扱われている鶏の社会的地位を向上させれないものかと。皆が鶏を崇め奉るような世界に成らないものかと。そこでまずはどうして鶏の地位がこんなにも低いことから突き止めようと考えた。そもそもどうして鶏は家畜になってしまったのだろうか。
「そういうことで霊夢さん、どう思いますか?」
「おいしいからよ」
「魔理沙さん?」
「うまいから」
「妖夢さん?」
「安くておいしいのでいつも助かっています」
庭渡久侘歌は鶏の地位が低い理由はおいしいからという結論を得た。となれば話は簡単で、鶏の味を落とせばいいのである。彼女は早速寝床の妖怪の山に戻ると毒キノコを大量に調達し、少しずつ鶏のエサに混ぜ始めたのだった。
「最近、鶏まずくないですか?」
「あ、分かるぜ。生ごみみたいな味がするよな。病気になるから食うのやめようぜ」
空からそんな会話を聞いて庭渡久侘歌は喜んでいた。これで鶏は家畜から解放されるのだ。そうすれば地位もだんだんと向上するに違いない。
十年後
「は、鶏の神様? なんだよ、鶏って食えるのか?」
「鶏? 聞いたことないですね……」
「鶏ってドブ水みたいな味がする鳥だろ?」
庭渡久侘歌は鶏を食べておいしさをアピールしようとしたがどうしたものか味はいつまでも戻らなかった。鶏は毒に耐えるように体内で毒を生成するようになったのだ。これは大いなる進化だろう。
休息n回目「お昼時の永久機関」
からりとした清々しい晴れ間、八雲紫と博麗霊夢は縁側でお茶を飲んでいた。小鳥は楽しそうに羽を広げて飛んでいる。夏の暑さも和らいで実に過ごしやすい気候である。
「平和ね……。なんか面白い話しでもしてよ、紫。長いこと生きてるんだからとんでもない話の一つや二つでもあるでしょ? 」
「とんでもない話って言われても……。大体、とんでもないものなんていつも見てるじゃない。」
紫は楽しそうに目を細めて空に向かって指を差す。墨汁のような濃い影が地面に落ちる。
「空がどうかしたの?」
「もっと先」
「何でそうあんたはそう回りくどいのよ。月って言いたいならそういえばいいじゃない」
紫は満足そうに笑って再び音をたてずにお茶を啜る。霊夢もそれに釣られるようにお茶を飲む。
「いや、月の凄さは少し滞在してたから十分分かってるつもりなんだけど……」
「あら、そうだったかしら」
「ええ、とにかく凄かったわ。自動で開閉するドアや伸縮自在の文字とか」
紫は持っていた湯呑をことんと地面に置いた。
「そうね、あそこは何でも揃ってる。技術も物も」
「でも不思議なのはどうやってあんな文明を維持し続けられてるのかって言う点ね。何か無限にエネルギーを作る手段でもあるのかしら」
「流石にいくら月でも無からエネルギーを生むことは出来ないわ。宇宙の理よ。これを破ると大変な罰が下るの」
紫はどこからか扇子を取り出すとあおぎ始めた。霊夢は再び湯呑を口に近づける。
「宇宙の理ねえ……。大体紫だってスペルカードで何かあったじゃない。第一種永久機関とか何とか」
「よく覚えてるわね、そんなの。でもあれはエネルギーが回収できないようにちゃんとなってるのよ」
「ふうん……」
霊夢はつまらなそうにお茶をずずずと啜る。紫は欠伸を扇子で隠すように一つする。暫くして霊夢は何か閃いたようにお茶を啜るのを突然止める。
「ねえ紫一つ思いついたんだけどあんたの能力でさ、スキマの丁度真上に同じ大きさのスキマを作って、その中に何か物を落としてみたらそれが永久に……」
「え、ごめん。なにか言った霊夢? ちょっと眠くてぼうっとしちゃって」
「えっとだから……」
次の瞬間、霊夢の体はまるでスポンジのように穴だらけになり、その血が縁側に雨のようにばら撒かれ、体が宙に浮いたと思うとくるくるっと回転し何かの穴に吸い込まれるように鈍い音を立てて消えてしまった。湯呑が地面に当たり、ガランと砕ける音が辺りに響く。
「え……。ちょっと霊夢何これは。えっ……。どういうことなのよ」
日の光が強く残酷に大妖怪に降り注ぐ。
「意味わかんない。なに、今のは」
紫は辺りを大急ぎで辺りを見渡すが、霊夢が先程までここにいた痕跡を表すのは湯呑の破片と大量の血液のみである。まるで初めから一人で縁側に座っていたようにそれ以外は全く変わっていない。
「目の前で意味不明な手段によって霊夢が消えた。霊夢が死んだ。理由はよく分からない。体さえあれは何とかなるのだけれど……」
どう考えても人為的には不可能な力が働いている。そこで紫は、これは神的な何かによるものではないかと考えた。しかしそのトリガーが分からない。まさか、先程聞き逃した霊夢の言葉によるものでは? だとしたら何という失敗だろう。せめてなんて言ったか分かれば……。私の能力が時間を戻せるものならば……。
だが紫の頭に昔聞いたあることが浮かんだ。時間というものは不連続であり、瞬間の連続であるということを。もし、連続していないならば必ずそこには境界が存在するはずだ。それを操作すればもしかしたら時間を動かせるかもしれない。これまで試したことはないがやってみる価値はある。
八雲紫は覚悟を決めると日が傾きかけた空に向かって手をかざし始めた。
混沌のごった煮でした。笑いました。良かったです
こういう短編は読みやすくて良い
ずるい面白さです
庭渡様がよかったです