蛇足
「だめよこいし! しっかりして! 私より先に逝くなんて認めないわ!」
「おね、えちゃん。」
「こいし!」
「ごめん、ね。おねえ、ちゃん。」
「いいのよ! だから起きて! あなたが居ないと私、私は……!!」
「……」
「こいし……? こいし! 目を開けて! お願いよ!」
「おねえちゃ、ん。さーどあい。開い、たよ。」
「え……?」
「ほら……」
こいしの第三の目を見ると確かに目は開いていた。
私はこんな程度で開くならなんで今まで私は悩んでいたのだろうと少し馬鹿馬鹿しくなってきたが、とりあえずここは合わせることにした。
「こいし、あなた、心を……」
「ごめ、んね。こんなに……遅く、なっ……て」
「ううん。そんなことない、そんなことないわ! これから築いていけばいいの! だから生きるのよ、こいし!」
「あはは、おね……ちゃんのこ、ころ。あったか……い」
「……こいし……? 返事をして、目を開けて! こいし、こいし!」
こいしは動かなくなっていた。最期に開けた第三の目も硬く閉じらていた。私は涙を流しながら嗚咽を噛み殺す。
「こいし……安らかに眠りなさい……」
「ぅう」
「こいし!? まだ生きてるのね!?」
「ゥグ……グォオ」
「わかる? 私よ!」
「ォォオオオオオオ!!」
「え、ちょっと待ってちょっと待ってなんでゾンビみたいな事してんの違うでしょ? ねぇ、ちょっとこいし。ねぇったら!」
「ァァアアアアアアアア!!」
「キャァァァアアアアア!!」
痛快な打撃音が地霊殿に木霊した。
いきなり「お姉ちゃん死んで!」はインパクトあって良いですね!
お姉ちゃん迫真の演技でした