恋したい。
突如、
脳内に電気がはしった。
何かしらの神経から、
脳に、
恋をせよ、と、
命令がくだされる。
恋せねば、
フランドールは、
重たい体を、
むくり、
持ちあげた。
恋とはなんぞ。
フランドールは、
恋を知らない。
495年、生きてきて、
恋をしたことなど、
なかったからだ。
恋とはなんぞや。
調べるために、
図書館へとむかった。
図書館。
図書館には、
魔女がいる。
魔女は、
物知りだ。
物知りな魔女は言う。
『恋とは、好きだという感情、
大切に思ったり、一緒にいたいと思う感情、
と、あるわ』
『好き』
『そう、好き』
『好き』
『えっ、あ、うん、好きよ』
『好き』
『……まあ、そういうことよ』
好き、
という感情が、
フランドールには、
理解ができなかった。
理解はできなかったが、
パチュリーは、
フランドールを好きだという。
そういう感情のことを、
好きだといった。
フランドールは、
どうなんだろう。
ふにゃりとした頭で、
図書館をあとにした。
門。
門の前には、
門番。
晴れた日も、
雨の日も、
そこには、
彼女がいる。
『美鈴、恋したい』
『恋、ですか?』
『好き』
『好きですよ、フランドールお嬢さまのこと』
『好き』
『はい、好きです』
『……好き』
『なるほど。好きを知りたいんですね』
『そう、知らない』
『それなら、ぎゅうっとしてあげましょう』
美鈴は、
フランドールを、
ぎゅうっと抱きしめた。
大きくて、あたたかい、
まるで、
お布団にくるまれているような、
そんな気持ちに、
フランドールはなった。
『あったかい』
『はい、これが私の好きの気持ちです』
『好き』
『はい、好きですよ』
『ありがとう?』
『どういたしまして』
フランドールは、
なにか、
ぽかぽかした体で、
門をあとにした。
好きとは、
あたたかいんだなあ、
フランドールは、
好きを少し、
理解できた気がした。
館の、
廊下を、
ぽとぽとと歩く。
『あら、フランドールお嬢さま、どちらへ?』
『好き、探してたの』
『見つかりましたか?』
『うん、ううん、少しだけ』
『少しだけ? ですか』
『見せる』
フランドールは、
咲夜を、
ぎゅっとした。
『あらまあ、可愛らしい好きですこと』
『あったかい?』
『暖かいですわ、お嬢さま』
『これが、好き、だって。美鈴が』
『そうですね、これは好きだと思います』
『好き』
『でも、もうちょっと好きを増やしましょう』
咲夜は、
フランドールの、
髪をくしゃくしゃと撫でた。
髪を撫で、
頬を撫で、
あごをさすった。
なんだか、
こそばゆい。
『これも、好き』
『そういうことです』
『なんだか、気持ちいい』
『好きとは、気持ちの良いものです』
咲夜に可愛がられるままに、
フランドールは、
なんだか、
頭が、
ふわふわとして、
咲夜とわかれた。
こんこん。
ノック。
こんこん。
『だれー、開いてるわよ』
レミリアの声。
がちゃり、
扉をひらく。
『おや、フランドール。めずらしいわね、どうしたの』
『恋をしたいの』
『恋』
『好きをしりたいの』
『好き』
『みんなから、教えてもらったけれど、
それでも、まだ、わからない』
『……ふむ』
レミリアは、
一度頷くと、
フランドールの、
頭を撫でた、
『知ってる、好き、咲夜がした』
『んー』
レミリアは、
フランドールを、
ぎゅっと抱きしめた。
『知ってる、好き、美鈴がした』
『んんー』
レミリアは、
頭をかかえた。
かかえた頭から、
ぴこん、と、
思い浮かぶ。
『フランドール、こっちきなさい』
『あい』
手まねきのままに、
フランドールは、
頬を染めた、
レミリアの、
そばに行った。
『目をつむりなさい』
『あい』
言われるままに、
目をつむった。
瞬間、
むにゅりと、
唇にやわらかい感触。
それは、
キスだと、
フランドールは認識した。
『キスも、好き?』
『私からあなたへの、精一杯の好きよ』
『私も、好き』
今度は、
フランドールから、
レミリアへの、
キス。
唇が、
あたたかくて、
頭がどくんどくんと、
高鳴る。
なんだか、
いけないことを、
しているような、
そんな気もして、
でも、
心が、
ほかほかとした。
フランドールは、
これが恋なんだろうか、
思った。
夜、
自室にて、
フランドールは、
思いかえす。
恋とは、
好きとは。
みんなそれぞれ、
好きがあった。
でも、
全部、
あたたたかった。
気持ちがよくて、
心がぼうっとして、
なんだか、
不思議なもので、
フランドールは、
みんな、
好きだった。
好きだったから、
今度は、
自分から、
みんなに、
好き、を、
プレゼントしよう、
そう、思った。
突如、
脳内に電気がはしった。
何かしらの神経から、
脳に、
恋をせよ、と、
命令がくだされる。
恋せねば、
フランドールは、
重たい体を、
むくり、
持ちあげた。
恋とはなんぞ。
フランドールは、
恋を知らない。
495年、生きてきて、
恋をしたことなど、
なかったからだ。
恋とはなんぞや。
調べるために、
図書館へとむかった。
図書館。
図書館には、
魔女がいる。
魔女は、
物知りだ。
物知りな魔女は言う。
『恋とは、好きだという感情、
大切に思ったり、一緒にいたいと思う感情、
と、あるわ』
『好き』
『そう、好き』
『好き』
『えっ、あ、うん、好きよ』
『好き』
『……まあ、そういうことよ』
好き、
という感情が、
フランドールには、
理解ができなかった。
理解はできなかったが、
パチュリーは、
フランドールを好きだという。
そういう感情のことを、
好きだといった。
フランドールは、
どうなんだろう。
ふにゃりとした頭で、
図書館をあとにした。
門。
門の前には、
門番。
晴れた日も、
雨の日も、
そこには、
彼女がいる。
『美鈴、恋したい』
『恋、ですか?』
『好き』
『好きですよ、フランドールお嬢さまのこと』
『好き』
『はい、好きです』
『……好き』
『なるほど。好きを知りたいんですね』
『そう、知らない』
『それなら、ぎゅうっとしてあげましょう』
美鈴は、
フランドールを、
ぎゅうっと抱きしめた。
大きくて、あたたかい、
まるで、
お布団にくるまれているような、
そんな気持ちに、
フランドールはなった。
『あったかい』
『はい、これが私の好きの気持ちです』
『好き』
『はい、好きですよ』
『ありがとう?』
『どういたしまして』
フランドールは、
なにか、
ぽかぽかした体で、
門をあとにした。
好きとは、
あたたかいんだなあ、
フランドールは、
好きを少し、
理解できた気がした。
館の、
廊下を、
ぽとぽとと歩く。
『あら、フランドールお嬢さま、どちらへ?』
『好き、探してたの』
『見つかりましたか?』
『うん、ううん、少しだけ』
『少しだけ? ですか』
『見せる』
フランドールは、
咲夜を、
ぎゅっとした。
『あらまあ、可愛らしい好きですこと』
『あったかい?』
『暖かいですわ、お嬢さま』
『これが、好き、だって。美鈴が』
『そうですね、これは好きだと思います』
『好き』
『でも、もうちょっと好きを増やしましょう』
咲夜は、
フランドールの、
髪をくしゃくしゃと撫でた。
髪を撫で、
頬を撫で、
あごをさすった。
なんだか、
こそばゆい。
『これも、好き』
『そういうことです』
『なんだか、気持ちいい』
『好きとは、気持ちの良いものです』
咲夜に可愛がられるままに、
フランドールは、
なんだか、
頭が、
ふわふわとして、
咲夜とわかれた。
こんこん。
ノック。
こんこん。
『だれー、開いてるわよ』
レミリアの声。
がちゃり、
扉をひらく。
『おや、フランドール。めずらしいわね、どうしたの』
『恋をしたいの』
『恋』
『好きをしりたいの』
『好き』
『みんなから、教えてもらったけれど、
それでも、まだ、わからない』
『……ふむ』
レミリアは、
一度頷くと、
フランドールの、
頭を撫でた、
『知ってる、好き、咲夜がした』
『んー』
レミリアは、
フランドールを、
ぎゅっと抱きしめた。
『知ってる、好き、美鈴がした』
『んんー』
レミリアは、
頭をかかえた。
かかえた頭から、
ぴこん、と、
思い浮かぶ。
『フランドール、こっちきなさい』
『あい』
手まねきのままに、
フランドールは、
頬を染めた、
レミリアの、
そばに行った。
『目をつむりなさい』
『あい』
言われるままに、
目をつむった。
瞬間、
むにゅりと、
唇にやわらかい感触。
それは、
キスだと、
フランドールは認識した。
『キスも、好き?』
『私からあなたへの、精一杯の好きよ』
『私も、好き』
今度は、
フランドールから、
レミリアへの、
キス。
唇が、
あたたかくて、
頭がどくんどくんと、
高鳴る。
なんだか、
いけないことを、
しているような、
そんな気もして、
でも、
心が、
ほかほかとした。
フランドールは、
これが恋なんだろうか、
思った。
夜、
自室にて、
フランドールは、
思いかえす。
恋とは、
好きとは。
みんなそれぞれ、
好きがあった。
でも、
全部、
あたたたかった。
気持ちがよくて、
心がぼうっとして、
なんだか、
不思議なもので、
フランドールは、
みんな、
好きだった。
好きだったから、
今度は、
自分から、
みんなに、
好き、を、
プレゼントしよう、
そう、思った。
いけないことを、
しているような、
そんな気もして、」
ってちょっとドキッとしました。
好きです。
チュー血鬼フランとなった今後の生活が気になりますね…
あなたの作品好きです
誰しも好きという感情は違いますから。それが本当に良かったです。
なんてあったけぇ紅魔館なんだ
パチュリーとのどっちも不器用な手探りのやりとり大好き
心がほんわかしました!