ぶもももも。
今の私は、
暴走列車だ。
誰も私を止めることはできない。
ぶもももも。
私でさえも。
私を止めることなんて、
できやしないのだ。
ぶもももも。
私は暴走していた。
どう暴走しているかというと、
能力の制御が、
できなくなってしまった。
前からうまくは制御できている、
とはいえない能力だけれど、
ここまで制御できないとは、
驚きだった。
朝、
起きたら、
身の回りのモノが、
壊れきっていることなんて、
生きてきて、
なかなか、
体験することなど、
ないことだと思う。
どうしよう。
どうしたものか。
どうしよう。
私は今、
すっぽんぽんである。
これは、
能力の暴走で、
服まで壊れてしまって、
なんて可哀想な私なの、
ではなくて、
たんに眠るときは、
すっぽんぽんだからである。
楽だし、
ちょっとした興奮を、
覚えるというと、
いやらしい眼でみてくる、
やつがいそうだから、
みんなには内緒で、
していること、
だから、
人を呼ぶのはまずい。
フランドール、
あなたにそんな趣味があったなんて、
なんて、
姉に冷たい眼をして言われた日には、
銀をのんで、
死ぬ。
……人は呼べない。
助けはこない。
ならば、
自分で、
どうにかしなければ、
いけない、
ほんとうに、
どうしたものか。
頭を悩ます。
悩ます頭をぐるんとふる。
ぐるんとふられた頭から、
ひとつ妙案が、
ぽろり、
でてくる。
そうだ、
壊れてしまったのなら、
直せばいいじゃない。
単純な話だった。
壊れたモノは、
直せばいいのだ。
簡単な話だった。
簡単な話だが、
簡単ではなくて、
壊れてしまった、
例えば、椅子。
椅子などは、
粉々になっていて、
椅子なのか、
木屑なのか、
もはや、
判別がつかない。
そんな粉を、
元の椅子に、
戻せるかといえば、
それは、
不可能だと、
思った。
思ったが、
思いつく。
そう、
『椅子』は今、
『壊れた椅子』なわけで、
壊れた椅子の、
『壊れた』部分を、
壊したのなら、
元の『椅子』に、
直るんでないのかなあ。
どうかなあ。
どうだろう。
自信はないけれど、
制御のきかない能力に、
聞く。
うまくいくかなあ。
やってみる?
やってみよう。
やってみた。
直った。
壊れた椅子は、
椅子へと直ったのだ。
よかったです。
この調子で、
他の壊れたモノたちを、
どんどん直していく私。
そんな私は、
まるで魔法使いのよう、
右手を握ると、
粉々のモノが、
まるで逆再生のように、
元のモノへと、
姿を変える。
これ、おもしろい。
壊すだけ、
だと思っていた、
私の能力に、
こんな使い方があったなんて、
なんやかんやと、
していると、
ふと、
気づく。
能力の制御ができていた。
気づかなかった、
いつのまに。
右手を握る。
壊れた机が元に直る。
楽しい。
モノを直すのが、
こんなに楽しいなんて、
知らなかった。
きっと、
これから、
私は、
壊れたモノも、
好きになれる。
好きになれるんじゃないかなあ。
魔法使いな、
修理屋さんにも、
なれるかもしれない。
そんな気がした。
そうこうしているうちに、
部屋は元通り、
いつもの、
きれいな、
私の部屋だった。
さっぱり。
扉から、
音がする、
こんこん。
ノックの音、
だあれ、
お姉さまだよ。
お姉さまだった。
入るわよ。
いいよ。
入ったよ。
ごきげんよう。
なんで、裸なの。
忘れてた。
ぶもももも。
私の部屋は粉々になった。
今の私は、
暴走列車だ。
誰も私を止めることはできない。
ぶもももも。
私でさえも。
私を止めることなんて、
できやしないのだ。
ぶもももも。
私は暴走していた。
どう暴走しているかというと、
能力の制御が、
できなくなってしまった。
前からうまくは制御できている、
とはいえない能力だけれど、
ここまで制御できないとは、
驚きだった。
朝、
起きたら、
身の回りのモノが、
壊れきっていることなんて、
生きてきて、
なかなか、
体験することなど、
ないことだと思う。
どうしよう。
どうしたものか。
どうしよう。
私は今、
すっぽんぽんである。
これは、
能力の暴走で、
服まで壊れてしまって、
なんて可哀想な私なの、
ではなくて、
たんに眠るときは、
すっぽんぽんだからである。
楽だし、
ちょっとした興奮を、
覚えるというと、
いやらしい眼でみてくる、
やつがいそうだから、
みんなには内緒で、
していること、
だから、
人を呼ぶのはまずい。
フランドール、
あなたにそんな趣味があったなんて、
なんて、
姉に冷たい眼をして言われた日には、
銀をのんで、
死ぬ。
……人は呼べない。
助けはこない。
ならば、
自分で、
どうにかしなければ、
いけない、
ほんとうに、
どうしたものか。
頭を悩ます。
悩ます頭をぐるんとふる。
ぐるんとふられた頭から、
ひとつ妙案が、
ぽろり、
でてくる。
そうだ、
壊れてしまったのなら、
直せばいいじゃない。
単純な話だった。
壊れたモノは、
直せばいいのだ。
簡単な話だった。
簡単な話だが、
簡単ではなくて、
壊れてしまった、
例えば、椅子。
椅子などは、
粉々になっていて、
椅子なのか、
木屑なのか、
もはや、
判別がつかない。
そんな粉を、
元の椅子に、
戻せるかといえば、
それは、
不可能だと、
思った。
思ったが、
思いつく。
そう、
『椅子』は今、
『壊れた椅子』なわけで、
壊れた椅子の、
『壊れた』部分を、
壊したのなら、
元の『椅子』に、
直るんでないのかなあ。
どうかなあ。
どうだろう。
自信はないけれど、
制御のきかない能力に、
聞く。
うまくいくかなあ。
やってみる?
やってみよう。
やってみた。
直った。
壊れた椅子は、
椅子へと直ったのだ。
よかったです。
この調子で、
他の壊れたモノたちを、
どんどん直していく私。
そんな私は、
まるで魔法使いのよう、
右手を握ると、
粉々のモノが、
まるで逆再生のように、
元のモノへと、
姿を変える。
これ、おもしろい。
壊すだけ、
だと思っていた、
私の能力に、
こんな使い方があったなんて、
なんやかんやと、
していると、
ふと、
気づく。
能力の制御ができていた。
気づかなかった、
いつのまに。
右手を握る。
壊れた机が元に直る。
楽しい。
モノを直すのが、
こんなに楽しいなんて、
知らなかった。
きっと、
これから、
私は、
壊れたモノも、
好きになれる。
好きになれるんじゃないかなあ。
魔法使いな、
修理屋さんにも、
なれるかもしれない。
そんな気がした。
そうこうしているうちに、
部屋は元通り、
いつもの、
きれいな、
私の部屋だった。
さっぱり。
扉から、
音がする、
こんこん。
ノックの音、
だあれ、
お姉さまだよ。
お姉さまだった。
入るわよ。
いいよ。
入ったよ。
ごきげんよう。
なんで、裸なの。
忘れてた。
ぶもももも。
私の部屋は粉々になった。
途中まで夢の中のお話なのかと思って読んでいました。
フランちゃん可愛い
ぶもももも
フランちゃん寝るとき裸だったのね…←そこ
そして新たな能力の活用法
かわいいです
とても良かったです。
ひとりで暴走してひとりで追い詰められてひとりで何とかしようとしているフランちゃんがかわいらしかったです