微かな期待

「死んでしまえばいいのに」

そんな呟きがワタシの心を抉る。自分で言って自分で傷つくなんて変よね？

「フラン......そんなこと言わないでちょうだい」

お姉様は何も分かっていない。分かったつもりだろうけど分かっていない。

「ワタシは生きている価値ってあるのかな？」
「あるに決まってるでしょ？」
「嘘だ......だってこんなところにずっといたって楽しい事なんて何もないじゃん！」

つまらない。それがワタシにとっての天敵......何も起きない何も変わらないそんな生活って意味あるの？　お姉様は何も分かっちゃいないわ。

「楽しいことね.....そんなに求めるなら生きることを求めなさいフランドール」

「どうして？」
「生きることが楽しさだからよ。逆に言うわ。死んで楽しい事なんてあるのかしら？」

お姉様の意地悪。ないよ......そんなの


「しっかりしなさい！　フラン」
「っ！？...お姉様」
「なに？　フラン」
「生きていることに意味があるならワタシは生きるけど.....その間ワタシはお姉様を不幸にしてしまう。それでもいいの？」
「関係ないわ。私には不幸を幸福へと変えられる力があるもの。だからフラン。もう少しだけ我慢してちょうだい？」


お姉様......お姉様は本当に分かっていないわ。

「うん」

ワタシが求めているのは温もりだよ。何百年も閉じ込められるのは辛いよ......

もしも...もう一度幸せが来るのならお姉様をおもいっきり抱きしめたい。だから普通に暮らせる日を待っているよお姉様。温もりが手に入るのを楽しみにして。














我が妹は何も知らない。知っているつもりだろうけど何も知らない。

「フランドール...あなたの笑顔がみたいわ」

私が望んでいるのは、どこにでもいるような姉妹像。仲良く手をつないで散歩をしてみたい。ずっとおしゃべりしていたい。
我が妹の笑顔はどこに行ってしまったのだろうか......

「はぁ」
自然とため息が漏れる

「お嬢様......お紅茶です」
「ありがとう美鈴」

紅茶を一口口に含む。フラン、あなたと一緒に紅茶も楽しみたいものね。

「ねぇ、美鈴」
「なんでしょう？」
「あの子は幸せになれるかしら？」
「私には理解できません。ですが、私はフラン様だけでわなくお嬢様も幸せになって欲しいと願っていますよ」
まっすぐ私の目を見て小さく微笑む。
「そう...」
フランと私が幸せにか......当分先の永い未来になりそうだわ。
「いつまでも待つわよ。美鈴」
「はい。いつまでもお供いたしますよ？　お嬢様」

我が妹は何も知らない。本当に知らないわ......私が描く未来像は、家族皆が笑顔溢れる日常を作り出すこと。もちろんフラン。あなたも含まれるのよ？
フランドール。あなたは独りじゃないわ。いつまでも待っているから。だからいつか、もう一度あなたの笑顔を見せてちょうだい？

もっと書いて表現力をつけたいです。
読むのは簡単なのに書くことは難しい。