コップ一杯の水に、パチュリーが星砂糖を振りかけた途端、水はまるで夏の空のように青く青く輝き出しました。そうして図書館はひんやりし始めます。
「パチェ、これは何の魔法?」
レミリアが不思議そうに尋ねました。
「流れ星を呼ぶ魔法」
パチュリーが答えます。
「お願い事、できるかな?」
フランドールは嬉しそうに目を細めました。
「できるわ、きっと。だって流れ星だもの」
パチュリーが笑うと、どこからか、しゃららんという音が聞こえてきました。
「来たね」
「ええ」
それは流れ星でした。藍色に染まった図書館の中に、色とりどりの星が降り注ぎます。その中の一つ、金色の流れ星がフランドールの手のひらにやってきました。
「わあ!」
フランドールは手のひらで優しく星を迎えます。ほわりとした明かりに照らされながら、フランドールは何かをお願いしたようでした。すると、わかったよ、とでも言いたげに星はくるんと一回転し、ぱちりと消えていきました。
「実はこの流れ星、魔理沙が昔置いて行ったものなの」
パチュリーは星を一つ手に取って、懐かしそうに撫でます。
「久しぶりにあの子に会いたくて、こんな魔法を試してみたけど、たまにはいいものね」
レミリアも銀色のかけらを拾って、そうだね、とつぶやきました。
そのあと、美鈴と小悪魔がやってきて、紅魔館は久しぶりにわいわいと、楽しく賑わいました。
もっと長く読みたかったんですが、さすがに野暮ですね。