「二人とも、これを見てくれないか」
そう言って僕、香霖堂店主 森近霖之助は偶々暇なので遊びに来ていた魔理沙と霊夢にある物を見せた
「何だこれ…随分大きな陰陽玉だな
霊夢が落としたのか?」
「こんな大きな陰陽玉、私が持っているわけ無いでしょ… こんなに大きな陰陽玉がうちの神社にあったら置き場所に困るわよ」
二人が見ているのは霊夢の身長ほどある大きな陰陽玉だ。所々にヒビが割れたような亀裂があり、色は黒と白ではなく白と暗めな赤い色をしている
「で、何なんだこれ」
「これはね、僕が人里の買い物から帰る途中に見つけたんだよ 誰かに捨てられたみたいに転がっていたんで興味を持ってね」
「わざわざ買い物帰りにこんな大きな物を運んで来たの…?霖之助さんも暇なのね」
「失礼だな、今日はたまたま休業日だから持って帰っただけだよ、それに運ぶのは転がすだけだからわりかし楽だったよ」
「こんな重たい物を運ぶなんてご苦労なことだなまったく」
魔理沙と霊夢が僕を笑っている
失礼なことをあっけらかんと言うのもいつものことなので僕はあまり気にしない
「で、結局何なんだこれ?何に使うんだ?」
魔理沙が不思議そうに陰陽玉を観察しながら言った
「霖之助さんの能力でわかるんじゃないの?ほらえっと…使い方が分かるとかなんとかの…」
「正確には用途だ。もちろん試してみたさ、だけど不思議なことに何も浮かばないんだよ」
「何も浮かばない?そんなことがあるのか?」
陰陽玉を観察するのに飽きたのか魔理沙はこちらに向いて聞いてきた
「ああ、いつもなら道具に触れるだけで用途が浮かぶんだがこの陰陽玉に触れても何も浮かばないんだよ」
「うーん…じゃあこれは何なんだ…」
魔理沙は再び陰陽玉を観察しながら呟いた
すると霊夢が思いついたように
「もしかしてこれって道具じゃないんじゃないの?生物じゃない?」
「鋭い指摘だが少し惜しいな、僕が考えるにこれは「まだ生まれていない生物」だね」
「まだ生まれていない生物…?」
「それって卵のことか?」
「その通りだ、しかもこの生物は『幻想郷を揺るがす存在』の卵だと僕は思うんだ」
「いきなり規模の大きな話になったな…」
「いつものことでしょ。聞いてあげましょ」
また失礼なことを言っているがこれもいつものことなので僕は気にせず主張を述べた
「僕が思うにこれは幻想郷のパワーバランスを表している物だと思うんだ」
「何でなの?」
「陰陽玉というのは古来より調和の象徴だ。陰を妖怪、陽を人間と考えるならば幻想郷のパワーバランスに当てはまるだろう?」
「ふーん…そういう物なのか?」
「だがこの陰陽玉をよく見て欲しい、ヒビのような物があるのが見えるだろう?」
「ひどいヒビね 同じ陰陽玉持ちとして手入れくらいきちんとして欲しいものだわ」
霊夢がぼやく どうやら彼女は陰陽玉の手入れはきちんとしているようだ
流石は博麗の巫女だが問題はそういうことではない
「いや手入れは関係ない、このヒビは幻想郷のパワーバランスにヒビが入っているのを表しているんだよ」
「なっ…え?」
「また規模が大きくなったわね…」
霊夢と魔理沙が戸惑うのも無理もない
だが僕は構わず続ける
「昔の幻想郷は妖怪は妖怪の住処、人間は人間の住処でお互いに住み分けをしていた。だが現在の幻想郷では妖怪が人間の里にやって来たりさらに人間が妖怪になろうとした事件もあっただろう?」
「霊夢が前に退治した奴だな」
「え?何それ?」
霊夢はあまり退治した妖怪を覚えていないようだな…まあいい
話を続けなければ
「これらの事件によってパワーバランスこの陰陽玉…いや卵にヒビが入ったんだ」
「もし…この陰陽玉みたいな卵が割れたらどうなるんだ?」
魔理沙が深刻そうな顔で尋ねる
僕は意を決して言った
「中から恐ろしい魔物が現れて幻想郷は…滅亡する!」
「な、なんだってー!?」
三人が叫ぶ
うん…三人?
変だな…ここには霊夢と魔理沙と僕しかいない筈だが…陰陽玉の方を振り返るとそこには陰陽玉の代わりに
角の生えた赤髪の少女が立っていた
「君は…誰だ?」
僕は戸惑いながらも彼女に聞いた
魔理沙と霊夢もいきなり彼女が現れて驚いている どういうことだ、わけがわからない
すると彼女は何も答えずケタケタと笑いながらいきなり宙返りをした
「あっ!」
魔理沙が驚き叫ぶ
叫ぶのも無理は無い、さっきまでいた赤髪の少女が狩衣を来た陰陽師風の青年に変わったのだ!
「あー…すまない」
その青年はバツの悪そうに言った
「我々はシンギョクという陰陽玉と男、女の姿に変化できる者だ。たまたま陰陽玉形態のまま昼寝をしていたものでね…あの…君の話は聞いていたが…なんというか…その……申し訳ない…」
シンギョクは気まずそうにそう語った
ということはつまり僕の説は……
「つまりこの話は霖之助さんの勘違いというか妄想だったってワケね」
霊夢が無慈悲に告げた
「何だよ〜びっくりしたぜまったく
香霖も人騒がせな奴だなあもう〜危うく信じる所だったぜ」
魔理沙も無慈悲に追い討ちをかける
「あの…もう帰っても良いだろうか?
そろそろ門番の仕事に戻らなくてはならないんだ…」
シンギョクはこれまた気まずそうにおずおずと尋ねた
「ああ、帰っていいぜ」
「昼寝してたばかりにこんな所まで来て災難だったわね」
シンギョクはドアを開けて店から出た
ドアにつけた鐘の音がカランカランと静かになった空間に響く
「わ…私達もそろそろ帰るか!」
魔理沙が慌てて言った
僕を気遣ってくれているのだろう
「そうね、霖之助さん…強く生きてね」
二人はそう言って店を出た
僕以外誰もいなくなった店内でいきなりの出来事に頭を抱えながら思った
(店はしばらく閉店しよう…)
そう言って僕、香霖堂店主 森近霖之助は偶々暇なので遊びに来ていた魔理沙と霊夢にある物を見せた
「何だこれ…随分大きな陰陽玉だな
霊夢が落としたのか?」
「こんな大きな陰陽玉、私が持っているわけ無いでしょ… こんなに大きな陰陽玉がうちの神社にあったら置き場所に困るわよ」
二人が見ているのは霊夢の身長ほどある大きな陰陽玉だ。所々にヒビが割れたような亀裂があり、色は黒と白ではなく白と暗めな赤い色をしている
「で、何なんだこれ」
「これはね、僕が人里の買い物から帰る途中に見つけたんだよ 誰かに捨てられたみたいに転がっていたんで興味を持ってね」
「わざわざ買い物帰りにこんな大きな物を運んで来たの…?霖之助さんも暇なのね」
「失礼だな、今日はたまたま休業日だから持って帰っただけだよ、それに運ぶのは転がすだけだからわりかし楽だったよ」
「こんな重たい物を運ぶなんてご苦労なことだなまったく」
魔理沙と霊夢が僕を笑っている
失礼なことをあっけらかんと言うのもいつものことなので僕はあまり気にしない
「で、結局何なんだこれ?何に使うんだ?」
魔理沙が不思議そうに陰陽玉を観察しながら言った
「霖之助さんの能力でわかるんじゃないの?ほらえっと…使い方が分かるとかなんとかの…」
「正確には用途だ。もちろん試してみたさ、だけど不思議なことに何も浮かばないんだよ」
「何も浮かばない?そんなことがあるのか?」
陰陽玉を観察するのに飽きたのか魔理沙はこちらに向いて聞いてきた
「ああ、いつもなら道具に触れるだけで用途が浮かぶんだがこの陰陽玉に触れても何も浮かばないんだよ」
「うーん…じゃあこれは何なんだ…」
魔理沙は再び陰陽玉を観察しながら呟いた
すると霊夢が思いついたように
「もしかしてこれって道具じゃないんじゃないの?生物じゃない?」
「鋭い指摘だが少し惜しいな、僕が考えるにこれは「まだ生まれていない生物」だね」
「まだ生まれていない生物…?」
「それって卵のことか?」
「その通りだ、しかもこの生物は『幻想郷を揺るがす存在』の卵だと僕は思うんだ」
「いきなり規模の大きな話になったな…」
「いつものことでしょ。聞いてあげましょ」
また失礼なことを言っているがこれもいつものことなので僕は気にせず主張を述べた
「僕が思うにこれは幻想郷のパワーバランスを表している物だと思うんだ」
「何でなの?」
「陰陽玉というのは古来より調和の象徴だ。陰を妖怪、陽を人間と考えるならば幻想郷のパワーバランスに当てはまるだろう?」
「ふーん…そういう物なのか?」
「だがこの陰陽玉をよく見て欲しい、ヒビのような物があるのが見えるだろう?」
「ひどいヒビね 同じ陰陽玉持ちとして手入れくらいきちんとして欲しいものだわ」
霊夢がぼやく どうやら彼女は陰陽玉の手入れはきちんとしているようだ
流石は博麗の巫女だが問題はそういうことではない
「いや手入れは関係ない、このヒビは幻想郷のパワーバランスにヒビが入っているのを表しているんだよ」
「なっ…え?」
「また規模が大きくなったわね…」
霊夢と魔理沙が戸惑うのも無理もない
だが僕は構わず続ける
「昔の幻想郷は妖怪は妖怪の住処、人間は人間の住処でお互いに住み分けをしていた。だが現在の幻想郷では妖怪が人間の里にやって来たりさらに人間が妖怪になろうとした事件もあっただろう?」
「霊夢が前に退治した奴だな」
「え?何それ?」
霊夢はあまり退治した妖怪を覚えていないようだな…まあいい
話を続けなければ
「これらの事件によってパワーバランスこの陰陽玉…いや卵にヒビが入ったんだ」
「もし…この陰陽玉みたいな卵が割れたらどうなるんだ?」
魔理沙が深刻そうな顔で尋ねる
僕は意を決して言った
「中から恐ろしい魔物が現れて幻想郷は…滅亡する!」
「な、なんだってー!?」
三人が叫ぶ
うん…三人?
変だな…ここには霊夢と魔理沙と僕しかいない筈だが…陰陽玉の方を振り返るとそこには陰陽玉の代わりに
角の生えた赤髪の少女が立っていた
「君は…誰だ?」
僕は戸惑いながらも彼女に聞いた
魔理沙と霊夢もいきなり彼女が現れて驚いている どういうことだ、わけがわからない
すると彼女は何も答えずケタケタと笑いながらいきなり宙返りをした
「あっ!」
魔理沙が驚き叫ぶ
叫ぶのも無理は無い、さっきまでいた赤髪の少女が狩衣を来た陰陽師風の青年に変わったのだ!
「あー…すまない」
その青年はバツの悪そうに言った
「我々はシンギョクという陰陽玉と男、女の姿に変化できる者だ。たまたま陰陽玉形態のまま昼寝をしていたものでね…あの…君の話は聞いていたが…なんというか…その……申し訳ない…」
シンギョクは気まずそうにそう語った
ということはつまり僕の説は……
「つまりこの話は霖之助さんの勘違いというか妄想だったってワケね」
霊夢が無慈悲に告げた
「何だよ〜びっくりしたぜまったく
香霖も人騒がせな奴だなあもう〜危うく信じる所だったぜ」
魔理沙も無慈悲に追い討ちをかける
「あの…もう帰っても良いだろうか?
そろそろ門番の仕事に戻らなくてはならないんだ…」
シンギョクはこれまた気まずそうにおずおずと尋ねた
「ああ、帰っていいぜ」
「昼寝してたばかりにこんな所まで来て災難だったわね」
シンギョクはドアを開けて店から出た
ドアにつけた鐘の音がカランカランと静かになった空間に響く
「わ…私達もそろそろ帰るか!」
魔理沙が慌てて言った
僕を気遣ってくれているのだろう
「そうね、霖之助さん…強く生きてね」
二人はそう言って店を出た
僕以外誰もいなくなった店内でいきなりの出来事に頭を抱えながら思った
(店はしばらく閉店しよう…)
話の構成や個々のシーン、パーツ、それらを繋いだ文章の流れを意識しつつ、不自然さがないよう持っていくことを心がけましょう
短くまとめるなら、手ぇ抜かないでもうちょい腰据えて書きなよってこと
とりあえず最低限地の文にも句読点を使うくらいはしてくれ
個人的には旧作とさらっと絡めるこのノリは大好きです。これからも挑戦を続けてくださいませ……!
(確かにシンギョクの陰陽玉形態、傷めちゃんこついてたなあ……)