みかんー みかんー
みかんがたべたい わったっしー
みかんー みかんー
わたしのためにみかんをむいてー
みかんー みかんー
みかんがたべたい わったっしー
みかんー みかんー
わたしのためにみかんをむいてー
あまーいの えらんでねー
すっぱいのーはきらいなのー
あまいのえらんでくれたならー
アナタに半分あげちゃうわー
あまいのえらんでくれたならー
わたしを半分あげちゃうわん
※サビの『わたしを半分あげちゃうわん』は囁くように歌う。
「なにその歌?」
霧雨魔理沙が突然歌い出した珍妙な歌に顔を歪めた博麗霊夢。
「今、里で流行ってるんだぜ~」
「とっても頭が悪そうな内容なんだけど」
「でも流行ってるんだぜ」
二人は博麗神社の居間のコタツに足を入れ、卓上のみかんをもそもそ、ちゅくちゅく食べている。年の瀬も押し詰まっているのにどうにもピリッとしていない。
「今年は雪が降らないわね」
「やっぱ、地球オバさん化現象のせいかな」
「そうかもね」
考えるだに恐ろしい現象だ。
ちなみに東風谷早苗が不在につきスルーされている。
この三人、ボケとツッコミのジャンルがバラバラで組み合わせが精妙なので一人欠けると修正がきかない。
「冬の妖怪は何をやってるのかしら」
「レティ・インディアンデスロックだよな」
「そんな名前だったわね」
早苗さん、早く来てー。
「このみかん、旨いな」
「里の八百屋さんからいただいたのよ」
「正当な理由のもとにか?」
「クラッカーよ(あたりマエダの)」
「ならイイけどな。みかんー みかんー」
また歌い出した魔理沙。
この歌、【ダウジング・マウス】なるライターの作詞作曲。地底にいる土蜘蛛の妖怪が歌ったのが始まりらしい。地底の流行歌が地上に昇ってきたのだ。最近はこのような文化交流が頻繁に行われている。
「こーんにちわー」
「お、来たぜ」
「そうね」
外からの声はご存知東風谷の早苗さん。
―――†―――†―――†―――
「みかんの差し入れです。ふーー」
えっちらおっちら運び入れたみかんの箱はそこそこ大きいものだった。
「みかん?」
霊夢は一瞬、微妙な顔をしたが、差し入れに文句を言っては今後が望めなくなることを経験的に学んでいる。
「良かったな。これでしばらくはみかんに困らないぜ」
「……そうね」
「何は無くとも冬場はみかんを食べてりゃ死なないぜ」
「……そうね」
「みかん~ みかん~」
「早苗もその歌知ってるのか」
「はい、今、流行ってますモンね。
ところで霊夢さん、初詣の仕度はしないんですか?」
「今夜やるわよ」
「えー、今日は大晦日ですよ」
「ここの場合、特に準備することもないんだぜ。多分誰も来ないし」
本来なら脳天チョップの一つもお見舞いしたいところだが、事実なので体も重い。コタツ布団を顎まで引き上げ「ふんっ」と言うだけだった。
「早苗のところはどうしたんだよ」
「ウチ(守矢神社)の準備はほとんど済んでいます。神奈子さまが霊夢さんにハッパかけて来いと」
「おい、商売敵に応援されてるぜ」
「ふんっ」
「霊夢さん、元気ありませんね」
「ふんっ」
「なんかあったのかよ」
「……なんもなかったのよ」
「ここ最近の行事のことですか?」
「ふんっ」
「あ、もしかしてクリスマスか?」
「ふんっ」
今年のクリスマスはロンリーだった博麗の巫女様。
「魔理沙さん、一緒じゃなかったんですか?」
「私はちょっと用事があってさ」
「アリスさんですね」
「う、まあな」
「どんなクリスマスだったんです?」
「んー、二人で歌ったり、ゲームをしたり、プレゼント交換をしたり。そんでアリスの料理を食べたんだぜ」
「……それだけなの?」
「一緒にお風呂入ったあと、ベッドで他愛のない話をしながら寝たぜ」
「……それだけなの?」
「髪をなでたり、抱きしめたり、軽くキス、そんくらいだぜ」
ギリッ ギリッ 激しい歯軋りが聞こえる。
「プレゼントって、なにをやったのよっ!」
くわっと目を開く。今日一番の大声。
「えー、そんなの他人に言うことじゃないぜ」
『他人』と言われ、ハイマンガンスチール製のハートにちょっぴり傷が入った。
「わ、私にはクリスマスプレゼント、くれないじゃないの!」
「だって神道とクリスマスは相容れないだろ?」
「た、確かにそうだけど、そういう問題じゃないのよっ」
「んー、よく分かんないぜ」
霊夢の想いは魔理沙に全く伝わっていない。
「クリスマスは年中行事として許容して良いんじゃありませんか?」
「お前はどうだったんだよ」
「女同士のクリスマスでした」
「天子とか?」
「ええ、まあ」
「他にいないもんな」
「失礼ですね」
「何やってたのよ」
「最初にアクセを交換しました。偶然ですが二人ともイヤリングだったんですよ、笑っちゃいました。それを付けて河童さんたちが企画したお山のイルミネーションを観に行って、天子さんの家でお料理をいただいて、パジャマパーティーをしました。日付が変わる頃まで騒いじゃいました」
「スゴい楽しそうじゃないか。何が不満なんだよ」
「えー、女同士ですから不毛ですよー。来年こそは彼氏とクリスマスと誓い合いましたよ」
「この、このっ……」
「この?」×2
「このっ ウナ重どもめー!」
「ウナギなんて食べてないぜ?」
「そうですよ。クリスマスにウナギってありえませんよ」
「ウナ重ったら、ウナ重なのよっ!」
「はあ?」×2
最近覚えたらしい『リア充』と言う単語のことだと思われる。
―――†―――†―――†―――
「霊夢、機嫌直せよ」
「ふんっ」
「しょーがないなー。年末年始は霊夢に付き合ってやるからさー」
物言いが微妙に面白くない。
「そうだ、餅でも搗くか? 餅米研いであるんだろ?」
「ふんっ まーね。でも萃香にやらせるからイイわよ。あ、アイツ年末年始は地下に行くんだっけ」
伊吹萃香は以前ほど旧都に抵抗は無くなっているらしい。
「そんじゃ私らでやるか」
「最近、針妙丸さん見かけませんね」
「萃香にくっついてあちこちフラフラしてんのよ」
ちょっぴり寂しそうな霊夢。
「お前、あんまり出歩かないからな。萃香は楽しげな所にならどこにでも顔を出すし」
「仕方ないでしょ、私は巫女の仕事があるんだから」
「それ、本気で言ってるのか?」
「単なる出不精なんじゃありません?」
「あんたに言われたかぁないわよ」
「私が出不精……デブだと言うんですかッ!」
「落ち着けって。デブ性じゃなくて【出不精】、な?」
「似たようなモンよ、ふんっ」
「デブじゃありませんからっ」
「はいはい、この話題は終了な。しゅーりょー」
「んじゃあ、餅を搗きますかー」
霊夢がドッコラショと重い腰を持ち上げた。
―――†―――†―――†―――
前日の晩から研いで水につけておいた餅米をザルに上げ水を切る。
「あんたたちは臼と杵の準備しておいてよ」
「おっけー。臼には水を張っておくぜ」
「物置にあるんですよね?」
せいろで一時間ほど餅米を蒸す。火力最大でガンガン蒸す。
「そろそろ餅米できるわよ」
「おう、臼と杵をお湯で温めとくぜ」
「なんだかお二人とも手際が良いですね」
「まあな、毎年やってるからな」
「蒸し上がったわよ―」
霊夢が布巾に包まれた餅米をアチッアチッと言いながら運んできた。
そして臼にドサッと開ける。
「ふああ~、蒸し米の香り、イイですね~」
「さあ、搗くぜ。霊夢っ」
「応っ」
杵を掴んだ霊夢が答える。巫女服の袖はキャストオフ済みだ。
「あ、あの、私は何をしましょうか?」
「搗くのは私らでやるぜ。まあ、見てろよ」
「……はい」
いきなり搗くわけではない。杵で餅米を潰してこねなければならない。霊夢は体重をかけてギュッギュッ、ミチッミチッと潰していく。米粒がだいたい潰れれば良い。実はこの作業が餅搗きの半分くらいを占める。
「もう良いかしら」
「ああ、じゃあ、やるか」
搗き手、博麗霊夢。返し手、霧雨魔理沙。
返し手はぬるま湯で手を湿しながら、餅を折り畳むように中心に集める。一回搗く度に一回返すのが理想。
どすん ぺたん どすん ぺたん
パワーファイター霊夢とスピードファイター魔理沙のコンビネーションが発揮される。
どすん ぺたん どすん ぺたん
どすっぺちゃ どすっぺちゃ
どすぺ どすぺ どすぺ どすぺ
どぺどぺどぺどぺどぺどぺどぺどぺどぺ
徐々にスピードが上がり、あれよあれよと言う間に搗き上がっていく。
一見細腕の霊夢だが、御存知の通りトンでもない怪力である。早苗が冗談で『ネオロイダー(新造人間)なんじゃありませんか?』と言ったこともあった。
色々と人間離れしている謎の多い博麗の巫女。『あんたの胃袋のほうがよっぽど謎よ』と返すかも知れないが。
「よっしゃあー、次だぜぃ!」
―――†―――†―――†―――
道具の片付けは魔理沙に任せ、巫女二人は手を湿らせながら、一口大の餅を親指と人差し指で作った輪を締めて切り、丸餅に仕上げていく。
「お餅、ウチの分まで助かりました。ありがとうございます」
「イイわよ、ついでだから」
「おーい、早速、食べようぜ」
「大根があるから辛味餅ね」
「辛味餅ぃーー!」
「ど、どうしたんだよ」
「辛味餅は最強ですよっ。大根に含まれる酵素がお餅のデンプンの分解を助けてくれますから胃がもたれないんですよね!」
「お前、胃もたれとかするのか?」
「いえ、話に聞くだけですけど」
「でしょうね」
「だろうな」
「何ですか? 何が言いたいんですか?」
【聖なる胃袋(セント・スタマック】の持ち主である東風谷早苗は今のところ胃もたれとは無縁だ。
「大根いっぱいあるから、ついでにあの鍋やる?」
「お、いいなー、やろうぜっ」
「え、え、何の鍋ですか?」
「通称【超お手軽大根鍋】」
「どんなのですか?」
「まあ、お楽しみにってところだぜ」
―――†―――†―――†―――
「その一番大きな大根使うわよ。上三分の一は辛味餅用にすりおろして、下の残りは短冊切りね」
「大根は上の方が甘味があるんですよね」
「油揚げも短冊切り、鶏皮は細めに刻んで軽く湯掻いておいて」
「ヌメリとアクを取るんだよな」
「土鍋はこの一番大きいの使うわ」
どすんっと大鍋をおろした霊夢。
「他の具は無いんですか?」
「このシンプルさがイイんだぜ」
「ちょっと熱燗つけとこうかしらね」
「私は遠慮します」
「あんたの分はハナから無いわよ」
「まあまあ、早苗も一口くらいイケよ、この鍋に合うんだから」
「……そうですね」
コタツの上には搗きたての餅と出汁醤油の大根おろし。
卓上コンロに乗った土鍋の中は刻まれた鶏皮がクツクツ。
「この鶏皮、お湯で煮ているだけですけど?」
「そのうち良い油とダシが出てくんのよ」
「さあ、まずは辛味餅を食べようぜ」
「いただきまーーす」
もちゃもちゃ、くむくむ、んぐんぐっ
「むむむー、旨いなあー」
「搗きたては格別ね」
「おいっしいいー!」
冬大根の甘いところに出汁醤油味。淡白な餅の旨味を引き立てる。こりゃ美味しいよ。
「そろそろ大根と油揚げ入れようぜ」
土鍋に短冊切りした大根と油揚げをバザバサと入れる。そしてひと煮立ちするまで待つ。
「もういいわね」
お玉で取り皿によそい始める霊夢。
「あのー、味付けは?」
不安そうな早苗。
「醤油を軽く垂らすのよ」
「それだけですか?」
「それだけよ」
「いーから食べてみろよ、お玉かして」
早苗の分もよそってやる魔理沙。
ついでに醤油をタラッタラ。
「それではいただきます」
未だ半信半疑の早苗が大根と油揚げを箸でつまみ、口に含む。
もしょり、もしょり、もしょり、ごくんっ
「こ、こ、これはっ!」
「美味しいでしょ?」
「鶏皮のダシと油、そして油揚げの油、これだけなのにどうしてこんなに深い味なんですかっ?」
次は鶏皮も一緒につまんで、もしょもしょごくんっ
「ぐむむおおっ」
「これ、ハマるんだよな~。山椒をちょっとふってもイイんだぜ」
「大根のシャキシャキ、油揚げのモゾモゾ、鶏皮のコリコリ、歯触りも絶妙ですっ!」
「ふふふ、恐れいったようね」
「はいっ 恐れいりましたーー! おっかわりですっ」
霊夢と魔理沙は顔を見合わせニンマリ。
―――†―――†―――†―――
「ふー、美味しかったです」
鍋を食べきった三人は小休止。
「年越しそばはどうするんです?」
「まだ食べるの?」
「いえ、だって、年越しのシキタリじゃありませんか」
「面倒臭いわね」
「確かになー」
「大晦日は紅白を観て年越しそばですよ」
「紅白?」
「あちらの世界で大晦日に国営放送局がやるテレビジョンの歌番組です」
幻想郷にはテレビが普及してないので当然二人は知らない。
「なんで紅白なの?」
「紅組は女性歌手、白組は男性歌手に分かれて交互に歌って人気得票か何かで勝ち負けを決めるんです」
「ふーん」
「ここには【一人紅白】がいるぜ、あははは」
「そうね、うひゃひゃひゃ」
実感が伴わないのでフザケるネイティブの二人。
「テレビがありませんし、仕方ないですね」
そうですね。
「あれを観終わって、ゆく年くる年が始まると『あー今年も終わりだなー』と感じていました」
「無い物ねだりをしてもしょーが無いでしょうが」
「はい、ですからせめて年越しそばをと思うんです」
「だから面倒だって」
「でしたら後でウチ(守矢神社)に来てくださいよ、おそばの準備をしておきますから」
「そーゆーことなら話は別だぜ。な、霊夢?」
「動くのも面倒臭いわ~」
餅を搗いて、鍋を作った。これで霊夢の本日のヤル気は尽きていた。
「もー霊夢さんたらー」
困り顔の早苗がどうしたものかと視線をさ迷わす。そしてすっかり日が暮れていることに気づく。
「あらいけません。私、そろそろお暇(いとま)しませんと」
「お? そうなのか?」
「新年を迎える仕度をしないとですからね」
「ふーん」
さすがに『帰ってお夕飯を食べないと』とは言えない。
「ごちそうさまでした。それにお餅、ありがとうございます。良いお年をお過ごしくださいね」
「はいはい、じゃあねー」
「早苗も良いお年を~」
「気が向いたら来てくださいね。おそばありますから」
「へいへい」
餅の包みをぶら下げて早苗が退出した。
―――†―――†―――†―――
「あ」
「どした」
コタツ板に顎をのせていた霊夢が跳ね起きた。
「命蓮寺に行かなきゃ」
「え? 今からかよ」
あれから随分の時間、グデグデしてしまっていた。
「除夜の鐘をつきに行くわよ」
「お寺の鐘を? お前、立場とか大丈夫かよ?」
「ナズーリンさんに誘われてたの思い出した」
「ナズーリンか」
「特製甘酒と玉コンニャクの味噌串があるんだって」
「まー、命蓮寺の食べ物にハズレは無いからな。でも、お前、それで良いのか?」
「何も問題無いわ」
どうやら小腹が空いてきたようだ。
「お前がそう言うなら構わないけどな」
―――†―――†―――†―――
命蓮寺は大盛況だった。
「こりゃスゴい人出だぜ」
「う、羨ましくなんか無いわよ」
「そんなこと言ってないぜ」
防寒対策万全でやや着膨れした二人は鐘もつき終わり、玉コンニャクも食べ、今は甘酒の列に並んでいた。
「ナズーリンいないな」
「あのヒト、行事のときは裏方で走り回ってるハズだから仕方ないわよ」
「そうか、で、この後はどうする? 早苗のとこ行くか?」
「その前に商店街よ」
「買い物か?」
「これよ」
ピラッと取り出したのは福引き券。
「今日の夜中までだから急いで行かなくちゃ」
「危うくパアになるところじゃないかよ」
「出かけるときに思い出したのよ」
「私が言うのも何だけどさ、お前、大事なことはメモとかしといた方が良いぜ」
「そのメモが面倒臭いのよね」
「この件に関しては私がキチンと指導してやるからな」
「何よ偉そうね、魔理沙のくせに生意気よ」
「イイから私の言うことを聞けよ、年明けたら早速やるからな」
魔理沙は小まめに記録を取る習慣がある。魔法使いなんだから当たり前だ。
霊夢のいい加減さとスッポ抜けにしばしば振り回されている魔理沙はこの対応を来年の課題とすることを心の中で誓った。
―――†―――†―――†―――
「私の勝負強さを知ってるでしょ」
「う、うん、まあな」
商店会の歳末福引きにはギリギリ間に合った。
特賞の温泉旅館一泊二日二名様宿泊券、一等賞の米一俵は既に無くなっていたが、二等賞以下はあと少しあるらしい。
二等賞は高級霜降り牛肉3kg、三等賞はみかんの大箱三箱、四等賞は燻製肉(ハム)の詰め合わせだった。
福引きのガラガラの取っ手を掴み、賞品を睨んでいる霊夢。ちなみにこのガラガラ、正式名称は【新井式回転抽選器】専売特許品らしい。
「みかんはもういらないし。やっぱ肉が良いわね。二等か四等! さあ、行くわよー!」
(これってフラグって言うんだよな……)
十秒後の光景がありありと目に浮かぶ霧雨魔理沙は先に溜息をつくことにした。
なにはともあれ来年もよろしくお願いいたします。
閑な少女たちの話 了
みかんがたべたい わったっしー
みかんー みかんー
わたしのためにみかんをむいてー
みかんー みかんー
みかんがたべたい わったっしー
みかんー みかんー
わたしのためにみかんをむいてー
あまーいの えらんでねー
すっぱいのーはきらいなのー
あまいのえらんでくれたならー
アナタに半分あげちゃうわー
あまいのえらんでくれたならー
わたしを半分あげちゃうわん
※サビの『わたしを半分あげちゃうわん』は囁くように歌う。
「なにその歌?」
霧雨魔理沙が突然歌い出した珍妙な歌に顔を歪めた博麗霊夢。
「今、里で流行ってるんだぜ~」
「とっても頭が悪そうな内容なんだけど」
「でも流行ってるんだぜ」
二人は博麗神社の居間のコタツに足を入れ、卓上のみかんをもそもそ、ちゅくちゅく食べている。年の瀬も押し詰まっているのにどうにもピリッとしていない。
「今年は雪が降らないわね」
「やっぱ、地球オバさん化現象のせいかな」
「そうかもね」
考えるだに恐ろしい現象だ。
ちなみに東風谷早苗が不在につきスルーされている。
この三人、ボケとツッコミのジャンルがバラバラで組み合わせが精妙なので一人欠けると修正がきかない。
「冬の妖怪は何をやってるのかしら」
「レティ・インディアンデスロックだよな」
「そんな名前だったわね」
早苗さん、早く来てー。
「このみかん、旨いな」
「里の八百屋さんからいただいたのよ」
「正当な理由のもとにか?」
「クラッカーよ(あたりマエダの)」
「ならイイけどな。みかんー みかんー」
また歌い出した魔理沙。
この歌、【ダウジング・マウス】なるライターの作詞作曲。地底にいる土蜘蛛の妖怪が歌ったのが始まりらしい。地底の流行歌が地上に昇ってきたのだ。最近はこのような文化交流が頻繁に行われている。
「こーんにちわー」
「お、来たぜ」
「そうね」
外からの声はご存知東風谷の早苗さん。
―――†―――†―――†―――
「みかんの差し入れです。ふーー」
えっちらおっちら運び入れたみかんの箱はそこそこ大きいものだった。
「みかん?」
霊夢は一瞬、微妙な顔をしたが、差し入れに文句を言っては今後が望めなくなることを経験的に学んでいる。
「良かったな。これでしばらくはみかんに困らないぜ」
「……そうね」
「何は無くとも冬場はみかんを食べてりゃ死なないぜ」
「……そうね」
「みかん~ みかん~」
「早苗もその歌知ってるのか」
「はい、今、流行ってますモンね。
ところで霊夢さん、初詣の仕度はしないんですか?」
「今夜やるわよ」
「えー、今日は大晦日ですよ」
「ここの場合、特に準備することもないんだぜ。多分誰も来ないし」
本来なら脳天チョップの一つもお見舞いしたいところだが、事実なので体も重い。コタツ布団を顎まで引き上げ「ふんっ」と言うだけだった。
「早苗のところはどうしたんだよ」
「ウチ(守矢神社)の準備はほとんど済んでいます。神奈子さまが霊夢さんにハッパかけて来いと」
「おい、商売敵に応援されてるぜ」
「ふんっ」
「霊夢さん、元気ありませんね」
「ふんっ」
「なんかあったのかよ」
「……なんもなかったのよ」
「ここ最近の行事のことですか?」
「ふんっ」
「あ、もしかしてクリスマスか?」
「ふんっ」
今年のクリスマスはロンリーだった博麗の巫女様。
「魔理沙さん、一緒じゃなかったんですか?」
「私はちょっと用事があってさ」
「アリスさんですね」
「う、まあな」
「どんなクリスマスだったんです?」
「んー、二人で歌ったり、ゲームをしたり、プレゼント交換をしたり。そんでアリスの料理を食べたんだぜ」
「……それだけなの?」
「一緒にお風呂入ったあと、ベッドで他愛のない話をしながら寝たぜ」
「……それだけなの?」
「髪をなでたり、抱きしめたり、軽くキス、そんくらいだぜ」
ギリッ ギリッ 激しい歯軋りが聞こえる。
「プレゼントって、なにをやったのよっ!」
くわっと目を開く。今日一番の大声。
「えー、そんなの他人に言うことじゃないぜ」
『他人』と言われ、ハイマンガンスチール製のハートにちょっぴり傷が入った。
「わ、私にはクリスマスプレゼント、くれないじゃないの!」
「だって神道とクリスマスは相容れないだろ?」
「た、確かにそうだけど、そういう問題じゃないのよっ」
「んー、よく分かんないぜ」
霊夢の想いは魔理沙に全く伝わっていない。
「クリスマスは年中行事として許容して良いんじゃありませんか?」
「お前はどうだったんだよ」
「女同士のクリスマスでした」
「天子とか?」
「ええ、まあ」
「他にいないもんな」
「失礼ですね」
「何やってたのよ」
「最初にアクセを交換しました。偶然ですが二人ともイヤリングだったんですよ、笑っちゃいました。それを付けて河童さんたちが企画したお山のイルミネーションを観に行って、天子さんの家でお料理をいただいて、パジャマパーティーをしました。日付が変わる頃まで騒いじゃいました」
「スゴい楽しそうじゃないか。何が不満なんだよ」
「えー、女同士ですから不毛ですよー。来年こそは彼氏とクリスマスと誓い合いましたよ」
「この、このっ……」
「この?」×2
「このっ ウナ重どもめー!」
「ウナギなんて食べてないぜ?」
「そうですよ。クリスマスにウナギってありえませんよ」
「ウナ重ったら、ウナ重なのよっ!」
「はあ?」×2
最近覚えたらしい『リア充』と言う単語のことだと思われる。
―――†―――†―――†―――
「霊夢、機嫌直せよ」
「ふんっ」
「しょーがないなー。年末年始は霊夢に付き合ってやるからさー」
物言いが微妙に面白くない。
「そうだ、餅でも搗くか? 餅米研いであるんだろ?」
「ふんっ まーね。でも萃香にやらせるからイイわよ。あ、アイツ年末年始は地下に行くんだっけ」
伊吹萃香は以前ほど旧都に抵抗は無くなっているらしい。
「そんじゃ私らでやるか」
「最近、針妙丸さん見かけませんね」
「萃香にくっついてあちこちフラフラしてんのよ」
ちょっぴり寂しそうな霊夢。
「お前、あんまり出歩かないからな。萃香は楽しげな所にならどこにでも顔を出すし」
「仕方ないでしょ、私は巫女の仕事があるんだから」
「それ、本気で言ってるのか?」
「単なる出不精なんじゃありません?」
「あんたに言われたかぁないわよ」
「私が出不精……デブだと言うんですかッ!」
「落ち着けって。デブ性じゃなくて【出不精】、な?」
「似たようなモンよ、ふんっ」
「デブじゃありませんからっ」
「はいはい、この話題は終了な。しゅーりょー」
「んじゃあ、餅を搗きますかー」
霊夢がドッコラショと重い腰を持ち上げた。
―――†―――†―――†―――
前日の晩から研いで水につけておいた餅米をザルに上げ水を切る。
「あんたたちは臼と杵の準備しておいてよ」
「おっけー。臼には水を張っておくぜ」
「物置にあるんですよね?」
せいろで一時間ほど餅米を蒸す。火力最大でガンガン蒸す。
「そろそろ餅米できるわよ」
「おう、臼と杵をお湯で温めとくぜ」
「なんだかお二人とも手際が良いですね」
「まあな、毎年やってるからな」
「蒸し上がったわよ―」
霊夢が布巾に包まれた餅米をアチッアチッと言いながら運んできた。
そして臼にドサッと開ける。
「ふああ~、蒸し米の香り、イイですね~」
「さあ、搗くぜ。霊夢っ」
「応っ」
杵を掴んだ霊夢が答える。巫女服の袖はキャストオフ済みだ。
「あ、あの、私は何をしましょうか?」
「搗くのは私らでやるぜ。まあ、見てろよ」
「……はい」
いきなり搗くわけではない。杵で餅米を潰してこねなければならない。霊夢は体重をかけてギュッギュッ、ミチッミチッと潰していく。米粒がだいたい潰れれば良い。実はこの作業が餅搗きの半分くらいを占める。
「もう良いかしら」
「ああ、じゃあ、やるか」
搗き手、博麗霊夢。返し手、霧雨魔理沙。
返し手はぬるま湯で手を湿しながら、餅を折り畳むように中心に集める。一回搗く度に一回返すのが理想。
どすん ぺたん どすん ぺたん
パワーファイター霊夢とスピードファイター魔理沙のコンビネーションが発揮される。
どすん ぺたん どすん ぺたん
どすっぺちゃ どすっぺちゃ
どすぺ どすぺ どすぺ どすぺ
どぺどぺどぺどぺどぺどぺどぺどぺどぺ
徐々にスピードが上がり、あれよあれよと言う間に搗き上がっていく。
一見細腕の霊夢だが、御存知の通りトンでもない怪力である。早苗が冗談で『ネオロイダー(新造人間)なんじゃありませんか?』と言ったこともあった。
色々と人間離れしている謎の多い博麗の巫女。『あんたの胃袋のほうがよっぽど謎よ』と返すかも知れないが。
「よっしゃあー、次だぜぃ!」
―――†―――†―――†―――
道具の片付けは魔理沙に任せ、巫女二人は手を湿らせながら、一口大の餅を親指と人差し指で作った輪を締めて切り、丸餅に仕上げていく。
「お餅、ウチの分まで助かりました。ありがとうございます」
「イイわよ、ついでだから」
「おーい、早速、食べようぜ」
「大根があるから辛味餅ね」
「辛味餅ぃーー!」
「ど、どうしたんだよ」
「辛味餅は最強ですよっ。大根に含まれる酵素がお餅のデンプンの分解を助けてくれますから胃がもたれないんですよね!」
「お前、胃もたれとかするのか?」
「いえ、話に聞くだけですけど」
「でしょうね」
「だろうな」
「何ですか? 何が言いたいんですか?」
【聖なる胃袋(セント・スタマック】の持ち主である東風谷早苗は今のところ胃もたれとは無縁だ。
「大根いっぱいあるから、ついでにあの鍋やる?」
「お、いいなー、やろうぜっ」
「え、え、何の鍋ですか?」
「通称【超お手軽大根鍋】」
「どんなのですか?」
「まあ、お楽しみにってところだぜ」
―――†―――†―――†―――
「その一番大きな大根使うわよ。上三分の一は辛味餅用にすりおろして、下の残りは短冊切りね」
「大根は上の方が甘味があるんですよね」
「油揚げも短冊切り、鶏皮は細めに刻んで軽く湯掻いておいて」
「ヌメリとアクを取るんだよな」
「土鍋はこの一番大きいの使うわ」
どすんっと大鍋をおろした霊夢。
「他の具は無いんですか?」
「このシンプルさがイイんだぜ」
「ちょっと熱燗つけとこうかしらね」
「私は遠慮します」
「あんたの分はハナから無いわよ」
「まあまあ、早苗も一口くらいイケよ、この鍋に合うんだから」
「……そうですね」
コタツの上には搗きたての餅と出汁醤油の大根おろし。
卓上コンロに乗った土鍋の中は刻まれた鶏皮がクツクツ。
「この鶏皮、お湯で煮ているだけですけど?」
「そのうち良い油とダシが出てくんのよ」
「さあ、まずは辛味餅を食べようぜ」
「いただきまーーす」
もちゃもちゃ、くむくむ、んぐんぐっ
「むむむー、旨いなあー」
「搗きたては格別ね」
「おいっしいいー!」
冬大根の甘いところに出汁醤油味。淡白な餅の旨味を引き立てる。こりゃ美味しいよ。
「そろそろ大根と油揚げ入れようぜ」
土鍋に短冊切りした大根と油揚げをバザバサと入れる。そしてひと煮立ちするまで待つ。
「もういいわね」
お玉で取り皿によそい始める霊夢。
「あのー、味付けは?」
不安そうな早苗。
「醤油を軽く垂らすのよ」
「それだけですか?」
「それだけよ」
「いーから食べてみろよ、お玉かして」
早苗の分もよそってやる魔理沙。
ついでに醤油をタラッタラ。
「それではいただきます」
未だ半信半疑の早苗が大根と油揚げを箸でつまみ、口に含む。
もしょり、もしょり、もしょり、ごくんっ
「こ、こ、これはっ!」
「美味しいでしょ?」
「鶏皮のダシと油、そして油揚げの油、これだけなのにどうしてこんなに深い味なんですかっ?」
次は鶏皮も一緒につまんで、もしょもしょごくんっ
「ぐむむおおっ」
「これ、ハマるんだよな~。山椒をちょっとふってもイイんだぜ」
「大根のシャキシャキ、油揚げのモゾモゾ、鶏皮のコリコリ、歯触りも絶妙ですっ!」
「ふふふ、恐れいったようね」
「はいっ 恐れいりましたーー! おっかわりですっ」
霊夢と魔理沙は顔を見合わせニンマリ。
―――†―――†―――†―――
「ふー、美味しかったです」
鍋を食べきった三人は小休止。
「年越しそばはどうするんです?」
「まだ食べるの?」
「いえ、だって、年越しのシキタリじゃありませんか」
「面倒臭いわね」
「確かになー」
「大晦日は紅白を観て年越しそばですよ」
「紅白?」
「あちらの世界で大晦日に国営放送局がやるテレビジョンの歌番組です」
幻想郷にはテレビが普及してないので当然二人は知らない。
「なんで紅白なの?」
「紅組は女性歌手、白組は男性歌手に分かれて交互に歌って人気得票か何かで勝ち負けを決めるんです」
「ふーん」
「ここには【一人紅白】がいるぜ、あははは」
「そうね、うひゃひゃひゃ」
実感が伴わないのでフザケるネイティブの二人。
「テレビがありませんし、仕方ないですね」
そうですね。
「あれを観終わって、ゆく年くる年が始まると『あー今年も終わりだなー』と感じていました」
「無い物ねだりをしてもしょーが無いでしょうが」
「はい、ですからせめて年越しそばをと思うんです」
「だから面倒だって」
「でしたら後でウチ(守矢神社)に来てくださいよ、おそばの準備をしておきますから」
「そーゆーことなら話は別だぜ。な、霊夢?」
「動くのも面倒臭いわ~」
餅を搗いて、鍋を作った。これで霊夢の本日のヤル気は尽きていた。
「もー霊夢さんたらー」
困り顔の早苗がどうしたものかと視線をさ迷わす。そしてすっかり日が暮れていることに気づく。
「あらいけません。私、そろそろお暇(いとま)しませんと」
「お? そうなのか?」
「新年を迎える仕度をしないとですからね」
「ふーん」
さすがに『帰ってお夕飯を食べないと』とは言えない。
「ごちそうさまでした。それにお餅、ありがとうございます。良いお年をお過ごしくださいね」
「はいはい、じゃあねー」
「早苗も良いお年を~」
「気が向いたら来てくださいね。おそばありますから」
「へいへい」
餅の包みをぶら下げて早苗が退出した。
―――†―――†―――†―――
「あ」
「どした」
コタツ板に顎をのせていた霊夢が跳ね起きた。
「命蓮寺に行かなきゃ」
「え? 今からかよ」
あれから随分の時間、グデグデしてしまっていた。
「除夜の鐘をつきに行くわよ」
「お寺の鐘を? お前、立場とか大丈夫かよ?」
「ナズーリンさんに誘われてたの思い出した」
「ナズーリンか」
「特製甘酒と玉コンニャクの味噌串があるんだって」
「まー、命蓮寺の食べ物にハズレは無いからな。でも、お前、それで良いのか?」
「何も問題無いわ」
どうやら小腹が空いてきたようだ。
「お前がそう言うなら構わないけどな」
―――†―――†―――†―――
命蓮寺は大盛況だった。
「こりゃスゴい人出だぜ」
「う、羨ましくなんか無いわよ」
「そんなこと言ってないぜ」
防寒対策万全でやや着膨れした二人は鐘もつき終わり、玉コンニャクも食べ、今は甘酒の列に並んでいた。
「ナズーリンいないな」
「あのヒト、行事のときは裏方で走り回ってるハズだから仕方ないわよ」
「そうか、で、この後はどうする? 早苗のとこ行くか?」
「その前に商店街よ」
「買い物か?」
「これよ」
ピラッと取り出したのは福引き券。
「今日の夜中までだから急いで行かなくちゃ」
「危うくパアになるところじゃないかよ」
「出かけるときに思い出したのよ」
「私が言うのも何だけどさ、お前、大事なことはメモとかしといた方が良いぜ」
「そのメモが面倒臭いのよね」
「この件に関しては私がキチンと指導してやるからな」
「何よ偉そうね、魔理沙のくせに生意気よ」
「イイから私の言うことを聞けよ、年明けたら早速やるからな」
魔理沙は小まめに記録を取る習慣がある。魔法使いなんだから当たり前だ。
霊夢のいい加減さとスッポ抜けにしばしば振り回されている魔理沙はこの対応を来年の課題とすることを心の中で誓った。
―――†―――†―――†―――
「私の勝負強さを知ってるでしょ」
「う、うん、まあな」
商店会の歳末福引きにはギリギリ間に合った。
特賞の温泉旅館一泊二日二名様宿泊券、一等賞の米一俵は既に無くなっていたが、二等賞以下はあと少しあるらしい。
二等賞は高級霜降り牛肉3kg、三等賞はみかんの大箱三箱、四等賞は燻製肉(ハム)の詰め合わせだった。
福引きのガラガラの取っ手を掴み、賞品を睨んでいる霊夢。ちなみにこのガラガラ、正式名称は【新井式回転抽選器】専売特許品らしい。
「みかんはもういらないし。やっぱ肉が良いわね。二等か四等! さあ、行くわよー!」
(これってフラグって言うんだよな……)
十秒後の光景がありありと目に浮かぶ霧雨魔理沙は先に溜息をつくことにした。
なにはともあれ来年もよろしくお願いいたします。
閑な少女たちの話 了
鍋コスパいいなぁ今度やってみよう…
大根鍋も美味しそうだし。
ほんと、文字だけの描写なのに目の前に本物の料理が出てきそうな気がしました。
霊夢さん、お肉があたると良いなぁw
金細工師様:
ありがとうございます。今年も月一ペースでガンバリます。
奇声様:
いつもお目通しいただきありがとうございます。
19様:
昔、子供たちの学校行事で駆り出され、餅を搗いていました。
結構、腰にくるんですよね。でも、搗きたては旨かったですね。
絶望様:
ありがとうございます。ここ一番の勝負では必ず面白い方向へ転ぶ霊夢さんです。
しばらくミカンには困らないでしょうww
大根鍋とは聞き捨てなるまい!と読んでましたが、早苗さんじゃないですけどダシが本当に不思議ですね! そんな内容で本当に大丈夫なの?と一緒に思ってました。鶏皮は分かりますけれど、油揚げの出汁でそこまでになるんですねぇ
ここにお餅と若干の調味料を加えると、お雑煮にも転用できるかも……とか思いました。邪道でしょうかね?(笑)
メロディが知りたい
みかんと炬燵は冬の必需品です。
いえいえ、何を入れてもいーんですよ。それが鍋の醍醐味ですから。
設定上、出しにくい食材ですがアサリのむき身と大根、油揚げ、それを醤油と山椒……お酒がすすみ過ぎます。
13番様:
ルパン三世の主題歌で「ルパン~ルパン~ルパン」て感じの陽気なやつですかね。
ごめんなさい。紅川は音楽センスが皆無なのです。
14番様:
ざっつ らいっ!