Coolier - 新生・東方創想話

5月14日

2015/05/14 23:55:37
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 今日は、5/14。こいしと読める日。
 つまるところ、私の日というわけ。

「お姉ちゃんは、祝ってくれるかな」

 誕生日ではない。ただ、数字がこいしと読めるだけ。
 しかしそれでも、私がそれを喜んでいるのだから、姉もきっと何かしてくれるだろう。いや、そうでないはずがない。
 足取りも軽く、姉の部屋へ。
 戸を叩く。

「お姉ちゃん。あのね、今日ね」
「ええ、そうね。シハモニ国王誕生日ね」
「何それ!? というか誰それ!?」

 想像を絶する回答が返ってきた。

「そ、そうじゃなくて」
「佐々成政が切腹をした方かしら」
「そうなんだ!? 縁起でもない!」

 姉の脳内辞典が情報豊富すぎてついていけない。

「そうじゃなくて、5/14だから、あの」
「あのアンリ4世が暗殺された日?」
「どの!?」

 しかもまた暗い話題だし……
 私は首を振る。

「そーじゃなくて! 5/14でしょ!」
「そうね」

 ようやく想定した話の流れに乗せられた。

「だから、それをご、いち、よんで、読み方変えてさ」
「なるほど、つまりこれね」

 そういうと、姉はポケットから黒と白の玉石のようなものを取り出した。

「何コレ?」
「碁石」
「惜しい!」

 思わず叫んじゃった。でも、なんとなく判ってきた。
 判っててからかってるなこれ。

「そうじゃなくて」
「ところでこいし」
「何?」

 遮られっぱなし。

「冷蔵庫にケーキが買ってあるわ」
「お姉ちゃん大好き」
「いつも思うけどあなた現金よね」

 なんとでも云ってくれと思う。
 なによ、ちゃんと気付いててくれたんだ。判っててくれたんだ。なんだ。なんだ。
 冷蔵庫を開ける。箱があった。

「お姉ちゃん、これ!? ホール!?」
「それよ」

 取り出して、テーブルに置く。お姉ちゃんはいつの間にか紅茶を用意していた。出来る姉。

「さぁ、開けてご覧なさい」

 姉がすごいドヤ顔してた。

「わぁ……」

 大きなショートケーキには、プレートがついている。

『ごいしの日』

「お姉ちゃん、濁点付いてる!」

 台無しだよ!

「……どうゆうこと?」

 お姉ちゃんは予想外って顔してた。わざとじゃないらしい。
 ゆっくりケーキの前に回り、プレートを確認する。それから、ゆっくり崩れ落ちた。

「お姉ちゃん!?」
「これを依頼したケーキ屋と私とで、意思の疎通が、誤っていたってことね」
「え、うん、まぁ……そう?」

 フォローしようとして、浮かばなくて、肯定で終わる。

「そう……」

 姉は悲痛な表情を浮かべ、重々しく呟いた。








「……誤意思の日」
「うるさいよ!」

 今日も地霊殿は平和です。
お久し振りデース。
思い付いたことを思い付いたままに書こうと思ったら5/14日が終わりそうだったので焦って書き上げてみました。
短くて申し訳ないです。

オチとかヤマとかそういうの苦手なので、少しでもほのぼのして頂けたら幸いです……!
お読み頂き、ありがとうございました♪
大崎屋平蔵
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コメント



0.1950簡易評価
4.100名前が無い程度の能力削除
ちくしょう、大爆笑した……。おかえりなさい。
8.90奇声を発する程度の能力削除
面白かったです
11.80名前が無い程度の能力削除
お久しぶりです。このさとりはお茶目でいいなぁw
18.90名前が無い程度の能力削除
まさに「うるさいよ!」なオチでしたw
19.無評価名前が無い程度の能力削除
久々にわろたw
21.100名前が無い程度の能力削除
姉のお祝いが恋しいこいしちゃん。
25.80名前が無い程度の能力削除
短い!楽しい!ほのぼの!

……誤意思で十分オチてると思うの
28.100名前が無い程度の能力削除
楽しかった
ありがとうございます
30.90絶望を司る程度の能力削除
笑ったw
32.90名前が無い程度の能力削除
ちゃんとオチてますけど、何なんでしょうねこの平和な空気w
ともあれ博識天然な(あるいはわざとか)、さとり様もよいものです
37.90名前が無い程度の能力削除
このやりとり好きですね
46.90大根屋削除
なるほどwww 見返すと面白さが分かってくるw
シンプルながら、場面が想像できると楽しいですね。