最近、やたらと氷精を見かける。
「ようれいむ!」
最近、天狗も見かける。
「こんにちは、霊夢さん」
いつものバカ笑顔に、いつもの営業スマイル。
眩しいったらありゃしない。
「遊びに来てやったぞ!」
きてやったじゃないだろう、と突っ込みたいところではあるが、それ以上に文の事が気になってしまう。
「あんたさ、最近ずっとチルノと一緒じゃない?」
「まぁそうですね」
「今あたい、みっちゃくしゅざいっての受けてるのよ!」
そういって胸を張るが、なぜそこでお前が威張るのか。この天狗の事だ、どうせろくな理由じゃないわよ。
「失礼ですね。これは立派な生態調査ですよ」
「生態調査?あんた学者にでも転職したの?」
「特集記事ですよ。ああいうのにはちょっとした学問記事が受けたりするんです」
ほらほらとさりげなく自分の新聞を差し出してくるあたり、よくできた商売人だ。
「そこで、今回は妖精の生態を調査しようと思いまして。ほら、実際のところ妖精の生活なんて知らないでしょう?」
別に興味すらないが、この天狗は構わず話し続ける。
「結構興味深いもので、意外に住居を構えたりもするらしいのです」
そういえばうちの裏手のいたずら妖精もそうだっけ。木に穴開けて住んでるとかなんとか。
「チルノさんの家はちょっと冷えてましたね。烏に夜を過ごすのは少し堪えました」
「あんたもまだまだね、そんなんじゃサイキョーには程遠いわよ」
「はい、精進します」
何時の間に師弟関係になったのよ。
というかチルノのとこで寝たのか。睡眠的な意味で。
やがて妖精が一人、また一人と増え、境内が騒がしくなる。
「ここは運動場じゃないのだけど」
「まぁいいじゃないですか、子供は元気が取り柄ですよ」
営業スマイルではない、純粋ににこやかな顔で写真を撮る。
……なによ、普通に笑えるじゃない。
「というか何枚撮る気?そのフィルムとやらも高いんじゃないの?」
「今撮らずにいつ撮るんですか!」
そこまで本気にならなくてもいいじゃない……。
「日も暮れましたね。チルノさん、そろそろ帰りましょう!」
中に入って煎餅を食べていたら、ようやく文がそんなことを言い出した。
日も暮れ、妖精もほとんどが帰った後。こんな時間までよく遊ぶわね。
「そうね、ふぁ……」
「おや、疲れましたか?」
「そんなわけないわ!さいきょーのあたいがつかれるなんてあまりないのよ!」
「おお、流石はチルノさんです」
必死にあくびをしまいとこらえている姿がおかしい。
「ところでチルノさん。こんな時間ですし私の家に泊まりませんか?」
「え?なんで?」
「夜の湖の横断は危険がいっぱいなのです。それに私の家の方が近いのですよ」
「でも暑いのは嫌よ?」
「山は標高も高く、年中涼しい気候ですよ」
「そうなの?」
「それに山は警戒が厳しいから、なかなか部外者は入れない。でもラッキーなことに、私が連れて行けば入ることができます」
「つまり、あたいはラッキー?」
「そう、ラッキー」
「ラッキーなら逃す手はないわね!」
「変な妖怪に襲われないよう、早く帰りましょう」
馬鹿なことで喜ぶのね、妖精って。
「それでは霊夢さん、お邪魔しました!」
「またね!」
翼をバッサバサはばたかせて帰っていく文とそれについていくチルノ。はいはいさっさと帰んなさい。
縁側に置きっぱなしだった、冷めたお茶を飲み干しながら思い出す。
天狗って、子供を言葉巧みに丸め込んで攫うという伝説があったような……。
まぁ、相手が妖精なら私には関係ないか。
「ようれいむ!」
最近、天狗も見かける。
「こんにちは、霊夢さん」
いつものバカ笑顔に、いつもの営業スマイル。
眩しいったらありゃしない。
「遊びに来てやったぞ!」
きてやったじゃないだろう、と突っ込みたいところではあるが、それ以上に文の事が気になってしまう。
「あんたさ、最近ずっとチルノと一緒じゃない?」
「まぁそうですね」
「今あたい、みっちゃくしゅざいっての受けてるのよ!」
そういって胸を張るが、なぜそこでお前が威張るのか。この天狗の事だ、どうせろくな理由じゃないわよ。
「失礼ですね。これは立派な生態調査ですよ」
「生態調査?あんた学者にでも転職したの?」
「特集記事ですよ。ああいうのにはちょっとした学問記事が受けたりするんです」
ほらほらとさりげなく自分の新聞を差し出してくるあたり、よくできた商売人だ。
「そこで、今回は妖精の生態を調査しようと思いまして。ほら、実際のところ妖精の生活なんて知らないでしょう?」
別に興味すらないが、この天狗は構わず話し続ける。
「結構興味深いもので、意外に住居を構えたりもするらしいのです」
そういえばうちの裏手のいたずら妖精もそうだっけ。木に穴開けて住んでるとかなんとか。
「チルノさんの家はちょっと冷えてましたね。烏に夜を過ごすのは少し堪えました」
「あんたもまだまだね、そんなんじゃサイキョーには程遠いわよ」
「はい、精進します」
何時の間に師弟関係になったのよ。
というかチルノのとこで寝たのか。睡眠的な意味で。
やがて妖精が一人、また一人と増え、境内が騒がしくなる。
「ここは運動場じゃないのだけど」
「まぁいいじゃないですか、子供は元気が取り柄ですよ」
営業スマイルではない、純粋ににこやかな顔で写真を撮る。
……なによ、普通に笑えるじゃない。
「というか何枚撮る気?そのフィルムとやらも高いんじゃないの?」
「今撮らずにいつ撮るんですか!」
そこまで本気にならなくてもいいじゃない……。
「日も暮れましたね。チルノさん、そろそろ帰りましょう!」
中に入って煎餅を食べていたら、ようやく文がそんなことを言い出した。
日も暮れ、妖精もほとんどが帰った後。こんな時間までよく遊ぶわね。
「そうね、ふぁ……」
「おや、疲れましたか?」
「そんなわけないわ!さいきょーのあたいがつかれるなんてあまりないのよ!」
「おお、流石はチルノさんです」
必死にあくびをしまいとこらえている姿がおかしい。
「ところでチルノさん。こんな時間ですし私の家に泊まりませんか?」
「え?なんで?」
「夜の湖の横断は危険がいっぱいなのです。それに私の家の方が近いのですよ」
「でも暑いのは嫌よ?」
「山は標高も高く、年中涼しい気候ですよ」
「そうなの?」
「それに山は警戒が厳しいから、なかなか部外者は入れない。でもラッキーなことに、私が連れて行けば入ることができます」
「つまり、あたいはラッキー?」
「そう、ラッキー」
「ラッキーなら逃す手はないわね!」
「変な妖怪に襲われないよう、早く帰りましょう」
馬鹿なことで喜ぶのね、妖精って。
「それでは霊夢さん、お邪魔しました!」
「またね!」
翼をバッサバサはばたかせて帰っていく文とそれについていくチルノ。はいはいさっさと帰んなさい。
縁側に置きっぱなしだった、冷めたお茶を飲み干しながら思い出す。
天狗って、子供を言葉巧みに丸め込んで攫うという伝説があったような……。
まぁ、相手が妖精なら私には関係ないか。
ほのぼのですねぇ。
短い文章ですが、ところどころにそのキャラらしい行動や台詞があって、
自然に受け入れられました。