Coolier - 新生・東方創想話

いつもの夜~松茸と秋刀魚~

2014/09/27 18:52:04
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 人通りの少ない真っ暗な道の一角。
 そこにわたし自慢の屋台はある。
 店も大きくないし、くる人(妖怪?)も少ないけれど、毎日楽しくやっています。
 今日も赤提灯に火を入れて準備完了。
「暑さ寒さも彼岸まで」なんて言葉通り、すっかり涼しくなってきました。
 ついでに、この細かい雨も止んでくれるといいんだけどなぁ。


☆☆☆


「なぁ、『さんま』って知ってるか?」
「さんま……?」
 店に入ってくるなり言った魔理沙さんの言葉に、妖夢さんがレモンハイを手にもったまま首を傾げる。
「三人麻雀のことでしょうか?」
 こっちは美鈴さん。
 わたしが「さんま」って聞いて想像したのも、三人麻雀だ。
 あ、でも今はあんまり考えたくない。ついこの前、6順で国士無双に刺さったんだよなぁ。別に珍しいことでもないんだけど……。
「なーんだ。ここなら誰かしら知ってると思ったんだがな」
 魔理沙さんがぶっきらぼうに言いながら席に着く。
「それで、『さんま』って何ですか?」
 美鈴さんが魔理沙さんと「さんま」について話始めるのを見てから、こっちはお通し代わりの天ぷらの準備をする。
 きょうの天ぷらは舞茸。太い菜箸で衣をつけてから、油であげると、それだけで舞茸独特の香りが立つ。
 天ぷらをあげてる間、美鈴さんと魔理沙さんはお酒片手に「さんま」の話をしていた。美鈴さんはなぜかウォッカトニック。魔理沙さんは生ビールだ。
 2人、というか魔理沙さんの話によると、「さんま」は「秋刀魚」と書くらしい。
 秋の刀の魚。
 魚と書くくらいだから、魚なのだろう。でも川魚で秋刀魚なんてきいたことがない。
 刀って字が入っているから、骨が刀なのだろうか? それとも背鰭が刀のようになってるのだろうか? もし、骨が刀だったら、三枚卸にするだけで包丁がダメになってしまうかもしれない。というより、刀に出刃包丁で対抗できるのかな? 妖夢さんが持ってる楼観剣に、わたしの出刃包丁で対抗できるとは思えないんだけど。
 それに秋。単純に秋の味覚だから? それともなにかの当て字? あ、もしかしたら口から火を吹く魚だから火が入っている秋っていう字を当てられたのかもしれない。
 骨や背鰭が刀で口から火を吹く魚、秋刀魚。料理にするっていうよりは、博麗の巫女にでも退治してもらった方がよさそうな魚だ。
「それで、早苗に言わせれば、人によっては松茸よりも美味しいって言われる秋の味覚らしいんだ。あ、そういえば今日は松茸も持ってきたぜ」
「え!? 松茸よりもですか!?」
 魔理沙さんの言葉に、妖夢さんが飛び上がって反応した。
 もちろんわたしも、魔理沙さんの前に舞茸の天ぷらを置こうとしてフリーズしている。「松茸を持ってきた」って魔理沙さんが言っていたような気もするんだけど、そんなことよりも「松茸よりも美味しい」という言葉の衝撃の方が遙かに激しい。三麻で言うなら配牌とったら、面前の清一色で、しかも多面待ちのテンパイをしていたくらいの衝撃だ。それでもあがれないときはあがれないけど。
「松茸よりも美味しい秋刀魚って何者なんですか……」
 美鈴さんがうなりながら言う。
 秋の味覚といえば松茸というのが幻想郷の常識。食欲の秋を代表する王様が松茸なはずなのに。
「わたしも秋刀魚を食べたわけじゃないからわからん。天ぷらみたいに大根おろしをのせて食べるらしいぜ。ついでにすだちも絞ってな」
「魚に大根おろしはわかりますけど、すだちもですか。塩鮭に大根おろしみたいな感じでしょうか? 大根おろしにすだちって言うのも、あんまり聞かないですね」
 妖夢さんが先に食べていた天ぷらの端に残っていた大根おろしを口に運びながら考え込む。
 松茸よりも美味しいという伝説を持つ謎の魚、秋刀魚。
 それに大根おろしとすだちという不思議な食べ方。
「なら、試してみればいい。ミスティア、すだちあるだろ?」
 魔理沙さんに言われて、すだちを半分に割って渡す。
「これ、どっちに絞るんだろう?」
「どっちって?」
「大根おろしに絞るのか、秋刀魚……、いや天ぷらに絞るのか。妖夢はどう思う?」
「どっちでもいいと思うけど。わたしなら大根おろしにしますね」
「じゃあ、大根おろしにするかな」
 魔理沙さんは妖夢さんと相談してから、大根おろしの上にすだちをしぼり、それを乗っけて舞茸の天ぷらを食べる。
「なるほどなぁ。これはこれでありかも」
「どんな感じですか?」
「油がきつかったり、癖の強い材料ならありだな。あんま癖がないと、すだちの香りに負けそうだ」
「どれ、ちょっと」
「あ、美鈴!」
 美鈴さんが横から箸をのばして、すだちを絞った大根おろしを口に運ぶ。
 魔理沙さんが、少し顔を赤くして非難めいた目で美鈴さんをにらむけど、本人はどこ吹く風で、すだち入りの大根おろしを味わっていた。
「わたしは大根おろしはそのままでいいかなぁ。それよりも」
 美鈴さんはグラスに残っていたウォッカトニックを飲み干す。
「これさぁ、すだちでモスコミュールつくってくれない?」
「モスコミュールって、ライムの代わりってことですか?」
「うん。これはこれで美味しそうなのよねぇ」
「ジンジャーエールでいいですか?」
「そっちでいいわよー」
 美鈴さんから飲み終わったグラスを受け取って、新しいグラスにウォッカを入れる。ちなみに美鈴さんは普通の濃さ。妖夢さんのレモンハイみたいに、濃い目に作ることはしない。
 すだちを半分しぼって、残りの半分はそのまま実ごとグラスに。それをジンジャーエールで割れば、すだちのモスコミュールの完成だ。
「うーん、なんかモスコミュールとはちょっと違う感じかなぁすだちが強いというか」
「一口もらっていいですか?」
「普段はレモンハイしか頑なに飲まないクセに」
「レモンハイが好きだからいいんです。ライムよりも、香りが強いのに味は柔らかいですね」
「そうなのよねー。酸味もライムより強いのに。この柔らかさはすだち独特ね。魔理沙も飲んでみる?」
「あ!? いや、わたしはいいぜ……」
 魔理沙さんが珍しく歯切れ悪そうに答える。
「魔理沙さん?」
 その様子に、不思議そうに妖夢さんが魔理沙さんの顔をのぞき込む。
 その顔は、お酒を飲んでることを考えても赤い。漢字にするなら、赤いというよりも紅いという感じに。これはひょっとして……。
「魔理沙、まさか間接キスとか考えてた?」
「言うなぁ……」
 美鈴さんがニヤニヤとした笑顔で尋ねると、魔理沙さんは紅い顔をさらに紅くしてカウンターに撃沈した。
 魔理沙さん、さっき大根おろしに美鈴さんの箸をつけられただけで赤くなってたしなぁ。
 普段はさっぱりした明るい性格だし、使うスペルカードも豪快なものばっかり。うちでの飲み方も、飲むっていうよりは、煽るって言葉が似合いそうな飲み方だし。
 けれども服装とか、容姿はなかなか乙女乙女している。さりげなく三つ編みをとめているリボンも、レースがついたお洒落なものだし。
「いくらマスタースパークを撃つ魔砲使いでも、やっぱりまだまだ純情可憐なのねー」
「だぁからぁ、わたしは!」
「顔が紅葉してるわよ? 秋とはいえ、まだ早いんじゃないかしら? 恋の魔法使いさん?」
 ここぞとばかりに、すだちモスコミュールを飲みながら魔理沙さんを責め立てる美鈴さん。
 魔理沙さんには申し訳ないけど、間接キスで顔を紅くして、それを指摘されてさらに紅くするところは、いつもの3割増しくらいに可愛かった。
 そのあと魔理沙さんは5分くらい美鈴さんの猛攻を受けて、撃沈した。


☆☆☆


 秋と言えば……。
 芸術の秋。読書の秋。スポーツの秋。
 いろいろあるけれども、うちの屋台に来る妖怪や、わたしにとってはやっぱり食欲の秋だ。その中でも王様はやっぱり松茸。魔理沙さんは松茸を10本以上持ってきてくれた。本人曰く「キノコのことなら任せてくれ」らしい。
「秋はやっぱり睡眠の秋かなぁ」
「美鈴さんは一年中門の前で睡眠の秋じゃないですか」
 美鈴さんの言葉に妖夢さんがツッコミを入れる。
 松茸は綺麗な布で泥を落としたら、炭火で焼くだけ。余計なことは一切しない。網の上にのせたあとは、ときどき火加減を気にしながら、3人の話に耳を傾ける。
「美鈴って、睡眠の秋以外に何かあり得るのか?」
「ここにいるときは、食欲の秋って気がしますけど」
「でも、他の秋って、想像できないよなぁ」
「芸術の秋……。って感じでもないですよねぇ」
 魔理沙さんと妖夢さんが、好き勝手に言う。
 実際問題として、わたしも寝ているところと、食べているところ以外、美鈴さんの秋が想像できない。悪い人じゃないどころか、凄くいい人なんだけどなぁ。
「言いたい放題してるけど、そういう妖夢は何の秋なのよ」
 しばらく聞き手にまわっていた美鈴さんが妖夢さんに尋ねる。
「わたしにそれを聞きますか? わたしはただの料理の秋ですよ」
「料理? 食欲じゃなくて?」
「幽々子様にとっては食欲の秋。わたしにとっては料理の秋です」
「「あ、ご愁傷様です……」」
 一気にレモンハイを飲み干して「フンっ」と鼻をならしてた妖夢さんに、美鈴さんと魔理沙さんが合掌する。
「幽々子さまったら、本当に容赦ないんですから。ただでさえうちのエンゲル計数は50以上あるのに、それが25もあがるなんて……」
 ぶつぶつと妖夢さんが文句を言い始める。
「キノコご飯っていったら、一升炊いても足りないし、さつまいもは箱単位で食べるし……」
 新しく作ったレモンハイを置いて、古いグラスを片づける。
 それにしても、あんな濃いレモンハイ、よく涼しい顔で飲めると思う。前に1対2くらいで作ったら飲み終わったあとに「もっと濃くしてください」って言われたんだよなぁ。
「焼きなすつくったら、「やっぱり秋なすはおいしいわよねー」って、一度に30本くらい食べちゃいますし。秋なすは嫁に食わすなって言いますけど、うちじゃ秋なすは幽々子様に食わすなですよ」
 一人で「はぁ」とため息をつきながら、レモンハイを飲む妖夢さん。そのため息は、これからも続く秋へのため息なのだろうか。それとも、すでに始まっている料理の秋に対するものなのだろうか。もっとも、ここは愚痴をはいてってもらう場所でもあるから、ぜんぜん構わないけれども。
「わたしは睡眠の秋だし、妖夢は料理の秋。魔理沙は?」
「おまえ、自分が睡眠の秋だって否定しないのかよ?」
「ある程度は事実だしねぇ」
「ま、わたしは研究の秋だな。秋の夜長は研究にもってこいだ」
「うわー、さすが魔法使い」
 魔理沙さんの言葉に美鈴さんが呆れたような声をだす。
 もしかしたら、紅魔館の魔法使いであるパチュリーさんも、そうなのかもしれない。
「魔法使いって、一年中研究してるものじゃないんですか?」
「魔法使いも人間だからな。さすがに暑すぎる夏とかは、研究に身入らないぜ」
「人間の魔法使いは魔理沙さんだけですけどね」
「そういえばそうだったか」
 妖夢さんの言葉に、魔理沙さんが苦笑いする。魔理沙さんは、種族なんか全然気にしていないのだろう。
「他の連中も、だいたいは季節が変わってもいつも通りだよなぁ。アリスはずっと人形とか洋服を作ってるだろうし」
「幽々子様はただ食べるだけですし」
「お嬢様はくだらない思いつきをしてるだけですし、咲夜さんもいつも通りですし」
「霊夢もいつも通りだらだらしてるだけだろうしなぁ」
「あ、霊夢は食欲とか運動の秋かもねぇ」
 魔理沙さんの何気ない一言に、美鈴さんがつっかかっていった。今日はとことん魔理沙さんを苛める気のようだ。
「スポーツ? 食欲はわかるが、霊夢が運動なんてありえるのか?」
「昼間はいつも通りだろうけどねぇ。夜の方はね。結構いい運動してるんじゃない? 涼しくなってきたし」
「は? 夜の運動って……」
 魔理沙さんの顔がまたしても日本酒を一気飲みしたときのように赤く染まる。お酒にはそれなりに免疫があるみたいだけど、こっち方向は免疫まったくなしだ。
「前にも『たべちゃいたい』とか言ってたし。そろそろ食べごろじゃないかしら? 霊夢が食べられる側かもしれないけれど」
「霊夢が食べられるって……」
 美鈴さんの追い打ちに、魔理沙さんが口をパクパクさせる。
「ふーん。純情なクセに、そういうことは結構わかるのねー。ひょっとして、研究とかしてたりするの?」
「そんなことするわけないだろ!」
「必要だったら、わたしが教えてあげてもいいけどね。魔理沙、可愛いし。人間が妖怪に食べられるのは、よくある話だし」
「まったく、美鈴さんは……」
 妖夢さんが一人で小さく「しょうがないですね」とため息をつく。
 美鈴さんがこういういたずらを仕掛けるのは、この屋台ではよくあることだ。ちなみに最初の餌食は、妖夢さんだったりする。魔理沙さんほど純情ではないけど、妖夢さんも結構純情なので、美鈴さんの毒牙にかかってしまった。
「そろそろ松茸焼けますけど、お酒はどうしますか?」
「このままレモンハイで」
「わたしは熱燗で」
「日本酒常温で」
 お酒を聞くと、三者三様の答えが帰ってきた。
 妖夢さんは予想通り。魔理沙さんも日本酒とビールなので、だいたい予想通り。美鈴さんはぜんぜん読めないけど、熱燗はあり得ると思っていた。ずっと屋台をやっていれば、なんとなく読めるようになってくるものだ。
「やっぱり秋は松茸ねー」
 熱燗片手に美鈴さんが松茸を口に運ぶ。
 秋の香りが鼻を抜け、口の中はシャキシャキとした独特の食感。そこを日本酒が通り抜ければ、至福の一時だ。
 松茸を食べている間、ほとんど屋台の中に会話はなかった。本当に美味しいものを食べている間は、そういうものなのかもしれない。
 静かな店の中あるのは、松茸の香りと、外を降っている雨が地面をたたく音だけ。
 それなのに、わたしは幸せだし、この雰囲気が好きだ。
「『香り松茸、味しめじ』って言うけど、やっぱり松茸も美味しいよな」
 魔理沙さんがポツンと言った。
「松茸でこんな美味しいんだから、秋刀魚なんか食べたらどうなっちゃうんだろう?」
「秋刀魚かぁ。あれも美味しそうだよなぁ」
「魚だっけ?」
「魚。鮎とか岩魚よりもうまいんだろうなぁ」
 美鈴さんと魔理沙さんが松茸を肴に、秋刀魚の想像を膨らませる。わたしもさっき想像で、骨が刀で口から火を吹くなんて想像をしたけれども、それとはまったく別方向だ。
「ねぇ妖夢は、どう思う?」
「わたしですか? わたしは魚よりもキノコの方が好きですから。松茸で満足ですね」
「松茸よりも美味しいっていう噂でも?」
「うーん、そうですねぇ」
 美鈴さんが聞くと、妖夢さんは松茸を見つめてレモンハイを飲みながら考え込む。
「やっぱりわたしは、松茸ですね。それに雨月ってあるじゃないですか」
「雨月?」
 突然でてきた雨月という言葉に魔理沙さんが甲高い声をあげる。
「幽々子様が中秋の名月の日は、月が見えない方が言ってたんですけど、秋刀魚もそういうものな気がするんですよね。実際に食べるよりも、想像している方が美味しいというか。なんかうまく言葉にならないですけど」
「わからなくもない感覚だな。魔法も、想像通り作っても、実際に見てみると大したことがなかったなんてこともあるし」
「結局、想像してるのが一番楽しくて、美味しくて、幸せということかもしれないですね」
「ま、そりゃそうだ。想像の上だったら、いくらでも、どうにでもなる。霊夢に弾幕で勝つのだって簡単だしな」
「それで、実際に戦うとボロボロにされるんですよね?」
「わたしは4割くらいは勝てるけどな」
「わたしだって、5回に1回くらいは……」
「なんで松茸食べながら、あの巫女の話するのよ。まだ、食べられもしない秋刀魚の想像をした方がいいわ。松茸より美味しいんでしょ?」
 弾幕の話に行きかけたところを、美鈴さんが秋刀魚の話に引き戻す。
「秋刀魚についてはわからないことだらけだけどな。今度図書館にでも行って調べてくるが」
「ちゃんとした方法で来なさいよ?」
「あぁ、ちゃんとスペルカードは宣言するぜ」
「そういう問題じゃないって言うの」
「早苗が言ってたのは、目黒って場所の秋刀魚が旨いって話もしてたな」
「目黒? 早苗ってことは、それも外の地名よね?」
 魔理沙さんが新しい謎を持ち出して、また松茸を肴に秋刀魚の話題が始まる。
 不意に、秋刀魚は出してあげられなかったけど、今日は秋刀魚があったかもしれないと思った。お酒の席には楽しい話題が不可欠。それを考えれば、ずっと話題の中心にあった秋刀魚は、十分に今日のメニューだ。
 でも、今度は秋刀魚を出してあげてもいいかもしれない。よくわからないけど、紫さんに頼めば、どうにか外の世界から持ってこられる可能性はある。せっかくだから、晴れた満月の日に出してあげるのが良さそうだ。
 3人の話の中で、ふと誰かがこう言った。
「松茸を食べながら、秋刀魚の想像をする私たちは、一番幸せものかもしれない」
 その言葉に、残りの2人が「そうかも」とうなずく。
 自分の屋台の中で、「一番幸せ」と言ってもらえる。自分の料理が誉められたわけじゃないけれども、そのことが嬉しかった。
 妖夢さんがさっき雨月の話をしていたけれど、わたしにはこれ以上の幸せは想像できない。
 せいぜいこんな日々が続いて行くことを願うくらいだ。
「明日もまた楽しい夜になるといいな」
 にぎやかな店の中でつぶやいた一言は、他の3人には聞こえない。
 けれどもわたしは、そのことが嬉しかった。
作品集200おめでとうございます。
久しぶりの琴森ありすです。食欲の秋なので、いつも書いている屋台小説にしてみました。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
それでは、作品集200を祝いながら、すだちモスコミュールで。

乾杯!!
琴森ありす
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コメント



0.580簡易評価
3.100名前が無い程度の能力削除
なんて晩酌したくなるお話なんだ。
三者とも気兼ねせずに楽しそうに食べて飲んでそう。
しかし魔理沙も妖夢もそっちのお勉強する教材も機会もなさそうで数年後が大変だろうな。
4.90奇声を発する程度の能力削除
良い雰囲気
5.80名前が無い程度の能力削除
ちくしょう、秋刀魚食べたくなっちまったじゃねえか
8.100名前が無い程度の能力削除
松茸もいいけど秋刀魚だよね
9.90名前が無い程度の能力削除
サンマに大根おろしに醤油という組み合わせは卑怯
12.100名前が無い程度の能力削除
ああ…禁酒しているのに飲みたくなっちゃうじゃないですか
幻想郷育ちの魔理沙はともかく、長生きしてそうなミスティアや美鈴なら秋刀魚を知っていそうですが、実際はどうなんでしょうね?
何はともあれ秋の味覚と酒を楽しみたくなりました
13.100名前が無い程度の能力削除
風流とは、こういうことなんでしょうね。なんとも良い雰囲気
14.100赤鬼削除
秋刀魚という未知の魚に対するミスティアの物騒な想像には笑ってしまいましたが、確かに字面から想像するとこうなるのかもしれませんね。

屋台のぼんやりした灯りの下で交わされる取り留めのない会話をのんびり楽しみつつも、食べ物の話ばかりで読んでいる内にお腹が空いてきて困りました。
食べたくなっても松茸ではなかなか手が出せなさそうで、なんとももどかしい感じです。

個人的には秋刀魚が知られていない反面、作中にちらりと登場する塩鮭、というか鮭が普通に認知されているのが興味深いです。
鮭と言えば川で生まれて海に出て行ってまた戻ってくる魚、ですが幻想郷の川には棲息しているのでしょうか?棲息しているとしたら結界の外に出て行ってまた戻ってくるということになるのかな?
単に外の世界から取り寄せているだけなのかもしれませんが、この辺ちょっと考えてみるのも楽しそうです。

それでは、読ませて頂いてありがとうございました。
15.80絶望を司る程度の能力削除
行ってみたい。
16.100名前を忘れた程度の能力削除
ちくしょう秋刀魚食いたくなった。これもひとつのメシテロか・・・w
21.100名前が無い程度の能力削除
秋に読むとより美味しそうに感じる
22.80爆撃!削除
ああ、秋刀魚食べたい。
そしてちょくちょく入る麻雀ネタに笑っておりました