眩しい光で目が覚めた。
目を開けた後も天井を見てぼんやりしていたが、やがて意識がはっきりすると、ゆっくりと布団の中から這い出した。
巫女服に着替えてから、大きく背伸びする。今日はいつもより早く起きたようだ。こんな時間には、まだ誰も起きていないだろう。
神社の外に出ると、冷たい空気が服の隙間から入り込んできた。つい先週までセミが鳴いていたというのに、もう落ち葉が舞っている。なぜこんなに時間の流れが早いのだろう。幻想郷では、1日1日 があっという間だ。
……そんなことより、お賽銭箱はどうだ。
……何も入っていない……
まあ、べつに期待してたわけではない。慣れたものだ。全然期待してない。全然してない。
「巫女も大変だな」
聞き覚えのある声に、私は顔を上げた。
普通の魔法使い、霧雨魔理沙が鳥居の下でニヤニヤ笑っていた。
「こんな朝早く起きるなんて、意外だな」
別に、今日は偶然早く起きただけで、いつもはもっと遅い。
「ふーん。そうか。あんまり怠けるなよ?」
もちろんだ。私は『あいつ』とは違う。
「おいおい、怒られるぞ」
魔理沙は楽しそうに苦笑いすると、くるりと背を向けて、箒にまたがった。
「じゃ。私はこれから紅魔館へ行くんで」
その背中には、大きな袋が括り付けられていた。
またパチュリーのところだろうか。
「おう。本を借りに行くんだ。」
それは、『借りる』じゃなくて、『盗む』だろう。
「死んだら返すぜ」
そう言うと魔理沙は、雲ひとつ無い朝焼け空に、勢いよく飛び立っていった。
彼女の姿が見えなくなってから、私は深くため息をついた。
彼女はあの箒1本で、何処へでも飛んで行けるのだろう。その自由さが本当に羨ましい。
しかし、私には私の生活がある。今、この神社を離れるわけにはいかない。
気持ちを切り替えると、もう一度背伸びをした。
すがすがしい朝だ。たまには早起きもいいものだ。
私は少しだけ笑うと、神社に向かって叫んだ。
「諏訪子様!神奈子様!起きてください!」
目を開けた後も天井を見てぼんやりしていたが、やがて意識がはっきりすると、ゆっくりと布団の中から這い出した。
巫女服に着替えてから、大きく背伸びする。今日はいつもより早く起きたようだ。こんな時間には、まだ誰も起きていないだろう。
神社の外に出ると、冷たい空気が服の隙間から入り込んできた。つい先週までセミが鳴いていたというのに、もう落ち葉が舞っている。なぜこんなに時間の流れが早いのだろう。幻想郷では、1日1日 があっという間だ。
……そんなことより、お賽銭箱はどうだ。
……何も入っていない……
まあ、べつに期待してたわけではない。慣れたものだ。全然期待してない。全然してない。
「巫女も大変だな」
聞き覚えのある声に、私は顔を上げた。
普通の魔法使い、霧雨魔理沙が鳥居の下でニヤニヤ笑っていた。
「こんな朝早く起きるなんて、意外だな」
別に、今日は偶然早く起きただけで、いつもはもっと遅い。
「ふーん。そうか。あんまり怠けるなよ?」
もちろんだ。私は『あいつ』とは違う。
「おいおい、怒られるぞ」
魔理沙は楽しそうに苦笑いすると、くるりと背を向けて、箒にまたがった。
「じゃ。私はこれから紅魔館へ行くんで」
その背中には、大きな袋が括り付けられていた。
またパチュリーのところだろうか。
「おう。本を借りに行くんだ。」
それは、『借りる』じゃなくて、『盗む』だろう。
「死んだら返すぜ」
そう言うと魔理沙は、雲ひとつ無い朝焼け空に、勢いよく飛び立っていった。
彼女の姿が見えなくなってから、私は深くため息をついた。
彼女はあの箒1本で、何処へでも飛んで行けるのだろう。その自由さが本当に羨ましい。
しかし、私には私の生活がある。今、この神社を離れるわけにはいかない。
気持ちを切り替えると、もう一度背伸びをした。
すがすがしい朝だ。たまには早起きもいいものだ。
私は少しだけ笑うと、神社に向かって叫んだ。
「諏訪子様!神奈子様!起きてください!」
オチを見ても「だからどうした」という思いでいっぱいです。
文章は読みやすく、短い中でキャラクターや季節が十分伝わってきました。
サッと忘れるには惜しい物があります。
地の文とのバランスも良く,今度はストーリーがある作品を読んでみたいですね.
ただ一言指摘すると,これは叙述トリックというよりはタグ詐欺に近い形ではないかと
貴官の次回作はもっと我輩を楽しませると予想(期待)するのん!!
確かに賽銭箱が少ない時点で霊夢だという思い込みはあります
でも早苗だとしたら、何故そんな朝早くに魔理沙は妖怪の山の神社までやってきて、さらに紅魔館に向かうのでしょう?
寄り道というには距離や方向、天狗との交渉が面倒なだけで、早苗と挨拶できるとは思ってなかった口ぶりからして目的もなさそうですが。
この内容をベースにして、魔理沙は何をしに山の上の神社まで来たのか、早苗が主体なのだからもう少し思うところや物語の根幹を意識させる、などで書くと良いように思います。
逆にいうと、それが補われればかなり良い作品が生まれそうなので、次回作を楽しみにしています。