ＢＭＩ　28.57

おばさん
なんだい霊夢？
私、太った？
そうだねぇ



　霊夢はだらだらしすぎていたんや。あ、ワシはあんちゃんや。オリキャラやないで地文担当のナレーターや。

　まあそうは言っても。成長期だから身体に肉がつくこと自体には問題が無いのだが。

　ちなみに、もう１人のナレーターを紹介するで。今のはアーサーや。

「おなかの周りが、ちょっと」

「霊夢や、ちょっとなのかい？」

「……つまめるくらい」

「つかめると、思うね」

　いや、そこまでは太ってないで。

　霊夢は控えめに言って、おばさんは大雑把か。

「どうしよう。おばさん」

「運動か適当に異変解決したらどうだい？　やっているうちに痩せると思うよ」

「疲れるから嫌」

「嫌って、そのままで良いのかい？」

「それも嫌」

　我侭やな。

　まあ、我侭が霊夢の基本ではあるが。

「おまり、おすすめはできないけど。絶食したらどうだい？」

「駄目よ。それだと、痩せすぎてお腹と背中がくっついてしまうわ」

　おなかが空くと、お腹と背中がくっつくって言う迷信を信じているんやろうか？

　いやいや、霊夢は現実的だからそんな迷信は信じないだろう。

　せやな。アーサーの言うとおりや。

「じゃあ、どうしたいんだい？」

「どうすれば、いいんだろう？」

「そうだねぇ」

　おばさんが考え込むのも珍しいやな。

「ねえ、おばさん」

「薬なんかどうだろうね？」

「薬？」

　薬？これは、アーサー不味いで。

　……いや、違う。おばさんが霊夢にそんなものはすすめない。駄目、ゼッタイの薬とは関係ない。

「トウキ、芍薬、センキュウ、サンシシ」

「何それ？　おばさん」

「連翹その他生薬を集めて来るんだよ」

「集めて来てどうすればいいの？」

「集めて来たら、それでおばさんが痩せ薬を作ってあげるよ」

　おばさんが作った薬なら、永琳並に期待できるで。

　根拠はないけどな。

「本当？　おばさん」

「おばさんは嘘つかないよ」

「そうね。おばさんは嘘つかないわ」

「だから、霊夢や集めて来るんだよ」

「分かったわ。おばさん。行って来る」

　こうして、霊夢は生薬を採りに行ったんや。何て言って、ええんやろ。悪い薬ではなくても薬に頼るっていうのはどうなんやろな。

　あんちゃん。気付かないか？

　なんや、アーサー？

　トウキ、芍薬、センキュウ、サンシシ、連翹その他生薬をどうやってあつめて来るんだ？

　それは、色々なところに行って集めてこなくてはならないやろな。

　それこそ、野山に林に森を周って集めなくては見つからないだろう。

　もしかして、それは。

　それに、霊夢が歩けば異変に当たる。

　なるほど、そういうことか。

　そういうことだ。結局、おばさんは最初に言った運動か適当に異変解決させて痩せさせる気なんだ。

漢方薬のお店という甘い罠