【 epilogue 】
守矢神社の境内。
大ガマが椛を己の消化器官ごと吐き出す。
「どうだい? リムジンより快適だっただろ?」
「ごほっ、ごほっ」
すえた臭いがする粘液の中で咳き込みながら、椛は呼吸を整える。
「んじゃまぁ、ここで下っ端の祟り神の養分にでもなって貰おうか…」
「諏訪子」
「あん?」
神奈子が待ったをかけた。
「もう良いだろう? 結果として早苗は無事だったんだ。ここで大天狗に貸しを作っておくのも悪くない」
「はっ、わかったよ。後はお前の好きにしな」
急に馬鹿馬鹿しくなったといわんばかりに投げやりな声でそう言って、諏訪子は社務所の中に引っ込んだ。
場は、椛と神奈子の二人だけになった。
「早苗を守ってくれたみたいね。お礼を言わせてちょうだい」
「哨戒天狗としての責務を果たしただけです」
「その液、長く触れていると肌が荒れるわ。風呂と替えの服を用意したから使って頂戴」
神社の風呂を借り、用意された道着に着替える。先ほどまで着ていたのと全く同じ寸法だったことに軽く驚いた。
「広かったでしょうウチの風呂は?」
「ええ。羨ましい限りで」
玄関を目指し廊下を歩いていると、ふいに神奈子に声を掛けられた。
手招きされ、彼女を追って入った部屋には膳が二つ用意されていた。
「折角だ、食べていきなさい」
促され、椛は神奈子の向かいに座り、礼をして箸を取る。
「一度こうして、お前さんとサシで飲みたいと思っていたのよ」
徳利を差し出すが、椛は盃を取らず箸を進める。
「これ食べたらすぐ帰るんでお構いなく」
「ずいぶんと嫌われたものね」
「理由はわかってますよね?」
「そういう態度を取られると。余計こちら側に引き込みたくなるわ」
「…」
食べ始める椛を眺めながら神奈子は続ける。
「身内のゴタゴタで大変だったみたいね」
「いつものことです」
「今回のように、絶望的な状況から生き延びたのは何度目かしら? もしかしたら死後、祟り神ではなく、戦神の末席に加われるかもね?」
「助かるかもしれなかった仲間を見捨て、仲間の死体で矢をしのぎ、死んだふりなど日常茶飯事。畜生以下の私が?」
「偉人の自伝や英雄譚なんて捏造と歪曲塗れの私小説。現実はただひたすらに泥臭い出来事の連続。本当の美談なんて一握りよ」
「そんなご大層なモノに興味はありません」
「これから私達と手を取り合えば、英雄として後世に語り継がれるようになるわ」
神奈子の不穏な言葉に椛の箸が止まる。
「今度は何しようってんですか?」
「何、ちょっとした改革よ。信仰を得るついでに、お前さんを苦しめ続ける元凶の白狼天狗差別を撤廃してやろうと思って」
「元凶ですか?」
「元凶でしょう? お前さんが一族郎党殺されたのも、暗部堕ちしたのも、今回のように仲間内で殺しあわされたのも、根本は白狼天狗差別が原因じゃない?」
「仮にそうだったとして、貴女がそれを終わらせられると?」
「ええ」
「どうやって? 過去に、あなた自身が不可能だと言っていた事じゃないですか」
「メドが着いたのさ。地底での実験でね。危険を冒してまで行った甲斐があったわ」
「それと差別撤廃に何の関係が?」
「お前さん達に、この山のライフラインを握らせてあげる」
「らいふらいん?」
耳慣れない単語に首を傾げる。
「生活する上で必要なモノを管理し供給する施設のことよ」
「話が見えませんね」
「電気。というモノは流石に知っているわね?」
「河童の友人がいますからある程度は」
「この山もいずれ電気が普及する」
「しますかね?」
無縁塚で拾った発電機を河童がバラして構造を理解し、独自に開発した発電機が一部の工場で使われている等、河童のほうではそこそこ利用されているが、天狗側は電気をまったく重要視していないのが現状である。
せいぜい電池で動く小物を少数が利用している程度に過ぎない。
「するさ。私と諏訪子は電気という科学の力でこちらに追いやられたと言っても過言ではない。あれはお前達が思っているより遥かに便利だ。ロープウェイの設置により、それを嫌でも実感するだろう」
「架空索道でしたっけ?」
「それを取っ掛かりにして、我々に肩入れしている天狗幹部らを中心に、少しずつ生活を電気に依存させていく。そしてそうなると発電所が必要になる。守矢神社と白狼天狗様が管理するな」
「発電所の管理なんて誰でも出来るのでは? 他の天狗がしゃしゃり出てくるに決まってる」
「その発電所は外の世界の特別な技術で電気を作る。その技術を持っている私達が『白狼天狗にはその適正があり。彼らが管理するのが望ましい』と言えば、誰も手は出せんよ」
こうして守矢神社と白狼天狗で電気事業を独占。
ライフラインを握る白狼天狗は山での発言力を強められ、山のパワーバランスが崩れたことで守矢神社はよりつけ入り易くなる。
「やがて電気は山だけでなく幻想郷中に普及する。行灯は日用品からアンティークになる。そうなれば誰も、白狼天狗を蔑ろに出来ない。素晴らしい未来でしょう? その一歩目として、お前さんには白狼天狗と我々の橋渡し役を…」
「お断りします」
「なに?」
「今の話を聞いて確信しました。差別撤廃よりも、優先すべきは守矢神社の排除だと」
「私達の下で甘い蜜を吸うより、今のままが良いと?」
「貴女方の野心は我々天狗のそれとは規模が違う。貴女が山の支配者になれば、天狗上層部と同じ過ちを繰り返すばかりでなく、山の外へ積極的に進出し、いらぬ戦渦を呼び込むでしょう」
「心配せずとも我々は勝つさ」
「大勢の天狗を犠牲にしてですか?」
「戦に犠牲はつきものよ」
「そういうのがもうウンザリだって言ってるんです」
この神は根本的なところで分かり合えないと椛は理解する。
「そもそも貴女は一つ、大きな勘違いをしている」
「なにかしら?」
「有り得ないでしょ? かつて私が愛し、心の拠り所として大切にしていたもの、その一切合財を踏みにじって侮辱してから消し去っておいて、協力しろ? 一度医者で頭診て貰ったらどうです?」
「くくく。言ってくれるじゃない。私にそこまで楯突けるのが今まで何人いたか。逆に愛おしくさえ思えるわ」
手を伸ばし、椛の手に触れようとする。
「ガウゥ……ぷっ」
近づいてきた神奈子の手、その人差し指を噛み千切ると、床の上に吐き出した。
「そうだな。お前はこうでなくてはならない。それでこそ私が見込んだ白狼天狗だ」
手を握ってから開くと、損失したハズの指が元通りになっていた。
「どうも。ごちそうさまでした。これからは徹底的に邪魔するのでよろしくお願いいたします」
「これでも私は慈悲深い。仲間になりたければいつでも訪ねるといい。白狼天狗と電力事業を立ち上げるのは決定事項なのだから」
「ではこれで」
普段と変わらぬ足取りで椛は玄関に向かった。
椛が去ってからすぐ、諏訪子が入れ違いで入ってきた。
「ほらな? 断っただろ?」
「ここ最近、前向きになったという噂を聞いたから、口説けると思ったんだどね」
「お前、差別撤廃をチラつかせたら、本当に味方になると思ったのか?」
「所詮、恨み辛みでしか動けない憐れな獣か」
「偶にお前が宇宙人かなんかに見えるよ」
敗者から学んだと豪語する神奈子だが、敗北を重ね続ける者の苦悩や悔しさの理解には、一度の体験では足りないようだった。
「それはさておき。ここからが正念場なわけだ」
「大丈夫。流れは私達に来ている。今回の件がその証拠さ」
地底での実験は成功。早苗は無事どころか、最も警戒していた保守派が壊滅。
「山は私達を選んだのよ。天狗では頼りないから、私達にこの山を統括しろと言っている」
自分を取り巻く全てがそう言っているように神奈子には見えた。
「私達はこの山に愛されてる」
だからこそ、そんな確信があった。
大天狗の屋敷。
「急に解散じゃ、保守派の幹部が何しでかすか分からないから、しばらくは真面目に首領やってるフリして徐々に弱体化させてこうと思うの」
廃寺の処理を他に部下に任せた大天狗は、文を連れて屋敷に戻ってきた。
「何かお手伝いできることがあれば遠慮なく仰ってくださいね」
「もう十分よ。文ちゃんのお陰で悩みの種が一個減ったんだから。これ以上コキ使ったら悪いわ」
「そんな。私はただ通報しただけですから」
「モミちゃんのピンチも救ってくれたし、ご褒美は何がいい?」
「いいですよそんな。報酬なら椛さんに」
「そういえばモミちゃん、あれから何処に行ったの?」
「さぁ? 私にもさっぱり」
そんな時だった。襖が勢い良く開け放たれたのは。
「椛さん」
「モミちゃん」
守矢神社を出た椛はそのまま大天狗の屋敷にやってきた。
そんな彼女を大天狗は歓迎する。
「今まで何やってたの? 心配したんだからね?」
「どうしてあの姉妹を売ったんですか?」
大天狗の態度とは反対に、椛の表情は険しい。
「しょうがないでしょう。あいつら差し出せば水に流すって言ってきたんだから」
文から保守派が不穏な動きをしていると報告があった直後、
地底から帰って来た諏訪子が『早苗の周囲で異常がなかったか?』と首の痣と三姉妹について尋ねてきた。
この時、大天狗の中ですべてが繋がり、諏訪子に事の顛末を伝えると、諏訪子は実行犯を差し出すよう要求してきた。
大天狗はこの要求に即答した。
「白狼天狗の子供と、山の平和。どっち取るかなんて考えるまでもないでしょう? 間違ってる?」
「ッ!」
「椛さん落ち着いて」
大天狗に詰め寄ろうとした椛を、文が寸でのところで押さえた。
「良いよ殴りたきゃ殴っても? 誰も見てないし」
拳を強く握る椛の手を見ながら言う。
しかし、彼女が見ている前で、その手は力なく開かれた。
「貴女は何も、間違っていません。失礼しました」
「あっ」
文を振り払い、大天狗には一切触れることなく部屋を出て行った。
椛の気配が消えると、大天狗は脱力し、そのまま大の字に倒れこんだ。
「一体どういうおつもりですか大天狗様? なぜ挑発紛いの行為を?」
彼女の真意がわからない文は、そう訊かずにはいられなかった。
「あー、ぶん殴って欲しかったなぁ。『お前は間違ってる』って『白狼天狗のために闘え』って、言って欲しかったなぁ」
その言葉が文の質問への答えなのか、独り言なのかはわからない。
「ごめんね文ちゃん。ちょっと疲れたから寝るわ」
「わかりました。では失礼しますね」
「うん。御疲れ様。文ちゃんもゆっくり休んでね」
部屋は自分だけとなり、ただ静寂だけが残る。
「ほんっと、歳って取りたくないわ。だーれも叱ってくれないんだもん」
五分、十分と時間が経過するが、彼女はずっと虚空を見つめる。体に疲労感はこれっぽっちもないが、心がただただ沈んでしょうがなかった。
そんなときだった、襖が静かに開いたのは。
「ん? なに? 忘れ物?」
「いえ、私です」
申し訳なさそうに従者が顔を出す。
「どーしたの?」
「はたてさんをお迎えするための食材とお酒が届きました。ご確認をお願いします」
「あっ」
壁に掛かったカレンダーを見る。
「そういえば、はたてちゃん招待した日、今日だった」
保守派のことですっかり記憶から抜け落ちてしまっていた。
大天狗の屋敷にやってきたはたては予想を遥かに超えた歓迎に戸惑っていた。
「ごめんね。急に都合つけてもらって」
「いえ、そんな」
お詫びを兼ねた軽い飲み食いだと書面にあったが、眼に前に並ぶそれはとてもそうは見えなかった。
意匠の凝った容器に納められた見たことの無い銘柄の酒が。
今捌いたばかりの新鮮な海産物が踊る小舟が。
一頭の牛から数百グラムしか取れない貴重な部位が山盛りになった皿が。
異国の地でしか育たない野菜や果物が盛り付けられた洋食器が。
これでもかという程並べられていた。
「はたてちゃんの口に合うかわかんないけど、色々と揃えてみたのよ」
「きょ、恐縮です」
硬くなるはたての様子を肴に酒を煽る。
「この前はアリガトね。お陰で死なずにすんだわ」
「でもあれは一緒にいた私を気遣ったせいでなのがそもそもの原因で、私がいなきゃ…」
「そんなことないわよ。あの時、私、すごい精神的に不安定だったのよ。はたてちゃんが追っ払ってくれなきゃどうなってたか」
はたてがいなくとも返り討ちにはしていただろうが、そうなった場合、数日の入院で済む怪我ではなかっただろう。
「それにしてもびっくりしちゃった。はたてちゃん強いのねぇ。天魔ちゃんが目を掛けるのもわかるわ」
「そんな事ないです。他の鴉天狗より出来が悪いからっていって色々と教えてもらったのが切欠ですし」
脱引篭もりから始まった天魔との関係、ずいぶん親密なものになったとはたては思う。
「素質あるわよはたてちゃん。ひょっとして親は凄い人だったりする?」
「実は、両親のことはよく知らないんです。父さんは物心が付くか付かない頃に、母さんも、私が山で独り暮らしを許される年の頃に」
「そうなの?」
「でも最近、生前の母さんはそれなりに有名な天狗だっていうのを知ったんです」
「お母さんの名前は?」
はたてがその名を告げる。
その名で一人だけ、大天狗には思い当たる人物がいた。天魔の血縁者にして、補佐役を務めた女性だった。
「はたてちゃん、苗字が姫海棠だけど、母さんの旧姓は? 戸籍とかあるでしょ?」
「それが、戸籍を保管する倉庫の一部に火事があったとかで、ずっと昔に焼失してしまったと」
(あー、やっぱりかぁ)
「なにかわかりませんか?」
「ごめん。わかんないわ」
大天狗は確信した。はたては、天魔の血縁者だと。
戸籍は意図的に隠したのだろう。天魔の血はその濃さから、血縁者の存在は秘匿とされていた。一族の者は、他人にその存在を知られぬよう身分や名を偽っていた。
火事による焼失は、彼らがよく使う方便だった。
(通りでこの子だけ別格なワケだ)
才能があるのも、天魔から必要以上に肩入れされているのも、全て得心いった。
(私にはああ言っておいて、天魔ちゃんもちゃっかり後悔してるのね)
天魔とその女性の間で起きた事を大天狗は見ていた。どちらも意固地を貫いたまま、和解することなく女性が病死した。
その女性の娘が目の前にいる。
(未来の天魔候補じゃん。あわよくば私の後継者なんて言ってる場合じゃないわね)
空になったはたてのグラスに果実酒を注いでやる。
「まぁまぁ飲んで飲んで」
「あ、どうも」
「悩みとか困ったことがあったら遠慮なく言ってね。力になったげるから。特に恋の相談とか大歓迎だから」
「でしたら御言葉に甘えて一つ」
「ん?」
はたては懐から筒を取り出して、中に収められていた紙を出した。椛の昔の名が記された戸籍票である。
この紙は元々は大天狗が手に入れるはずだった。一言伝えておくのが筋だと思った。
「二つ。秘密にして欲しいことがあります」
この紙を持ち出してしまった事と、この紙の存在自体を誰にも口外しないで欲しいと頼んでから、はたては、自分が知る限りの椛の情報を伝えた。
「へーこれがモミちゃんの本名か」
渡された戸籍票の一番下に書かれている名前を何度も見返す。
「だからアイツに並々ならぬ恨みを持ってたり、ダム建設に過剰に反対したわけね。そっかー、あの不祥事の生き残りなら当然よね」
はたてが天魔の身内という程の衝撃ではないが、その事実もまた、大天狗を驚かせた。
「それをどう扱っていいか迷ってるんです。見せるのか、見せないのか、嘘を吐くのか、吐かないのか」
「確かに難しい問題ねー。でも私なら『見せない』かなぁ。今更伝えられても困るだけだわ。こっそり処分する」
「やっぱりそういう考えもありますよね」
返して貰おうと手を伸ばすはたて、しかしその手を大天狗は拒んだ。
「この紙、ここで燃やさない?」
「え?」
大天狗が指を立てると、その先に小さな火種が生まれた。
「だ、駄目です!」
「はたてちゃん、どうして良いか迷ってたんでしょ? 迷うってことは、どう行動しても間違いじゃないって事よ。だから良いでしょ?」
「困ります! とにかく返してください!」
「返すも何も、もともとは私のになる予定だったんでしょ?」
「相続放棄したじゃないですか!」
「はたてちゃんは窃盗じゃない?」
「あっ」
その正論に言葉を詰まらせてしまう。
「モミちゃんはあいつをずっと恨んでいたのよ? 今更これ見せて『あいつは実は反省していたのかも?』なんて言われてモミちゃんの気が晴れるの? なわけないでしょ?
そもそもあいつが反省しようがしなかろうが、モミちゃんはアイツの誤認が発端で地獄のような道を歩かされた事実は変わらないのよ?許される要素なんてドコにも無いわ」
「そうかもしれません。でも、その紙は椛の本当の名前が載ってる唯一のモノなんです。燃やすなんてできません」
「あの子の名前は犬走椛よ。それ以外の名前なんて必要ないわ」
紙の端が炙られる。
「上層部が昔に起した不祥事を知られたくない大天狗は、卑劣にも姫海棠はたてから奪い証拠を隠滅。はたてちゃんは何も悪くないわ」
「待って!!」
この時、はたての頭の中で、何かが外れる音がした。
(あれ?)
この感覚には覚えがあった。
(あの時と同じだ)
大天狗を襲った賊に矢を向けられた時に起きた現象が、また起こっていた。
まるで時間が止まっているとすら思えるほど、緩やかな速度で周りが動く中、自分だけが普段通りに動ける世界。
(今しかない)
大天狗も、その指先の火の揺らめきも、まるでコマ送りのように遅い。
「返してもらいます」
歩み寄り紙の端を掴む。
「だーめ」
「え?」
しかしその手は振り払われた。
その瞬間、世界がもとの速度に戻った。
「すごいわね。その年で『アレ』が出来る子は、そうそういないわよ」
「痛ぅぅ」
手を軽く払われた程度だったが、現実の時間ではよほど高速だったのか、触れていた箇所が赤く腫れていた。
「お願いします。返してください。ひょっとしたら、椛にとって大切なモノになる可能性だってあるんです」
迷う事無く床に手を吐き、額を押し付けた。何の抵抗もなく行えた。
「こう言っちゃなんだけどさ。たかが白狼天狗一匹にそこまで肩入れする?」
「椛をたかがなんて言わないでください」
「前から思ってたんだけどさぁ、はたてちゃん、モミちゃんのこと、過大評価しすぎなんじゃない?」
「そんな事…」
「まぁ確かに、あの子の生涯を箇条書きにしたら、はたてちゃんくらいの年の子が好きそうなネタのオンパレオードだからね」
大天狗はしゃがみ、土下座するはたての両脇に手を入れて無理矢理起した。
「あの子は別に、誇り高き女剣士でも、孤高の白狼天狗でもないのよ?」
「そんな事、わかって…」
「わかってない。いいわ。話したげる、モミちゃんが組合で何やってたか」
思えば二人は、この話題の最中に保守派を名乗る一派に襲撃された。
そのことをはたては思い出す。
「あの頃の私はね。白狼天狗を仲間として見てなかった。家畜程度の愛着も持ってなかった。だからなんだってやらせた。命を粗末に扱い、尊厳を踏みにじった」
大天狗ははたての両肩を強く掴んでいた。話しの途中で逃げたり、耳を塞がせないために。
「圧倒的に劣ってる白狼天狗が他の天狗を殺す方法なんて限られてるわ。大勢で襲うか、不意打ちするか、はたまた油断させるか」
『油断』という言葉を特に強調して言った。
「組合に所属してた白狼天狗には、戦いの訓練は全然させなかったけど、アッチの練習だけは散々させたのよ。はっきり言うと男の悦ばせ方よ。まぁ女の悦ばせ方も仕組んだけど」
暗闇で集団で襲うより、そういう状況の方が成功率が高かったため、大天狗は夜鷹や行きずりの女を装わせて標的に近づかせる方法を多用した。
「結構な地獄絵図だったわよ。年端も行かない子も関係なく参加させたわ。当然、モミちゃんだって例外じゃない」
「っ…」
耳を塞ぎたいという恐怖心と、最後まで聞かなければならないという使命感がはたての中で鬩(せめ)ぎあっていた。
「上手くできなかったら蹴飛ばしたわ。脇腹を躊躇なく。何度も蹴った。嫌な素振りを見せれば蹴ったし、吐くたびに蹴った。そのお陰で全員が一流の娼婦よ」
大天狗ははたてが持つ椛のイメージを徹底的に崩しにかかる。
「あの子もね、色んな種族を相手に訓練したけど、一種類だけ嫌がり続けた種族があるのよ。それが鴉天狗だったわ。なんでそんなに嫌か無理やり口を割らせたんだけどね。これが傑作なのよ」
はたての顔が蒼白になっているのがわかる。それでもやめるつもりはなかった。
「なんでも、あの子。幼児の時に鴉天狗の悪童共に、木の枝で面白半分に初めて奪われちゃったらしいのよ。んでもってその後がまた酷くてね。
悪童共、なんと『純潔を捧げた相手だろう。両親にちゃんと報告しろ』って無理矢理、血の付いた枝持って帰らせたんだって。ソレ聞いた時、私…」
大天狗の言葉は無理矢理中断させられた。
「フーー、フーーー、フーーーーッ!」
拳をまっすぐ前に突き出す正拳突きの姿勢のまま、はたては息を荒げる。
妖力で体の筋肉の収縮性を強化、殴った際の反動や、それによって起きる事など一切考慮せず大天狗の顔面を打ち抜いていた。
「ハァァァァ」
血が昇りきった頭が、少しずつ鮮明になってくる。
この時、殴った反動で薬指が折れてしまったが、そんなのは気にならなかった。
「やっちゃった…」
天狗社会の序列2位を殴った。いくら天魔の加護があっても極刑は免れない。
「どうかなさいま……ぬぅ!?」
音を聞きつけた従者がやってくる。彼は現場を目の当たりにすると大きく目を見開き、口と鼻から流血する主人とはたてを交互に見る。
「何があったのですかはたてさん? ご説明願えますか?」
「私が…」
「宴もたけなわになってきて、最後に私が一発芸して締めようとしたら、思いのほか酔ってたみたいで盛大に足滑らせちゃって。イテテテ」
首を回し「失敗失敗」と呟きながら大天狗は体を起す。
「だからいつもお酒は程々にしてくださいとあれほど。薬箱を持ってきます」
「早くね」
「心得ております」
従者が急ぎ、部屋から出て行った。
「あ、あの…大天狗様、私」
「はたてちゃんさぁ。自分がすごい強いっていう実感ある?」
壁に背中を預け、普段と変わらぬ口調で尋ねる。
「私が?」
「あと五年もすれば、誰も放っておかないでしょうね。それまでにモミちゃんと完全に縁切っておきなさい。モミちゃんの為にも」
「椛の、為?」
今起きている自体に脳の処理が追いつかず、黙って聞くしかなかった。
「鴉天狗だから真っ当な教育が受けられて、みんなが助けてくれて、親がすごい奴だから大して修行しなくても簡単に強くなる。
モミちゃんと対極にいる天狗連れて来いって言われたら、間違いなく貴女を指すわよ」
「私がですか?」
「対極なんて生優しいものじゃないわね。否定・冒涜してると言っても良いわ」
「お待たせしました」
そこへ従者が戻ってきた。
「自分で手当てするから、はたてちゃん玄関まで送ってあげて」
「そう仰るなら……はたてさん、こちらへ」
「えっ、あっ、は、はい」
困惑しながら、はたては従者に連れられて部屋を出ようとする。
一瞬だけ振り返ると、大天狗は鼻を摘んで上を向いていた。どうやら鼻血が止まらないらしい。
廊下を進む途中。
「本日は大変失礼しました」
背を向けながら従者は謝罪した。
「いえ、その。あれは…」
「わかっています。大方、大天狗様が貴女を酷く侮辱することをしたのでしょう。主人の無礼、私からも謝らせてください」
大天狗と付き合いの長い彼が、それくらいわからないワケがない。
「賊の矢を受けて以来、大天狗様はかつてご自分がなさった事に対して深く悔いるようになりました」
昔からその素振りはあったが、最近はそれがやたらと顕著になった。
「あの方は、誰かに罰して欲しくて仕方が無いのかもしれません」
玄関の戸が開く音が聞こえると、大天狗は膝を抱え、その巨躯を縮こまらせた。
「はーーーー、何やってんだろ私」
折れた鼻を妖力で無理矢理治癒しながら、そう一人ごちた。
はたては自宅に帰り、ベッドの上に倒れこむ。
布団に潜ると先ほどまでの出来事が全て悪い夢のように思えたが、薬指の痛みがあれは現実だったと教えてくれた。
(なんにも考えたくない。もう寝よう)
頭も心も整理が追いつかず、睡眠を取る事で逃避しようと脳が決断した時だった。
「なんだろ?」
突然、携帯型カメラからアラーム音がした。
「初めて聞く音だ」
にとりに修理を依頼した際、新機能でも付けられたのだろうかと推測する。
シャッターボタンを押すと鳴り止んだ。
「タイマー機能か何かかな?」
すると再びアラームが鳴る。
今度は違うボタンを押した。それでまた音が止まる。
「明日、なんなのか訊きに行っ…」
『お、やっと繋がったか?』
「ひっ!!?」
驚いた勢いで思わず手放してしまう。
『おーい、もしもーし?』
床に落ちたカメラが、声を発していた。
「えっ!? えっ!? ちょっと? なんで!! 嘘!?」
はたてのカメラは、携帯型というだけで通話機能などない。
恐る恐るカメラを拾い耳に当てる。
「あ、あの」
『おー良かった。ちゃんと成功したみたいだな』
「貴女は一体?」
『オイオイ。一回会ってるだろ。そもそもこんなの出来るのは一人くらいだろ』
「ひょっとして『私』ですか?」
『おうとも。元気そうで何より』
かつて出会った、未来の自分。それが声の正体のようだった。
『今まで何度も交信しようと念を飛ばしてたんだぜ? でもお前がこれを受信できるほどのレベルじゃなかったから今まで全然繋がらなかった。だがどうやら、やっとこの域までこれたみたいだな?』
「別にレベルが上がることなんて何も……あ」
考えを巡らせ、先ほどの事を思い出す。
「大天狗様を殴ったから? え、なに、ひょっとして大天狗様を倒したのが経験値になってレベルアップ?」
『倒した経験値っていうよりも、ボルテージが上がって脳のリミッターが一時的に外れたのが原因だろうな。今も多分リミッター外れたままになってるぞ?』
「それって大丈夫なんですか?」
『寝て気持ちを落ち着ければ自然に戻るだろ』
「良かった」
『しかし、アレか。ちょうど大天狗の礼に誘われたところか』
「はい」
『ぶん殴ったか?』
「グーで」
『そこは俺様と一緒だな』
「大天狗様、大丈夫ですかね?」
殴った怪我についてではなく、彼女の今後についての心配だった。
従者の言葉が耳にこびりついていた。
『あの女はもう駄目だよ。十年以内に隠居する。んでもってあっという間にしわくちゃのババアになる』
「あの大天狗様が?」
『俺達天狗は精神がそのまま見た目に依存してるからな。気持ちが弱れば老けるのなんてあっという間だ』
「…」
『それで、大天狗の話しを聞いてお前はどう思った?』
「もし全部本当だとしたら、許せません」
『しょうがねぇだろ。必要悪ってやつだ』
「なんでもかんでも必要悪で片付けるのは、嫌いです」
『割り切れよ。それがなきゃ世間は回らねぇんだよ。大人になれ』
「必要悪を受け入れるのが賢いっていうのなら、ずっと子供のままで良いです」
『やっぱりお前は俺様だな』
カラカラと受話器の向こうで笑われた。
「大人になるって、やっぱり大変ですか?」
『さっきお前に『大人になれ』なんて言ったが、そんなもん一回もなれた試しがねぇよ。椛や文の倍以上生きた。金持ちになって、喧嘩も強くなって、大勢の前で完璧なスピーチができるようにもなった。でも未だにその二人に追いつけたとは思わない』
「そうなんですか?」
『自分視点じゃ、自分は一生子供にしか見えねぇんだろうなきっと』
「よくわかりません」
『いつか分かるさ。お前は自分なんだからな』
この時から、向こうから聞こえる声にノイズが混じるようになった。
はたてにはこれが、通話終了時間が近づいている事を知らせるモノだと本能でわかった。
「ところで母さんについて、何かわかりませんか?」
『母親については自分で調べろ。こればっかりは近道しちゃいけない。ちゃんとした手順を踏め』
「そうします」
『それで、お前、どこまで出来るようになった?』
「どこまでって言われても?」
『集中すると周りが遅く感じられたりするか?』
「何回かありました」
『完璧にとは言わないが、ある程度扱えるようになっておいた方がいいぞ?』
「なんでですか?」
『ある騒動があって、当時の俺様はそれが出来なくて死ぬ程後悔した』
「何があるんですか?」
『ちょっとした小競り合いだよ。どこにでもあるな』
どうやらこれも詳しくは教えてくれなさそうだった。
ノイズがさらに荒くなる。もうそれほど長く話せないとわかった。
『今回は話せて良かったよ』
「また、お話できますか?」
『無理かもな。実は今、火に囲まれて絶賛大ピンチだ』
「へ?」
耳を澄ますと、パチパチと何かが燃える音がしていた。
『いやー参ったよ。天狗社会の序列2位と3位と4位が、クーデター起こしやがって、俺様の命を狙ってきやがってさぁ』
「何か悪いことしたんですか?」
『真面目に皆の為にやってきたつもりだが、偉い奴はどこで恨み買ってるかわかんねぇからな』
「大丈夫なんですか?」
『問題ない。ついさっき2位も3位も4位もまとめてぶっ殺して、ハットトリック決めてやった』
「じゃあもう終わったんですね」
『俺様もそう思ったよ。でも奴等に仕えてた部下が、主君の仇討ちだの弔い合戦だの喚いて、まだドンパチすんのを止めなくてさ。鎮圧させる為に単身乗り込んだらこのザマだよ。
ったく、そこまで忠義忠義言うんなら、主人が死んだ時に後を追って死ねってんだ』
そしてとうとう音声よりもノイズの方が多くなる。
『一つお願い聞いてくれないか?』
「お願い、ですか?」
『椛が報われる方法を見つけて欲しい』
「貴女は、見つけられなかったんですね」
『お前と俺様の世界は同じようで、色々と違ってる。だから…』
「うん。大丈夫。私は必ず見つける」
相手を安心させるためでも、強がりを言うわけでもなく、本当に見つけるという強い意志のもと、決意表明する。
『頑張ってね私』
それは紛れも無く自分の声だった。
次の瞬間、手の中のモノはただのカメラに戻った。
これ以降、彼女の声が聞こえる事も、アラーム音が鳴ることも、二度と無かった。
翌日。
「家にいないと思ったら、やはりここでしたか」
ダムの慰霊碑の前で手を合わせる椛の背に、文が語りかける。
「首領さん。頭蓋骨陥没で辛うじて生きてますが、一生意識が戻らないかもしれないそうです」
「…」
「保守派は今後、大天狗様が取仕切り、徐々に解体させるそうです」
「…」
「保守派で訓練を受けていた子供たちですが、大天狗様が信頼する家に、それぞれ預けられるそうです。お互いに会う事は特に禁じていないそうです」
「それは良かったです」
ようやく椛が反応を示した。
文も慰霊碑の前でしゃがみ、手を合わせた。
「今日ここに来たのは、先輩さんに何か報告するためですか?」
「ご存知なんですか先輩を!?」
「ええ、ほんの少しだけ。御世話になりました」
最も、出会ったのは彼女が死んだ後にだが。
「文さん。白狼天狗差別がなくなる日が、いつか来ると思いますか?」
「ええ。来ますよ」
「誰がなくしてくれると思いますか? ひょっとして守矢神社ですか?」
「いいえ。若い世代。私たちとは違い、天狗社会の悪しき風習を知らない後輩達がきっと成し遂げてくれます」
「それならちゃんと道を残しておかなければいけませんね」
「道とは?」
「彼らが大きくなった時、守矢神社が山の支配者になっているなんて事、絶対にあってはなりません」
椛は立ち上がると、文もそれに続いた。
「でも椛さん」
その背中に問いかける。
「天狗社会の為に、この山の為に、貴女がそこまでする義理はあるんですか?」
かつて椛が必死に守ろうしていた場所は、ダムの底に沈んでしまっている。
今の山に体を張るだけの価値があるのかを問いたかった。
哨戒部隊の義務だけで守矢神社に牙を向くというのなら、どんな手を使ってでも止めるつもりでいた。
「この山は貴女に酷い仕打ちばかりをしてきました。いっそぶち壊してしまおうと思わな…」
椛の指先が、文の唇に優しく触れた。
「守りたいものなら、今はちゃんとあります」
友と仲間。自分の命と同じくらい失いたくないものがちゃんと出来た。
「貴女達のお陰です」
振り返り前を向く椛。自分で言って恥ずかしくなったのか、頬がほんのり赤くなっているように見えた。
「守矢神社の好きにはさせません。力を貸してくれますか?」
「貴女の誘いを私が断ったことがありましたか?」
犬走椛は、生まれて初めて、自分で進むべき方向を決めた。これまでのような、惰性や成り行きでは決して無い。
(先輩、ようやく貴女の隣に立てたような気がします)
歩き出すその背を、誰かが押してくれているような気がした。
生やしい
相変わらずテンポが良くて、読みやすいです。
キャラクターのほとんどがまるで成長しないところが、らしくて良いと思います。
ギャグとシリアスの折り混ぜ具合が最高です。
しかし諏訪子と神奈子は懲りないな……
次回で完結とのことで、楽しみにお待ちしております。
最初自分のことしか考えていなかった椛だったけど
今回の話を見てみると自分以外の事を考えているのって椛しか居ないんじゃあないかな。
面白かったなあ。次回もすっごく期待しています
文字を追うごとに身を裂かれる想いでなりません
しかしゆっくりと椛が報われる方に歩いていけているのかなと思うと胸が熱くなります
2ページ中ごろの
男により縄を引かれてた。
これは「て」が余分なのかな?と
→額に青筋を浮かべながら大天狗に警告する。
この子が私が育てる!! 次こそ征夷大将軍まで押し上げる
→この子は私が育てる!! 次こそ征夷大将軍まで押し上げる
なんなのコイツら? 血走った目で意味不明な言ってる
→なんなのコイツら? 血走った目で意味不明な事言ってる
気迫だけならはまぎれもなく一流だった。
→気迫だけなら(ば?)まぎれもなく一流だった。
木刀の先を掴み、落ち着いた口調で事情を説明を試みる椛
→木刀の先を掴み、落ち着いた口調で事情の説明を試みる椛
姉妹は椛の動き羨望の眼差しを向けていた
→姉妹は椛の動きに羨望の眼差しを向けていた
連打を打つ込む
→連打を打ち込む
師と呼べる方いません
→師と呼べる方はいません
実用性の低い技ばかり扱っていためすぐに止めた
→実用性の低い技ばかり扱っていたためすぐに止めた
お前を手当てする準備を大急ぎしてしてもらっている
→お前を手当てする準備を大急ぎでしてもらっている
定食屋で昼食を取り、詰所への向かう
→ 定食屋で昼食を取り、詰所へ(と)向かう
椛を地面を強く蹴り
→椛は地面を強く蹴り
文と連れて屋敷に戻ってきた
→文を連れて屋敷に戻ってきた
その言葉が文に質問への答えなのか
→その言葉が文の質問への答えなのか
眼に前に並ぶ
→眼の前に並ぶ
お陰で死なずにすんでわ
→お陰で死なずにすんだわ
彼らがよく方便だった。
→彼らがよく(使う?用いる?)方便だった。
時間が止まっているすら思えるほど
→時間が止まっているとすら思えるほど
交信しよう念を飛ばしてた
→交信しようと念を飛ばしてた
教えてなさそうだった
→教えてくれなさそうだった
2位も3位も4位はまとめてぶっ殺して
→2位も3位も4位もまとめてぶっ殺して
仇討ちだの弔い合戦なんだ
→仇討ちだの弔い合戦だなんだ
かな?間違ってたらごめん
5日くらい前にこのシリーズ知って
昨日10話まで読み終わって
次の話はいつ読めるんだろって思ってたら今日とかなんという幸運!
東方の小説の中で一番好きだわw
未来はたての最後のセリフ、かなり好き!
口調でいろいろ考えさせられた
次最終回か…
楽しみにしてる!
次回で完結、みんながみんなハッピーに終わって欲しいものです。
楽しみに待ってますぅ!!
今回もギャグとシリアスが共存している素晴らしい出来で、あっという間に読み終えてしまいました。
定期的にここに来る目的の一つであるこの作品が
次回で最終回とは少し寂しいですが、楽しみにまた待たせて頂きます。
「ソレ聞いた時私……」の後に大天狗は何を続けようとしていたのか。それも気になりますね
まあもちろん、その後こう(顔面殴り)ですけど
>暗闇で集団で襲うより、そういう状況の方が成功率が高かったため、大天狗は夜鷹や行きずりの女を装わせて標的に近づかせる方法を多様した。
こちらは「多用した」ですね
→ちょっとだけ
→ギャグパート最高
→終わりで涙腺崩壊
→今午前二時半にて読了
最高でした。次回も楽しみにしています
完結で椛の努力が、ほんの少しでも報われることに期待せずにはいられません。
次回最終回との事で。シリアス東方SSで一番好きなシリーズです。終わるのは残念ですが楽しみに待ってます
てか加速度的に文のライバルが増えてるけど、もみじを無事射止められるのだろうか。なんかそういう雰囲気でも無い気もするし…
最終回も楽しみにしています!
椛が着実に歩み始めているのが頼もしい…今回も大変楽しませて頂きました。
相変わらずギャグとシリアスの差が@@
次回で完結か、のんびり待ってます~
どれもこれもまだまた読みたいですね。次でラストなのが悔やまれるがこの作品をどう締めくくるか期待してます
つーか100点じゃ足らねえ!あと椛のバスタオル姿見てえw
未来のはたてが・・・。
しかしこんな時代にも希望があると、椛には歩き続けてほしくなる。頑張ってほしい。
椛が卑屈さを捨て始めたのがやっと前進した感があって良い。はたても天魔継承まであと少しだな。
それでギャグパートも面白いんだから凄まじい
次回で完結とは寂しいですが、せめてハッピーエンドで終わる事を願ってやみません。
大天狗様は現状の素敵なダメ女で十分なんでもっと駄目になって
隠居・耄碌は許容できない。大天狗様のお肌のために頑張れはたて。
大天狗様が耄碌するかどうかも気になるところです。
札が青白く発行を始めた。
→札が青白く発光を(し)始めた。
かな?
地味に名前変えたけど
朝日を夕日にする程度の能力だZE!
もみじが、許せない事、汚くて、受け入れがたいこと全部、含めて幸せになれるように、心から望んでしまいます。