鮮やかな秋とはすぐに過ぎ去ってしまうもので、どちらかと言えば夕日に照らされた灰色の枯れた葉っぱと、葉の一枚すらついていない木のほうがよく見かけると、博麗神社の巫女である私、博麗霊夢は境内の掃き掃除をしながら思う。
「はあ、やっと終わる兆しが見えてきた……」
ため息を付きながら箒を動かす手は止めない。一度でも止めたら、もう今日は二度と掃き掃除をしなくなりそうだからだ。
いつもしている仕事ではあるが、それでもこの寒い時期に掃き掃除をするというのは何の拷問なのだろうかといつも考える。しかし今日はそれを考える必要はなかった。
「毎日毎日大変そうだな、と言うか寒いから早く集めてくれよ?」
「毎日毎日暇そうね、と言うか寒いなら早く手伝いなさいよ」
今日は縁側に首にマフラーを巻いたいかにも魔法使いであるというような格好をしている友人、霧雨魔理沙がいるからだ。ちなみに普段こんな寒い日には太陽の高いお昼時にしか来ないので、こんな夕方に来るのはこの時期では珍しいことだ。
「すでに掃除してるならそれは任せておくべきだ。私にはやることがあるからな」
「濡らした新聞でさつまいもを包むだけならすぐできるでしょうが。と言うか、なんで急に焼き芋なんて言い出したわけ?」
「それはだな……」
「私達が言い出したことよ」
不意に上から声が割り込んできた。声の主を探すように空を見上げると、二人の少女が空からゆっくりと降りて来る。
銀杏の葉のように鮮やかな黄色の髪にそっくりの顔立ちは二人が姉妹であることを容易に想像させる。片方は紅葉のように鮮やかな赤いスカートと上着に紅葉の髪飾り、片方は黒いロングスカートに黄色の上着、そして稲穂のような植物の意匠が施された赤いエプロンをしていて、更に頭には葡萄のついた帽子をかぶっている。
その特徴的な姿は二人が秋の神様である秋静葉、秋穣子の二人であることをすぐに思い出させる。
「あれ、あんたら山に神様来て、そこに行く途中で会った神様じゃない。えっと、お芋の神様となんだっけ?」
「豊穣の神様!全く、せっかく収穫祭で大量にもらったお芋を届けてあげようと思ったのに……」
「おまけに私の方は何の神様かも言ってくれないのね……」
「まあ、ゆっくり話したの騒動が終わった後だったし……。でも何で私にさつまいもを?」
「里の収穫祭のお芋、いっぱい貰ったのをどうしようかと思ってた時にそこの魔法使いに会ってね、焼き芋やろうって事でここに来たのよ」
「まあ、お芋持って先に飛び出されちゃっただけなんだけどね」
それは泥棒まがいなのではないかと言うのを言おうとして、普段の魔理沙の素行からそれが素の行動であることを思い出し、代わりにため息をつく。当の本人はまるで気にしておらず、完全に笑い話として受け取っていた。
「ははは、収穫したてだから急いで焼き芋にしたほうがいいと思ってさ」
「笑い事じゃないわよ、一歩間違えてたら完全に泥棒じゃないのよ」
「大丈夫、ちゃんと行き先は言ってから飛んだし。そんなことより早く落ち葉を集めてくれよ」
「心配しなくてももう終わってるわよ。早くお芋入れちゃいなさい」
魔理沙はおう、と返事をすると嬉々として用意していた新聞紙に包んださつまいもを枯れ葉の中へ入れる。そしてポケットから木の箱のような物を取り出して枯れ葉の山へ向けると、木の箱から小さな炎が吹き出す。その火が枯れ葉に燃え移った事を確認して魔理沙はその木の箱をしまう。
「よし、後は待つだけだな」
「それ八卦炉でしょ? そんな扱いしていいの?」
私の記憶が正しければ、それは魔理沙が魔法を使うときに愛用しているマジックアイテムであり、弾幕ごっこの時にもよく見かけるものだった。
「別に問題ないぞ?」
「あ、そう……ならいいけど」
案外あのアイテムの扱いは雑のようだ。
「そんなことより、どれくらい待てばいいんだっけ?」
「そんなそわそわしても仕方ないでしょう? 自然に山が燃え尽きるまで待ちなさいよ」
子供のようにじっと山を見つめる魔理沙を見て、穣子は笑いながら話す。
「ふふ、でもその気持は分かるわ。お芋が焼けるの待ってる時って、とっても長く感じるのよね」
「穣子はいつも作ってるから慣れっこだと思ってたけど?」
「いつもって、秋以外でも?」
「そうだけど?」
「やっぱりお芋の神様なんじゃ……」
「だから違うって言ってるでしょう? あんた巫女の癖によく神様おちょくれるわね……」
そう言われてもねえ、と答える私の横から魔理沙が話に入ってくる。
「でも宗教家の集まりの時、お前らみたいな神様は妖怪と変わらないって言ってたぞ?」
「失礼ね、これでも私達ちゃんと望まれて神として生まれてきたのよ?」
「まあ、信仰が少ないのは確かだけどね。特に私なんかは仕方ない部分もあるのだけど」
そう言って静葉は話を続ける。
「私が司っているのは紅葉だから、直接人と関係があるわけじゃないのよね」
「あるわよ、毎日掃き掃除が大変」
「そういう訳じゃなくて……」
「じゃあ何で人に望まれてないのに神として生まれてきたんだ?」
「そうね、ちょっとばかり長くなるけど聞きたい?」
「まあ、時間もあるし、せっかくだから聞きましょうか」
私達は縁側の燃えている枯れ葉が見える場所に座り、私がお茶を淹れている間に静葉が話を始める。
「さて、とりあえず結果から言うと、私は植物達から望まれて生まれた神様なのよ」
「植物だって? まあ、よく花だって生きてるとかは言うけど……」
「そうよ、みんな生きてる。彼らの生きたいって思う意志から私は生まれたのよ」
「まあ、人みたいに意志があるわけでもないから、得られる信仰は少ないけどね」
ふんふんと相槌を打ちながら魔理沙は話を聞いている。その脇からお茶を配りながら私も話に参加する。
「でも、どうして植物の願いは紅葉になるの? 紅葉と植物が生きるのに何か関係が有るって事?」
「さすが巫女、いい勘ね。木って言うのはね、自分の子孫を残すために種を実で包み、それを地面に落とすことで新たな芽を生やすの。でもひとつ問題があるわ」
「問題……あれか、落ちた実が美味しいから食べられるとか?」
「そう、ちゃんと育つ前に動物とかに食べられてしまうのよ。だから植物は願った。種を芽吹かせたいと、種を繁栄させたいと。だから私は生まれたわ。色鮮やかな実を覆い隠せるほど、鮮やかで美しい葉を地面へ敷き詰められるようにね」
「なるほど……だから葉が赤くなるのね」
木の実の多くは赤色の実をつける。もちろん赤以外にも黄色の実をつける物もあるだろう、そうした木の実は土の上に落ちればとても目立つ。それはその実を食べに来た動物には格好の餌だ。だからそれを見えづらくするために上から同じ色の葉を被せる、それは植物なりの生きるために知恵だった。そして神としてその叡智を授けたのが秋静葉、ということなのだろう。
一人で納得していると、更に静葉が話を続ける。
「けど外敵から身を守るだけが落ち葉の役目じゃないのよ?
秋の後には冬が来るわ。冬はとても寒くて、人間同様植物だってその寒さにやられてしまう。だから種を守るために、上から葉っぱを被せることで寒さや雪を凌いでいるのよ」
「へえ、紅葉ってそんな大事な役割があったのか……ただ綺麗って訳じゃなかったんだな」
私と同じように魔理沙も隣で深く納得してる。しかしそこにそれだけじゃないわと話を取るのは妹の穣子だった。
「雪が溶けて水に濡れた葉っぱはやがて腐る、そうするとそれが今度は腐葉土になって、種に栄養たっぷりの土を作ってあげられるのよ」
「ああ、春の山って土が柔らかいのってそういうのもあったのね……あんた達、結構身近な所で大事な事してたのね」
「ふふん、見直した?」
自慢げな表情する穣子に対し、魔理沙は逆に悩ましげな表情を浮かべている。
「うーん、確かに紅葉がすごいってのは分かった。でも紅葉ってほとんどの植物がするだろ? そんな広範囲に関わるような事をしてるのになんであんたは力が妹より弱いんだ?」
「それは最初にも少し言ったけど、私は植物たちの信仰によって生まれたからよ。穣子は人の信仰を受けているけど、人の意思は植物の意思より強いからね。あなた達植物の思ってることとか分からないでしょう?」
「まあな、むしろ分かったらキノコなんて触りたくもなくなる気がする」
「植物の意思なんて、それこそ妖怪みたいな特別な物にしか分からないくらいに弱いわ。だから自然が多くても人の信仰には及ばないのよ。信仰が弱いってことは神としての力も弱い、だから穣子の方が力を持ってるのよ」
「なるほどなぁ、神様も色々と大変なんだな」
まあね、神様も結構複雑なのよと返す静葉に穣子が続ける。
「ついでに言うと、先に植物のほうが存在していて後から人がこの地域に住み着いたから生まれる順番はお姉ちゃんのほうが先なのよ」
「確かに、人は食料になりそうなものがないと生きていけないものね。はあ、私も偶には美味しいものが食べたいわ……」
「お、この匂いは……霊夢、その願いそろそろ叶いそうだ」
魔理沙が縁側を立ち、いつの間にか火が消えて灰の山となった場所へ向かう。気がつけばふんわりと風に乗って甘い香りが漂う。
「おお!美味しそうな出来じゃないか! おーい、熱いからこっちに取りに来てくれ、焼き芋が焼けたぞ!」
「あら、ちょうどいい時間だったみたいね」
「よーし、新鮮なお芋で作った焼き芋、期待して食べようっと!」
穣子が魔理沙に続いて灰の山へ駆け寄る。
「穣子ったらはしゃいじゃって……私達も食べに行きましょうか?」
「そうね、偶には紅葉にも感謝して食べますか」
「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない?」
「異変解決もそうだけど、神に奉仕するのも巫女の仕事よ」
「仕事なのね、残念」
冗談を交えながら静葉と一緒に焼き芋を取りに行く。
ふんわりと香るさつまいもの甘い香りを楽しみながら、最後まで枯れ葉にお世話になったなと思いつつ秋の味覚に舌鼓をうつ。
そしていつもこうなら掃き掃除も悪くないんだけどと考えるのだった。
「はあ、やっと終わる兆しが見えてきた……」
ため息を付きながら箒を動かす手は止めない。一度でも止めたら、もう今日は二度と掃き掃除をしなくなりそうだからだ。
いつもしている仕事ではあるが、それでもこの寒い時期に掃き掃除をするというのは何の拷問なのだろうかといつも考える。しかし今日はそれを考える必要はなかった。
「毎日毎日大変そうだな、と言うか寒いから早く集めてくれよ?」
「毎日毎日暇そうね、と言うか寒いなら早く手伝いなさいよ」
今日は縁側に首にマフラーを巻いたいかにも魔法使いであるというような格好をしている友人、霧雨魔理沙がいるからだ。ちなみに普段こんな寒い日には太陽の高いお昼時にしか来ないので、こんな夕方に来るのはこの時期では珍しいことだ。
「すでに掃除してるならそれは任せておくべきだ。私にはやることがあるからな」
「濡らした新聞でさつまいもを包むだけならすぐできるでしょうが。と言うか、なんで急に焼き芋なんて言い出したわけ?」
「それはだな……」
「私達が言い出したことよ」
不意に上から声が割り込んできた。声の主を探すように空を見上げると、二人の少女が空からゆっくりと降りて来る。
銀杏の葉のように鮮やかな黄色の髪にそっくりの顔立ちは二人が姉妹であることを容易に想像させる。片方は紅葉のように鮮やかな赤いスカートと上着に紅葉の髪飾り、片方は黒いロングスカートに黄色の上着、そして稲穂のような植物の意匠が施された赤いエプロンをしていて、更に頭には葡萄のついた帽子をかぶっている。
その特徴的な姿は二人が秋の神様である秋静葉、秋穣子の二人であることをすぐに思い出させる。
「あれ、あんたら山に神様来て、そこに行く途中で会った神様じゃない。えっと、お芋の神様となんだっけ?」
「豊穣の神様!全く、せっかく収穫祭で大量にもらったお芋を届けてあげようと思ったのに……」
「おまけに私の方は何の神様かも言ってくれないのね……」
「まあ、ゆっくり話したの騒動が終わった後だったし……。でも何で私にさつまいもを?」
「里の収穫祭のお芋、いっぱい貰ったのをどうしようかと思ってた時にそこの魔法使いに会ってね、焼き芋やろうって事でここに来たのよ」
「まあ、お芋持って先に飛び出されちゃっただけなんだけどね」
それは泥棒まがいなのではないかと言うのを言おうとして、普段の魔理沙の素行からそれが素の行動であることを思い出し、代わりにため息をつく。当の本人はまるで気にしておらず、完全に笑い話として受け取っていた。
「ははは、収穫したてだから急いで焼き芋にしたほうがいいと思ってさ」
「笑い事じゃないわよ、一歩間違えてたら完全に泥棒じゃないのよ」
「大丈夫、ちゃんと行き先は言ってから飛んだし。そんなことより早く落ち葉を集めてくれよ」
「心配しなくてももう終わってるわよ。早くお芋入れちゃいなさい」
魔理沙はおう、と返事をすると嬉々として用意していた新聞紙に包んださつまいもを枯れ葉の中へ入れる。そしてポケットから木の箱のような物を取り出して枯れ葉の山へ向けると、木の箱から小さな炎が吹き出す。その火が枯れ葉に燃え移った事を確認して魔理沙はその木の箱をしまう。
「よし、後は待つだけだな」
「それ八卦炉でしょ? そんな扱いしていいの?」
私の記憶が正しければ、それは魔理沙が魔法を使うときに愛用しているマジックアイテムであり、弾幕ごっこの時にもよく見かけるものだった。
「別に問題ないぞ?」
「あ、そう……ならいいけど」
案外あのアイテムの扱いは雑のようだ。
「そんなことより、どれくらい待てばいいんだっけ?」
「そんなそわそわしても仕方ないでしょう? 自然に山が燃え尽きるまで待ちなさいよ」
子供のようにじっと山を見つめる魔理沙を見て、穣子は笑いながら話す。
「ふふ、でもその気持は分かるわ。お芋が焼けるの待ってる時って、とっても長く感じるのよね」
「穣子はいつも作ってるから慣れっこだと思ってたけど?」
「いつもって、秋以外でも?」
「そうだけど?」
「やっぱりお芋の神様なんじゃ……」
「だから違うって言ってるでしょう? あんた巫女の癖によく神様おちょくれるわね……」
そう言われてもねえ、と答える私の横から魔理沙が話に入ってくる。
「でも宗教家の集まりの時、お前らみたいな神様は妖怪と変わらないって言ってたぞ?」
「失礼ね、これでも私達ちゃんと望まれて神として生まれてきたのよ?」
「まあ、信仰が少ないのは確かだけどね。特に私なんかは仕方ない部分もあるのだけど」
そう言って静葉は話を続ける。
「私が司っているのは紅葉だから、直接人と関係があるわけじゃないのよね」
「あるわよ、毎日掃き掃除が大変」
「そういう訳じゃなくて……」
「じゃあ何で人に望まれてないのに神として生まれてきたんだ?」
「そうね、ちょっとばかり長くなるけど聞きたい?」
「まあ、時間もあるし、せっかくだから聞きましょうか」
私達は縁側の燃えている枯れ葉が見える場所に座り、私がお茶を淹れている間に静葉が話を始める。
「さて、とりあえず結果から言うと、私は植物達から望まれて生まれた神様なのよ」
「植物だって? まあ、よく花だって生きてるとかは言うけど……」
「そうよ、みんな生きてる。彼らの生きたいって思う意志から私は生まれたのよ」
「まあ、人みたいに意志があるわけでもないから、得られる信仰は少ないけどね」
ふんふんと相槌を打ちながら魔理沙は話を聞いている。その脇からお茶を配りながら私も話に参加する。
「でも、どうして植物の願いは紅葉になるの? 紅葉と植物が生きるのに何か関係が有るって事?」
「さすが巫女、いい勘ね。木って言うのはね、自分の子孫を残すために種を実で包み、それを地面に落とすことで新たな芽を生やすの。でもひとつ問題があるわ」
「問題……あれか、落ちた実が美味しいから食べられるとか?」
「そう、ちゃんと育つ前に動物とかに食べられてしまうのよ。だから植物は願った。種を芽吹かせたいと、種を繁栄させたいと。だから私は生まれたわ。色鮮やかな実を覆い隠せるほど、鮮やかで美しい葉を地面へ敷き詰められるようにね」
「なるほど……だから葉が赤くなるのね」
木の実の多くは赤色の実をつける。もちろん赤以外にも黄色の実をつける物もあるだろう、そうした木の実は土の上に落ちればとても目立つ。それはその実を食べに来た動物には格好の餌だ。だからそれを見えづらくするために上から同じ色の葉を被せる、それは植物なりの生きるために知恵だった。そして神としてその叡智を授けたのが秋静葉、ということなのだろう。
一人で納得していると、更に静葉が話を続ける。
「けど外敵から身を守るだけが落ち葉の役目じゃないのよ?
秋の後には冬が来るわ。冬はとても寒くて、人間同様植物だってその寒さにやられてしまう。だから種を守るために、上から葉っぱを被せることで寒さや雪を凌いでいるのよ」
「へえ、紅葉ってそんな大事な役割があったのか……ただ綺麗って訳じゃなかったんだな」
私と同じように魔理沙も隣で深く納得してる。しかしそこにそれだけじゃないわと話を取るのは妹の穣子だった。
「雪が溶けて水に濡れた葉っぱはやがて腐る、そうするとそれが今度は腐葉土になって、種に栄養たっぷりの土を作ってあげられるのよ」
「ああ、春の山って土が柔らかいのってそういうのもあったのね……あんた達、結構身近な所で大事な事してたのね」
「ふふん、見直した?」
自慢げな表情する穣子に対し、魔理沙は逆に悩ましげな表情を浮かべている。
「うーん、確かに紅葉がすごいってのは分かった。でも紅葉ってほとんどの植物がするだろ? そんな広範囲に関わるような事をしてるのになんであんたは力が妹より弱いんだ?」
「それは最初にも少し言ったけど、私は植物たちの信仰によって生まれたからよ。穣子は人の信仰を受けているけど、人の意思は植物の意思より強いからね。あなた達植物の思ってることとか分からないでしょう?」
「まあな、むしろ分かったらキノコなんて触りたくもなくなる気がする」
「植物の意思なんて、それこそ妖怪みたいな特別な物にしか分からないくらいに弱いわ。だから自然が多くても人の信仰には及ばないのよ。信仰が弱いってことは神としての力も弱い、だから穣子の方が力を持ってるのよ」
「なるほどなぁ、神様も色々と大変なんだな」
まあね、神様も結構複雑なのよと返す静葉に穣子が続ける。
「ついでに言うと、先に植物のほうが存在していて後から人がこの地域に住み着いたから生まれる順番はお姉ちゃんのほうが先なのよ」
「確かに、人は食料になりそうなものがないと生きていけないものね。はあ、私も偶には美味しいものが食べたいわ……」
「お、この匂いは……霊夢、その願いそろそろ叶いそうだ」
魔理沙が縁側を立ち、いつの間にか火が消えて灰の山となった場所へ向かう。気がつけばふんわりと風に乗って甘い香りが漂う。
「おお!美味しそうな出来じゃないか! おーい、熱いからこっちに取りに来てくれ、焼き芋が焼けたぞ!」
「あら、ちょうどいい時間だったみたいね」
「よーし、新鮮なお芋で作った焼き芋、期待して食べようっと!」
穣子が魔理沙に続いて灰の山へ駆け寄る。
「穣子ったらはしゃいじゃって……私達も食べに行きましょうか?」
「そうね、偶には紅葉にも感謝して食べますか」
「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない?」
「異変解決もそうだけど、神に奉仕するのも巫女の仕事よ」
「仕事なのね、残念」
冗談を交えながら静葉と一緒に焼き芋を取りに行く。
ふんわりと香るさつまいもの甘い香りを楽しみながら、最後まで枯れ葉にお世話になったなと思いつつ秋の味覚に舌鼓をうつ。
そしていつもこうなら掃き掃除も悪くないんだけどと考えるのだった。
あと糞による拡散はない設定なのですね。
信仰や力量差に関するお話はおもしろかったです
あと直接書かれていない魔理沙の言動が想像できるのもよかったです。
ぜひまた書かれてください。
コメントありがとうございます。
紅葉に絞って考えていたら確かに糞によって種が運ばれるのを考慮してませんでしたね……。
前半の地の文は少し悩んでいたのでじっくり書いていったつもりなんですが、指摘があるならまだまだのようですね。意見ありがとうございます
それと、ほのぼのの皮を被りつつ、結局静葉姉さんの薀蓄に始終してしまって、興味ない人は中盤そう。考察をただ垂れ流すのでなく、何かしらもっとストーリーに組み込める構成にしたらよかったかも。
でも、設定それ自体は面白く、興味を惹かれました。
確かに見返してみると考察意外特に何もしていない感じがありますね……。
今度はもう少しストーリー性に関しても追求してみようと思います。意見をありがとうございました。
×興味ない人は中盤そう。→○興味ない人は中盤だれてしまいそう。
です。申し訳ない
オーブンでしかやった事ないから知らないけど
自分は新聞紙で包んでから濡らしてます
先に濡らすと新聞紙が破れそうなので
なにはともあれ、まったりな作品に感謝