【博麗霊夢】
話の始まりは数日前に遡って、魔理沙が霖之助さんのお店で、外から流れ着いた『でぃーぶいでぃー』という円盤を手に入れたのが始まりだった。
霖之助さんの話では、この世のものとも思えない恐怖が納められているという。
ただし、それを見るには、その円盤と対になる機械が必要らしい。
つまり、魔理沙が持ってても何の意味もない道具なんだけど、何を思ったか借りてきてしまったのだ。
魔理沙の話だと、外の世界のモノでも早苗か河童に頼めば何とかなると思ってたらしい。
それはあながち間違えじゃなくて、早苗が対になる機械とテレビを持っていた。
そこまではいいとして、何故か私の家にわざわざ一式抱えて、持って来る話になったのだ。
早苗は、「神奈子様がこういうのダメなんで、霊夢さん家で上映会しましょう!」と言ってたけど、神様でも恐いぐらいなのだろうか。
そう思うと、一体どれほど恐いのかと興味が湧いてきたのだ。
その後、魔理沙がついでに誘ってきた、アリスも交えて四人で上映会とやらをすることになった。
上映会直前に紫から緊急の呼び出しが入り、人里に向かう事になったので、他の三人に「アンタら勝手に食い物漁ったら、覚悟しときなさいよ」とキツく言いつけると人里に向かった。
そして、用事が長引いて戻ってきたら、このざまである。
このざまである。
神社入り口の鳥居の下で、裸足の魔理沙が額から血を流して失神している。
上映会をしていた部屋の襖は穴だらけになって盛大に倒れ、そこから手が生えている。何かと思って襖をどけてみたら気絶したアリスが下敷きになっていた。
部屋の中は真っ暗で、テレビの電源は切れており、鼻血を垂らした早苗が白目を剥いていた。
一体、何があったらこんな事になるのやら。
「とりあえず、こいつらたたき起こして事情聴取でもしようかしらね……」
私はバケツに水を汲むべく、井戸の方に向かった。
【東風谷早苗】
霊夢さんごめんなさい!
そんな 「ごめんで済んだら巫女は要らない」とか恐い事言わないで下さいよ。巫女仲間じゃないですか!
えーと、何をしたらこうなったかですよね。
えっとですね、大体お察しだとは思うんですけど、あのDVDってホラー映画なんですよ。
そうですね、基本恐い話に映像と音がついたものです。外の世界だと怪談変わりに、ああいうの見たりするんです。
で、霊夢さんが出ていったすぐ後ぐらいでしたかね、上映会始めたのは。
お菓子もアリスさんが色々持ってきてくれましたし。クッキー美味しかったですよ!
【アリス・マーガトロイド】
ありがとう。今日のクッキーは正直、ちょっと自信がなかったからそう言って貰えると嬉しいわ。
紅茶も美味しかったでしょ?やっぱりクッキーに緑茶だと、ちょっとね。
話が逸れたわね。その映画の中身はまあ、幽霊物っていうのかしら?そう、悪霊がどうのこのと言うような内容。
早苗に聞いたんだけど、あれって全部化粧らしいけど、もっと可愛くしないのかしら?
私が知ってる幽霊に比べると、可愛らしさが足りないと思うわ。貴方だって幽々子と知り合いだし解ってくれると思うけど。
でも幽々子が恐いかっていうと、どうでしょうね。怖がらせるんだったら、あの映画みたいな方がいいのかもね。
実際、予告編見た時からちょっと顔色が変わった子もいたし。
【東風谷早苗】
そうそう、映画の予告編って結構恐いシーンの抜き出しだから、クるものがあるんですよね。
あれで恐いって思っちゃっても、私は責めないですよ!
ただ、そういうのを見ちゃうと、ほら、より恐くしたくなるじゃないですか。
だから私、部屋を完全に閉め切って、蝋燭の灯りだけで見ようって提案したんですよ。
誰も反対しなかったし、アリスさんも「そういう趣向も楽しそうね」と言って乗ってくれましたしね。
部屋が真っ暗だったのは、それが理由なんですよ。
【霧雨魔理沙】
アリスも無理しなくてもよかったのにな。早苗だって正直、勢いで言ってたと思うぜ。
私はまあ、紅茶もクッキーもあったし、優雅に鑑賞させてもらってたよ。
しかし、明かりが少ない中でテレビ見てると目が痛くなってくるんだな。初めて知ったぜ。
にとりが、長時間モニタを眺めてるのは身体に悪いんだ、って言ってたけどあれはホントだな。
そんなわけで、目を休ませながら見ていたんだけど、ちょっと辛くなって来てな。
丁度、最初の山場が落ち着いたところっぽかったから二人に提案したんだ。
【アリス・マーガトロイド】
「一息入れないか?」って魔理沙に言われたんで、とりあえず一回休憩を取ることにしたのよね。
ちょっと辛そうだったしね。早苗は「えー、休憩早くないですかー?」って言ってたけど。
確かに閉めきりだったし、一回換気してもいいかなと思ってね。
まずみんなで、襖と窓を全部開けて換気して、それから紅茶とクッキーがまだ残ってるか、確認したの。
ポットを見ると、紅茶が少なくなってきていたから、ついでに淹れてくる為に二人に断って、台所に向かったわ。
【霧雨魔理沙】
「紅茶のお代わりを淹れてくるわね」
そういってアリスがいなくなると、部屋には私と早苗の二人が残った。早苗は結構強がりでさ。
「この映画って見える恐怖が売りらしいんですけど、見えすぎてメイクのひび割れまで見えちゃってますよね」なんてニヤニヤしてるんだよ。
こいつも頑張るなあと、心底思ったね。恐ければ恐いって言えばいいのにさ。
私はこういう物語ってのは、最後まで見てから評価するタイプだから、あんまり途中で話したりしないんで絡みづらかったよ。
それで、あんまり話題もないし、トイレに行こうと思ったんだが、早苗を一人で部屋に残しちゃ可哀想だと思ってな。
「早苗、これからトイレに行くんだけど、何だったら私が一緒に行ってもいいぜ」って
【東風谷早苗】【魅魔】
魔理沙さんに誘われたんですよ。
流石にそんな誘われ方したら、ねえ……断れないですよねえ。
仕方ないんで、魔理沙さんと一緒にお手洗いに行ってあげる事にしました。
いやあ、あの魔理沙さんの表情、誰かに見せたかったですよ!不安になった仔猫みたいで凄く可愛かったです!
二人で部屋を出て、お手洗いに行きました。あ、手とかは繋がなかったんで安心してください。
いやあ、久しぶりに神社に顔出してみたらさ、どうにも懐かしい顔がいるじゃないか。せっかくだから上がらせてもらってね。みんな、私の事が見えなくなってるみたいだけど、まあ長いこと悪霊やってるとそういう事もあるんだろうねえ。
こっちからは見えるんだしさ、とにかく顔ぐらいゆっくり見たかったのさ。
【アリス・マーガトロイド】【魅魔】
弟子の躾はちゃんとしたはずなんだけどねえ。
ちゃんと開けたら閉めろって教えてやったのに。
戻って来て、襖を開けてみると誰もいなかったわ。
しばらく待っていると、二人とも戻ってきて「お手洗いに行ってたんですよ、今なら魔理沙さんが一緒に行ってくれるそうですよ?」って言われたんだけど、流石にトイレぐらい一人で行くわよ。
その後は、もう一度部屋を閉め切って、上映会の続きを始めたのよ。
私、正直ちょっと続きが気になっていたし。
魔理沙は少し顔色良くなった風に見えたし、これなら大丈夫かなと思って。
しかしアリスも随分と美人になったもんだと思ったよ。
ウチの弟子もいい女に育つとは思ってるがね。
【霧雨魔理沙】【魅魔】
しかし、あの箱は凄いね。仕掛けがわからんけど
でも悪霊の事悪く書き過ぎじゃないかね。あれは頂けないな。
テレビが映ってからは、相変わらず紅茶を嗜みながら見てたよ。
もちろん、目は休めながらだけどな。私は光系の魔法を使うからな、普段から目に優しくない事してるし、無理はよくないだろ?
でだ、アリスのクッキーが美味しいからついつい食べ過ぎちゃってさ、そうすると口の中がパッサパサになるんだよ。
それで紅茶を飲んでたんだけど、そうするとまたトイレに行きたくなってきてな。
ただまあ、他の二人も恐い思いしながら映画見てるし邪魔しちゃいけないかなと思って。
しばらく我慢して、また一区切り付いたところで「悪い、またトイレ行きたいんだけどいいか?」って。
誰も私に気が付かないから、一緒になって見てて思ったね。
ああまったく、魔理沙のビビリ癖は昔から治ってないのかなあって。
顔見た時は大分成長したもんだと思ったけどねえ。
【東風谷早苗】
私、その時思いついたんですよ!これ魔理沙さんおもいっきりビビらせたら、どうなるんだろうって!
でもそれをやろうとすると、アリスさんに協力してもらえた方がいいんですよね。
そう考えると、打ち合わせをするチャンスがあるのはここしかないと思ったんですよ。
よって、可哀想ですが魔理沙さんには一人でトイレに行ってもらうしかありませんので
【アリス・マーガトロイド】
早苗が「またですか?アレ?ひょっとして魔理沙さん、まさか恐いんですか?」って言った時の魔理沙の表情は、文字通り赤面してたわ。
私は「もし恐ければ、私が一緒に行ってあげるわよ」って言ってあげたんだけどね。
結局魔理沙は「何言ってるんだ、私は普通の魔法使いだからな。トイレだって一人で行けるぜ。見せてやる」って答えて、出て言っちゃったけどね。
それで、魔理沙が出ていったすぐ後に早苗が凄いニコニコしながら話し掛けてきたのよ。
【東風谷早苗】【魅魔】
「アリスさん、ドッキリしません?」って話を振った時の、アリスさんはちょっと戸惑ってましたけど、話を聞いたら乗ってくれました。
やっぱり、あんな可愛い魔理沙さん見たら、やっぱりそういう気持ちになっちゃうんですよみんな!
打ち合わせ時間は魔理沙さんがトイレ行ってる間だけなんで、そんな凝ったことは出来ません。
なんで、簡単に出来ることにしました。
まず、アリスさんがトイレに行くといって部屋を抜け出して、私と魔理沙さん二人きりにしてもらいます。
そして、私が操る風で蝋燭を消した後、魔理沙さんを軽くお触りします。
最後に、部屋の外で待機していたアリスさんが襖を思いっきりガタガタと揺らす、という流れにしました。
アリスともう一人、早苗だっけ?とにかく、その子らの話を聞いてたら、意外と楽しそうでさあ。
ひょっとしたら、それぐらいでは動じないぐらいは成長してるかもしれないじゃないか。
まあ成長してなかったら、弟子の変わらぬ可愛い姿が見れるって事でさ。
【アリス・マーガトロイド】
魔理沙が戻ってきたのは丁度打ち合わせが終わったぐらいだったと思う。
その後、部屋を閉め切る前に「ごめん、私もトイレに行きたくなったから行って来るね。先に見てて」と言って部屋を出たわ。
襖を閉めると、そこで待機してたのよ。部屋の中の気配が変わったら、襖をガタガタ揺らすという段取りだったから。
映画の方は丁度山場だったんで少し惜しいけど、魔理沙の慌てぶりの方が気になったからいいかなと思ってね。
だって、普段あんなに強気な魔理沙なのよ?やっぱりちょっとそういうところも見てみたいじゃない?
【霧雨魔理沙】
アリスがトイレに行ってから、すぐに続きを見始めたんだ。
私はアリスの事待ってやっても良かったんだけど、早苗が「丁度山場なんですから、早く見ましょうよ!」って言うんでな。
アリスも頑張ってここまで見たのに可哀想だと思ったが、まあ仕方ないよな。
でもなかなかトイレから戻ってこなくてさ、アリスも我慢してたんじゃないか?無理して一人で行かなくても良かったのに。
そう、それで丁度山場に差し掛かるぐらいのところだ。正に手に汗握る展開だったと思うぜ。
その時だよ。
【東風谷早苗】【魅魔】
話が盛り上がってきたところで、私の能力で風を起こしました。今の雰囲気にピッタリの生温い風を。
クライマックスでのこのドッキリは、私がやられてもビックリしちゃうレベルの出来だったんじゃないですか?
真っ暗で魔理沙さんのリアクションは見えなかったんですけど、これは絶対にビビってると確信しましたね!
そして見事、灯りが消えて部屋の中が真っ暗になったところで、素早く魔理沙さんの方に身体を伸ばして。
肩に手を掛けたんです。掴んだ瞬間にですよ。
いやあ、あん時はびっくらしたさ。いきなり肩を掴まれてさ。
バランスを崩して、手を付いた先が魔理沙の足だったんだよ。
「なぁぁぁああぁぁああああんんんぁう゛ぁああああああらああああああ!!!」
あんなにびっくりされたら、私だって傷つくよ。
私のことを何だと思ってるんだい。
【霧雨魔理沙】【魅魔】
あの子は焦ってる時は、まず手が出るからねえ。
こりゃいかんと思って、素早く身を引いたんだ。
部屋の灯りが消えたと思ったら、何かに掴まれたんだ。ちょっと声が出ちゃうぐらいにはビックリした。
いきなり襖も揺れ始めたから、あの時、間違いなく何かが部屋の中にいたんだと思う。……なんだよ、その目は。
でも私は至って冷静だったからな。とりあえず、咄嗟の事に戸惑いながらも鋭く裏拳を放ったんだ。方向と言っても真っ暗で何も見えないからなあ。ま、私もあの子に殴られる程、年は食ってないからね。ちゃんと避けたさ。
ただ、「がぶっ!?」っていう声がして、拳にも手応えがあった。だからそんな目で私を見るなって。
その後、とにかく部屋から脱出しようと思って襖の方に一気に駆けだした。
アンタからも言っとくれよ。いきなり師匠に暴力を振るおうとするんじゃないって。
お友達を叩きのめしちまいやがって。全く可哀想に。
【アリス・マーガトロイド】
魔理沙の叫び声がこっちまで聞こえたからね。正直そこまで解りやすいリアクションになると思ってなかったから、私も驚いたわ。
それで、私はちゃんと打ち合わせ通りに襖をガタガタと鳴らしていたの。
そうしたら、襖に強い衝撃が走ったかと思うと、こちらに倒れ込んで来て――――
【霧雨魔理沙】
一刻も早く部屋を離れよう、その時はそう思ってたんだ。だから走って、揺れる襖に体当たりしたんだ。
そのまま、勢い良く襖は倒れて、私は腹這いに倒れる形になった。
襖に体当たりした時に、妙に重い感じがしたんで身体を捻って、そっちを見てみたんだ。
そしたら、襖から手が生えていて、もの凄い勢いで動いているんだ。何かを掴もうとするように。
私が身動きする間もなく、それはしっかりと私の足を掴んだ。
【アリス・マーガトロイド】
仰向けに倒れる感じで、襖に押し潰されちゃってね、あまりにも唐突だったんで、驚いたわ。
それで何が起こったか解らないし、運悪く手が襖を貫通しちゃったみたいで、起きあがれなかったのよ。
とにかく何か掴まないと起きあがれないと思っていて、デタラメに手を動かしていたら、運良く何かを掴めたの。
柔らかい感じの手触りだったんで、今にしてみれば魔理沙の身体のどこかだったんでしょうね。
【霧雨魔理沙】【魅魔】
あの子のビビリも結局治ってなかったねえ。
むしろ悪化してるんじゃないかい?昔より酷い気がするわ。
足を掴まれるのは二回目とはいえ、流石にこれにはビックリしてさ。
何とか逃げだそうにも、足を掴まれちゃ身動きがとれない。
それで、自由になる方の足でデタラメに襖の手が生えてる辺りを蹴りまくったんだ。
しばらく蹴り続けてると、私の足を掴む力がふっとなくなった。そこでチャンスだと思って、私は走り出した。
玄関に向かって靴を履こうなんて考える余裕がなかったからな、一直線に縁側から飛び出すと、神社の出口に向かってひたすら走った。
ちらちらと後ろを振り返りながらだったんだが、私を追ってくる姿はなかった。
それを何度繰り返したか覚えてないんだけど、ホッとして正面に視線を戻した時。
視界に真っ赤なものが飛び込んできて――――
私は根性なしの弟子が走り去っていった後、どうしようか考えたんだけどね。
とりあえず、霊夢の顔も見たかったんで待たせてもらおうと思ってさ。
で、あの箱が相変わらず何かを移してるんで、これを切るにはどうしたらいいか、しばらく悩んだんだけど。
使わないものは元に戻しておく、こりゃあ常識だからね。まったく、魔理沙の奴もだらしないねえ。
何の事ぁない、何かスイッチみたいの付いてるじゃないか。それを押したら、プツンと消えてね。
後はアンタが帰ってくるのを一人で待ってたってわけさ。
【博麗霊夢】
事情聴取が終わった後、私は自分の交友関係の見直しを真剣に考えた。
もうちょっと、常識的な友人が欲しくなったのだ。流石にこれでは常識に縛られてなさすぎる。
結局、ビビリの魔理沙が驚かされて過ぎて暴発してしまい、仕掛け人の早苗とアリスを叩きのめして、逃走中に鳥居に激突して気絶した。
「いやあ、ウチの魔理沙が迷惑掛けたみたいだねえ」
彼女達の行動はおかしかったが、彼女達の証言はおかしくなかった。
おかしくなかった、筈だ。
だから、いわゆる怪奇現象とかそういうのは起きていない。
よって、私が感じている気配も気のせいに違いない。
「ふむ、やっぱり見えてないのか」
あの三人は、私にこってりとお説教された後、部屋を片づけて帰った。この神社にいるのは私だけだ。
私だけの筈だ。
戻ってきたときから、何となく感じる気配や、ふとした時に聞こえる気がする囁くような声も気のせいに違いない。
「アンタは昔っから勘が良かったけど、それでも解らないかあ」
「誰かいるの?」
「わたしゃ、ここにいるよ」
返事はない。
きっと、きっと、気のせいだろう。
「触ってみても、いいんだけど……魔理沙みたいにびっくりされそうだからやめとこうかね」
もう一度繰り返す。
「誰かいるの!?」
「わたしゃ、ここにいるってば!」
やはり、返事はない。
どうにも、紫の長話に付き合わされたせいか、つかれているみたいだ。
今日は夜更かししないで寝る事にしよう。
「やれやれ、顔見た時からずっと話しかけてるんだけど、アンタにも気づかれなくなってるみたいだね」
「魔理沙達の話はおかしくなかった、よね……」
「見えない聞こえないじゃあ、しょうがない。そろそろお暇させてもらうよ。あの馬鹿弟子と、アリスとも仲良くしてやっとくれ」
誰に言うともなく、私は呟いたが、返事はなかった。
「アンタが考えてるような奴はいないよ。なんせ私が見守ってやってるんだからねえ。それじゃあ、おやすみ」
話の始まりは数日前に遡って、魔理沙が霖之助さんのお店で、外から流れ着いた『でぃーぶいでぃー』という円盤を手に入れたのが始まりだった。
霖之助さんの話では、この世のものとも思えない恐怖が納められているという。
ただし、それを見るには、その円盤と対になる機械が必要らしい。
つまり、魔理沙が持ってても何の意味もない道具なんだけど、何を思ったか借りてきてしまったのだ。
魔理沙の話だと、外の世界のモノでも早苗か河童に頼めば何とかなると思ってたらしい。
それはあながち間違えじゃなくて、早苗が対になる機械とテレビを持っていた。
そこまではいいとして、何故か私の家にわざわざ一式抱えて、持って来る話になったのだ。
早苗は、「神奈子様がこういうのダメなんで、霊夢さん家で上映会しましょう!」と言ってたけど、神様でも恐いぐらいなのだろうか。
そう思うと、一体どれほど恐いのかと興味が湧いてきたのだ。
その後、魔理沙がついでに誘ってきた、アリスも交えて四人で上映会とやらをすることになった。
上映会直前に紫から緊急の呼び出しが入り、人里に向かう事になったので、他の三人に「アンタら勝手に食い物漁ったら、覚悟しときなさいよ」とキツく言いつけると人里に向かった。
そして、用事が長引いて戻ってきたら、このざまである。
このざまである。
神社入り口の鳥居の下で、裸足の魔理沙が額から血を流して失神している。
上映会をしていた部屋の襖は穴だらけになって盛大に倒れ、そこから手が生えている。何かと思って襖をどけてみたら気絶したアリスが下敷きになっていた。
部屋の中は真っ暗で、テレビの電源は切れており、鼻血を垂らした早苗が白目を剥いていた。
一体、何があったらこんな事になるのやら。
「とりあえず、こいつらたたき起こして事情聴取でもしようかしらね……」
私はバケツに水を汲むべく、井戸の方に向かった。
【東風谷早苗】
霊夢さんごめんなさい!
そんな 「ごめんで済んだら巫女は要らない」とか恐い事言わないで下さいよ。巫女仲間じゃないですか!
えーと、何をしたらこうなったかですよね。
えっとですね、大体お察しだとは思うんですけど、あのDVDってホラー映画なんですよ。
そうですね、基本恐い話に映像と音がついたものです。外の世界だと怪談変わりに、ああいうの見たりするんです。
で、霊夢さんが出ていったすぐ後ぐらいでしたかね、上映会始めたのは。
お菓子もアリスさんが色々持ってきてくれましたし。クッキー美味しかったですよ!
【アリス・マーガトロイド】
ありがとう。今日のクッキーは正直、ちょっと自信がなかったからそう言って貰えると嬉しいわ。
紅茶も美味しかったでしょ?やっぱりクッキーに緑茶だと、ちょっとね。
話が逸れたわね。その映画の中身はまあ、幽霊物っていうのかしら?そう、悪霊がどうのこのと言うような内容。
早苗に聞いたんだけど、あれって全部化粧らしいけど、もっと可愛くしないのかしら?
私が知ってる幽霊に比べると、可愛らしさが足りないと思うわ。貴方だって幽々子と知り合いだし解ってくれると思うけど。
でも幽々子が恐いかっていうと、どうでしょうね。怖がらせるんだったら、あの映画みたいな方がいいのかもね。
実際、予告編見た時からちょっと顔色が変わった子もいたし。
【東風谷早苗】
そうそう、映画の予告編って結構恐いシーンの抜き出しだから、クるものがあるんですよね。
あれで恐いって思っちゃっても、私は責めないですよ!
ただ、そういうのを見ちゃうと、ほら、より恐くしたくなるじゃないですか。
だから私、部屋を完全に閉め切って、蝋燭の灯りだけで見ようって提案したんですよ。
誰も反対しなかったし、アリスさんも「そういう趣向も楽しそうね」と言って乗ってくれましたしね。
部屋が真っ暗だったのは、それが理由なんですよ。
【霧雨魔理沙】
アリスも無理しなくてもよかったのにな。早苗だって正直、勢いで言ってたと思うぜ。
私はまあ、紅茶もクッキーもあったし、優雅に鑑賞させてもらってたよ。
しかし、明かりが少ない中でテレビ見てると目が痛くなってくるんだな。初めて知ったぜ。
にとりが、長時間モニタを眺めてるのは身体に悪いんだ、って言ってたけどあれはホントだな。
そんなわけで、目を休ませながら見ていたんだけど、ちょっと辛くなって来てな。
丁度、最初の山場が落ち着いたところっぽかったから二人に提案したんだ。
【アリス・マーガトロイド】
「一息入れないか?」って魔理沙に言われたんで、とりあえず一回休憩を取ることにしたのよね。
ちょっと辛そうだったしね。早苗は「えー、休憩早くないですかー?」って言ってたけど。
確かに閉めきりだったし、一回換気してもいいかなと思ってね。
まずみんなで、襖と窓を全部開けて換気して、それから紅茶とクッキーがまだ残ってるか、確認したの。
ポットを見ると、紅茶が少なくなってきていたから、ついでに淹れてくる為に二人に断って、台所に向かったわ。
【霧雨魔理沙】
「紅茶のお代わりを淹れてくるわね」
そういってアリスがいなくなると、部屋には私と早苗の二人が残った。早苗は結構強がりでさ。
「この映画って見える恐怖が売りらしいんですけど、見えすぎてメイクのひび割れまで見えちゃってますよね」なんてニヤニヤしてるんだよ。
こいつも頑張るなあと、心底思ったね。恐ければ恐いって言えばいいのにさ。
私はこういう物語ってのは、最後まで見てから評価するタイプだから、あんまり途中で話したりしないんで絡みづらかったよ。
それで、あんまり話題もないし、トイレに行こうと思ったんだが、早苗を一人で部屋に残しちゃ可哀想だと思ってな。
「早苗、これからトイレに行くんだけど、何だったら私が一緒に行ってもいいぜ」って
【東風谷早苗】【魅魔】
魔理沙さんに誘われたんですよ。
流石にそんな誘われ方したら、ねえ……断れないですよねえ。
仕方ないんで、魔理沙さんと一緒にお手洗いに行ってあげる事にしました。
いやあ、あの魔理沙さんの表情、誰かに見せたかったですよ!不安になった仔猫みたいで凄く可愛かったです!
二人で部屋を出て、お手洗いに行きました。あ、手とかは繋がなかったんで安心してください。
いやあ、久しぶりに神社に顔出してみたらさ、どうにも懐かしい顔がいるじゃないか。せっかくだから上がらせてもらってね。みんな、私の事が見えなくなってるみたいだけど、まあ長いこと悪霊やってるとそういう事もあるんだろうねえ。
こっちからは見えるんだしさ、とにかく顔ぐらいゆっくり見たかったのさ。
【アリス・マーガトロイド】【魅魔】
弟子の躾はちゃんとしたはずなんだけどねえ。
ちゃんと開けたら閉めろって教えてやったのに。
戻って来て、襖を開けてみると誰もいなかったわ。
しばらく待っていると、二人とも戻ってきて「お手洗いに行ってたんですよ、今なら魔理沙さんが一緒に行ってくれるそうですよ?」って言われたんだけど、流石にトイレぐらい一人で行くわよ。
その後は、もう一度部屋を閉め切って、上映会の続きを始めたのよ。
私、正直ちょっと続きが気になっていたし。
魔理沙は少し顔色良くなった風に見えたし、これなら大丈夫かなと思って。
しかしアリスも随分と美人になったもんだと思ったよ。
ウチの弟子もいい女に育つとは思ってるがね。
【霧雨魔理沙】【魅魔】
しかし、あの箱は凄いね。仕掛けがわからんけど
でも悪霊の事悪く書き過ぎじゃないかね。あれは頂けないな。
テレビが映ってからは、相変わらず紅茶を嗜みながら見てたよ。
もちろん、目は休めながらだけどな。私は光系の魔法を使うからな、普段から目に優しくない事してるし、無理はよくないだろ?
でだ、アリスのクッキーが美味しいからついつい食べ過ぎちゃってさ、そうすると口の中がパッサパサになるんだよ。
それで紅茶を飲んでたんだけど、そうするとまたトイレに行きたくなってきてな。
ただまあ、他の二人も恐い思いしながら映画見てるし邪魔しちゃいけないかなと思って。
しばらく我慢して、また一区切り付いたところで「悪い、またトイレ行きたいんだけどいいか?」って。
誰も私に気が付かないから、一緒になって見てて思ったね。
ああまったく、魔理沙のビビリ癖は昔から治ってないのかなあって。
顔見た時は大分成長したもんだと思ったけどねえ。
【東風谷早苗】
私、その時思いついたんですよ!これ魔理沙さんおもいっきりビビらせたら、どうなるんだろうって!
でもそれをやろうとすると、アリスさんに協力してもらえた方がいいんですよね。
そう考えると、打ち合わせをするチャンスがあるのはここしかないと思ったんですよ。
よって、可哀想ですが魔理沙さんには一人でトイレに行ってもらうしかありませんので
【アリス・マーガトロイド】
早苗が「またですか?アレ?ひょっとして魔理沙さん、まさか恐いんですか?」って言った時の魔理沙の表情は、文字通り赤面してたわ。
私は「もし恐ければ、私が一緒に行ってあげるわよ」って言ってあげたんだけどね。
結局魔理沙は「何言ってるんだ、私は普通の魔法使いだからな。トイレだって一人で行けるぜ。見せてやる」って答えて、出て言っちゃったけどね。
それで、魔理沙が出ていったすぐ後に早苗が凄いニコニコしながら話し掛けてきたのよ。
【東風谷早苗】【魅魔】
「アリスさん、ドッキリしません?」って話を振った時の、アリスさんはちょっと戸惑ってましたけど、話を聞いたら乗ってくれました。
やっぱり、あんな可愛い魔理沙さん見たら、やっぱりそういう気持ちになっちゃうんですよみんな!
打ち合わせ時間は魔理沙さんがトイレ行ってる間だけなんで、そんな凝ったことは出来ません。
なんで、簡単に出来ることにしました。
まず、アリスさんがトイレに行くといって部屋を抜け出して、私と魔理沙さん二人きりにしてもらいます。
そして、私が操る風で蝋燭を消した後、魔理沙さんを軽くお触りします。
最後に、部屋の外で待機していたアリスさんが襖を思いっきりガタガタと揺らす、という流れにしました。
アリスともう一人、早苗だっけ?とにかく、その子らの話を聞いてたら、意外と楽しそうでさあ。
ひょっとしたら、それぐらいでは動じないぐらいは成長してるかもしれないじゃないか。
まあ成長してなかったら、弟子の変わらぬ可愛い姿が見れるって事でさ。
【アリス・マーガトロイド】
魔理沙が戻ってきたのは丁度打ち合わせが終わったぐらいだったと思う。
その後、部屋を閉め切る前に「ごめん、私もトイレに行きたくなったから行って来るね。先に見てて」と言って部屋を出たわ。
襖を閉めると、そこで待機してたのよ。部屋の中の気配が変わったら、襖をガタガタ揺らすという段取りだったから。
映画の方は丁度山場だったんで少し惜しいけど、魔理沙の慌てぶりの方が気になったからいいかなと思ってね。
だって、普段あんなに強気な魔理沙なのよ?やっぱりちょっとそういうところも見てみたいじゃない?
【霧雨魔理沙】
アリスがトイレに行ってから、すぐに続きを見始めたんだ。
私はアリスの事待ってやっても良かったんだけど、早苗が「丁度山場なんですから、早く見ましょうよ!」って言うんでな。
アリスも頑張ってここまで見たのに可哀想だと思ったが、まあ仕方ないよな。
でもなかなかトイレから戻ってこなくてさ、アリスも我慢してたんじゃないか?無理して一人で行かなくても良かったのに。
そう、それで丁度山場に差し掛かるぐらいのところだ。正に手に汗握る展開だったと思うぜ。
その時だよ。
【東風谷早苗】【魅魔】
話が盛り上がってきたところで、私の能力で風を起こしました。今の雰囲気にピッタリの生温い風を。
クライマックスでのこのドッキリは、私がやられてもビックリしちゃうレベルの出来だったんじゃないですか?
真っ暗で魔理沙さんのリアクションは見えなかったんですけど、これは絶対にビビってると確信しましたね!
そして見事、灯りが消えて部屋の中が真っ暗になったところで、素早く魔理沙さんの方に身体を伸ばして。
肩に手を掛けたんです。掴んだ瞬間にですよ。
いやあ、あん時はびっくらしたさ。いきなり肩を掴まれてさ。
バランスを崩して、手を付いた先が魔理沙の足だったんだよ。
「なぁぁぁああぁぁああああんんんぁう゛ぁああああああらああああああ!!!」
あんなにびっくりされたら、私だって傷つくよ。
私のことを何だと思ってるんだい。
【霧雨魔理沙】【魅魔】
あの子は焦ってる時は、まず手が出るからねえ。
こりゃいかんと思って、素早く身を引いたんだ。
部屋の灯りが消えたと思ったら、何かに掴まれたんだ。ちょっと声が出ちゃうぐらいにはビックリした。
いきなり襖も揺れ始めたから、あの時、間違いなく何かが部屋の中にいたんだと思う。……なんだよ、その目は。
でも私は至って冷静だったからな。とりあえず、咄嗟の事に戸惑いながらも鋭く裏拳を放ったんだ。方向と言っても真っ暗で何も見えないからなあ。ま、私もあの子に殴られる程、年は食ってないからね。ちゃんと避けたさ。
ただ、「がぶっ!?」っていう声がして、拳にも手応えがあった。だからそんな目で私を見るなって。
その後、とにかく部屋から脱出しようと思って襖の方に一気に駆けだした。
アンタからも言っとくれよ。いきなり師匠に暴力を振るおうとするんじゃないって。
お友達を叩きのめしちまいやがって。全く可哀想に。
【アリス・マーガトロイド】
魔理沙の叫び声がこっちまで聞こえたからね。正直そこまで解りやすいリアクションになると思ってなかったから、私も驚いたわ。
それで、私はちゃんと打ち合わせ通りに襖をガタガタと鳴らしていたの。
そうしたら、襖に強い衝撃が走ったかと思うと、こちらに倒れ込んで来て――――
【霧雨魔理沙】
一刻も早く部屋を離れよう、その時はそう思ってたんだ。だから走って、揺れる襖に体当たりしたんだ。
そのまま、勢い良く襖は倒れて、私は腹這いに倒れる形になった。
襖に体当たりした時に、妙に重い感じがしたんで身体を捻って、そっちを見てみたんだ。
そしたら、襖から手が生えていて、もの凄い勢いで動いているんだ。何かを掴もうとするように。
私が身動きする間もなく、それはしっかりと私の足を掴んだ。
【アリス・マーガトロイド】
仰向けに倒れる感じで、襖に押し潰されちゃってね、あまりにも唐突だったんで、驚いたわ。
それで何が起こったか解らないし、運悪く手が襖を貫通しちゃったみたいで、起きあがれなかったのよ。
とにかく何か掴まないと起きあがれないと思っていて、デタラメに手を動かしていたら、運良く何かを掴めたの。
柔らかい感じの手触りだったんで、今にしてみれば魔理沙の身体のどこかだったんでしょうね。
【霧雨魔理沙】【魅魔】
あの子のビビリも結局治ってなかったねえ。
むしろ悪化してるんじゃないかい?昔より酷い気がするわ。
足を掴まれるのは二回目とはいえ、流石にこれにはビックリしてさ。
何とか逃げだそうにも、足を掴まれちゃ身動きがとれない。
それで、自由になる方の足でデタラメに襖の手が生えてる辺りを蹴りまくったんだ。
しばらく蹴り続けてると、私の足を掴む力がふっとなくなった。そこでチャンスだと思って、私は走り出した。
玄関に向かって靴を履こうなんて考える余裕がなかったからな、一直線に縁側から飛び出すと、神社の出口に向かってひたすら走った。
ちらちらと後ろを振り返りながらだったんだが、私を追ってくる姿はなかった。
それを何度繰り返したか覚えてないんだけど、ホッとして正面に視線を戻した時。
視界に真っ赤なものが飛び込んできて――――
私は根性なしの弟子が走り去っていった後、どうしようか考えたんだけどね。
とりあえず、霊夢の顔も見たかったんで待たせてもらおうと思ってさ。
で、あの箱が相変わらず何かを移してるんで、これを切るにはどうしたらいいか、しばらく悩んだんだけど。
使わないものは元に戻しておく、こりゃあ常識だからね。まったく、魔理沙の奴もだらしないねえ。
何の事ぁない、何かスイッチみたいの付いてるじゃないか。それを押したら、プツンと消えてね。
後はアンタが帰ってくるのを一人で待ってたってわけさ。
【博麗霊夢】
事情聴取が終わった後、私は自分の交友関係の見直しを真剣に考えた。
もうちょっと、常識的な友人が欲しくなったのだ。流石にこれでは常識に縛られてなさすぎる。
結局、ビビリの魔理沙が驚かされて過ぎて暴発してしまい、仕掛け人の早苗とアリスを叩きのめして、逃走中に鳥居に激突して気絶した。
「いやあ、ウチの魔理沙が迷惑掛けたみたいだねえ」
彼女達の行動はおかしかったが、彼女達の証言はおかしくなかった。
おかしくなかった、筈だ。
だから、いわゆる怪奇現象とかそういうのは起きていない。
よって、私が感じている気配も気のせいに違いない。
「ふむ、やっぱり見えてないのか」
あの三人は、私にこってりとお説教された後、部屋を片づけて帰った。この神社にいるのは私だけだ。
私だけの筈だ。
戻ってきたときから、何となく感じる気配や、ふとした時に聞こえる気がする囁くような声も気のせいに違いない。
「アンタは昔っから勘が良かったけど、それでも解らないかあ」
「誰かいるの?」
「わたしゃ、ここにいるよ」
返事はない。
きっと、きっと、気のせいだろう。
「触ってみても、いいんだけど……魔理沙みたいにびっくりされそうだからやめとこうかね」
もう一度繰り返す。
「誰かいるの!?」
「わたしゃ、ここにいるってば!」
やはり、返事はない。
どうにも、紫の長話に付き合わされたせいか、つかれているみたいだ。
今日は夜更かししないで寝る事にしよう。
「やれやれ、顔見た時からずっと話しかけてるんだけど、アンタにも気づかれなくなってるみたいだね」
「魔理沙達の話はおかしくなかった、よね……」
「見えない聞こえないじゃあ、しょうがない。そろそろお暇させてもらうよ。あの馬鹿弟子と、アリスとも仲良くしてやっとくれ」
誰に言うともなく、私は呟いたが、返事はなかった。
「アンタが考えてるような奴はいないよ。なんせ私が見守ってやってるんだからねえ。それじゃあ、おやすみ」
しかし驚いた時の魔理沙の表情が見れなかったのは残念だ。
気配の正体は紫でしょう。いたずら心で。
ほのぼのとしてて良かったです。
矛盾が解ればホラー
仕掛けが解ればハートフル
話の構造が良く出来てる
行間を読むのは難しいねえ
台詞で色変えてる狙いだけわからなかったけど。
2回読んでようやく分かった
あたしゃここにいるよ…
ほのぼの作品としかよめなかったぜ!
普通に怖い…ハートフルにする
方法を教えてください
ぎょうかん?なにそれ…
( T_T)\(^-^ )オイ
……おそらく携帯ではなく、PCならば仕掛けがわかる、のか? 全選択するとかして。ちょっとネカフェ行ってくる。
脱字報告
私がやられてもビックリしちゃうレベルの出来だんじゃないですか? → 出来だったんじゃないですか?
何はともあれ霊夢だったら怪奇現象が発生しても原因を叩きのめしそうだww
種明かしがされないあたり不気味でよろしいですね
確かにハートフルだけど、ラストでちょっと切なくなったね。
ほのぼのしました。
と言うか、魔理沙のビビリ癖って魅魔様のせいなんじゃ?
それぞれの話としてちゃんと読める話の流れが素晴らしい。
へたれ魔理沙や悪乗り早苗もらしいキャラでした。
魅魔様丸見えだったから何が何やら分からなかった……。何だか申し訳ないです。
しかしコメディ部分はしっかり楽しませてもらいました。魔理沙かわいい。
いや、こういうからくりは面白いですね
パソコンであぶりだすまで気づかなかった...。
憶測だけで言ってしまってすみません!
魅魔様、誠に申し訳ありませんでした!(全力謝罪)
しかし最後の台詞、分かった後に読むと切ないな…
行間が分かれば実にほのぼのですね。
まあきっと紫あたりが見つけて一緒にお酒でも飲んでいることでしょう
ナイスな発想
初めはハートフル、次はホラー。そして最後にやっぱりハートフルになるという素敵構成。
ただ、こういう仕掛けは環境によって左右されるからタグや前書きで注意が入ってるといいかも
全く気づきませんでした。当然といえば当然かもしれませんが。
でも改めて見返すと、よーく読めば後書きのヒント無しでも違和感に気づけるようになっていますね。
少し悔しいです。
悪霊な魅魔様だからそれもまずいという