初夏、梅雨時。
幻想郷も例に漏れず、雨が降り続く鬱陶しい気候になる。
その日も朝から止まない雨が重い空気を運び、南風が不快に湿った風を運んできている。
「……んー…?もう朝なのか?」
ベッドの上で面倒臭そうに伸びをする金髪の少女。ベッドの周りは本やらガラクタだか道具だか解らないものが散らかっている。
薄暗い部屋の中に聞こえるのは時計の音と雨の音だけ。
「あー…今日も雨かあ。だるい…面倒臭い。」
そう言って少女ーーー霧雨魔理沙はタオルケットを被り直して枕に顔をうずめた。
ついでに手を伸ばして枕もとの時計のベルを解除する。
「これでもう、邪魔は入らないぜ…。」
と、また眠りに就こうと体の力を抜いた途端、彼女の腹が鳴る。
枕に顔をうずめて、魔理沙はごちる。
「何で寝てても腹は減るんだろうな…。この雨じゃ霊夢ん所に飯をたかりに行くのもかったるいぜ…。」
起きなければならないけど、起きられないし起きたくない。
思考もごちゃごちゃになっているし、もうこのまま梅雨が明けるまで寝ていたい、と魔理沙は思う。
しかし、動かなければご飯は食べられない。
でも、魔理沙自身はこのまま布団で退廃を貪っていたい。空腹と動きたくないジレンマが彼女の頭の中をかきむしる。
「あー…贅沢な家の猫になりたいぜー。」
不毛な呟きをもらし、それでも魔理沙はベッドから起きようとしない。
雨の日の魔理沙は、とことんだるい。
しばらく、もぞもぞとベッドで呻吟してると、魔理沙の耳元で声がする。
『おはようございまーす。リグルの虫の知らせサービスでーす。』
能天気な声にイラついて、声のほうを見ると、壁に小さな羽虫が一匹張り付いている。
『今日の天気は一日中雨でーす。明日も明後日も明々後日もつまりー、最低半月くらいー?はずっーと雨でーへぶしっ!』
声は何かが壁にぶつかる音と悲痛な叫びを最後に途絶えた。
「脳まで天気な奴の出前を頼んだ覚えは無いぞ。」
枕に顔をうずめたまま、床の本を投げつけて虫を黙らせ、魔理沙はぐったりと力を抜いた。
殆ど八つ当たりの行動だが、魔法をぶっ放さないだけまだ落ち着いている、と彼女自身は思っていた。
ただでさえ面倒臭いところへ、さらに壁の修理などと厄介ごとは増やしたくない。
腹の鳴り方が大きくなる。
「うー…。」
起きてご飯を食べればこの空腹感からは開放される。が、それ以前に動きたくない。
大体、料理を作ること以前に、上体を起こすことすら面倒なのだ。
「こんな時にあの胡散臭いスキマがくれば、飯を持ってきてもらうのになあ…。」
都合のいい現実逃避に走りながら、しかし魔理沙は動こうとしない。
ベッドから出て行きたいが出て行けない、出たくない。
大体着替えるのも面倒臭いし、それならベッドの中で丸まっているほうがマシだ。
いよいよ腹の鳴り方は度を越えてきている。それがまた鬱陶しく、やる気をさらに弾幕の如く削っていく。
「…まだ弾幕の方がマシだぜ。」
枕を抱きしめて、猫のように丸まり、魔理沙はタオルケットに埋まる。
雨の日の魔理沙は、とことん眠い。
「今日の私は酷くデカダンだぜ…。みんな雨のせいだ。」
本当のところ、こんな日は暇さえあれば何もかもほっぽって、夢だけを食べて生きる怠け者になっても罰は当たらないだろう。
自分勝手な妄想と責任転嫁を垂れ流し、ダラダラと怠け者になりきろうと彼女は努力する。
しかし、腹の虫は鳴くのを止めない。
動かなければ、ご飯は食べられない。
でもこのまま布団に埋まっていたい。猫のようにいつまでも。
空腹と面倒臭さのせめぎ合いはまだ続きそうだ。
雨の日の魔理沙は、とことん眠い。
……雨の日の魔理沙は、とことんだるい。
幻想郷も例に漏れず、雨が降り続く鬱陶しい気候になる。
その日も朝から止まない雨が重い空気を運び、南風が不快に湿った風を運んできている。
「……んー…?もう朝なのか?」
ベッドの上で面倒臭そうに伸びをする金髪の少女。ベッドの周りは本やらガラクタだか道具だか解らないものが散らかっている。
薄暗い部屋の中に聞こえるのは時計の音と雨の音だけ。
「あー…今日も雨かあ。だるい…面倒臭い。」
そう言って少女ーーー霧雨魔理沙はタオルケットを被り直して枕に顔をうずめた。
ついでに手を伸ばして枕もとの時計のベルを解除する。
「これでもう、邪魔は入らないぜ…。」
と、また眠りに就こうと体の力を抜いた途端、彼女の腹が鳴る。
枕に顔をうずめて、魔理沙はごちる。
「何で寝てても腹は減るんだろうな…。この雨じゃ霊夢ん所に飯をたかりに行くのもかったるいぜ…。」
起きなければならないけど、起きられないし起きたくない。
思考もごちゃごちゃになっているし、もうこのまま梅雨が明けるまで寝ていたい、と魔理沙は思う。
しかし、動かなければご飯は食べられない。
でも、魔理沙自身はこのまま布団で退廃を貪っていたい。空腹と動きたくないジレンマが彼女の頭の中をかきむしる。
「あー…贅沢な家の猫になりたいぜー。」
不毛な呟きをもらし、それでも魔理沙はベッドから起きようとしない。
雨の日の魔理沙は、とことんだるい。
しばらく、もぞもぞとベッドで呻吟してると、魔理沙の耳元で声がする。
『おはようございまーす。リグルの虫の知らせサービスでーす。』
能天気な声にイラついて、声のほうを見ると、壁に小さな羽虫が一匹張り付いている。
『今日の天気は一日中雨でーす。明日も明後日も明々後日もつまりー、最低半月くらいー?はずっーと雨でーへぶしっ!』
声は何かが壁にぶつかる音と悲痛な叫びを最後に途絶えた。
「脳まで天気な奴の出前を頼んだ覚えは無いぞ。」
枕に顔をうずめたまま、床の本を投げつけて虫を黙らせ、魔理沙はぐったりと力を抜いた。
殆ど八つ当たりの行動だが、魔法をぶっ放さないだけまだ落ち着いている、と彼女自身は思っていた。
ただでさえ面倒臭いところへ、さらに壁の修理などと厄介ごとは増やしたくない。
腹の鳴り方が大きくなる。
「うー…。」
起きてご飯を食べればこの空腹感からは開放される。が、それ以前に動きたくない。
大体、料理を作ること以前に、上体を起こすことすら面倒なのだ。
「こんな時にあの胡散臭いスキマがくれば、飯を持ってきてもらうのになあ…。」
都合のいい現実逃避に走りながら、しかし魔理沙は動こうとしない。
ベッドから出て行きたいが出て行けない、出たくない。
大体着替えるのも面倒臭いし、それならベッドの中で丸まっているほうがマシだ。
いよいよ腹の鳴り方は度を越えてきている。それがまた鬱陶しく、やる気をさらに弾幕の如く削っていく。
「…まだ弾幕の方がマシだぜ。」
枕を抱きしめて、猫のように丸まり、魔理沙はタオルケットに埋まる。
雨の日の魔理沙は、とことん眠い。
「今日の私は酷くデカダンだぜ…。みんな雨のせいだ。」
本当のところ、こんな日は暇さえあれば何もかもほっぽって、夢だけを食べて生きる怠け者になっても罰は当たらないだろう。
自分勝手な妄想と責任転嫁を垂れ流し、ダラダラと怠け者になりきろうと彼女は努力する。
しかし、腹の虫は鳴くのを止めない。
動かなければ、ご飯は食べられない。
でもこのまま布団に埋まっていたい。猫のようにいつまでも。
空腹と面倒臭さのせめぎ合いはまだ続きそうだ。
雨の日の魔理沙は、とことん眠い。
……雨の日の魔理沙は、とことんだるい。
私も雨の日は出かけることができないので、雨音を子守唄として眠りたいです。
あー憂鬱だなあー...そんな憂鬱気分を吹き飛ばしてくれるような次回作、待ってます。
お詫び だらけた感じになってしまってすみませんでした。
どうか気を悪くしないでください。お願いします。
こが魔理沙なんだよなあ
おんなじことしてたい
しかしリグルの虫……