「おつかれー」
「「おつかれー」」
私の隣にまさかこんな連中が揃うとは思わなかった。というか、この三人が飲みに来るような仲だとは思わなかった。
共通点と言えば、私と違う……私の白髪が白煙だとしたら、彼女達は白刃の銀髪だ。
すげえなこれ、こんな小さな屋台に髪真っ白が四人も集まったよ。
ちょっと興味が湧いてきた。どんな話をするんだろう。
「やばいわ、お嬢様が妹様を孕ませた」
重いいいいいいいいゐゐゐ!!!????
え? え? ゑ!? なにこれなにこれどういうこと!?
これってただの飲み会じゃねえの? あれ!?
『そうだ、京都行こう』みたいなノリでしたよ!? 私はもう絶対行かないけどな!
「お嬢様が頭を抱えて、妹様のアレが来ないって言っててね」
「あー、大変だなー」
おい犬走てめえスルーしてんじゃねえええ!
一大事だぞ!? 人生的にも生物学的にも一大事だぞこの喪女!
『ごっめーん、のぶっち焼いちゃった☆』とか光秀が謝ったらムカつくだろ!? いや確かにあいつは言いかねん奴だったけどさあ!!
「あ、幽々子様に流産の可能性を取り払ってもらいましょうか?」
「それ名案ですね」
ああ……ちょっと突っ込み疲れた。
しかし、そういう事も出来るのかよ、あのお姫様。便利だな亡霊。
いや、それとも固有の能力か?
「まあ、それは置いておくとして」
お前、あるじの一大事華麗に受け流すのな。
「二人はなにを呑むの? 今日は私が責任を持つわよ」
「じゃあ自分は芋焼酎を。店主、確か穣子が持ってきたやつがあっただろう」
「私もそれで」
「私はくどき上手で」
お前は口説かれた側だよな、門番に。
あ、みすちーちょっと笑ってるし。
「椛さん、今度はいつ試合しますか?」
「最近、自分の刀の機嫌が悪くてな……」
ふうん、そう言えば千年前もそんな事言ってたな。
やっぱり一流の剣豪ともなるとそういうのが分かるのかね。
ちなみに私は一流の輝夜好きなので、あいつの弱いところが全部分かる。特にあいつは内太腿が弱い、逝くほど弱い。ここ、テストに出るぞー。
「じゃあステゴロでやりましょうよ」
「なんでいかつい言い方を選ぶのよ」
「そうか、……そうだな、たまには素手での特訓もしてみようか」
「そうよ、特訓しておいた方がクンn」「言うんじゃないぞエロメイド」
あのメイドはオチ担当なのかも知れない。
「そう言えばエロメイド。お前この間、一輪と交流試合をしたそうじゃないか」
「そうなんですか?」
「そうなのよ。というか、何処から仕入れてくるのよそんな情報」
「なに、それなりにツテがあるのだ。具体的には本人とか」
「どうしてそんな繋がりがあるのよ……あ、まさかあいじn」「よし表出ろ」
ううむ、あんまり聞き耳立ててるのも罪悪感が芽生えてくるな。止めないけど。
にしても交流試合か。久しく殺し合いしかしてない私も、懐かしく思う響鬼だ。
「大体あのバカップル相手に不倫など、超人に殺されるだろうが」
「それもそうね」
「それで、入道さんとの試合はどうだったんですか?」
入道さんねえ……甘いなあ、この庭師は見立てが甘い。
本当に厄介で食えないのは入道じゃなくて。
「入道使い、でしょ」
お?
「正直、見越し入道だけなら弱点も分かるし、むしろ対処しやすい部類よ。でもあれはもう、ただの見越し入道ではなく、入道よ。しかもちゃんとブレインを積んだ。
ひたすら大きいだけの入道ならともかく、形状・質量を自在に配剤出来て、策を練り、なおかつ単体でも戦闘可能な頭脳なんて手に負えないわ」
「ほえー…」
「ふむ、そうだろう。うんうん」
妙に可愛い声を出した庭師は置いといて。やけに嬉しそうだな犬走。まあ、旧友が軽んじられていないというのは、それだけでちょっとにやけてしま。
……おいみすちー、私を見てにやつくんじゃない止めろ焼き鳥にするぞ。
「考える天災相手に無事で済む方がおかしいわ。しかも他にも色々使うのよ、あの僧侶。
まあそのおかげで、美鈴とふたりぼっち時間を作れたのは僥倖と言えるわね」
「はは、咲夜さんも好きですねえ」
「貴女も、あのご主人様が好きなんでしょう?」
「えへへ」
ちなみに私も輝夜が大好きだ。
「おいおいお前ら、行き遅れである自分への嫌味か?」
「えー、そんなつもりじゃないですよー?」
「そうね、そもそも貴女モテるじゃない」
「好きでもない相手から慕われてもなあ……」
それは分かる。
実は人里の男から幾つも花束貰ってしまっている私だ。
ざっくり断っているつもりだが、いつ逆恨みされるか分からないし、何より輝夜以外は嫌だ。
もっとも、犬走は昔からそういう感覚には疎い奴だったから、恋より将棋って思考なんだろうとは推測できる。
きっと周りでは歯ぎしりしてる奴がいるんだろうな、と憐れむ私。
これがリア充の余裕というやつだ。ってけーねが言ってた。
阿求のような可愛い生徒に手を出す、変態な友人の言うことだからちょっと頼りなくはあるが。
「んくっ……ぷは!」
「いい呑みっぷりじゃないか妖夢」
「ふふふ、今宵の私は酒に飢えていますよ」
「美鈴の飲みたい」
「あえて何かは聞かないでいてやる」
ふむ、しかしもう限界だろう。
これ以上呑んだら、空もマトモに飛べるか怪しくなる。
「ミスティアさん、お勘定お願いします」
「はーい」
「あちらの方の支払いで」
「はーい」
名残惜しいが、あの連中ももう解散。
輝夜も待ってることだし、私も帰るとするか。
「あ、妹紅さん妹紅さん」
「なんだよみすちー、先払いしてあるでしょ」
「足りてませんよ」
「はあ? いくら物々交換でも足りてるだろ? エ○ライドだぞエア○イド」
「いえ、そうじゃなくて」
そう言うとみすちーは、何故ひっくと頬を引きつらせ、笑いをこらえるように銀髪三人娘のいる席を示す。
それと同時に、悪魔の館のメイドはふっと消え、白玉楼の庭師は爆発的な脚力で遠くへと走り出した。
「全部、妹紅さんの勘定だそうですよ?」
遂に堪えきれずに吹き出してしまったみすちーと、生暖かい笑顔で、自分の呑んだ分だけ勘定を済ませる犬耳の旧友の見つめる中、茫然とした私はただ一言、こう思った。
そうだ、紅魔に行こう。
「「おつかれー」」
私の隣にまさかこんな連中が揃うとは思わなかった。というか、この三人が飲みに来るような仲だとは思わなかった。
共通点と言えば、私と違う……私の白髪が白煙だとしたら、彼女達は白刃の銀髪だ。
すげえなこれ、こんな小さな屋台に髪真っ白が四人も集まったよ。
ちょっと興味が湧いてきた。どんな話をするんだろう。
「やばいわ、お嬢様が妹様を孕ませた」
重いいいいいいいいゐゐゐ!!!????
え? え? ゑ!? なにこれなにこれどういうこと!?
これってただの飲み会じゃねえの? あれ!?
『そうだ、京都行こう』みたいなノリでしたよ!? 私はもう絶対行かないけどな!
「お嬢様が頭を抱えて、妹様のアレが来ないって言っててね」
「あー、大変だなー」
おい犬走てめえスルーしてんじゃねえええ!
一大事だぞ!? 人生的にも生物学的にも一大事だぞこの喪女!
『ごっめーん、のぶっち焼いちゃった☆』とか光秀が謝ったらムカつくだろ!? いや確かにあいつは言いかねん奴だったけどさあ!!
「あ、幽々子様に流産の可能性を取り払ってもらいましょうか?」
「それ名案ですね」
ああ……ちょっと突っ込み疲れた。
しかし、そういう事も出来るのかよ、あのお姫様。便利だな亡霊。
いや、それとも固有の能力か?
「まあ、それは置いておくとして」
お前、あるじの一大事華麗に受け流すのな。
「二人はなにを呑むの? 今日は私が責任を持つわよ」
「じゃあ自分は芋焼酎を。店主、確か穣子が持ってきたやつがあっただろう」
「私もそれで」
「私はくどき上手で」
お前は口説かれた側だよな、門番に。
あ、みすちーちょっと笑ってるし。
「椛さん、今度はいつ試合しますか?」
「最近、自分の刀の機嫌が悪くてな……」
ふうん、そう言えば千年前もそんな事言ってたな。
やっぱり一流の剣豪ともなるとそういうのが分かるのかね。
ちなみに私は一流の輝夜好きなので、あいつの弱いところが全部分かる。特にあいつは内太腿が弱い、逝くほど弱い。ここ、テストに出るぞー。
「じゃあステゴロでやりましょうよ」
「なんでいかつい言い方を選ぶのよ」
「そうか、……そうだな、たまには素手での特訓もしてみようか」
「そうよ、特訓しておいた方がクンn」「言うんじゃないぞエロメイド」
あのメイドはオチ担当なのかも知れない。
「そう言えばエロメイド。お前この間、一輪と交流試合をしたそうじゃないか」
「そうなんですか?」
「そうなのよ。というか、何処から仕入れてくるのよそんな情報」
「なに、それなりにツテがあるのだ。具体的には本人とか」
「どうしてそんな繋がりがあるのよ……あ、まさかあいじn」「よし表出ろ」
ううむ、あんまり聞き耳立ててるのも罪悪感が芽生えてくるな。止めないけど。
にしても交流試合か。久しく殺し合いしかしてない私も、懐かしく思う響鬼だ。
「大体あのバカップル相手に不倫など、超人に殺されるだろうが」
「それもそうね」
「それで、入道さんとの試合はどうだったんですか?」
入道さんねえ……甘いなあ、この庭師は見立てが甘い。
本当に厄介で食えないのは入道じゃなくて。
「入道使い、でしょ」
お?
「正直、見越し入道だけなら弱点も分かるし、むしろ対処しやすい部類よ。でもあれはもう、ただの見越し入道ではなく、入道よ。しかもちゃんとブレインを積んだ。
ひたすら大きいだけの入道ならともかく、形状・質量を自在に配剤出来て、策を練り、なおかつ単体でも戦闘可能な頭脳なんて手に負えないわ」
「ほえー…」
「ふむ、そうだろう。うんうん」
妙に可愛い声を出した庭師は置いといて。やけに嬉しそうだな犬走。まあ、旧友が軽んじられていないというのは、それだけでちょっとにやけてしま。
……おいみすちー、私を見てにやつくんじゃない止めろ焼き鳥にするぞ。
「考える天災相手に無事で済む方がおかしいわ。しかも他にも色々使うのよ、あの僧侶。
まあそのおかげで、美鈴とふたりぼっち時間を作れたのは僥倖と言えるわね」
「はは、咲夜さんも好きですねえ」
「貴女も、あのご主人様が好きなんでしょう?」
「えへへ」
ちなみに私も輝夜が大好きだ。
「おいおいお前ら、行き遅れである自分への嫌味か?」
「えー、そんなつもりじゃないですよー?」
「そうね、そもそも貴女モテるじゃない」
「好きでもない相手から慕われてもなあ……」
それは分かる。
実は人里の男から幾つも花束貰ってしまっている私だ。
ざっくり断っているつもりだが、いつ逆恨みされるか分からないし、何より輝夜以外は嫌だ。
もっとも、犬走は昔からそういう感覚には疎い奴だったから、恋より将棋って思考なんだろうとは推測できる。
きっと周りでは歯ぎしりしてる奴がいるんだろうな、と憐れむ私。
これがリア充の余裕というやつだ。ってけーねが言ってた。
阿求のような可愛い生徒に手を出す、変態な友人の言うことだからちょっと頼りなくはあるが。
「んくっ……ぷは!」
「いい呑みっぷりじゃないか妖夢」
「ふふふ、今宵の私は酒に飢えていますよ」
「美鈴の飲みたい」
「あえて何かは聞かないでいてやる」
ふむ、しかしもう限界だろう。
これ以上呑んだら、空もマトモに飛べるか怪しくなる。
「ミスティアさん、お勘定お願いします」
「はーい」
「あちらの方の支払いで」
「はーい」
名残惜しいが、あの連中ももう解散。
輝夜も待ってることだし、私も帰るとするか。
「あ、妹紅さん妹紅さん」
「なんだよみすちー、先払いしてあるでしょ」
「足りてませんよ」
「はあ? いくら物々交換でも足りてるだろ? エ○ライドだぞエア○イド」
「いえ、そうじゃなくて」
そう言うとみすちーは、何故ひっくと頬を引きつらせ、笑いをこらえるように銀髪三人娘のいる席を示す。
それと同時に、悪魔の館のメイドはふっと消え、白玉楼の庭師は爆発的な脚力で遠くへと走り出した。
「全部、妹紅さんの勘定だそうですよ?」
遂に堪えきれずに吹き出してしまったみすちーと、生暖かい笑顔で、自分の呑んだ分だけ勘定を済ませる犬耳の旧友の見つめる中、茫然とした私はただ一言、こう思った。
そうだ、紅魔に行こう。
一位永琳/うどんげ
二位幽香/リグル
三位ぬえ/ムラサ
四位白蓮/一輪
五位ゆゆ様/みょん
二位:霊夢/魔理沙 ・・・熟年カップルの年季
三位:文/チルノ ・・・漂う犯罪臭
四位:てゐ/鈴仙 ・・・結婚詐欺詐欺
五位:フラン/こいし ・・・大異変の予兆
私はそんなの気にせず入れるからな! いいな!