Coolier - 新生・東方創想話

きらめきちゃっかり三人娘

2013/06/29 21:15:58
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「おつかれー」
「「おつかれー」」

 私の隣にまさかこんな連中が揃うとは思わなかった。というか、この三人が飲みに来るような仲だとは思わなかった。
 共通点と言えば、私と違う……私の白髪が白煙だとしたら、彼女達は白刃の銀髪だ。
 すげえなこれ、こんな小さな屋台に髪真っ白が四人も集まったよ。
 ちょっと興味が湧いてきた。どんな話をするんだろう。

「やばいわ、お嬢様が妹様を孕ませた」

 重いいいいいいいいゐゐゐ!!!????
 え? え? ゑ!? なにこれなにこれどういうこと!?
 これってただの飲み会じゃねえの? あれ!?
『そうだ、京都行こう』みたいなノリでしたよ!? 私はもう絶対行かないけどな!

「お嬢様が頭を抱えて、妹様のアレが来ないって言っててね」
「あー、大変だなー」

 おい犬走てめえスルーしてんじゃねえええ!
 一大事だぞ!? 人生的にも生物学的にも一大事だぞこの喪女!
『ごっめーん、のぶっち焼いちゃった☆』とか光秀が謝ったらムカつくだろ!? いや確かにあいつは言いかねん奴だったけどさあ!!

「あ、幽々子様に流産の可能性を取り払ってもらいましょうか?」
「それ名案ですね」

 ああ……ちょっと突っ込み疲れた。
 しかし、そういう事も出来るのかよ、あのお姫様。便利だな亡霊。
 いや、それとも固有の能力か?

「まあ、それは置いておくとして」

 お前、あるじの一大事華麗に受け流すのな。

「二人はなにを呑むの? 今日は私が責任を持つわよ」
「じゃあ自分は芋焼酎を。店主、確か穣子が持ってきたやつがあっただろう」
「私もそれで」
「私はくどき上手で」

 お前は口説かれた側だよな、門番に。
 あ、みすちーちょっと笑ってるし。

「椛さん、今度はいつ試合しますか?」
「最近、自分の刀の機嫌が悪くてな……」

 ふうん、そう言えば千年前もそんな事言ってたな。
 やっぱり一流の剣豪ともなるとそういうのが分かるのかね。
 ちなみに私は一流の輝夜好きなので、あいつの弱いところが全部分かる。特にあいつは内太腿が弱い、逝くほど弱い。ここ、テストに出るぞー。

「じゃあステゴロでやりましょうよ」
「なんでいかつい言い方を選ぶのよ」
「そうか、……そうだな、たまには素手での特訓もしてみようか」
「そうよ、特訓しておいた方がクンn」「言うんじゃないぞエロメイド」

 あのメイドはオチ担当なのかも知れない。

「そう言えばエロメイド。お前この間、一輪と交流試合をしたそうじゃないか」
「そうなんですか?」
「そうなのよ。というか、何処から仕入れてくるのよそんな情報」
「なに、それなりにツテがあるのだ。具体的には本人とか」
「どうしてそんな繋がりがあるのよ……あ、まさかあいじn」「よし表出ろ」

 ううむ、あんまり聞き耳立ててるのも罪悪感が芽生えてくるな。止めないけど。
 にしても交流試合か。久しく殺し合いしかしてない私も、懐かしく思う響鬼だ。

「大体あのバカップル相手に不倫など、超人に殺されるだろうが」
「それもそうね」
「それで、入道さんとの試合はどうだったんですか?」

 入道さんねえ……甘いなあ、この庭師は見立てが甘い。
 本当に厄介で食えないのは入道じゃなくて。

「入道使い、でしょ」

 お?

「正直、見越し入道だけなら弱点も分かるし、むしろ対処しやすい部類よ。でもあれはもう、ただの見越し入道ではなく、入道よ。しかもちゃんとブレインを積んだ。
ひたすら大きいだけの入道ならともかく、形状・質量を自在に配剤出来て、策を練り、なおかつ単体でも戦闘可能な頭脳なんて手に負えないわ」
「ほえー…」
「ふむ、そうだろう。うんうん」

 妙に可愛い声を出した庭師は置いといて。やけに嬉しそうだな犬走。まあ、旧友が軽んじられていないというのは、それだけでちょっとにやけてしま。
 ……おいみすちー、私を見てにやつくんじゃない止めろ焼き鳥にするぞ。

「考える天災相手に無事で済む方がおかしいわ。しかも他にも色々使うのよ、あの僧侶。
まあそのおかげで、美鈴とふたりぼっち時間を作れたのは僥倖と言えるわね」
「はは、咲夜さんも好きですねえ」
「貴女も、あのご主人様が好きなんでしょう?」
「えへへ」

 ちなみに私も輝夜が大好きだ。

「おいおいお前ら、行き遅れである自分への嫌味か?」
「えー、そんなつもりじゃないですよー?」
「そうね、そもそも貴女モテるじゃない」
「好きでもない相手から慕われてもなあ……」

 それは分かる。
 実は人里の男から幾つも花束貰ってしまっている私だ。
 ざっくり断っているつもりだが、いつ逆恨みされるか分からないし、何より輝夜以外は嫌だ。
 もっとも、犬走は昔からそういう感覚には疎い奴だったから、恋より将棋って思考なんだろうとは推測できる。
 きっと周りでは歯ぎしりしてる奴がいるんだろうな、と憐れむ私。
 これがリア充の余裕というやつだ。ってけーねが言ってた。
 阿求のような可愛い生徒に手を出す、変態な友人の言うことだからちょっと頼りなくはあるが。

「んくっ……ぷは!」
「いい呑みっぷりじゃないか妖夢」
「ふふふ、今宵の私は酒に飢えていますよ」
「美鈴の飲みたい」
「あえて何かは聞かないでいてやる」

 ふむ、しかしもう限界だろう。
 これ以上呑んだら、空もマトモに飛べるか怪しくなる。

「ミスティアさん、お勘定お願いします」
「はーい」
「あちらの方の支払いで」
「はーい」

 名残惜しいが、あの連中ももう解散。
 輝夜も待ってることだし、私も帰るとするか。

「あ、妹紅さん妹紅さん」
「なんだよみすちー、先払いしてあるでしょ」
「足りてませんよ」
「はあ? いくら物々交換でも足りてるだろ? エ○ライドだぞエア○イド」
「いえ、そうじゃなくて」

 そう言うとみすちーは、何故ひっくと頬を引きつらせ、笑いをこらえるように銀髪三人娘のいる席を示す。
 それと同時に、悪魔の館のメイドはふっと消え、白玉楼の庭師は爆発的な脚力で遠くへと走り出した。

「全部、妹紅さんの勘定だそうですよ?」

 遂に堪えきれずに吹き出してしまったみすちーと、生暖かい笑顔で、自分の呑んだ分だけ勘定を済ませる犬耳の旧友の見つめる中、茫然とした私はただ一言、こう思った。

 そうだ、紅魔に行こう。
 
次回、藤原妹紅の東方紅魔郷攻略記(嘘)

おまけ
ボテ腹・結婚した姿が見たい東方カプランキング
順位 名前/夫?:理由
五位 十六夜咲夜/紅美鈴:ボテ腹メイドが見たい、美鈴のチャイナを着ても良し
四位 ナズーリン/寅丸星:ぶっちゃけ過程の方が見たい
三位 星熊勇儀/水橋パルスィ:子供を大事にする勇儀にぱるぱるするパルスィが見たい
二位 聖白蓮/雲居一輪:幻想郷一の母性と愛情で素敵すぎる家庭を見て和みたい
堂々の第一位 毛玉/毛玉:永遠の謎すぎて 
ラック
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コメント



0.230簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
自分はこれで
一位永琳/うどんげ
二位幽香/リグル
三位ぬえ/ムラサ
四位白蓮/一輪
五位ゆゆ様/みょん
3.90名前が無い程度の能力削除
一位:小傘/早苗 ・・・傘か人かそのハーフなのか
二位:霊夢/魔理沙 ・・・熟年カップルの年季
三位:文/チルノ ・・・漂う犯罪臭
四位:てゐ/鈴仙 ・・・結婚詐欺詐欺
五位:フラン/こいし ・・・大異変の予兆
7.603削除
なんですか、この最後のあとがきに答えないとコメント許さないからな的な空気は!
私はそんなの気にせず入れるからな! いいな!
9.60名前のない程度の能力削除
軽妙なノリは好きですが、流石に吹っ飛びすぎかも、という印象です。