今日は暑い日だ。私はそう思った。
まだ本格的な夏では無いというのに、汗が止まらない。
そんな時の私の暇つぶしの仕方は決まっている。
いたずらを考える事だ。
こないだ仕掛けた物はもう仕返しされたので今度は私が考える番。
とびっきり面白いのを仕掛けるつもりだ。
ちょっと考える。
「そうだ!!これにしよう」
午前二時。
私はにとりと大量の氷を伴って椛の家の前に居た。
ん?なんかデジャヴを感じるな。
月一でこのあたり時間にここに来ているから仕方がないか。
本当に椛とは付き合いが長い。
今までくだらない事しかやってないが、椛と一緒に居るととにかく楽しくて仕方がない。
仕掛ける時も楽しいのだが、やられる時も楽しい。
いや少々語弊があった。やられた時は私だって怒るのだが、後になってみると
「まぁいいや」
となってしまう。おそらく椛もそうなのだろう。
そうでなければ十年もこんな事は出来ない。
そんな事をしみじみと思っていた私ににとりが話しかける。
「で?この氷をどうするのさ」
見るとにとりの目が輝いている。かなりわくわくしているようだ。
「ん。家の周りに積んでください。玄関を除いてぐるっと一周」
「あいよ」
にとりが作業を始める。水を扱えるだけあって作業が早い。
ではその間に何をしたいのか説明しよう。
おそらくこの頃椛はこう思っているはずだ。
――暑いなぁ と。
では家の周りに氷を壁のように積んだら中はどうなるだろうか。
答えは簡単だ。とっても涼しくなる。
つまり、椛の悩みを減らしてあげようと思ったのだ。
ほら、私って優しいでしょう?
薄着で寝ている椛にとっては少々、あくまで少々寒いかもしれないが大丈夫だろう。
「はい。終わったよ」
にとりの声を聞いて椛の家を見てみると見事に私の言った通りになっていた。
「すごい・・・・・」
「ははは、どうだい?すごいだろう」
どんな感じかと言うと椛の家だけ雪国になった感じだ。
これなら私の予想通りの結果になるだろう。
満足した所で私がにとりに
「じゃあ帰りますか」
と言ったその時、椛が突如飛び出して来た。
「こら~~~」
私は溜息をつく。
「あちゃ~~~」
「で?なんですか。これは」
椛が氷の壁を指さして言う。ちなみにもう片方の手は刀を握っていて私たちに向けられている。
「にとりに聞いて」
とりあえずにとりに説明を押しつける。
にとりがしどろもどろになりながら説明を始める。
「え、こ、これは・・・・・・氷の壁だよ」
「それくらいは見れば分かる。なんで僕の家の周りにこれがあるのか聞いてる」
「それは文が・・・・・・」
その言葉を聞いた椛が
「にとりはもういいよ」
と言いながら私の首に刀を押しつける。
いよいよこれからが正念場だ。にとりに説明を押しつけて稼いだ時間でどうすればいいのかを大体考えた。とりあえずいい訳だ。
「文さん、言い残す事は」
「あります!めっちゃあります」
いい訳とかいい訳とかいい訳とか。
「えっとこれは椛が暑がっているだろうと思って、その、涼しくしてやろうと」
「ほう、僕は確かに暑いなぁと思ってましたよ。なんせ眠れなかったくらいですから」
くそっ、そう言う事か。こんな所に落とし穴があったなんて気付かなかった。
「許して。もういたずらはしないから」
「そのセリフは信用できません。どうせすぐに破るのでしょう?」
「もう椛の家の周りに氷を積んだりしないから」
「まあ、これならいいか」
椛の刀が私の首から離れ、そのまましまわれた。
ほっ 助かった
「え~~~~~~~?」
この行動に異を唱えたのはにとりだ。せっかく穏便に解決したというのに。
「こんなんでいいの?」
どう見てもおかしいと言うにとりに対して椛が笑いながら言う。
「いいんだよ。どうせ僕も仕返しをするし。本当に殺すと思った?」
ぶんぶんとにとりが首を振る。
「それはしないと思ってたけど、ちょっと蹴りを入れるくらいはするのかなって」
また椛が笑う。
「僕はそんなに乱暴者じゃないって」
「ところで椛。どうする」
「どうするとは」
「こんな真夜中だけど、これからどうする?」
「そうですね、三人であの氷で遊びましょう」
夜が明ける頃、椛の家の周りは綺麗な氷の彫刻がたくさんあったとさ。
まだ本格的な夏では無いというのに、汗が止まらない。
そんな時の私の暇つぶしの仕方は決まっている。
いたずらを考える事だ。
こないだ仕掛けた物はもう仕返しされたので今度は私が考える番。
とびっきり面白いのを仕掛けるつもりだ。
ちょっと考える。
「そうだ!!これにしよう」
午前二時。
私はにとりと大量の氷を伴って椛の家の前に居た。
ん?なんかデジャヴを感じるな。
月一でこのあたり時間にここに来ているから仕方がないか。
本当に椛とは付き合いが長い。
今までくだらない事しかやってないが、椛と一緒に居るととにかく楽しくて仕方がない。
仕掛ける時も楽しいのだが、やられる時も楽しい。
いや少々語弊があった。やられた時は私だって怒るのだが、後になってみると
「まぁいいや」
となってしまう。おそらく椛もそうなのだろう。
そうでなければ十年もこんな事は出来ない。
そんな事をしみじみと思っていた私ににとりが話しかける。
「で?この氷をどうするのさ」
見るとにとりの目が輝いている。かなりわくわくしているようだ。
「ん。家の周りに積んでください。玄関を除いてぐるっと一周」
「あいよ」
にとりが作業を始める。水を扱えるだけあって作業が早い。
ではその間に何をしたいのか説明しよう。
おそらくこの頃椛はこう思っているはずだ。
――暑いなぁ と。
では家の周りに氷を壁のように積んだら中はどうなるだろうか。
答えは簡単だ。とっても涼しくなる。
つまり、椛の悩みを減らしてあげようと思ったのだ。
ほら、私って優しいでしょう?
薄着で寝ている椛にとっては少々、あくまで少々寒いかもしれないが大丈夫だろう。
「はい。終わったよ」
にとりの声を聞いて椛の家を見てみると見事に私の言った通りになっていた。
「すごい・・・・・」
「ははは、どうだい?すごいだろう」
どんな感じかと言うと椛の家だけ雪国になった感じだ。
これなら私の予想通りの結果になるだろう。
満足した所で私がにとりに
「じゃあ帰りますか」
と言ったその時、椛が突如飛び出して来た。
「こら~~~」
私は溜息をつく。
「あちゃ~~~」
「で?なんですか。これは」
椛が氷の壁を指さして言う。ちなみにもう片方の手は刀を握っていて私たちに向けられている。
「にとりに聞いて」
とりあえずにとりに説明を押しつける。
にとりがしどろもどろになりながら説明を始める。
「え、こ、これは・・・・・・氷の壁だよ」
「それくらいは見れば分かる。なんで僕の家の周りにこれがあるのか聞いてる」
「それは文が・・・・・・」
その言葉を聞いた椛が
「にとりはもういいよ」
と言いながら私の首に刀を押しつける。
いよいよこれからが正念場だ。にとりに説明を押しつけて稼いだ時間でどうすればいいのかを大体考えた。とりあえずいい訳だ。
「文さん、言い残す事は」
「あります!めっちゃあります」
いい訳とかいい訳とかいい訳とか。
「えっとこれは椛が暑がっているだろうと思って、その、涼しくしてやろうと」
「ほう、僕は確かに暑いなぁと思ってましたよ。なんせ眠れなかったくらいですから」
くそっ、そう言う事か。こんな所に落とし穴があったなんて気付かなかった。
「許して。もういたずらはしないから」
「そのセリフは信用できません。どうせすぐに破るのでしょう?」
「もう椛の家の周りに氷を積んだりしないから」
「まあ、これならいいか」
椛の刀が私の首から離れ、そのまましまわれた。
ほっ 助かった
「え~~~~~~~?」
この行動に異を唱えたのはにとりだ。せっかく穏便に解決したというのに。
「こんなんでいいの?」
どう見てもおかしいと言うにとりに対して椛が笑いながら言う。
「いいんだよ。どうせ僕も仕返しをするし。本当に殺すと思った?」
ぶんぶんとにとりが首を振る。
「それはしないと思ってたけど、ちょっと蹴りを入れるくらいはするのかなって」
また椛が笑う。
「僕はそんなに乱暴者じゃないって」
「ところで椛。どうする」
「どうするとは」
「こんな真夜中だけど、これからどうする?」
「そうですね、三人であの氷で遊びましょう」
夜が明ける頃、椛の家の周りは綺麗な氷の彫刻がたくさんあったとさ。
確かにこれから暑くなっていきそうなので、季節を予感できていいですね
「どんな塩梅かと言うと、椛の家だけ川端康成の作品になった感じだ。」
とか、少々捻ってみると面白いかもですよお。
あと関係ないけど、ボクっ娘、いいね。
ただ単にもっと話を広げて欲しかった
って前に同じコメントをどこかでしたと思ったら同じ作者様の作品でした。