午前四時
赤いペンキを持った私は、椛の家の前に居た。目的はいたずら。
事の発端はおととい。
朝起きると、私の大事な葉団扇ちゃんの色が黄色に変わっていた。
犯人は一瞬で判った。 椛だ。
「椛!!あなたですね!!」 と怒鳴り込むが椛は
「どうしたんです?その葉団扇、黄色になってますよ。自分で塗ったんじゃないですか?ほら、あなたは忘れっぽいじゃないですか」とすまし顔。
いくら私でも忘れていたという事だけは無い。 よって犯人はやはり椛。
私はその時に報復を決意した為にこうして椛の家の前に居るわけだ。
えっ?なんで椛がそんな事をしたかって?
しょうがない、少し説明しよう。
私が椛と出会ったころ、つまり十年前くらいに椛の可愛さのあまりにいたずらをしたのが始まりだ。ほら、男の子が好きな子にいたずらする的な。
しかしそれがまずかった。
ほんとにちょっとしたいたずらだったのだが、それに怒った椛が私に仕返しをしてきて、
今度はそれに怒ってしまった私がもう一度仕掛け、そしてまた椛が仕返しを・・・・・
というような感じでもう十年くらいだろうか、お互いにいたずらを仕掛けあう間柄になってしまったのだ。
えっ?大元をたどれば私が悪い?
いや、私はそんな事は決して無い。仕返しした椛が悪い。
話を戻そう。
今私は椛の家に入ろうとしているのだが、
『入れて~~~』
などと言って家に入るつもりはない。
じゃあどうやって入るんだ? まあ落ち着いて落ち着いて。
実はここの合鍵を作っていたため、
ガチャ
という音をたてるだけで私は中に入れる。
ガチャ
・・・・・・侵入成功だ。
「おじゃましますよ~~」
さて、こうして家の中に入ったのだが、
ペンキで何をするのかを一応説明しておく。
椛のいつも使っている頭巾の髪に接する部分だけを赤く塗り、
それを着けた椛の髪の毛を赤くしよう!!という事をしようとしている。
そして今からその『赤く塗る』という所をする。
椛がいつも寝ている所に行くと、椛はちゃんと寝ていた。
そしてその隣には、ちゃんと畳まれた椛の服と目的の頭巾があった。
「あったあった、ふふふ」
それを手際よく塗ると赤いペンキが服に付かないように置いて完了。
家に入ってからここまで一分未満。
誰もがやった事があるであろうこんなかわいいいたずらならやり慣れたものだ。
後は待つのみ。
椛は5時には起きて支度をするからペンキが乾く心配もない。
それでは椛が起きないうちに帰って寝よう。
夕方
まだかな~~まだかな~~
と椛が来るのを楽しみにしていた私の所に椛が怒鳴り込んで来た。
「文さん!!あなたですね!!僕の頭巾を赤く塗ったのは」
見ると、椛の髪に赤い円がある。
「なんですか?おや、髪が一部赤くなってますね、自分で塗ったんですか?それ」
笑いをこらえながらもとりあえずとぼける。とぼけるのは鉄則だ。
「とぼけないでください!!僕の周りでそんな事をするのはあなただけです」
怒る椛。
こう言うのもなんだが、怒っている椛はかなりかわいい。これを見てしまうともう止められない。麻薬だ。
そうだ、皆さんも椛にいたずらを仕掛けてみてはいかがだろうか、おすすめだ。
椛はまだ怒る。
「僕はこれでしばらく外を歩けません。文さん、責任取ってください」
もう少しふざけても大丈夫だろう。
「えっじゃあ責任とって私と結婚しましょうむぐ」
いきなり椛が私につかみかかる。
「ほう、僕と結婚を」
「痛い!!痛い!!悪かった。私が悪かったーーーーー!!ああーーーーーー!!」
必死に謝ってやっと解放してもらえた。
「わかればいいです」
「ふぅ」 自分の腕が曲がってはいけない方向に曲がってた。
あれ、でも折れてない。不思議な出来事もあるもんだ。
痛みを伴いながら怒られる私だが、こう見えてもちゃんと解決法はある。
ちなみに後始末の方法を考えておくのも鉄則だ。
やっとその解決法を提案する。
「切る。というのは」
「うん?KILL?ああ、僕が文さんを殺せばいいんですか?違うような気もしますが、いいでしょう。ではあの世で。さようなら~~」
「違う!!違うから私の首に当てられたその刀をしまって。カット!!カットの方」
「・・・・・・ああ、赤くなった所を切っちゃえば良いという事ですか」
「そうそう」
まったく、どんな勘違いをしているやら。危うく死ぬ所だった。
「じゃあはさみ持って来てください」
~散髪中~
「うん、これでいいかな。文さん、僕の髪の毛変じゃないですよね」
椛の方を見る。赤い所はもう無い。
「ええ、大丈夫よ」
と、そう言った所である事を思いつく。
「もう遅いし、せっかくだし御飯食べてく?」
「ああはい、お願いします」
椛が嬉しそうに返してきた。狙い通り。
さあ、なにを仕込もうかな♪
赤いペンキを持った私は、椛の家の前に居た。目的はいたずら。
事の発端はおととい。
朝起きると、私の大事な葉団扇ちゃんの色が黄色に変わっていた。
犯人は一瞬で判った。 椛だ。
「椛!!あなたですね!!」 と怒鳴り込むが椛は
「どうしたんです?その葉団扇、黄色になってますよ。自分で塗ったんじゃないですか?ほら、あなたは忘れっぽいじゃないですか」とすまし顔。
いくら私でも忘れていたという事だけは無い。 よって犯人はやはり椛。
私はその時に報復を決意した為にこうして椛の家の前に居るわけだ。
えっ?なんで椛がそんな事をしたかって?
しょうがない、少し説明しよう。
私が椛と出会ったころ、つまり十年前くらいに椛の可愛さのあまりにいたずらをしたのが始まりだ。ほら、男の子が好きな子にいたずらする的な。
しかしそれがまずかった。
ほんとにちょっとしたいたずらだったのだが、それに怒った椛が私に仕返しをしてきて、
今度はそれに怒ってしまった私がもう一度仕掛け、そしてまた椛が仕返しを・・・・・
というような感じでもう十年くらいだろうか、お互いにいたずらを仕掛けあう間柄になってしまったのだ。
えっ?大元をたどれば私が悪い?
いや、私はそんな事は決して無い。仕返しした椛が悪い。
話を戻そう。
今私は椛の家に入ろうとしているのだが、
『入れて~~~』
などと言って家に入るつもりはない。
じゃあどうやって入るんだ? まあ落ち着いて落ち着いて。
実はここの合鍵を作っていたため、
ガチャ
という音をたてるだけで私は中に入れる。
ガチャ
・・・・・・侵入成功だ。
「おじゃましますよ~~」
さて、こうして家の中に入ったのだが、
ペンキで何をするのかを一応説明しておく。
椛のいつも使っている頭巾の髪に接する部分だけを赤く塗り、
それを着けた椛の髪の毛を赤くしよう!!という事をしようとしている。
そして今からその『赤く塗る』という所をする。
椛がいつも寝ている所に行くと、椛はちゃんと寝ていた。
そしてその隣には、ちゃんと畳まれた椛の服と目的の頭巾があった。
「あったあった、ふふふ」
それを手際よく塗ると赤いペンキが服に付かないように置いて完了。
家に入ってからここまで一分未満。
誰もがやった事があるであろうこんなかわいいいたずらならやり慣れたものだ。
後は待つのみ。
椛は5時には起きて支度をするからペンキが乾く心配もない。
それでは椛が起きないうちに帰って寝よう。
夕方
まだかな~~まだかな~~
と椛が来るのを楽しみにしていた私の所に椛が怒鳴り込んで来た。
「文さん!!あなたですね!!僕の頭巾を赤く塗ったのは」
見ると、椛の髪に赤い円がある。
「なんですか?おや、髪が一部赤くなってますね、自分で塗ったんですか?それ」
笑いをこらえながらもとりあえずとぼける。とぼけるのは鉄則だ。
「とぼけないでください!!僕の周りでそんな事をするのはあなただけです」
怒る椛。
こう言うのもなんだが、怒っている椛はかなりかわいい。これを見てしまうともう止められない。麻薬だ。
そうだ、皆さんも椛にいたずらを仕掛けてみてはいかがだろうか、おすすめだ。
椛はまだ怒る。
「僕はこれでしばらく外を歩けません。文さん、責任取ってください」
もう少しふざけても大丈夫だろう。
「えっじゃあ責任とって私と結婚しましょうむぐ」
いきなり椛が私につかみかかる。
「ほう、僕と結婚を」
「痛い!!痛い!!悪かった。私が悪かったーーーーー!!ああーーーーーー!!」
必死に謝ってやっと解放してもらえた。
「わかればいいです」
「ふぅ」 自分の腕が曲がってはいけない方向に曲がってた。
あれ、でも折れてない。不思議な出来事もあるもんだ。
痛みを伴いながら怒られる私だが、こう見えてもちゃんと解決法はある。
ちなみに後始末の方法を考えておくのも鉄則だ。
やっとその解決法を提案する。
「切る。というのは」
「うん?KILL?ああ、僕が文さんを殺せばいいんですか?違うような気もしますが、いいでしょう。ではあの世で。さようなら~~」
「違う!!違うから私の首に当てられたその刀をしまって。カット!!カットの方」
「・・・・・・ああ、赤くなった所を切っちゃえば良いという事ですか」
「そうそう」
まったく、どんな勘違いをしているやら。危うく死ぬ所だった。
「じゃあはさみ持って来てください」
~散髪中~
「うん、これでいいかな。文さん、僕の髪の毛変じゃないですよね」
椛の方を見る。赤い所はもう無い。
「ええ、大丈夫よ」
と、そう言った所である事を思いつく。
「もう遅いし、せっかくだし御飯食べてく?」
「ああはい、お願いします」
椛が嬉しそうに返してきた。狙い通り。
さあ、なにを仕込もうかな♪
ぜひともこの流れで続きを・・・続きをください!
こんな関係もいいですね