ああ、とんだ貧乏くじを引いたものだ。ついたため息が白くなったのを見て更にうんざりした。時は大晦日、天狗の鋭い耳が伝えてくる宴会の喧騒を聞いていると、なお一層自分が惨めに思えてくる。支給された懐中時計によれば、時刻は定時法で二十三時だ。あと二時間、ここでひたすら立ち続けなければいけない。
越年歩哨という言葉がある。文字通り歩哨勤務について年を越すことだ。不運な数人の白狼天狗が毎年この任に割り当てられ、宴会などからのけ者にされる。私はここ数十年それと無縁でいられていたので、そろそろ「順番」だったというのは確かだ。だがそれでも、あんなことさえなければ、もうちょっと楽ができたのではないかとどうしても思ってしまう。何しろ、今日だけで割り当てられた哨戒任務は三コマもあるのだ。数年前までは多くとも二コマだったのだが。
「椛さん、運が悪かったですねぇ。ま、これも経験ですよ経験」
噂をすれば何とやらで、その元凶の一角がやってきた。ただでさえ厄介な相手だが、記者としての奴は慇懃無礼でうざったいことこの上ない。努めて事務的に対応して追い返してしまおう。
「誰(たれ)か」
誰何である。その相手が誰であろうと歩哨中に発見した者へは誰何を行う規則になっているのだから、相手が目上だろうと何の問題もない。
「あやや、冷たいですねぇ。折角可愛い後輩が寒さに苦しんでいるのをお見舞いに来たというのに」
「誰か」
言葉と同時に剣を抜いた。三度の誰何で応答なき「不審者」は問答無用で殺傷して構わないことになっている。あちらもこちらが本気だと悟ったらしく、馴れ馴れしく狭めつつあった距離を大きく取り直した。
「わかりましたわかりました。射命丸文です。鴉天狗の。……どうしてそんなに残念そうなんですかねぇ。ま、本気だったとしても私に傷を負わせることはできないと思うけど」
私がわざと残念そうに剣を仕舞ってやると慇懃無礼な態度を一変させてきたが、この方がこちらもやりやすい。
「それで、何の用ですか。ここに貴方が興味を示すようなものは無いと思いますが」
誰何の結果として相手が鴉天狗とわかったので一応敬語に切り替える。いかに取材とか情報収集とか称して極楽蜻蛉のごとくふらふらしている連中とはいえ、一応目上だ。
「この辺って何があるんだっけ?」
わざとらしく考え込む様子を見せて惚けたことを言う。何か用があって来たのだろうに。
「精々薬品庫と火薬庫がある程度です。侵入者があってはならない場所ですから貴方の暇潰しに付き合っている暇はないのですが」
「そうそう、それよ」
薄笑いを浮かべながらそんなことを言ってくる。こちらが得心できずにいると、更に一言。
「だから、暇潰し。今度里にできた寺で除夜の鐘を撞くらしいんだけど、まだ予定の時刻より早いから」
「寺にでも神社にでもさっさと行ってしまえ!」
「おおこわいこわい。精々務めに励んでなさい。ちゃんとしてたらお土産持ってきてあげるから」
自制しきれず噛み付くように怒鳴ったが、糠に釘とはこのことか。文は相変わらずの薄笑いとともに後ずさると、人里の方に飛んでいった。
文が飛び去ってから十分ほどすると、なるほど里の方から鐘を撞く音が聞こえてきた。何十年ぶりか、それとも何百年ぶりだろうか。時報としての鐘は里にも山にも置かれているが、この深く腹部まで響くような低音は懐かしい。こういう音を聞いていると、いつだかにとりが教えてくれた音は空気が揺れることで伝わるという話にも真実みを感じる。
ちらりと時計を見る。あと十五分で年が明ける。鐘が鳴り始めた頃からしんしんと降り続く雪はときたま地吹雪となって哨所の中まで吹き込んでくる。心配なのは視界だ。哨所は火薬庫と薬品庫のどちらをも見通せる高台に設けられてはいるが、この雪だとはっきりと見渡すことが難しい。私の千里眼は念写のような能力とは違うので、見たい場所との間に遮るもの――この場合は雪だが――があるとどうしても能力が制限されてしまう。仕方ない、歩くか。
鐘の音を背景に、新雪を踏み締めながら歩く。火薬庫と薬品庫は哨所を挟み込むように置かれており、だいたい直線距離で半里くらいある。火薬庫の監視塔に登って周囲を見渡し、何もなければ薬品庫に行って同じことをする。本来ならこの三箇所全てに人員を配置すればいいのだろうが、生憎白狼天狗はそこまで暇ではない。それでも一昨年から多発する巫女や魔法使いなどの侵入事案に業を煮やした山の幹部が各部署に対策強化を厳命したために警備人員を増強しているのだ。
だというのに鴉天狗、ことにあの文などは侵入者に協力的な節がある。一応形ばかりは戦っているようだが、どうにも本気という感じがしない。おおかた、暴れてくれた方がネタになるとでも言うのだろう。そうしたことも立ち回りは上手いからお咎め無しというのが何より納得できない。はっきり言って、白狼天狗はその点不器用なために良いように利用されている気がする。
愚痴っぽくなってしまった。火薬庫のはしごに足を掛けて監視塔に登る。周囲確認、異常なし。降りて薬品庫へ。ここらの管理が甘いと天狗はおろか河童にまで迷惑が掛かってしまう。我々が地道な仕事をしているからこそ鴉天狗なども極楽蜻蛉をしていられるのだと考えると、少しの優越感で気が紛れた。だが、気は紛れても寒さは紛れてくれない。はしごを登るとき、どうしてもはしごに着いた雪を握りしめることになってしまう。この間破けてしまった手袋の代わりを見つけなければいけないだろう。
薬品庫も確認が終わった。次は哨所だ。ここは丘の上なので少し面倒だが、仕事なのだから愚痴は言うまい。それにしても疑問なのは、天狗の身でもそれなりに堪えるこの仕事、人間はどのようにしてこなしているのだろう。幻想郷はともかく、外には今も昔もそういった仕事はあるはずだ。身体能力はともかく数はいるから、頭数でなんとかするのだろうか。それにしたって寒い中一人で立っているのは辛かろう。
そうして哨所に辿り着くと、思いも掛けない人物が立っていた。
「外回りお疲れ様。ほら、これ、お土産」
当然のように立っていた文は、湯気の立つ液体をこちらに手渡してきた。甘ったるい香りのする褐色のそれは、私の鼻を信じる限り飲み物のようだ。カップ越しに伝わる熱が冷え切った手を温めてくれる。
「見張りなら気にしなくていいわよ。私の烏が見てるから」
「はあ、それはどうも。それで、これは?」
「かかおだかここあだか、まあ甘い飲み物なのは間違いないわ。美味しいわよ」
流石に毒を盛るような相手ではないと判断して口を付けた。熱いが、今はこの熱さが猛烈に有りがたいが、色々と気になることが多すぎて味はよくわからない。怪訝そうな私の表情を見て取ったか、文は話し始める。
「命蓮寺は大変な人出で、勝手に出店開いてる連中も居るくらいのお祭り騒ぎだったわ。お寺の方からすると『除夜の鐘はこういうものではない』らしいけど、こっちのほうがネタとしては美味しいわね。で、暖かい甘酒を配ってたのを見て、あなたは寒さで凍えてるだろうなあと」
「それで、なぜ持ってきたのが甘酒ではないんですか」
「それは、まあ、水みたいなものとは言っても勤務中にお酒はまずいんじゃないの。あ、お代わりあるわよ。魔法瓶に貰ってきたから」
勧められるままにもう一杯、今度は味がはっきりと分かる。甘くて、そしてほんのり苦い。
「そう美味しそうに飲まれると私も欲しくなるわねぇ。次は私に飲ませて」
「向こうでたくさん飲んだんじゃないんですか」
まだ飲み足りない私はカップを文から遠ざける。それを見た文が口を尖らせるのが面白い。
「味見しかしてないわよ。紅魔館の連中が一人一杯までとかけち臭いことを言ってたから手管を駆使して手に入れたのよ、これ。私の獲物なんだから私に優先権があるわ」
仕方が無いので空になったカップを返してやる。それにしても寺に吸血鬼とは末法の世ここに極まれりである。
「たまらないわねぇ。寒い中暖かいものを飲んで下らないことを話すのって」
そう文がぽつりと呟いた直後、鳴り続いていた鐘が一際力強く鳴った。時計を見ると時刻は〇時ちょうど、新年だ。
「明けましておめでとうございます」
「ん、おめでとう。今年もよろしく」
その時ふと思い当たった。人間の歩哨は孤独ではないのかもしれない。こうして二人で立って、励まし合いながら割り当てられた時間を過ごすのだ。なんだか胸が一杯になって文の方を見た。
「何ですか? 心優しく清く正しい私の優しさに感激しましたか?」
ふてぶてしい物言いで我に返った。元はといえば文があのとき巫女連中を追い返していればこんな目に遭わずに済んだのではないか。マッチポンプも甚だしい。
「また――」
「また?」
口が滑った。我に返っても、それが口に伝わるのに若干の時差が生じてしまったようだ。こうなればここから言葉を繋げなくては格好が付かない。
「何か素敵な差し入れを持ってきてくれるのなら、多少は相手をすることも吝かではありません」
結局誤魔化せていない気がする。というか、文の表情は絶対にこちらの内心を見破っている。
「ま、いいでしょう。これからもちょくちょく差し入れ持ってくるわ。じゃあね。そろそろ酔い潰れた霊夢さんの口を滑らせに行かないといけないので」
こちらが何かを言う間もなく文は飛び去ってしまった。よく見ると魔法瓶を置きっぱなしている。この中身は頂いていいのだなと判断してカップにもう一杯。さらに味わいを増したそれの湯気越しに、雲の切れ目から月が姿を現し始めたのが見えた。
越年歩哨という言葉がある。文字通り歩哨勤務について年を越すことだ。不運な数人の白狼天狗が毎年この任に割り当てられ、宴会などからのけ者にされる。私はここ数十年それと無縁でいられていたので、そろそろ「順番」だったというのは確かだ。だがそれでも、あんなことさえなければ、もうちょっと楽ができたのではないかとどうしても思ってしまう。何しろ、今日だけで割り当てられた哨戒任務は三コマもあるのだ。数年前までは多くとも二コマだったのだが。
「椛さん、運が悪かったですねぇ。ま、これも経験ですよ経験」
噂をすれば何とやらで、その元凶の一角がやってきた。ただでさえ厄介な相手だが、記者としての奴は慇懃無礼でうざったいことこの上ない。努めて事務的に対応して追い返してしまおう。
「誰(たれ)か」
誰何である。その相手が誰であろうと歩哨中に発見した者へは誰何を行う規則になっているのだから、相手が目上だろうと何の問題もない。
「あやや、冷たいですねぇ。折角可愛い後輩が寒さに苦しんでいるのをお見舞いに来たというのに」
「誰か」
言葉と同時に剣を抜いた。三度の誰何で応答なき「不審者」は問答無用で殺傷して構わないことになっている。あちらもこちらが本気だと悟ったらしく、馴れ馴れしく狭めつつあった距離を大きく取り直した。
「わかりましたわかりました。射命丸文です。鴉天狗の。……どうしてそんなに残念そうなんですかねぇ。ま、本気だったとしても私に傷を負わせることはできないと思うけど」
私がわざと残念そうに剣を仕舞ってやると慇懃無礼な態度を一変させてきたが、この方がこちらもやりやすい。
「それで、何の用ですか。ここに貴方が興味を示すようなものは無いと思いますが」
誰何の結果として相手が鴉天狗とわかったので一応敬語に切り替える。いかに取材とか情報収集とか称して極楽蜻蛉のごとくふらふらしている連中とはいえ、一応目上だ。
「この辺って何があるんだっけ?」
わざとらしく考え込む様子を見せて惚けたことを言う。何か用があって来たのだろうに。
「精々薬品庫と火薬庫がある程度です。侵入者があってはならない場所ですから貴方の暇潰しに付き合っている暇はないのですが」
「そうそう、それよ」
薄笑いを浮かべながらそんなことを言ってくる。こちらが得心できずにいると、更に一言。
「だから、暇潰し。今度里にできた寺で除夜の鐘を撞くらしいんだけど、まだ予定の時刻より早いから」
「寺にでも神社にでもさっさと行ってしまえ!」
「おおこわいこわい。精々務めに励んでなさい。ちゃんとしてたらお土産持ってきてあげるから」
自制しきれず噛み付くように怒鳴ったが、糠に釘とはこのことか。文は相変わらずの薄笑いとともに後ずさると、人里の方に飛んでいった。
文が飛び去ってから十分ほどすると、なるほど里の方から鐘を撞く音が聞こえてきた。何十年ぶりか、それとも何百年ぶりだろうか。時報としての鐘は里にも山にも置かれているが、この深く腹部まで響くような低音は懐かしい。こういう音を聞いていると、いつだかにとりが教えてくれた音は空気が揺れることで伝わるという話にも真実みを感じる。
ちらりと時計を見る。あと十五分で年が明ける。鐘が鳴り始めた頃からしんしんと降り続く雪はときたま地吹雪となって哨所の中まで吹き込んでくる。心配なのは視界だ。哨所は火薬庫と薬品庫のどちらをも見通せる高台に設けられてはいるが、この雪だとはっきりと見渡すことが難しい。私の千里眼は念写のような能力とは違うので、見たい場所との間に遮るもの――この場合は雪だが――があるとどうしても能力が制限されてしまう。仕方ない、歩くか。
鐘の音を背景に、新雪を踏み締めながら歩く。火薬庫と薬品庫は哨所を挟み込むように置かれており、だいたい直線距離で半里くらいある。火薬庫の監視塔に登って周囲を見渡し、何もなければ薬品庫に行って同じことをする。本来ならこの三箇所全てに人員を配置すればいいのだろうが、生憎白狼天狗はそこまで暇ではない。それでも一昨年から多発する巫女や魔法使いなどの侵入事案に業を煮やした山の幹部が各部署に対策強化を厳命したために警備人員を増強しているのだ。
だというのに鴉天狗、ことにあの文などは侵入者に協力的な節がある。一応形ばかりは戦っているようだが、どうにも本気という感じがしない。おおかた、暴れてくれた方がネタになるとでも言うのだろう。そうしたことも立ち回りは上手いからお咎め無しというのが何より納得できない。はっきり言って、白狼天狗はその点不器用なために良いように利用されている気がする。
愚痴っぽくなってしまった。火薬庫のはしごに足を掛けて監視塔に登る。周囲確認、異常なし。降りて薬品庫へ。ここらの管理が甘いと天狗はおろか河童にまで迷惑が掛かってしまう。我々が地道な仕事をしているからこそ鴉天狗なども極楽蜻蛉をしていられるのだと考えると、少しの優越感で気が紛れた。だが、気は紛れても寒さは紛れてくれない。はしごを登るとき、どうしてもはしごに着いた雪を握りしめることになってしまう。この間破けてしまった手袋の代わりを見つけなければいけないだろう。
薬品庫も確認が終わった。次は哨所だ。ここは丘の上なので少し面倒だが、仕事なのだから愚痴は言うまい。それにしても疑問なのは、天狗の身でもそれなりに堪えるこの仕事、人間はどのようにしてこなしているのだろう。幻想郷はともかく、外には今も昔もそういった仕事はあるはずだ。身体能力はともかく数はいるから、頭数でなんとかするのだろうか。それにしたって寒い中一人で立っているのは辛かろう。
そうして哨所に辿り着くと、思いも掛けない人物が立っていた。
「外回りお疲れ様。ほら、これ、お土産」
当然のように立っていた文は、湯気の立つ液体をこちらに手渡してきた。甘ったるい香りのする褐色のそれは、私の鼻を信じる限り飲み物のようだ。カップ越しに伝わる熱が冷え切った手を温めてくれる。
「見張りなら気にしなくていいわよ。私の烏が見てるから」
「はあ、それはどうも。それで、これは?」
「かかおだかここあだか、まあ甘い飲み物なのは間違いないわ。美味しいわよ」
流石に毒を盛るような相手ではないと判断して口を付けた。熱いが、今はこの熱さが猛烈に有りがたいが、色々と気になることが多すぎて味はよくわからない。怪訝そうな私の表情を見て取ったか、文は話し始める。
「命蓮寺は大変な人出で、勝手に出店開いてる連中も居るくらいのお祭り騒ぎだったわ。お寺の方からすると『除夜の鐘はこういうものではない』らしいけど、こっちのほうがネタとしては美味しいわね。で、暖かい甘酒を配ってたのを見て、あなたは寒さで凍えてるだろうなあと」
「それで、なぜ持ってきたのが甘酒ではないんですか」
「それは、まあ、水みたいなものとは言っても勤務中にお酒はまずいんじゃないの。あ、お代わりあるわよ。魔法瓶に貰ってきたから」
勧められるままにもう一杯、今度は味がはっきりと分かる。甘くて、そしてほんのり苦い。
「そう美味しそうに飲まれると私も欲しくなるわねぇ。次は私に飲ませて」
「向こうでたくさん飲んだんじゃないんですか」
まだ飲み足りない私はカップを文から遠ざける。それを見た文が口を尖らせるのが面白い。
「味見しかしてないわよ。紅魔館の連中が一人一杯までとかけち臭いことを言ってたから手管を駆使して手に入れたのよ、これ。私の獲物なんだから私に優先権があるわ」
仕方が無いので空になったカップを返してやる。それにしても寺に吸血鬼とは末法の世ここに極まれりである。
「たまらないわねぇ。寒い中暖かいものを飲んで下らないことを話すのって」
そう文がぽつりと呟いた直後、鳴り続いていた鐘が一際力強く鳴った。時計を見ると時刻は〇時ちょうど、新年だ。
「明けましておめでとうございます」
「ん、おめでとう。今年もよろしく」
その時ふと思い当たった。人間の歩哨は孤独ではないのかもしれない。こうして二人で立って、励まし合いながら割り当てられた時間を過ごすのだ。なんだか胸が一杯になって文の方を見た。
「何ですか? 心優しく清く正しい私の優しさに感激しましたか?」
ふてぶてしい物言いで我に返った。元はといえば文があのとき巫女連中を追い返していればこんな目に遭わずに済んだのではないか。マッチポンプも甚だしい。
「また――」
「また?」
口が滑った。我に返っても、それが口に伝わるのに若干の時差が生じてしまったようだ。こうなればここから言葉を繋げなくては格好が付かない。
「何か素敵な差し入れを持ってきてくれるのなら、多少は相手をすることも吝かではありません」
結局誤魔化せていない気がする。というか、文の表情は絶対にこちらの内心を見破っている。
「ま、いいでしょう。これからもちょくちょく差し入れ持ってくるわ。じゃあね。そろそろ酔い潰れた霊夢さんの口を滑らせに行かないといけないので」
こちらが何かを言う間もなく文は飛び去ってしまった。よく見ると魔法瓶を置きっぱなしている。この中身は頂いていいのだなと判断してカップにもう一杯。さらに味わいを増したそれの湯気越しに、雲の切れ目から月が姿を現し始めたのが見えた。
落ち着いた雰囲気に浸れました。
意外と幻想少女たちが酒以外を口にする作品は少ないのでこう言う作品が増えるとうれしいですな。
ところで「じゅう」ではなく「ひとまる」で宜しいですかね?
ひとり寒い年越しはつらいですからねー
良い雰囲気の甘いあやもみ、ごちそうさまでした。
三度の誰何で応答なき~ココらへんの設定がさらっと出てくるのが素敵
描写が実に良いですね。
烏天狗が白狼天狗よりも偉いとされる理由が良くわかった気がします。一晩のうちに、椛への差し入れをしつつ命蓮寺を取材し博麗神社に突撃取材し。高い空の上は妖怪の山よりもなお寒いはずなのに、この行動力。外交官は軍人よりも偉い。