暑い。暑い暑い暑い。
魔法の森の魔法使い、霧雨魔理沙は思っていた。この暑さは異変なのではないかと。
勿論そんな事はない。暑いのは幻想郷に夏が来ていたからなのだ。
魔法の森は湿度が高い、だから幻想郷のどんな場所よりも暑く感じるし実際暑い。
しかしそんなものは霧雨魔理沙には預かり知らぬ事だ。
彼女は自分の直感に従って異変の原因を探しに行くことにした。
異変という事にして涼める場所を探しに行ったのだった。
「暑い暑い。まったく、ここは本当に幻想郷か? 地底に出かけた時みたいだぜ」
彼女はそうひとりごちた。
魔理沙が来たのは博麗神社、幻想郷の東の終わりにある古びた神社である。
「よう霊夢。悪いがお茶を出してくれないか? 冷たい麦茶だとなおいいな」
神社に着くなり霧雨魔理沙はそう言った。
魔理沙の目の前には紅白の巫女、博麗霊夢が立っている。
魔理沙は霊夢に向かって言ったのだ、お茶を出せ、と。
もちろん相手は博麗霊夢、そう簡単にはお茶を出さない。
しかも逆にお茶菓子を要求するぐらいだ。
紅白の巫女は強かった、魔理沙は神社から退却せざるを得なくなった。
「全く霊夢はケチなやつだぜ、麓が駄目なら山の巫女ってね」
次に魔理沙が行ったのは妖怪の山の頂上。外の世界から来た守矢の神社だった。
「よう早苗。いや、突然暑くなるもんだからさ、私の体はカサカサなんだ。
悪いがお茶をくれないか? 冷たい奴だとなおいいんだが」
守矢神社の風祝、東風谷早苗ならお茶をくれるに違いない。
魔理沙はそう考え、境内を掃除していた早苗に話しかけた。
しかし、早苗は魔理沙の要求に答えなかった。
それどころか魔理沙に力を貸してくれと言うのだ。
残念だが魔理沙には暑さをこらえて掃除をするなんてできなかった。
こうして魔理沙は守矢神社からも退散せざるを得なくなった。
守矢神社を飛び出した魔理沙は、次にどこに行くかを決めあぐねていた。
麓も頂上も巫女は駄目だ、どちらも人をこき使おうとしやがる。
魔理沙はそんな事を考え、思いついた。
家事が仕事の奴なら冷たいお茶をくれるんじゃないか、と。
魔理沙はさっそくメイドの居る屋敷、紅魔館へと箒を飛ばした。
「よし、ここなら涼んでいけるだろう。お手伝いも沢山いるしな」
紅魔館の上空、魔理沙の目には目に優しくない真っ赤な館が見えていた。
「かと思ったらそんな事もなかったな。
赤を見てると暑くなってくるぜ。ああ、暑い暑い」
魔理沙は結局紅魔館には入らなかった。紅さが暑さに変わってしまったのだ。
そんなこんなで紅魔館にも入れなかった魔理沙。
仕方がないので魔理沙はいつもの店に行くことにした。
魔法の森のはずれにある小さな道具屋だ、名前を香霖堂と言う。
本当は道具屋じゃなくて古道具屋なのだがそんなのは魔理沙の知った事ではなかった。
香霖堂では古いものよりも店主が作った物の方が出来が良い。
兎に角あそこなら涼しめるだろう、外の世界の道具もあるし。
魔理沙はそう考え、馴染みの店に突撃していった。
「よう香霖。今すぐ私に冷たいお茶を出せ、このままだとミイラになっちまう」
極めて唐突に言葉を発する。
魔理沙の事を嫌いにならないでほしい、今の魔理沙は少しおかしくなっている。
魔理沙の唐突な要求に香霖と呼ばれた男、森近霖之助は極めて冷静に対処する。
店の奥に入り、冷えたコーラを出したのだ。魔理沙はコーラを一気に流し込んだ。
その結果、少女にあるまじきげっぷが出たのはいうまでもない。
コーラを飲んだらげっぷが出るのは確実だ。
魔理沙は自他ともに認める乙女である。
乙女にあるまじきげっぷを聞かれたショックで香霖堂を飛び出してしまった。
思わず香霖堂を飛び出してしまった魔理沙。
冷たいコーラのおかげで喉の渇きは無くなっているが、それでもやはり夏の暑さには勝てそうになかった。
どうしたもんかと唸っている魔理沙。そんな魔理沙に声を掛ける者がいた。
新聞記者であり天狗の射命丸文だ。
魔理沙は駄目もとで文に聞いてみる事にした。涼しい場所を知らないか? と。
文はそんな事も解らないの? みたいな顔で魔理沙を見ている。
風をうけて飛べばいいじゃないか。文が軽ーくそう言う。
魔理沙は目からうろこが落ちるほど感心していた。
と言うか何故気付かなかったのだろうか? 魔理沙はそのまま全力で箒を動かした。
魔理沙は箒に乗って幻想郷を飛んでいる。
目的は涼むことであり、ただ空を飛んでいるだけだ。
しばらくすると空が暗くなってきた。
魔理沙は考える、もうそろそろ涼しくなったんじゃないか、と。
結局魔理沙は家に帰ることにした。魔法の森の中にある小さな家だ。
昼間よりも涼しくなった家に魔理沙は帰ってきた。
もう夜も遅いからと日記をつけて寝る事にする魔理沙。
日記を開いた所で魔理沙は異変にきづいた。
昨日の日記に今日と同じような事が書いてあったのだ。
おかしくなってたのは少しじゃなかったらしい。
魔理沙は暑さのせいだと言い訳して不貞寝した。
魔法の森の魔法使い、霧雨魔理沙は思っていた。この暑さは異変なのではないかと。
勿論そんな事はない。暑いのは幻想郷に夏が来ていたからなのだ。
魔法の森は湿度が高い、だから幻想郷のどんな場所よりも暑く感じるし実際暑い。
しかしそんなものは霧雨魔理沙には預かり知らぬ事だ。
彼女は自分の直感に従って異変の原因を探しに行くことにした。
異変という事にして涼める場所を探しに行ったのだった。
「暑い暑い。まったく、ここは本当に幻想郷か? 地底に出かけた時みたいだぜ」
彼女はそうひとりごちた。
魔理沙が来たのは博麗神社、幻想郷の東の終わりにある古びた神社である。
「よう霊夢。悪いがお茶を出してくれないか? 冷たい麦茶だとなおいいな」
神社に着くなり霧雨魔理沙はそう言った。
魔理沙の目の前には紅白の巫女、博麗霊夢が立っている。
魔理沙は霊夢に向かって言ったのだ、お茶を出せ、と。
もちろん相手は博麗霊夢、そう簡単にはお茶を出さない。
しかも逆にお茶菓子を要求するぐらいだ。
紅白の巫女は強かった、魔理沙は神社から退却せざるを得なくなった。
「全く霊夢はケチなやつだぜ、麓が駄目なら山の巫女ってね」
次に魔理沙が行ったのは妖怪の山の頂上。外の世界から来た守矢の神社だった。
「よう早苗。いや、突然暑くなるもんだからさ、私の体はカサカサなんだ。
悪いがお茶をくれないか? 冷たい奴だとなおいいんだが」
守矢神社の風祝、東風谷早苗ならお茶をくれるに違いない。
魔理沙はそう考え、境内を掃除していた早苗に話しかけた。
しかし、早苗は魔理沙の要求に答えなかった。
それどころか魔理沙に力を貸してくれと言うのだ。
残念だが魔理沙には暑さをこらえて掃除をするなんてできなかった。
こうして魔理沙は守矢神社からも退散せざるを得なくなった。
守矢神社を飛び出した魔理沙は、次にどこに行くかを決めあぐねていた。
麓も頂上も巫女は駄目だ、どちらも人をこき使おうとしやがる。
魔理沙はそんな事を考え、思いついた。
家事が仕事の奴なら冷たいお茶をくれるんじゃないか、と。
魔理沙はさっそくメイドの居る屋敷、紅魔館へと箒を飛ばした。
「よし、ここなら涼んでいけるだろう。お手伝いも沢山いるしな」
紅魔館の上空、魔理沙の目には目に優しくない真っ赤な館が見えていた。
「かと思ったらそんな事もなかったな。
赤を見てると暑くなってくるぜ。ああ、暑い暑い」
魔理沙は結局紅魔館には入らなかった。紅さが暑さに変わってしまったのだ。
そんなこんなで紅魔館にも入れなかった魔理沙。
仕方がないので魔理沙はいつもの店に行くことにした。
魔法の森のはずれにある小さな道具屋だ、名前を香霖堂と言う。
本当は道具屋じゃなくて古道具屋なのだがそんなのは魔理沙の知った事ではなかった。
香霖堂では古いものよりも店主が作った物の方が出来が良い。
兎に角あそこなら涼しめるだろう、外の世界の道具もあるし。
魔理沙はそう考え、馴染みの店に突撃していった。
「よう香霖。今すぐ私に冷たいお茶を出せ、このままだとミイラになっちまう」
極めて唐突に言葉を発する。
魔理沙の事を嫌いにならないでほしい、今の魔理沙は少しおかしくなっている。
魔理沙の唐突な要求に香霖と呼ばれた男、森近霖之助は極めて冷静に対処する。
店の奥に入り、冷えたコーラを出したのだ。魔理沙はコーラを一気に流し込んだ。
その結果、少女にあるまじきげっぷが出たのはいうまでもない。
コーラを飲んだらげっぷが出るのは確実だ。
魔理沙は自他ともに認める乙女である。
乙女にあるまじきげっぷを聞かれたショックで香霖堂を飛び出してしまった。
思わず香霖堂を飛び出してしまった魔理沙。
冷たいコーラのおかげで喉の渇きは無くなっているが、それでもやはり夏の暑さには勝てそうになかった。
どうしたもんかと唸っている魔理沙。そんな魔理沙に声を掛ける者がいた。
新聞記者であり天狗の射命丸文だ。
魔理沙は駄目もとで文に聞いてみる事にした。涼しい場所を知らないか? と。
文はそんな事も解らないの? みたいな顔で魔理沙を見ている。
風をうけて飛べばいいじゃないか。文が軽ーくそう言う。
魔理沙は目からうろこが落ちるほど感心していた。
と言うか何故気付かなかったのだろうか? 魔理沙はそのまま全力で箒を動かした。
魔理沙は箒に乗って幻想郷を飛んでいる。
目的は涼むことであり、ただ空を飛んでいるだけだ。
しばらくすると空が暗くなってきた。
魔理沙は考える、もうそろそろ涼しくなったんじゃないか、と。
結局魔理沙は家に帰ることにした。魔法の森の中にある小さな家だ。
昼間よりも涼しくなった家に魔理沙は帰ってきた。
もう夜も遅いからと日記をつけて寝る事にする魔理沙。
日記を開いた所で魔理沙は異変にきづいた。
昨日の日記に今日と同じような事が書いてあったのだ。
おかしくなってたのは少しじゃなかったらしい。
魔理沙は暑さのせいだと言い訳して不貞寝した。
夏が終わるまで繰り返していたら、それこそ霊夢が(心配して)動いて異変になりそうだw
決して自分でお茶を入れない魔理沙が彼女らしくて面白かったです。
これも寒いからにしておいてください。
でも魔理沙って掃除以外の家事は好きな印象受けてたな、原作でも進んで料理したりしてたし。
そして八卦炉あるんだから日の当たらない森の中の家でじっと研究でもしてるのが一番涼しいと思う。
凍傷の痛みは凄まじい火傷のそれだと言っていたのはシャーマンキングだったっけ?
この行動は目からウロコ。
いかにもやりそうだよなぁーと今は思いますが、考えもつかなかったです。
今コメントしているこの時期はまさしく夏のような暑さ。
今頃幻想郷では魔理沙がビュンビュン空を翔んでいるんだろうな~。