Coolier - 新生・東方創想話

霖之助「あ、ごめん。 花かと思ったら、君だったんだね」 魔理沙「……What?」

2012/12/16 12:34:57
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霖之助「あ、ごめん。 花かと思ったら、君だったんだね」 魔理沙「……What?」


注意

・キャラ崩壊物です

以上の事が大丈夫な星達は、この先へ、共に歩もう。





 「というわけで魔法少女をしようと思うの」

「……」

 八雲家の一室、紫はハートが先端に飾られたピンク色のステッキを片手に持ち、

 もう片方の手では裏ピースを決めている。 その紫の姿を、従者の藍が、汚物を見るような見下した目で見ている。

「……ちょ、ちょっと藍? 何よその、

 『こいつはくせぇッー! ゲロ以下の加齢臭がプンプンするぜッー! こんな若作りには出合った事がねぇほどなァーッ!』って目は」

「流石ですね紫様、従者の私の考える事など一語一句間違える事なく読み取れるという事ですか。

 ですが少し違います。 私はその台詞の後に『早えとこ老人ホームに押し込めちまおう』と思いました」

「いやちょっとまって凄い傷つくんだけど私の心が秒速なんとかcmを一気見した時くらいに傷ついたんだけど」

「とりあえずですね、一体どういうわけですか。 何が『というわけで』ですか。

 1文目に1文目だけでは解釈不能で尚且つ理由を期待させるような文を置けば『中々やるな』って思うような時代はすでに終わってるんですよ小手先なんですよそんなん」

「え……」

「とりあえず理由を説明してください。 そして出来れば歳相応の振る舞いをしてください。

 紫様は煎餅を食べながら『最近の若者は~』とか言って最近の若者の〇〇離れとかについて論理的根拠のない事を垂れ流していればいいんです」

 紫の目が、少しだけ、潤み始めた。

「私の心をシュレッダーに容赦なくかけてくるのはやめてくれないかしら!」

「その後に焼却処理もします」

 紫の目の潤みすら、止まった。

「……でもね、私ね、心は若くいたいの。 だから、みんなの悩みを聞いて、解決に導く。 そんなマドンナ的存在になりたいの」

「やめてください私が恥ずかしいです人里で買い物する時に『おいアイツ魔法少女(笑)の従者だぜ』って後ろ指さされたらどうするんですか」

「でももう……」

「もう?」

「幻想郷中にこの話広めちゃったもの」

「えぇ……」

 藍は呆れて、思わずため息をつく。

「とりあえず……まぁ、やってしまった事は仕方ない……数件受けてからさっさと畳みますよ」

「えぇー!?」

「えぇー!? じゃないですよ。 幻想郷の賢者がこんな事してるんじゃ舐められて幻想郷が誰かに乗っ取られるかもしれない」

「この誇大妄想狐……」

「なんとでも言ってください。 で、相談ってのは――」

 その時、天井から一枚の手紙がヒラヒラと落ちてきた。

「……こうやって受け付けるんですか」

 天井には小さいスキマが常時開いていた。 手紙はそこから落ちてきた物らしい。

「そうなのよ。 幻想郷の各所に郵便スキマを開いて、そこから手紙を受け取る事ができるの」

「それ子供にイタズラされませんかね? 子供は残酷ですから虫の死骸とか平気で入れてきますよ。

 洩矢神社の神様なんていつも『世の中には二種類の生き物がいる。 ケツに爆竹を詰められる人間と、詰める人間だ』ってなんか恐ろしい事言ってますよ」

「まぁ幻想郷じゃあ人食いとか日常茶飯事だし、いいんじゃない?」

「……部屋の掃除するのは私なんですよ?」

「そんな事言ってるからいつまでたっても式なのよ。 えっと何々……」

 紫は手紙を拾い上げ、その場で読み上げ始めた。

「拝啓、マジカル戦隊ゆかりん括弧24歳さん」

「なんですかマジカル戦隊って一人しかいないし名前痛すぎますし24歳を何故強要してるんですか」

「うるさいわねアンタの事ごんぎつねって呼ぶわよ鉄砲で射抜くわよ。

 ……えっと、貴方がなんでも屋という物をやっていると噂で聞きました。 今回は他でもなく、私の悩み事です。

 私はある女性に恋をしました。 それは、金髪の魔法使いの女性で、活発で、幻想郷ではそれなりに名の知れている有名人でもあります。

 私は彼女の父親に世話になり、同時に彼女とは幼馴染でもあります。

 しかし彼女は人で、私は半妖怪です。 私は、彼女の死を見取る、彼女の死に責任を持つ、受け入れるのが怖いのです。

 そうでなくとも、私には勇気がありません。 私は、彼女の事を考えたら仕事も手に付かなくなるほどなのに、私にはその気持ちを告白する勇気がありません。

 だから、ゆかりん括弧24歳様、どうか私をお助けください。 古道具屋の主人より……」

「すごい感動的な話なのに、ゆかりん括弧24歳様の一言で全て台無しですよ案の定。 ちょっと涙出かけたのに一気に引きましたよ案の定」

「あんま言うんじゃないわよ……というかこの手紙の主って……」

「……霖之助さんですよ」

「霖之助さんよね。 で、恋している相手って……」

「魔理沙です」

「魔理沙よね」

「……」

「……とりあえず香霖堂にいくわよ」

「はい」

 紫は手を一振りして大きなスキマを開く。 そのスキマの中に二人は足を踏み入れていった。


2


 「……絶対ゆかりん24歳って……あの娘だよなぁ」

 夕暮れの香霖堂で、霖之助はカウンターにうつ伏せになって半ば憂鬱になっていた。

「相談なんてするべきじゃなかったかもなぁ……あの娘だもんな……」

「なによ、随分人聞きの悪い事言ってくれちゃって」

 客は一人もいないのに、店の奥、霖之助の後ろから声が聞こえてくる。 あの娘の声が聞こえてくる。

 振り返ると、そこに立っていたのは紫と藍だった。

「……せめて扉から入ってきてくれないか?」

「嫌よ面倒臭い。 で、どうせこの手紙の差出人も貴方なんでしょう?」

 紫は一枚の手紙を指に挟んで、見せ付けるようにヒラヒラと揺らす。

「……まぁ、その様子だと誰に恋してるかもお見通しらしい」

「あんなド直球な手紙見せられて気が付かない方がおかしいですよ」

「なぁ、紫、僕はどうすればいい? 僕は一体どうすればこの苦しみから解放されるんだろう?」

 紫は霖之助の服、霖之助の髪型、霖之助の仕草、ありとあらゆる霖之助についての記憶を思い返す。

 その一瞬で、紫は霖之助の事を分析し、どうすべきかの解を導き出した。

 そして、霖之助に近づき、顔と顔の間が拳一個分ほどしかないほどに近づくと、諭すように話し始めた。

「……貴方のその気持ちは、その程度で消えてしまうような物なの?」

「ゆ、紫……?」

 顔と顔の距離が、霖之助の心を大きく揺さぶる。

「違うでしょう? 貴方のその気持ちは、その程度では消えない。

 だからこうして私に手紙をよこした。 でも、貴方はもう、そこから一歩踏み出せる勇気は持っているはず」

「……」

「貴方を縛る物は、もうないのよ。 貴方に足りない者は、縄を断ち切るハサミじゃない。 勇気。

 あとは、もう貴方次第なの」

 霖之助の鼓動が、段々と静まっていく。

「で、でも……その勇気が出ないから……僕は……」

「甘えるんじゃないわよ!」

 紫の口調が、諭す口調から、叱咤へと変わった。

「――ッ!?」

「勇気が出ないから自分の気持ちに嘘を付くの? そんな事しても何にもならないでしょ?

 貴方は勇気が出ないという言葉を盾に、自分の心から目を背けているだけ!」

「ゆ……紫」

「え、ちょ、何この空気。 私すごいいてはいけないと思――」

「藍は黙っていなさい!」

「あ、はい……」

「……他力本願で全部解決してほしい? そんな事子供でも言わない!

 貴方はもう大人で、自分の気持ちと向き合っている。 なら……もう、貴方は一歩を踏み出せるはずよ」

「……そ、そう……か。 そうか。 そうに決まっている……」

 霖之助は、何度も自分でうなずき、決心を固める。

「……そうよ。 貴方は、自分でなんとかできる。 それから逃げちゃダメ」

「……でも、どうやってこの気持ちを告白すればいいんだろう」

「どうやって? それはどういう事かしら?」

「僕は、女性にこんな気持ちを抱くのは始めてだ。 だから、告白のセオリーとか、そういうのが分からないんだ……」

「……成る程。 それは確かに問題ね。 でも安心しなさい。 私がナウでヤングなチョベリグな告白を指導してあげるわ!」

「え、ちょっと紫さまその言葉は死言――」

「な、なるほど! 女性の指導なら安心できる!」

「その通り! 安心して、私に任せなさい!」

「ああ、ありがとう! 紫!」

「……物凄い嫌な予感がしてならない……帰ろう」

 盛り上がる二人を他所に、藍はさっさとスキマをくぐってその場から去っていった。


3


 「いいんじゃない? アンタもたまにはそういう事に首をつっこむべきよ」

「だよな! だよな! せっかく誘ってくれてるんだし断るのは悪いし、タダ飯を頂くとするぜ! ところでそういう事ってどういう事だ?」

「行けば分かるわ」

 霊夢と魔理沙は神社の縁側に座り、境内を眺めながらお茶をすすって話をしていた。

「それにしても珍しいよな。 香霖が私を誘って人里で買い物しようだなんて」

「アンタね、その年頃でそういう事に興味関心はないわけ?」

「だからそういう事ってどういう事なんだ? 霊夢は第六感が鋭いから霊夢にしか分からないんじゃないか?」

「……私の感の鋭さは自他共に認めるけど、それでもアンタの感の悪さはおかしいわ」

「そうか? 照れるぜ」

 霊夢は頭を抱えて、深いため息をつく。

「褒めてない……で、待ち合わせは何時なの?」

「今日の午の刻……って今時こんな言葉使わないよな。 12時に人里の甘味処で霖之助と待ち合わせだ」

 霊夢は眉間にしわを寄せ、時計に目を移す。 その時刻が指していたのは、午前11時15分。

「ちょ、魔理沙? 今11時よ? アンタさっきまで私に行くかどうかの相談してたって事は、さっきまで行くかどうかも悩んでたわけ?」

「そうだぜ?」

 霊夢は目を瞑ってさっきよりも大きなため息をつくと、ボソっと呟いた。

「……霖之助さんも面倒な相手に……」

「何か言ったか?」

「なんでもないわ。 それよりもうそろそろ出発の準備はしておいた方がいいんじゃないの? もうすぐ11時半になるのに」

「それもそうだな。 じゃあ霧雨魔理沙はクールに去るぜ」

 そういうと、2秒もしない内に魔理沙は突然どこから取り出したのか、箒に跨って目にも止まらぬスピードで飛んでいってしまった。

「……アンタの行動にはクールの欠片もないわよ。 というか今から行ったら――」


 ――11時35分


「――早く着き過ぎたぜ……」

 魔理沙は神社からイチローの投げたボールくらい速く飛んでここに来たので、時間がかなり余ってしまった。

 勢いも余っていたら例の如く地球も崩壊していただろう。

「参ったぜ……香霖が来るまであと25分って所か?」

 魔理沙が道に備え付けられている腰掛に腰を下ろすと、隣に座っている男に見覚えがある事に気が付いた。

「……あれ? お前は……」

 魔理沙の声に反応してか、隣の男も魔理沙に顔を向けると、その男も同じような反応を見せた。

「……あれ? 君は……」

「香霖! 早いじゃないか! 何でこんな早い時間から……声でも掛けてくれればよかったのに」

 魔理沙が問いかけると、霖之助は思いもよらぬ返答を返した。


「ああ、ごめん、さっきから花が咲いていると思ってたら、君だったんだね」


「……What?」


4


「ああ、ごめん、さっきから花が咲いていると思ってたら、君だったんだね」

「……What?」

 魔理沙は自分の耳を疑った。 コイツは何を言っている? いや、コイツは私を花と勘違いしたと言っている。

 次に自分の目を疑った。 コイツは一体何者だ? 霖之助に限りなく近い何かじゃないのか? いや、そしたら幻想郷の何処かで面識くらいあるはずだ。

 最後に自分の正気を疑った。 私は夢でも見ているのか? そう思って頬をつねるが、それは痛みと一緒に現実感を運んできただけだった。

「……えっと……香霖?」

「ん? なんだいハニー?」

「……なんというか……悪い物でも食ったか?」

「ああ、君という禁断の果実を食べてしまったかも……ね」

「……よし分かった。 今日はアレだ。 私の耳が盛大にイカレてる日だ。 そうに違いない。 じゃあさっさと買い物をしよう」

「了解さハニー! でもその前に、We haven't eaten lunch yet……甘味処でスウェィイットゥでも食べようじゃないか」

「分かった。 分かったからその絶妙な巻き舌はやめてくれ。 こっちまで恥ずかしくなる」

 魔理沙は、全て自分の耳がおかしいの一言で片付ける事にした。 いや、そうでなくては説明が付かなかったのだ。

「じゃあ、君の瞳に、Cheers!」

「いいから黙って食べてくれ」


――5分後


「なぁ……香霖」

「ん? なんだいハニー?」

「なんでお前は団子を氷の入ったコップに刺して食べてるんだ?」

「何でって、ポ〇キーだって同じだろう?」

「……いや、まぁ、香霖がそれでいいならそれで……いいの……かな?」

 魔理沙は、さっきから霖之助が起こす奇行によって霖之助と一緒に好奇の目に晒されていた。

「やべぇよ……なんか変態がいる……」

「変態が金髪の美少女とデートしてるよ……というか何で団子を氷に刺すんだよ……」

「ポッキ〇ならともかく、なんで団子を冷やすんだよ……」

「その点トッポってすげぇよな。 最後までチョコたっぷりだもん」

 周りの目に耐えられなくなった魔理沙は、霖之助に話しかける。

「……な、なぁ香霖? 一体何を今日は買いに来たんだ?」

 魔理沙は出来ればこの状況を一刻も早く終わらせたかった。

「ハハハ、魔理沙、決まってるじゃないか」

「決まってるって……?」

「Your heart……君の心さ」

「心は金で買えないんだぜ」

 少しずつこの状況には慣れ、やっとツッコミが出来るほどにはなったが、それでも落ち着かない。

 とにかく一箇所にとどまるから好奇の目に晒されている。 魔理沙はここを出る為に強攻策に出ることにした。

「り、霖之助、私もうおなかいっぱいなんだぜ。 早いうちから買い物に行かないと時間も無駄に使っちゃうし、な?」

「ん、ハハハ、それもそうだなハニー。 それじゃあ早いところお会計を済ませるとしようか」

 霖之助が会計を済ませようと店員を呼ぶ。 それを見て安心する魔理沙だったが――


 安心するのにはまだまだ早すぎた。


「お会計ですか? 合計1280円になります」

 可愛い看板娘が会計に来る。

「……ああ、お会計さんか。 てっきり僕は天使が来たのかと思っちゃったよ」

「え!? いや、その……」

「――ッ!? こ、香霖!? 何を――」

「これで。 おつりはいらないよ」

 そう言って霖之助は、2万円を店員に手渡す。

「え!? いや、その、え!?」

「え!? 香霖!? な、何を考えて――」

「チップとして受け取って構わない。 君の好きに使ってくれて構わない」

「え、いやその……こ、こんな大金……」

「さ、行こうハニー」

「え? お、おお、おう」

 霖之助は魔理沙の手を引く。 そして後ろを振り返ると、

「じゃあ、花のような店員さん、バイビー!」

 霖之助は1万円札二枚を手に握ってアタフタする店員に、華麗にウィンク決めてその場を立ち去った。

 それからしばらく歩いていった後、魔理沙が霖之助にある事を尋ねる。

「……なぁ香霖」

「ん? なんだいハニー」

「……お前、金あるのか?」

「……」

 空気が凍りつく。 まさか、そのまさかであった。

「……霖之助、お前金……あの店員に全部……?」

「……ごめん、余りにも君が眩しすぎて、お金の勘定なんて出来なかったよ」

「いやそういうの今いいから。 とりあえず何を買おうと思ったんだ?」

「君の心さハニー。 僕の気持ちは、宇宙なんかじゃ比較できないほどに大きいのさ」

 ウィンクを決めてうざったらしいドヤ顔を向けてくる。

「……ああ、うん。 お前が底なしの馬鹿者って事は分かった。 とりあえず今日はお金がないから、もう帰る――」

「ま、待ってくれ! 魔理沙!」

 呆れて魔理沙が来た道を戻ろうとした時だった。 霖之助は、さっきまでのキザでうざったらしいキャラではなく、いつもの霖之助に戻っていた。

「……な、なんだよ香霖」

「僕は今日、魔理沙に伝えたい事があって……」

「……伝えたいこと?」

 霖之助は、息を深く吸い込む。

 吐くのは、自分の情けなさ。 吸うのは、自分に足りなかった勇気。

 そして、呼吸が終わった時。 霖之助は魔理沙にそれを告げた。

「……魔理沙、僕は実は――」


5


 「まったく、やっと全部の悩みが解決できましたよ」

「まさかあの短期間で24通の手紙が届くとは思わなかったわよ」

「紫様は24歳でもないのに、わざわざ24通という所に悪意を感じますけど」

「あら? 私は17歳よ?」

「下げないでください。 その胡散臭さで17歳とか不気味です。 不気味を結晶化した物以外の何者でもありません」

 八雲家では、藍と紫が相談を受け付けた事案を掘り返して談笑していた。

「そういえば最初に受けた霖之助さんはどうなっているかしら?」

「絶対あの後ふられたと思いますよ。 だってなんなんですかあの指導。

 彼女が遅れた時は『大丈夫、僕は君の後ろからずっと付いて来ていたから』とか、『お菓子は氷に刺して食べろ』とか、

 『告白の台詞は君は、僕の太陽だ。 僕は君の月となる。 僕の、相棒になってくれないか?』とか、

 挙句の果てにはその時になったら『君の画面上部に、僕の自機を入れさしてくれ。 そして僕のボムを、その身一つで受け取って欲しい』とか。

 どう考えてもキザな変態ですよもう最後の台詞なんかただの変態親父ですよ」

「そうかしら? 私なんかもうバリキャリ痺れる台詞だと思うのだけれど」

「……紫様の感性はきっとその辺に落ちている草木かなんかで構成されているんですよ」

「何よ何よ! バカにしちゃって! 私の若い頃はみんなそんな事言わないでロマンティックな――」

「はいはい若者のロマンティック離れとかどうでもいいですから」

「……まぁ私この前霖之助さんから貰った手紙があるのよ。 それを見ればバリキャリ何がどうなってるか分かるわ」

 紫はスキマを開くと、そこに手を突っ込んで中から一枚の手紙を取り出した。

「は、はぁ……じゃあさっさと読み上げてください。 結果なんて見るまでもなく分かりきってますが」

「うっわ何よそのムカつく台詞。 まぁいいわ。 読み上げるわよ……」

「はい。 早くしてください」

「……拝啓――」


 紫は、その手紙を、ゆっくりと読み上げ始めた。

ああ、ごめん、花かと思ったら、読者さんだったのか。
僕の君たちへの感謝の気持ちは、この宇宙の広さなんかじゃ表せないくらいに大きいんだ。
見てご覧……この星空を。 奇麗だろ? 僕は、君たちはそのくらい輝いていると思うんだ。
ハムスター
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コメント



0.970簡易評価
8.70名前が無い程度の能力削除
・・・・・oh。
13.100名前が無い程度の能力削除
いいぞもっとやれ
やっぱり時にはこういう話も笑えて良いですね
14.90名前が無い程度の能力削除
他の相談の内容と解決法がきになるw
ノリが一貫していて面白かったです。
15.90奇声を発する程度の能力削除
これはw
ノリが面白く良かったです
17.100名前が無い程度の能力削除
面白かった
19.90名前が無い程度の能力削除
魔理沙ちゃんのツンデレちゃん
22.80名前が無い程度の能力削除
ヒューッ! 見ろよこのSSを まるでトッポみたいだぜ! こいつはやるかもしれねえ!
30.100名前が無い程度の能力削除
最後までギャグたっぷりで良かったです