私は雨が嫌いだった。
ザーザーと、こちらの都合なんてお構い無しに降り出す雨。元気な子供達は泥だらけになりながら遊び、大人達は仕事が出来無い事や洗濯物が乾かない事に嘆いていた。
私は雨が嫌いだった。
私は雨が降ろうと降るまいとどちらでも関係がない。服が汚れる事を嘆く必要も無いし、他の事を考える必要も無かったし。そもそも体も意識も無かった。
私は雨が嫌いだった。
昔は雨が振ったら張り切っていたけれど、ある日自分の出番は無くなったと気付いて、それからはただただ苦痛でしかなかった。
私は雨が嫌いだった。
気付けば体と心を手に入れたけれども、それでも私を使ってくれる人なんて居なかった。自分で自分を差しても、虚しいだけだった。
私は雨が嫌いだった。
雨を喜ぶ人間を、傘を差して歩く人間を、手当たり次第に驚かして驚かしてめぐり回った。お腹は膨れたけれども、何故か満たされなかった。
私は雨が嫌いだった。
この頃人間達はちっとも驚かなくなって、お腹を満たすことも出来なくなった。そんな私を嘲笑うように降る雨を、もっと嫌いになった。
私は雨が嫌いだった。
お腹が空いて死にかけたり、変な奴に退治されかけたり、謎の僧侶に説法されたりと散々な目に遭った。その時も、やっぱり雨が降っていた。
私は雨が嫌いだった。
こうして色々な事を思い返してみれば、私の思い出には雨の日の思い出がいっぱいあった。良い思い出も嫌な思い出も、雨と一緒にあった。
私は、雨が少しだけ好きになった。
ザーザーと、こちらの都合なんてお構い無しに降り出す雨。元気な子供達は泥だらけになりながら遊び、大人達は仕事が出来無い事や洗濯物が乾かない事に嘆いていた。
私は雨が嫌いだった。
私は雨が降ろうと降るまいとどちらでも関係がない。服が汚れる事を嘆く必要も無いし、他の事を考える必要も無かったし。そもそも体も意識も無かった。
私は雨が嫌いだった。
昔は雨が振ったら張り切っていたけれど、ある日自分の出番は無くなったと気付いて、それからはただただ苦痛でしかなかった。
私は雨が嫌いだった。
気付けば体と心を手に入れたけれども、それでも私を使ってくれる人なんて居なかった。自分で自分を差しても、虚しいだけだった。
私は雨が嫌いだった。
雨を喜ぶ人間を、傘を差して歩く人間を、手当たり次第に驚かして驚かしてめぐり回った。お腹は膨れたけれども、何故か満たされなかった。
私は雨が嫌いだった。
この頃人間達はちっとも驚かなくなって、お腹を満たすことも出来なくなった。そんな私を嘲笑うように降る雨を、もっと嫌いになった。
私は雨が嫌いだった。
お腹が空いて死にかけたり、変な奴に退治されかけたり、謎の僧侶に説法されたりと散々な目に遭った。その時も、やっぱり雨が降っていた。
私は雨が嫌いだった。
こうして色々な事を思い返してみれば、私の思い出には雨の日の思い出がいっぱいあった。良い思い出も嫌な思い出も、雨と一緒にあった。
私は、雨が少しだけ好きになった。
テーマは好みですが、より韻律を重視していればもっとよかったのにと思いました。