Coolier - 新生・東方創想話

いろいろBroken

2012/04/09 00:41:38
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※いろいろ壊れています。キャラはもちろん、その他もろもろの物も。
それでもOKという方はぐぐっと下へ。




















「けーねせんせーさようならー」
「あぁ。皆、来週宿題忘れるなよー」

寺子屋の終業時間である。
生徒達は自らの鞄を持ち、各々が帰路につき始める。
そして、「けーねせんせー」もとい、寺子屋の教師である上白沢慧音は教壇から生徒を見送っていた。
やがて生徒が全員教室から出ると、慧音も彼らと同じように帰路につく。
このまま家に帰り、いつものように残っている仕事を片付け、いつものように食事をし、いつものように風呂に入り、そしていつも通りに今日も終わるはずだった。

~少女移動中~

慧音の家は里から少し離れた場所にある。
とは言っても、里の者も彼女の家を訪れることが出来るのでそう遠くは無い。
彼女が家の戸を開くと、居間には何故か一人の少女が座っていた。

「……。妹紅。何をしている」
「あ、けーね。やっと来たの? もう待ちくだびれちゃったよ」

慧音をよく知っているこの少女の名前は藤原妹紅。
蓬莱の薬を飲んでしまったせいで、不老不死の体となってしまった蓬莱人だ。
妹紅は慧音の方を振り返り、1冊の本を見せる。

「いやー、これが見たくてつい」
「お、お前、中見たのか……?」
「うん。慧音もこういったもの書くんだねぇ」
「う、うわあああああぁぁぁぁ!!!」

慧音は、妹紅が持っていた本を取り上げ、すかさず頭突きをかました。
だが妹紅は多少よろめいたものの、頭突きを喰らったのにも拘らず、痛みに悶える事は無かった。
その代わりに、不気味な笑い声が部屋にこだまする。
もちろんその笑い声の正体は妹紅だ。
慧音はその様子を訝しげに見つめながら後ずさる。

「も、妹紅。これはな、見ても何も面白いことは書いてないからな?」
「えー、輝夜のやつにも教えてやろうと思ったのに」
「そ、それはやめてくれ!」
「ちょっとくらい良いじゃんかー、けーねー」

慧音が『絶対にダメだ!』と断り続けるものの、彼女は全く聞く耳持たない。
しかし、何故か妹紅は両手をわきわきさせながら慧音に近づく。

「しょうがないなぁ。じゃ、無理矢理奪うしかないかぁ」
「なっ!」
「覚悟ぉ!」
「これを渡してたまるかぁ!!」

慧音は家の外に向かって全力でダッシュした。
妹紅も負けじと慧音を追いかける。
二人は『ぬおおおぉぉぉ……』と女らしさの欠片も無い声を上げながら、走る。
これが幻想郷中を巻き込むことになるとも知らずに。







ところ変わって博麗神社。
この神社の巫女である、博麗霊夢は今日も縁側でお茶をすすっていた。
そこへ、例の2人がやってくる。

「ふぅ。今日も幻想郷は平和だった……ん?」

霊夢は全速力でこちらに向かってくる何かを2つ見つけた。
それは、迷いも無くこちらへ向かってくる。

「渡すかああああぁぁぁぁっ!!!」
「寄こせええええぇぇぇぇっ!!!」
「あ、あんたら何しにきt、ゴハァッ!!」

霊夢は為す術も無く2人に轢かれた。
ついでに、神社も半壊した。







二人の暴走は止まらない。
博麗神社に続いて、守矢神社、紅魔館、魔法の森、白玉楼…と次々と被害は拡大する。
この甚大な被害を目の当たりにした幻想郷の管理者、八雲紫がついに動いた。

「うおおおおおおぉぉぉっ!!!」
「ぬおおおおおおぉぉぉっ!!!」

二人は未だに暴走状態だった。
そんな二人の前に紫とその式、八雲藍は立つ。

「藍はあの二人をひきつけておいて。私はその内に結界を張るから。」
「分かりました。 止まれお前らああああぁぁぁっ!!」

藍は仁王立ちで二人を抑えようとする。
しかし、現実はそんなに甘くない。
…ここは幻想郷だが。

「「邪魔だああああああぁぁぁっっ!!」」
「ハクタクっ!?」

訳の分からない断末魔をあげて、藍は近くの茂みに吹っ飛ばされた。
そして、もちろん二人は紫の方へも突っ込む。

「ホウライっ!?」

紫も吹っ飛んだ。






紫、藍、霊夢が脱落。
ちなみに言うと、霧雨魔理沙やアリス・マーガトロイドも二人に轢かれてしまっているため全く動けなかった。
幻想郷万事休すか、と思いきや意外な人物がこの窮境を変える。
月の天才こと八意永琳と、月のお姫様こと蓬莱山輝夜だ。

「何だか外が騒がしいわね」
「やっぱり、永琳もそう思うのね」

彼女らがそう言うのも無理は無い。
永遠亭には現在あの二人が猛スピードで迫ってきているのだ。
ドドドド…という土を蹴る音と、「おおおおおぉぉぉ……!」という変な声も近づいてきている。
輝夜と永琳は立ち上がり、永遠亭の外へと臨む。
この時、永琳の弟子である鈴仙・優曇華院・イナバは一緒に付いていこうとしたのだが、永琳と輝夜に止められた。

「貴女には、永遠亭の警護にあたってもらうわ」
「し、ししょー……大丈夫なんですか? 巷では、あの巫女も倒したって…」
「大丈夫よ。何の秘策も無しに行くわけないでしょ」
「うーん……」

鈴仙は、一抹の不安を抱きながらも永遠亭に残ることを承諾した。
輝夜と永琳は、竹林で彼女らを迎撃する作戦だった。

(永遠亭で待っていたら、破壊される)

そう思っての作戦だった。
そして、先ほどから声がする方に耳を傾けると……

「や、屋台がああぁぁ……」
「わ、私はただの兎だよーっ!? ぎゃっ!!」
「虫を踏み潰さないでってばー……わーっ!!」

耳に入ってくる音だけでも、地獄絵図が容易に想像できる。
この非常事態を再度認識し直した上で『例の作戦』を実行する。
息を整えて、肺に息を溜める。
そして思い切り叫んだ。

「もっこたーーーん!!! 一緒に遊びましょー!!」
「頭の帽子はどうやって止めているんですかー?」

輝夜と永琳はからかって挑発する、という非常に地味な嫌がらせ攻撃。
名前や容姿で弄られるのは誰だって屈辱である。
もちろん暴走中の二人も例外ではない。
矛先は声のする方へ、輝夜と永琳がいる所へ向かう。
少しすると、勢い良く竹の間から慧音と妹紅が飛び出してきた。

「「それをネタにするなああああぁぁぁっ!!! ……へぶぁっ」」

二人は地面にある石につまずいて倒れた。
輝夜と永琳は、倒れた二人を見てハイタッチをした。

「ワナの巻物を読んでおいて正解だったわ。」
「たまに、永琳はよく分からないことを言うけど…まぁいっか。」

倒れた二人は頭から地面に思いっきり激突させたため気絶してしまっている。
このままにしておくわけにもいかないので、とりあえず、二人は博麗神社に運んでおいた。







その後、この暴走異変は解決し幻想郷に再び平穏な日々が戻った。
……一部を除いて。
博麗神社に運ばれた慧音と妹紅が目を覚ますと、神社の境内にいた。
目の前にはあの異変で壊れた……いや、壊した神社があった。
背後から凍てつくような声が聞こえる。

「どうしてくれるのかしらねぇ、これ」

二人は油を差してやりたいと思うくらい、ぎこちない動きで後ろを見てみると腕組みをして立っている霊夢がいた。
その表情を言葉で形容するならば、まさに修羅と言えるだろう。
兎に角、二人は涙を流しながら謝り続けた。
地に額をつけて平身低頭で謝り続けた。
しかし、泣いて謝っても神社は元に戻らないし、霊夢の表情は変わらなかった。
覆水盆に帰らず、とはよく言ったものだとは思うがそれに感心しているところではなかった。

「本当だったら魔理沙やアリスたちも言いたい事たっくさんあるんだけれども、被害に遭った奴らを代表して、私があんたらにたっぷりとお返しをしてやるわ」

霊夢は拳の骨を鳴らしながら怒気を孕んだ声で言う。
懐にあるスペルカードを取り出して、宣言する。

「神技『八方龍殺陣』!」

……その後霊夢に残機を0にされるまで、ピチュられ、ボコられた二人はこの異変の後始末をするために幻想郷中を回ったそうな。
いろいろ壊れた。

最近慧音先生がマイブームと化してきたので一本書いてみるか、と思ったら……なんでぶっ壊れたんだろう。いや、ぶっ壊したの間違いかな。

それでは、こんな拙い話でしたが、また次の話でお会いしましょう。
suraime
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