今日は朝からあいにくの曇り空だ後半刻もしないうちに雨が降るだろう。こういう日は家で読書に限る。
カランカラン
「いらっしゃい。」
今日初めての客か客じゃないやつが来たみたいだ。僕は読んでいた本にしおりを挟みドアの方に顔を向けた。
「霖之助さんいる。」
来たのはアリスマーガトロイド数少ない香霖堂の上客だ。
「今日も、服の材料かい。」
「今日は材料だけでなく裁縫道具もいただけるかしら」
「ちょっと待ってくれ今持ってくる」
僕はそう言って倉庫に向かった。倉庫に入ってみると今まで掃除してなかったためか物でいっぱいになっていた。
「こりゃまずいな」
僕は勘定台に向かって叫んだ
「アリス、すまないが後からまた取りに来てくれないか。見つけるのに時間がかかりそうだ。」
「そうなの。どれくらいかかりそう。」
「そうだな、半刻かかるくらいだと思う。」
「それくらいなら待ってるわ。」
「すまないが、そうしてくれると助かる。お茶やお菓子は勝手に食べてくれてかまわない。」
「分かったわ。」
さて、急いで探すか
やっと見つけた。こんな奥にあるとは思っていなかったな。倉庫から出ようとすると雨が降っていた。
「しまったな。」
急いで部屋に戻った。
「アリスいるかい。」
「やっと戻ってきた。遅いから雨が降ってきたじゃない。」
「すまない。」
「雨がやむまで雨宿りさせてもらうわね。」
「分かった、今お茶を用意しよう。紅茶の方がいいかい。」
「じゃあ、紅茶をお願いするわ。」
お茶を用意して僕はいつもの指定席に座りさっきまで読んでいた本をとった。
「霖之助さんっていつも本を読んでいるわね。」
「そうかな。君もいつも本をもっているじゃないか。」
そういってアリスの持っている本を指差した
「ああ、これね。これは母からもらったものなのよ。」
「お母さんにかい。」
「ええ。」
「お母さんは幻想郷にいるのかい。」
「ううん、母は魔界に住んでいるの。そして姉妹もそこにすんでいるわ。」
僕は魔界というのを本の情報でしか知らなかったためとても興味がわいた。
それから僕は魔界のことについてアリスに教えてもらった。魔界の神様についてや魔界の街などについてそして魔界にいる姉妹について。何故だかわからないが母親については話さなかったが姉妹の話と神様の話のときはアリスがとても楽しそうだたので考えることもないだろう。
あれから1週間ほどたったが魔界のことが気になってしょうがない。この僕が自主的に動こうとするほどだ。
「仕方ない図書館に訪ねてみるか。」
少し前に魔理沙から聞いていて行ってみたいと思っていたしちょうどいいだろう。
長い道のりを歩きやっとたどり着いた。
「こんなに遠いとは。」
門の前に門番がいるから尋ねてみるか。
「すまないが…」
寝ていた。こんなことでいいのかなと疑問に思っていると門の奥からナイフが飛んできて門番に命中した。門番は盛大にピチュった。
「あら、霖之助さん紅魔館に要がおありで。」
「ああ、咲夜か。いやなに図書館で調べ物をしたいんだがよかったかな。」
「図書館はパチュリー様の管轄なので確認してきます。」
そう言うと咲夜は目の前から消えた。
「急に消えるのはやめてほしいな。」
そう呟いていると
「盗みを働かなければいいそうです。では、案内するのでついてきてください。」
僕は咲夜に連れられて長い長い階段を下りて行った。
「こちらになります。」
「ああ、ありがとう。」
僕は大きな扉を開けて中に入った。
「うわ~。」
あまりの広さに声を上げてしまった。
「あなたが霖之助ね。」
「そうだが、君がパチュリーかい。」
「ええ、そうよ。」
この人がこの図書館の主らしい。
「それにしても広いな~。地下がこんなに広いとは思わなかった。」
「これは、咲夜に空間を広げてもらっているの。それで、何を調べに来たの。」
「魔界についての本なんだがあるかい。」
「あるわよ。こあ、ちょっと来て。」
「はーいなんですか。」
「霖之助に魔界について書いてある本を出してあげて。」
「わかりました。」
「私は部屋の中心で本を読んでいるからなんかあったらきなさい。」
「ああ、そうさせてもらう。」
「では、ついてきてください。」
「ああ」
「霖之助さんは魔界のどのようなことを調べたいのですか。行っていただければ私が選びますけど。」
「僕は魔界への行き方が知りたいんだ。頼めるかい。」
「わかりました。少し待っていてくださいね。」
数分経って小悪魔が帰ってきた。
「行き方についてはこの3冊ですね。では、パチュリー様のところへ戻りましょう。」
じっくり時間をかけて僕は本を読み終えた。そこで分かったことは、魔界へは神社の裏から簡単に行けるということ。
「今日は急に悪かったね、また後日お礼に来るよ。」
「別に気にしなくてもいいわ。」
「それじゃあまた。」
「ええ、また。」
香霖堂に戻ってきて僕は魔界に行く準備をした。準備といっても、護身用の霊夢特製のお札と威力はかなり小さいが誰でも打てるように改良した八卦炉をかばんに入れるだけだが。
「よし、準備もできたし明日に備えて寝るか。」
翌日、予定どおり魔界へ行くために神社の裏の洞穴に向かった。洞穴には古びた石板があった。
「ここか。確か石板の中心の珠に霊力を注げばよかったはずだ。」
珠に手を当て霊力を注いだ。その瞬間体がひっくり返り地面にたたきつけられた。
「痛いな。」
起き上がるとそこは広い草原が広がっていた。
「着いたのか。」
想像していたものとは全く違っていた。僕は仕方なく草原を歩いていると人影を見つけた。近づいてみると声をかけられた。
「おまえ、どっから来た。こっから先は魔界だ!」
彼女の後ろには洞窟があった。そして魔界に来れた喜びで警戒している彼女に近づいたため弾幕を打たれ僕は意識を失った
↓
では、案内するので