Coolier - 新生・東方創想話

オノマトペ祭 ~一輪さんがお母さんなら村紗さんはお姉ちゃんだね

2012/03/21 00:38:17
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場所 命蓮寺の浴場
出演 一輪 村紗 星
状況 村紗は湯船 一輪は洗髪






 ザァァァァァァァァァァァァァ
 キュ、キュ プシュプシュ 
 ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ



「一輪」
「なぁにー」
「雲山は?」
「今日は貴方といっしょだから外に居るわよ」
「そっか」



 チャポチャポ
 ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ

 

「え、じゃあさあ」
「うん?」
「いつも一緒に入ってるの?」
「そうよ。湯船には浸からないけど、あったかい蒸気が気持ちいいんだって」
「ふーん」


 

 ワシャワシャワシャワシャシュッシュッシュッ



「長い髪ねえ。洗うの大変そう」
「慣れるまではね。特に毛先は丁寧に洗わなきゃいけなくなるし」



 シュッシュッシュッ
 ペチ ペチ



「あれ?」
「蛇口もうちょい左」
「……ん、ありがと」



 キュ、キュ、キュ
 ザアァァァァァ
 



「はぁーあったか」
 チャポチャポ


 ザアァァァァァ バシャ バシャ
 キュ、キュ プシュプシュ
 ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ




「今日の晩ご飯なんだろ、って一輪、それシャンプーだよ?」
「えぇ」




 ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ




「二回洗うの?」
「一回目は汚れを落として、二回目は匂いをつけるのよ」
「へー」
「村紗も女の子なんだから、こういうこと気にしなさいな」
「はいはい。でもリンスも使うでしょ?」
「それはそれで、これはこれなの」
「ふーん、メンドくさ。わかんなくていいや」




 ワシャワシャワシャワシャワシャワシャ




「私よりも」
「うん」
「ナズーリンをどうにかしなよ、一緒にお風呂入ったことある?」
「あるわよ。……まぁ確かにあの子はね」




 シュッシュッシュッシュィッシュィッ




「でも体の凹凸はどうにか出来るものじゃないでしょ」
「え? 髪の洗い方の話だよ」




 シュッシュッ




「あの子、がっしがっし洗うから。私が注意したくらいだからねえ」
「……」
「別にナズーリンの体が貧相な事とか言ってないんだけど」
「……」
「ナズーリンに」
「ごめんなさい」
「あはは、言わないよ」
「……最近、ほら、新しい遊びはじめたじゃない」
「あぁ、人形劇にハマったらしいね」
「だから余計心配で。いつまでも子供っぽいままなんじゃないかって」
「一輪はお母さんじゃないんだから、そんなに心配しなくても星が居るよ」




 キュ、キュ 
 ザアァァァァァァァァァァ
 バシャ、バシャ



「星ねえ……」
「あ、そういえば今日のご飯は星が作ってるよね。何かな」
「……星のカレーは美味しいんだけど」
「…………まさか一輪も経験済み?」
「えぇ………」




 ザアァァァァァァ
 キュ、キュ プシュ プシュ
 


「虎毛がね」
「えぇ、たまにね、たまーに入ってるのよね」
「私、この前黒いの入ってた」
「あら、私は前回黄色いのだったわよ」
「……飲食店だったらあるまじき事だよね」
「まぁたまにだから、多めに見ましょう」





 シュルッシュルッシュル




「リンスの時ってそんな風に洗うんだ」
「そう、頭をマッサージするみたいにね」




 シュルッシュルッシュルシュッシュッシュッ




「そして少し放置」
「ふーん」
「晩ご飯、毛が入ってないといいんだけど」
「何か一輪今日はぶっちゃけるね」
「そう? この間に体も洗っちゃいましょう」




 キュッ ジャァァァァァ キュッ
 


「あれ、新しい石鹸は?」
「あ、そこそこ。シャンプーの後ろ」
「これね」



 カシャカシャカシャモワモワモワモワ 
 ゴシゴシゴシ



「桃の香り……」
「聖が買ってきたんだよ」
「姐さんはセンスあるわね」



 ゴシゴシゴシゴシゴシュゴシュゴシュ




「聖とお風呂入ったことある?」
「えぇ、何度か。綺麗な体してるわよ」
「…………うん」
「大丈夫よ、そういう気はないから」





 ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
 キュ、キュ ザアァァァァァ 
 




「村紗、知ってた?」
「ん?」
「姐さん、ムダ毛生えにくいんだって」
「へー、羨ましい。私も頭洗おうっと」




 ジャバン ペタペタペタペタペタ 
 キュ、キュ ザアァァァァァ




「村紗って幽霊よね」
「うん、それでも生えるものは生えるさ」
「そう。生える幽霊なの」
「まぁね……ていうか聖がそういう話するのが意外」
「意外にするわよ。この前なんかここで足の指の毛の話で盛り上がったから。湯船入ろっと」
「うっわぁ…… なんかすごい嫌だなそれ」

 
 シュルシュルシュル キュ
 ペタペタペタペタ ザポン


「ふぅ」
「私は短くていいや」
「え?」
「髪。そんな風にタオルで巻けないから」



 ザァァァァァァァァ 
 キュ、キュ プシュプシュ
 ガシャガシャガシャ
 



「豪快ね」
「このくらいやらないと洗った気になんなくてさ。それで?」
「え?」
「聖の足」
「なんでこんな所に生えてくるんでしょう、って」
「くっ…… 微妙に似てるし…… ぶふっ」



 ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
 キュ、キュ ザァァァァァァァァァ




「はぁー 気持ちいいわねぇ」
 チャポン



 ザァァァァァァァァァ キュ、キュ
 プシュプシュ ガシャガシャガシャ




「二回目?」
「うん。せっかく教えてもらったし」





 ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ




「ねぇ、一輪。マミゾウさんとぬえってさ」
「うん」
「本当におばあちゃんと孫みたいだよね」
「そうねぇ。仲いいし。マミゾウさんが一歩引いてぬえを立ててるって感じがするわね」
「で、言ったのよ。おばあちゃんと、孫みたいですねって」
「ストレートね」






 ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ





「マミゾウさん、最初は笑ってたんだけどさ」
「うん」
「少しずつ小言になっていって」
「……ふふ」
「最後には説教された。人の嫌がることは言うなって」




 ガシャガシャガシャ




「年寄りって自分を年寄り臭く言うんだけど、他の人から言われると不機嫌になるのよね」
「……一輪、酒でも飲んでるの? だいぶ口がなめらかだね」
「さっき、少しだけね」
「あ、やっぱりそうなんだ。だから蛇口の位置とか見失ってたんだ」





 ガシャガシャガシャ 
 キュ、キュ ザァァァァァァァァァ




「ふぃー 二回もシャンプーするなんてね。もっかい湯船入ろ」
「さっき聖と一緒に飲んでたのよ。珍しく誘われちゃって」
「へぇ、聖から夕飯前に。確かに珍しいね、なんか相談されたとか?」



 ペタペタペタペタ
 ザッボーン




「こら、飛び込まないの」
「おっきいお風呂の醍醐味だって。それで?」
「相談されたのよ。響子のことで」
「あ、聖っぽくやって」



 チャポチャポ
   チャパチャパ




「あのー 響子ちゃんのことね。確かに私は挨拶が大切と言いました」
「おぉ、似てるな」
「でも…… 毎朝部屋に入ってくるときにあの大きな声で挨拶されると…… びっくりしちゃってしょうがないんです」
「一輪、楽しくなってきてるでしょ」
「それとなく伝える方法は無いでしょうか、一輪」




 チャポチャポ
   チャパチャパ





「で、どうしたの」
「何とかしますって言っといたわ」
「……何とかって?」
「聖はそこまで年を召していませんから、もう少し小さい声でも聞こえてますよって響子に伝えといたわ」
「一輪は飲ませるとえげつない毒を吐く…… メモメモ」




 チャポチャポ
   チャパチャパ

 



「今度さ」
「うん」
「聖をお風呂に誘ってみるよ。なんか面白そう」
「天然だからね。何が飛び出してくるか分からないわよ」 
「一輪、今度の宴会で聖の真似やってよ」
「えー?」




 チャポチャポ
   チャパチャパ





「オオウケだって」
「姐さん、どういう反応するかしら」
「多分あらあら、って感じでその場では笑うけど、その後半泣きになりながら星とかマミゾウさんに相談する感じ」
「うふふ、リアルね。それ」




 チャポチャポ
   ザバァッ




「さて出ようか」
「あら、リンスは?」
「お腹空いちゃったしいいや」
「もう、不精ねぇ。そういうのは男の人から見たらどう思われるんでしょうね」
「そんな見る人いないって。……あ、一輪はそういう人いるってこと?」
「……居ないわよ」
「そか……」


 ペタペタペタペタペタペタペタペタ
 ガラララ



「あったまったあったまった」
「髪はすぐ乾かさないとダメよ? 傷んじゃうから」
「はいはい、お母さん」



 コンコン
 ガラガラガラ


「はいりますよー あ、やっぱり二人ともココでしたか。晩ご飯が出来ましたよ」
「あ、じゃあ急いで髪乾かさなきゃ」
「私はめんどいからいいや。星、今日のご飯カレー?」
「え? 違いますよ」
「そっかそっかー じゃあなに?」
「クリームシチューです」
「……ふぅん。じゃあ急いで着替えていくから……」
「はい、準備しておきます」



 ガラガラガラ









「……ほ、ほら」
「……」
「一輪、カレーより毛が入ってるの見つけやすいから」
「そういう問題じゃないでしょ」










『一輪さんがお母さんなら村紗さんはお姉ちゃんだね』
終わり
先日、憧れていた女性がエグくて肉々しい話をしていたのを聞きました。
わたしはにじげんにいきたいとつよくおもいました(せつじつ)

プロットを書いてとっかかったのはいいけど放置している作品が7個くらいあります。RPGのラスボスを倒せないアレと一緒なのでしょうか。

ここまで付き合っていただいてありがとうございました
相変わらずオチが見当たらないです
ばかのひ
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コメント



0.1730簡易評価
1.80奇声を発する程度の能力削除
二人らしい会話で面白かったです
5.80名前が無い程度の能力削除
オノマトペがお風呂特有の淡々として静かでありながらも居心地のいい感じを出していて良かったです。
二人の会話も、雰囲気がまとまっていたように思います。
8.80名前が無い程度の能力削除
いい会話だなぁ…
一輪さんがレディで素敵でした
10.70名前が無い程度の能力削除
好かったです。佳作という感じで。別になまなましい印象はありませんでした。むしろ形式的な清清しさ。それでいて微妙に質感もある。マミゾウのせいなのか……!
17.80葉月ヴァンホーテン削除
リアルな会話が上手くキャラクターをイメージさせてくれました。
面白かったです。
18.90名前が無い程度の能力削除
こういうのいいなぁ
22.80愚迂多良童子削除
一輪が良いキャラしてるなあ。
31.100名前が無い程度の能力削除
そうか、村紗は生えているのか…
怖くても知りたくなってしまうガールズトークはまさに禁断の果実ですね
33.70とーなす削除
ううむ、ここまでざっくり描写をそぎ落とすというのいっそ清々しい。
しかし、思った以上に状況を頭に浮かべにくい! 恐らくここら辺は個人差があると思うのですが、私はオノマトペなんかは全然目に入ってこなくてさっぱり状況がつかめませんでした。オノマトペに集中しようとすると、どうしても躓いてしまう。うーむ。
でも面白い発想の作品でした。
40.70ずわいがに削除
星の毛が入ったカレーなら喜んで食わして頂くぜ
49.100評価する程度の能力削除
生える幽霊…ふたn((殴