Coolier - 新生・東方創想話

パチュリー・ノーレッジはどこにいるのか

2012/02/20 20:33:22
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「ようパチュリー!遊びに来てやったぜ!」
「ふむ。ああ。丁度良いところに。なるほど。ふむしかしこれは」
「なんだなんだー。見かけないものもってるなー!」
「とすると、これは個別に身体運動を指定しているわけではなく状況に応じて。ふむ」
「どーれどれどれ一人で楽しんでないでわたしにも見せてみろって、お?お?お?」
「なるほど」
「おいパチュリーわたしの足が勝手に後ろに向かって進みはじめた!?なんの魔法だ!?おおお?!」
「これは。しかし。高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」
「ク、クラークか?いやいやそれより止めてくれ!壁にぶつかる!ぶつかるって!きゃー」
「しかしそうなるといったいわたしが行使しているものはという」
「だからさっきから何いってんだ?いつにもまして会話が成立しないぜ」
「そもそもわたしとあなたが行っていたものは会話であったのだろうか」
「だからさっきから何いってんだ?いつにもまして会話が成立しないぜ」
「この会話の形式は興味深い。というのもあらかじめ条件分けされた
テキストと選択肢があるのか、機械学習により言語体系が形成されたのか」
「だからさっきから何いってんだ?いつにもまして会話が成立しないぜ」
「ふむ。ループ文に入ったわね。ブレイクの条件はなにかしら」
「だからさっきから何いってんだ?いつにもまして会話が成立しないぜ」
「なるほど、こういう構造なら書き換えで対応可能か」
「だからさっきから何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何
何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何……









”パチュリー・ノーレッジはどこにいるのか”









「わたしの貸した玩具は十分楽しんでもらえたかしら?」
「あれは非常に興味深い。興味深いと言えるわ」
「あなたはどこまで理解できたの」
「あなたの式、同じ原理だったの?」
「一見近いようでいてその実は全く違うわね。言うなればサッカーコートの真ん中でやるウイイレ」
「ういいれ?」
「そろそろ一人でやるのに飽きたの」
「しかし、あのネズミ、それに巫女、うちのメイド、何人かの人間では
なぜ書き方を変えたのかしら。あれは非常に疑問」
「役割の問題ね。どちらかというと彼女らのほうがフレキシブルといえる。
反面本人の意思が介入する余地は小さいという考え方もあるけどね」
「あらかじめ全て条件分けされたルート選択による機械学習を『本人の意思の介入』とは。
ふむ。あなたはかなりの皮肉屋なのかしら」
「しかしこの宇宙の発生から順序立てて起こった全てのことと
わたしのプロデュースしている『本人の意思』の間にある差を指摘出来て?」
「あなたは非常に傲慢。全て把握しているといいたいの」
「そういうあなたはもしかしてコペンハーゲン解釈の信奉者かしら。神はサイコロを振らないわよ」
「少なくともあなたは神ではないでしょうに」
「神という言葉について考えた時に」
「ふむ」
「すくなくとも科学技術の概念上での神という言葉について考えた時に。
上位の位相にいる観測者、決定者、あるいは空間のルールというものが神だというのならば
あなたは今、あなたが神だと認識するものと対峙しているという事を否定する術をもたない」
「しかし、『頭の良い妖怪が見かけ倒しの玩具を作って神様ごっこをしている』
という見方も、こちらからの観測結果としてはいまだ有効だと思うのだけど」
「もちろんそれは否定しませんわよ。あなたにとっては話の規模が大きすぎるでしょうから」
「けれどもあなたはどう思われたところで関係ないと」
「そういうこと。さっきも言ったでしょう?一人でやるのに飽きたの。それだけ」
「では、仮にわたしがあなたを信じるとして、聞いてもいいかしら」
「どうぞ」
「あなたが渡してくれたこの玩具をわたしが理解し
わたしがこの世界の登場人物の言動やこの世界のあらゆるものに干渉することが出来た結果
わたしも神、あるいは上位の位相に到達した存在と言えるの?」
「言えないわね。なぜならあなたがさきほどから絶望的な観測のもとで想定している通りに
あなた自身がこの文章の駒の一つに過ぎないわけで、あなたを決定付けるソースというものを
記述した上位の存在によってあなたの行動及び発言が決定されているとしたら
あなたが上位の位相に到達したのかという、その疑問自体も仕組まれたものだと言うことよ。
また仮にあなたがこの世界に干渉出来るようになったとしてもそれもまた
『走らせている途中でソースの中に置いた玩具を使って書き換えが出来るよう書かれた文章』
に過ぎないってわけ」
「ふうん。あなた、本当にfuckね」
「光栄ですわ」
「ではこういう仮定はどうかしら。
本来そのやんごとなき方々がわたしの『ここまで』を決めていたとして
彼らの知らないうちにわたしが特異点を超えていた場合
わたしのそれ以降の行動は彼らの予測の範疇を超え得る」
「何度も言わせないで。最古の爆発から今の今まで、すべての原子の運動が
運動方程式通りに行われていたら、そこに確率統計学などという
低俗なカルト思想は生まれないのよ。猫は生きているか、死んでいるか、二つに一つ」
「ふむ。今気がついた。わたしは意外とロマンチスト。その証拠にあなたがムカつく」
「あなたの怒った顔、かわいいですわね」
「むっきゅり」
「むっきゅり」
「ところであなた自身は、どっちに所属しているのかしら」
「その質問には答えかねるわね」
「秘密なの?」
「というより、答えても意味がない。
八雲紫というソースに干渉するように見せかける道化を用意することは上位位相の存在にとって造作もないし
また八雲紫が実際の実行中に状況によってソース書き換えを行うと予定された存在である可能性もあるわね。
もちろんその全ての真偽を、あなたはここで確認する手段を持っていない。
よって、わたしがわたしの状況を説明したところで、それは何の説得力もないというわけ」
「では最後に聞きたいことがあるんだけど」
「あらあらもう最後?好きなだけ聞けばいいのに」
「わたしの感情はどこにあるのかしら」
「仮に感情が科学的もしくは記号的な要素だとして、それを客観視する術はない。
もし、わたしやあなたがただの記号化された要素の集合体だとしてわたし達のもつ感情や
何かがわたし達に対して持つ感情は、実存しないソースコードへの幻想なのか。
それとも対象物が観測されたとき初めて存在すると言われるように
わたし達は存在しているのか。感情は幻想か、実在か」
「我々の神々も我々の希望も、もはやただ科学的なものでしかないとすれば」
「ふぉろみー。もう聞きたい事、ない?」
「聞きたい事はもうないけど。言いたい事は一つある」
「何かしら」
「魔女は反抗的、かつ科学的、そして魔術的なの。
おとなしく檻の中で餌食べてるのが大嫌いよ。せいぜい注意することね」
「こわーい。それって脅しかしら?ところであなた」
「なに?」
「こわい顔しないでよお。ところであなた、特異点の話してたわねえ。
『最近あなたの夢に出てくる羊って何製』?ふふっ」
「fuck」









「というのが先日の話」
「へえ。なかなか面白い話じゃないか」
「馬鹿にしてるでしょう。言っておくけど本当よ」
「あはは。じゃあ仮に本当だとしよう。それで?」
「あの鼻もちならない創造主面した妖怪金髪ボインに一泡吹かせたくなったの」
「それについては全面同意だぜ」
「それで、わたしはある一つの仮定にたどり着いた」
「どんな?」
「ここにA、B、Cという三つの集合があるとする」
「うん」
「A⊂B⊂CかつC⊂Aとする」
「なるほど。その時点でA=B=Cだな」
「もしA≠B≠Cだったら?」
「馬鹿言っちゃいけない。そういうことをしたら根本が崩れちゃうぜ」
「反抗したいお年頃なの。
それに、もしもA⊂B⊂C⊂D⊂E⊂F⊂なんて世界が無限の広さに続くとして
その端っこの存在だって同じくらい馬鹿げているでしょう」
「むちゃくちゃ言うなあ。ん?電話が鳴っていないか?」
「もし別々の存在A、B、Cにおいて、AはBの中にあり、BはCの中にあるのに
CがAの中にあるなんていう仮定が成り立つとしたら。
この数日で紫に借りたソースを真似して
シミュレーションを作ってみた。小さい幻想郷」
「数日で?恐ろしい魔女だよパチュリーはこのこの」
「むっきゅり。とにかくわたしは、自分をコントロールされるのも
運命を決められるのも、この心を決めつけられるのも嫌い」
「おー。ロックンロールあるいは乙女的なものを感じるぜ。なあ、電話、出なくていいのか?」
「電話。さっき電話したの。『自分で作った下の位相のパチュリー』に」
「おいおい。そんな、まさか。でも。でもおかしいぜ」
「何が」
「時間はどうなるんだ?最初に電話をかけたものと最後に電話をかけたものがいる限り、輪は完成しないだろう?」
「時間。紫の話とわたしの仮定が本当だとしたら、時間なんてものに意味はない。
もしもこの世界が、認識が、幻想だとしたら、時間軸すら幻想にすぎない。
『その時刻という設定された概念の1点においてそういうことが起きた』というソースがあるだけ。
さて、電話に出ないと。楽しみ」
「や、やめろよ」
「ちょっと。邪魔しないで」
「やめろって。電話にでるな!その電話に出ないでくれ!」
登場人物紹介

『パチュリー・ノーレッジ』
高校2年生。
天文部部長(ほかに部員はいない)
クラスでは当初から浮いていたが、早口かつ小声で意味不明な
理系っぽい雰囲気の言動を繰り返し、わたしは違うのよオーラを出し続ける。
しかし1年生の3学期に、彼女の多用するシルフィ・ホルンの定理が
この世に存在しないものであることがクラスメートにばれて以来クラスでは
シルフィホルンさんと呼ばれ孤立。
弁当はいつも部室で一人で食べている。
苦手科目は物理と体育。
ちなみにパチュリー・ノーレッジは科学と魔法を司る闇の眷族としての真名なので
普段は普通っぽい名前で通学してます。

『八雲紫』
天文部顧問。
部室に入るなりパチュリー・ノーレッジにそれっぽいことを言って
それっぽい掛け合いをするのが最近のマイブーム。
パチュリーが学生時代の自分に似ていることから、少し心配している。
先日実家に帰った時に、幽々白書に嵌っていたころの自分の写真を
家族団欒の時に公開されるという拷問を受け、過去の罪を清算する。
おかーさんわたしの部屋の押し入れ勝手にさわんないでっていったでしょー!

『霧雨魔理沙』
高校1年生。
パチュリー・ノーレッジの幼馴染であり、学校で唯一会話をする生徒。
バスケ部に所属し活動的で明るい性格。友達も多い。
しかし学校で孤立するパチュリーのことを心配して、部活の合間に天文部に顔を出す。
まさに天使。
パチュリーの意味不明な言動には毎回困っているが
『なに?』『そんなことをしたらこのセカイは!』『それがやつらの選択か』
あたりを使いまわしてそれなりに対応する。
しかし今回のように独自設定が非常に凝っている場合は
あらかじめパチュリーが台本を打ち出してきたものを使う。
クラスではシルフィホルンさんとつるむのやめなよーと言われても
いやーあははと誤魔化すその姿はまさに天使。
好きな食べ物はコンビニとかでよく売ってるからし入りカニカマ。
キメラ2
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コメント



0.150簡易評価
1.30名前が無い程度の能力削除
学パロ?
2.90名前が無い程度の能力削除
楽しかったです。
3.50名前が無い程度の能力削除
むしろあなたがどこにいるのか。
会話にはハイセンスな面白みがどこかにありそうな気がしたので注視してみましたが、よく分かりませんでした。
物語は、読み取ったら何か恐ろしいことが起きそうな面白みがあるような気がしたのですが、やっぱりよく分かりませんでした。
物語を読むのは作者と読者の共同作業なので、読み手の努力というのも大切だと思うのですが、どうしても文章を読み込もうとしても上滑りするばかりで、良い物語というのは読者が努力をしなくても面白いものだし、読者に考察をする気を起こさせるものだろうと、僕は諦めることにしました。
ただ無言で簡易評価をするのも何なので、ひっそりとコメントを残しておきます。
もう少し説明をしてくれると読み易く、有り難かったかと思います。
4.30名前が無い程度の能力削除
面白かったけど学パロと解ったら一気に冷めた
5.100名前が無い程度の能力削除
この学パロオチは評価
8.10名前が無い程度の能力削除
『頭の悪い作者が見かけ倒しの作品を作って神様ごっこをしている』
9.40名前が無い程度の能力削除
うーん・・・?
14.100名前が無い程度の能力削除
後書きにだけ書かれているのだからその学パロ設定が本筋に何も関係が無いのは明白
添えられた調味料が気に入らないから料理全てを否定するなんて愚かな美食家にはなりたくないものだ

会話のテンポが小気味よかったです
15.100名前が正体不明である程度の能力削除
よかったよ。
16.100名前が無い程度の能力削除
良い感じ
19.80がいすと削除
セリフだけで回していく試みなど、チャレンジではあるのだけれど、やっぱり何だかわかりづらいという結論になってしまった感。
それに拍車をかけてあらすじで謎の学パロ宣言という、奇々怪々に。
多分、これは容量を持って練り込むべきないようだったのではなかろうか、と思わずにいられない。
20.無評価キメラ2削除
>1さん、4さん、5さん、15さん
後書きはなんとなくで付け足しましたけどとくに何も考えてませんでした(とくに思い入れとかもなく)
なんかすみません

>2さん
ありがとうございます

>3さん
ぜんぜん巧く表現できてなかったですね
すみません
本当はもっと厳密に(SF的な意味で)設定して
なおかつもっと隠して書くつもりだったんですけど
実力が伴ってない状態でした
もう少しマシになるように意識して書きます

>8さん
手厳しいですね

>9さん
結構的確な意見かも
やはりキャラ愛がちゃんとないもの書いちゃ駄目かなあとか思いました

>10さん
すみません

>15さん
そう言っていただけると嬉しいです
ありがとうございます

>16さん、17さん
ありがとうございます
伝わる人もいて嬉しいです

>20さん
全体的に自分でも毎回容量足りてないよなあと思いながら書いてるんですが
なかなか文章増やせずというレベルです
アドバイスありがとうございます