Coolier - 新生・東方創想話

吸血鬼探偵

2011/12/27 22:32:18
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幻想郷の湖のほとりに建つ紅魔館。その主である吸血鬼 レミリア・スカーレットは退屈していた。

空間に向かってこの館唯一の、人間のメイドを呼びかける。

レミリア「咲夜」

先ほどまで誰も居なかった空間に、一人の人間が現れた。

咲夜「お呼びでしょうか」

レミリアは小さくため息を吐きながら、口を開いた。

レミリア「最近、平和ね 退屈だわ」

咲夜は微笑をたたえながら、返答する。

咲夜「それはもう」

レミリアは深くため息を吐きながら、咲夜の方を向く。

レミリア「異変とか、誰か起こしてないのかしら」

咲夜は表情を変えることなく、同じ調子で同じセリフを繰り返す。

咲夜「それはもう」

レミリア「もういいわ、それより退屈で一つ、考えてたことがあったの」

咲夜「...」

レミリア「幻想郷には、異変になりきれなかった小異変が数多く生まれているはず そうよね、咲夜?」

咲夜「それはもう」

レミリア「...その小異変は、騒ぐほど大きくなく、無視できるほど小さくない」

レミリア「だがそのような小異変を放っておけば、集まり固まり、やがて真の異変に変異する」

咲夜「...」

咲夜は主の発言をおとなしく聞いているようだった。その心の中で何を思っているかは、本人にしか分からない。

レミリア「日常程度の大きさの怪事件を解決する者 探偵をやろうと思ってね」

咲夜「...となると私は...」

レミリア「助手」

レミリアはごく最近図書館で手に取った本の主人公を真似た口調で喋る。

レミリア「おほん、咲夜君 早速だが、」

咲夜「承知いたしました ただちに」

会話の途絶えた部屋に、再び一人だけの空間が戻る。

レミリア「まだ最後まで言ってないのだけれど...」



                      ~吸血鬼探偵~



幻想郷の東の境に位置する博麗神社。普段から参拝客は梨の礫で、賽銭箱に入るお金は雀の涙ほどもない。

それでも、人並みの欲から、一抹の希望から、また毎日の習慣から、欠かさず賽銭箱の中身の確認は行なっていた。

霊夢「昨日も今日も、来るは妖怪ばかりなり と 妖怪でもいいから、せめて心ばかりなり入れてくれればいいのに」

霊夢「よいしょっと」

賽銭箱の蓋を開ける。特に鍵はかかっていなく、誰でも開けられる作りになっている。

霊夢「あら? これは... あらあらあら これは... 異変だわ」

身を大きく乗り出して賽銭箱の中を覗き込み、中身をかき集めて銭勘定を始める。

霊夢「すごい...十万円以上あるわ でも...」

化かされた金でないことを確かめるため、札の一枚を取って、端の方を少しだけちぎる。

霊夢「狸の悪戯じゃないわね 全部本物のお金のようだわ」

霊夢「うふふ、これは予想だにしなかったまさかの臨時収入ね♪ 日頃の異変解決の賜物かしら?」

?「なんだ?誰も奉納してくれないから、入れるものに事欠いて自分を奉納か?」

霊夢「その声は魔理沙ね?あんた、私の神社に来る貴重な人間なんだから、たまには気持ちくらい持ってきてよね」

魔理沙「わかった、今度いいものがあったら持っていくぜ」

霊夢「持っていくな!」

魔理沙「それより、なんでそんなに賽銭箱を覗いてるんだ?ちょっと私にも見せてくれ」

まずい 魔理沙がこっちに来る。

こんな大金が賽銭箱に入っているところを見れば、たちまち魔理沙はその金で宴会を開こうとするだろう。

これはどこかの誰かが、神頼みに使ったお賽銭。神様へのお金は神社へのお金、神社へのお金は巫女へのお金。

あわててお札をまとめて、とりあえず袖の中に隠す。小銭も全部隠したいが、空の箱に突っ込んでいるところを見られれば、

何のために箱を覗きこんでいたのかと、怪しまれるだろう。

魔理沙「どれ、どんな面白そうなものが」

都合の悪い客人が、賽銭箱を覗き込む。

魔理沙「おお、これは異変だな」

箱の中には、数種類の銀色の硬貨が数枚入っていた。

霊夢「そ、そうなのよ、賽銭箱を開けたら ほんと、びっくりだわ」

魔理沙「今日の晩御飯のおかずが増えるな」

霊夢「? ええ、まあ、多分そうね」

魔理沙「一人じゃ食べ切れないだろ?手伝ってやろう」

霊夢「  はぁ...  」

魔理沙「ここに来れば必ず和食が食べられるからな ほら、いつまでも俯いてないで顔を上げろよ」

霊夢「たまには魔理沙のほうから誘ってよ」

魔理沙「まぁ、それはそのうちにな」

──晩──博麗神社──────────────
主人が料理の準備をする。その後ろで、客人が茶碗を叩いて催促する。

魔理沙「おーい、まだか」

霊夢「もうちょっと! 少しぐらい手伝ってってば」

魔理沙「わたくしはお客様ですわ」

霊夢「はい、お待たせ」

魔理沙「待ちかねたぜ って およ?」

霊夢「お客様、ご要望の和食をお持ち致しました」

魔理沙「私が思ってたのとちょっと違うんだけどな...もっとこう、オプションが...」

霊夢「まぁ、それはそのうちにね」

────────────────────

霊夢「あんたって西洋風の見た目なのに和食派なのよね? どうして?」

魔理沙「昼に言っただろ? ここに来れば和食が食べられるからさ」

霊夢「??... 答えになってないわよ」

魔理沙「なってるさ」

時刻の上ではまだ夕方だったが、暦の上では冬至が近づいており、空を見ると既に闇が空を包んでいた。

魔理沙「お、もうこんな暗くなってきたな それじゃ、そろそろ御暇させてもらうかな」

霊夢「あら、そう? 寒いし、風邪引かないようにね」

魔理沙「へへ、気遣いありがとな それじゃ」

黒衣の少女は、巫女に見送られながら箒に乗って森の方角へ飛んでいくと、暗闇に紛れてすぐに見えなくなった。

霊夢は、周囲に誰もいなくなったことを確認すると、そそくさと部屋の中へ戻っていった。

霊夢「うー さっむい 今冬はきっと厳冬になるわね 雪女に気を付けないと」

霊夢「でも」

箪笥の引き出しの中には、今日の昼の異変の結果が収まった袋があった。中身を開けて、無事を確認する。

霊夢「懐はあったかいわ」

霊夢「今年の冬は暖かく過ごせるわね」

霊夢は、引出しの中にお金が確かにあることを確認すると、その日は安心して床に就いた。

──翌日の早朝──博麗神社──────────
霊夢「ない」

昨日の夜、寝る前に確かにあったお金が袋ごとなくなっていた。

部屋中探しても、どこにも見つからなかった。

霊夢「神も仏もない...」

霊夢「まさかこんなことになるなんて、わかってたらパーッと使ってたのに... いったい誰が...」

お金のことを自分以外に知っているのは、魔理沙だけ 必然的に魔理沙が唯一無二の犯人となるのだが...

霊夢「魔理沙は、泥棒稼業してるけど、人のお金まで盗むような賊じゃないし...」

霊夢は外に複数の気配を感じた。警戒しつつ障子を開ける。

レミリア「お困りのようですね お嬢さん」

霊夢「あん?」

咲夜「レミリア様は、今回の事件の被害者であるあなたの証言を必要としています」

霊夢「何?また探偵の真似事? 今お取り込み中よ あんたらの遊びに付き合ってられないの 帰った帰った」

レミリア「何よ、つれないわね せっかく助けになってあげようってのに」

霊夢「まだ何も言ってないんだけど?」

レミリア「だから、今から聞かせて頂戴」

霊夢「...賽銭泥棒」

レミリア「...うん?」

咲夜「証言は出来る限り正確にお願いいたします」

霊夢「嘘じゃないってば!」

咲夜「そうではなくて、もっと具体的に ということです」

───────────────────────

霊夢「...ということなのよ」

レミリア「なるほど、これは事件の匂いがするわね」

咲夜「お嬢様、それはまぎれもない事実です」

レミリア「でしょう?そして犯人は必ずどこかに居るのよ」

咲夜「その通りです。お嬢様」

霊夢「本当に大丈夫かしら...不安だわ...」

レミリア「大丈夫よ、霊夢 この事件は私がさらりと解決してやるわ!」

霊夢「本当に不安だわ...」

レミリア「ふむ」

縁台に座り、探偵は思索する。

レミリア「賽銭箱の中身を知っていたのは、霊夢と魔理沙だけ」

レミリア「夜寝る前にあったお金は、朝にはなくなっていた」

探偵は、得意気な顔で霊夢に向かって叫ぶ。

レミリア「なら、魔理沙が犯人よ!」

魔理沙「とんだ濡れ衣だな」

レミリア「わ!」

不意に神社の裏からモノクロ魔が顔を出した。

魔理沙「私はそんなことする人間じゃないぜ 泥棒なんてそんなまさか」

レミリア「いつから聞いてたの?」

霊夢「あんたまで来るとか...話が余計こんがらがるじゃない」

咲夜「パチュリー様の前でも同じ事を言っていただければ嬉しいのですが」

魔理沙「それは悪かったな でも、私は盗んでなんか無いぜ 小銭程度じゃ、私の心は誘惑されない」

レミリア「小銭? 霊夢、入ってたお金って全部小銭だったの?」

霊夢「いえ、お札と小銭が混ざってたわ」

魔理沙「お札なんて入ってたのか?私が見たときには小銭が数枚あるだけだったぜ」

咲夜「おかしいですねぇ 二人の発言が食い違っているようですが」

レミリア「二人とも、もっと詳しく話して頂戴 正しい結果は、正しい過程からのみ導きだされるのよ」

霊夢「隠したの!」

レミリア「もっと詳しく!」

霊夢「私が賽銭箱を開けたら、お札と小銭がたくさん入ってたの お札は15枚くらいだったと思うけど。それで、こんなこと今までなかったからびっくりして、思わず賽銭箱の中を覗きこんで確かめたのよ。そしたら魔理沙が急に来て、こっちへ近づいてくるから、見られないようにお札を袖の中に隠したの!」

レミリア「それはさっきの証言になかったね どうして言わなかったの?」

霊夢は気まずそうに、少し顔を赤くして俯いた。

霊夢「それは...」

笑いながら魔理沙が言う。

魔理沙「強欲と虚偽か 悪い癖だな」

咲夜「お嬢様はまだ新米ですから できるだけ困らせないようにしていただければなと」

レミリアがわずかに表情を曇らせるが、すぐ元に戻る。

レミリア「そう、それなら二人の証言が食い違ったのも納得」

魔理沙「ところで、その袖に隠してた札は、いつしまったんだ?」

霊夢「昨日、その賽銭箱を覗いたあと、神社に戻ってすぐに引き出しへ」

レミリア「やはり引き出しを開けたのは霊夢本人だけ。魔理沙はさっき、『でも、私は盗んでなんか無いぜ 小銭程度じゃ、私の心は誘惑されない』と言っていた。これは、小銭しか入っていなかったからこその証言。 もし、お札も入っていたことを知ってたとしたら、こうは言わないはず」

レミリア「困ったわ... こうなると、容疑者が消えてしまった うー...」

霊夢のボルテージが、少しずつ上がっていく。

霊夢「どうしてくれんのよ さんざかき回しといて、分かりませんでしたじゃ済まさないわよ」

レミリア「そ、そうよ! 犯人は、必ず現場に戻ってくる そういうものなの 座って待ちましょう、ね?」

魔理沙「ずり落ちてきてるぜ」

──数刻後──────────────────
霊夢「来ないじゃないのよ!」

魔理沙「こんなのんびりしてたら時効になっちゃうぜ」

レミリアはこの数刻、ただ足を投げ出して、ぶらぶらさせていただけだった。

レミリア「考えてはいるの だけど、何かが足りなくて 形にならないのよ」

咲夜「そういえば」

咲夜に三方向からの視線が集まる。

咲夜「誰が賽銭を?」

咲夜「こんな大金を博麗神社に入れるなんて、誰がするのでしょうか」

魔理沙「確かに」

魔理沙「消えたことよりも、そっちのほうがよっぽどミステリアスだな。」

レミリア「誰が賽銭を...」

投げ出していた足を組み、左手を口元に、右手を左腕の内肘に持って行く仕草。
レミリアは本当に考える時は、いつもこの仕草をする。

魔理沙「お」

霊夢「ん?」

魔理沙「急上昇だ」

彼女の中で、今回の事件のピースが組み合わさり始める。

レミリア「賽銭を入れることが可能だった人物... 賽銭を入れた当人... 入れるに値する理由... その夜に盗まれた...ということは」











パズルが組み上がり、事件の全景が露わになる。

不意に立ち上がり、3人の正面に立ちはだかる。

レミリア「やっと分かったわ 今回の事件の犯人が」

人差し指がすらりと伸び、犯人の顔を指し示す。

レミリア「犯人は、あなただったのね」









レミリア「十六夜咲夜」

咲夜「私が犯人 というのですね?」

レミリア「ええ」

咲夜「では、説明していただきましょう そう思った理由を。」

レミリア「今回、博麗神社に奉納された賽銭は、やけに高額だった。 気まぐれで入れるような金額じゃない。 これを誰が入れたのか、それが一番重要だった。」

レミリア「めぼしい人妖たちで、これほどの奉納が可能であろう者は、人里の歴史教師や、稗田家、あっちの神社くらい。だが、彼女らには、黙ってこんな高額の奉納をする理由がない。 もし行うとすれば、失礼のないように手紙を付けるなり、本人に直接会うだろう。」

レミリア「...貴方には、彼女達と同等くらいの金銭的余裕があった。貴方への毎月の給料に対して、貴方の私的な買い物の頻度は奇妙なほど少ない。十分な貯蓄があって、今回の程度の支出など、余裕だった。」

レミリア「そして、貴方が、奉納をした理由。それは、宴会をするため。私が、最近退屈して探偵をやると言ったのを聞いて、貴方は、宴会をするべきと解釈した。それで、黙って奉納をした。 このお金で宴会をしろと陰に霊夢に伝えた。直接言って渡せば、図々しい奴と思われかねなかったから。紅魔館の沽券に関わると思ったから。だけど、残念ながら伝わらなかった。」

レミリア「霊夢は、そのお金を、自分一人で独占しようとした。これではせっかくの貴方の計画が崩れてしまう。そこで、彼女が寝静まったところを見計らって、侵入、回収した。」

レミリア「そうすれば、霊夢は困る 貴方は、霊夢が起きて、賽銭の消失に気づく頃に合わせて、私を連れてきた。霊夢は困っているから、誰であれ相談に乗ってくれるなら口を開く。」

レミリア「そして、自主的にしろなんにしろ、事件に関わった者が集まり、探偵を望んだ私が事件の真相を暴くことになる。結果、貴方は私を、私自身が望んでいた探偵として行動させることにも成功した。」

レミリア「これが、今回の事件の真相 違うかしら?」

咲夜「...その通りです、お嬢様。」

魔理沙「ほへー、助手兼犯人だとは 演者が足りなかったんだな。」

レミリア「探偵物は、常に世間の予想を一段超えて裏切るもの このくらいは予想の範疇」

霊夢「なにえばってんのよ あんたはその犯人の手のひらで転がされてたようなものじゃない ...まぁ、解決してくれたのは感謝するけど。」

魔理沙「霊夢がお礼を言うなんて珍しいな。 雨が降るぜ。」

レミリア「恩を仇で返してもらっては困るわ。」

霊夢「あ、そうだ 咲夜! 賽銭! 全部返して!」

咲夜は封筒を霊夢へ向けた。

咲夜「はい、こちらにちょうど 十三万四千百円」

咲夜「ちょうど」

霊夢「早くってば しばくわよ!」

咲夜「返したいのはやまやまなのですが、探偵は稼業ですので、代金が発生いたします。」

レミリア「え?」

霊夢「え?」

咲夜は封筒から、一枚の紙とペンを取り出した。 紙にさらさらと書き込んでいく。

咲夜「まず、今回の調査料金がかさみまして、依頼代金、助手の給料、交通費、機密黙秘費、雑費、はらほろひれはれ」

霊夢「え?え?」

混乱する霊夢に、咲夜は伝票を突きつけた。

咲夜「もろもろ合わせて 今回の解決費は、ちょうど十三万四千百円となります。」

固まっている霊夢の前にに、咲夜は封筒を差し出す。

咲夜「まずは、お返ししますね」

踵を返して、封筒は咲夜のもとに戻る。

咲夜「そして解決費十三万四千百円、確かにお預かりしました。」

レミリア「咲夜 あなた悪魔ね...」

咲夜「本物にはかないませんわ。」

霊夢「そんなあ... せっかく戻ってくると思ったのに...」

咲夜「お嬢様、それでは参りましょうか。」

レミリア「え、あ、そうね。 これで事件は一応全て解決したからね」

咲夜「めでたしめでたし」

霊夢「めでたくなーい!」

咲夜「ところでお嬢様、お嬢様はなぜ探偵を始められたのでしたっけ?」

レミリア「それは、えーと、退屈だったから」

咲夜「ですから、明日は久しぶりに宴会でもしましょうか」

そう言うと、咲夜は封筒を賽銭箱へ差し入れた。二度目の奉納。

咲夜「さあ、紅魔館へ戻りましょうか。 それから、皆様に宴会のお知らせをしなければなりませんね 開催場所の人が」

レミリア「そうね、それと咲夜、私の探偵はボランティア主義だから」

霊夢「結局こうなるのね...」


   記念すべき一度目の事件が、すべて助手の手の中で回っていた予定調和だったこと。

   自分より、助手の方が賢かったこと。

   ピンチのさなかの、助手の発言がなければ、解決できなかったこと。

   レミリア「犯人は、必ず現場に戻ってくる そういうものなの」
   探偵になるきっかけとなった小説の主人公の決め台詞を真似たもの

   その犯人が、すぐ隣の助手だったこと。

   お嬢様は、従者へのいろいろと複雑な思いの中、宴会の場で助手に向かって、
   やっぱり探偵をやめることを宣言するだろう。


─翌日の午前──博麗神社───────────
冬に突発で開催した割には、多くの人妖霊神が数十人ほど集まった。

──会話その1────────────────

魔理沙「急に入った金は、急に使わなきゃ、すぐ回って流れていくんだぜ」

霊夢「だって、あんなに入ったこと今まで無かったんだもの。ゲリラ豪雨だわ」

魔理沙「砂漠にな。 知ってるか?乾ききった大地に大量の水が来ても、染みこまないでそのまま去っていくんだ」

──会話その2────────────────

アリス「色付きの雪?」

にとり「そうそう、降ってる雪が七色に変化してるとこを見たのさ 地面に積もった後も色が残ったままでね」

美鈴「春には、七色の綺麗な雪解け水が川を染めるんでしょうか? 素敵ですねー」

アリス「なんだかサイケデリックね...」

──会話その3────────────────

神奈子「うちの早苗ほど、働き者の神はいないね 本人の考えるところはともかく」

紫「あら、うちの式『神』も負けませんわよ」

雛「私だってくるくるくる~、っと皆の厄を集めているんだけどー」

小町「皆働き神だねえ。 そんなに働いてばかりいたら、過労死してしまうよ。 私の仕事を増やさないでおくれよ?」

──会話その4────────────────

昨日の事件の主役と、その隣人は、事件がなくとも常に共にある。

咲夜「昨日はお見事でした」

レミリア「まぁ、ね」

咲夜「せっかくですから、もっと楽しみませんか?」

レミリア「咲夜」

咲夜「はい」

レミリア「助手を、解任するわ」

咲夜は、安堵した。

咲夜「そうですか、でしたら」

レミリア「ひとまずは、一人で歩いて行くの」

咲夜「うん?」

咲夜の安堵は、たちまち疑念に変わった。

レミリア「今回の一件で分かったわ。 探偵はやっぱり面白くて」

咲夜「あの、お嬢様?」

レミリア「次からは、『天然物の事件』を『自分の足で』解決したいわ。 幸いにしばらく冬だしね。 日差しも弱いし、降雨の心配もないから」



元助手は、館のある方向を向き、

咲夜「近年は暖冬の心配もあるみたいですけどねぇ...」と小さくつぶやいた。

その後、しばらく湖の周囲に雨が降り続けたのは、わりとすぐ後のお話。


                                              
吸血鬼探偵 :;完





Extra

 霊夢「うー さっむい 今冬はきっと厳冬になるわね 雪女に気を付けないと」
 咲夜「近年は暖冬の心配もあるみたいですけどねぇ...」
天気・気候を予想するのは非常に難しい。もし、天候を自在に操る者がいたとすれば、種族に関係なく相当な力を持っているだろう。
※比那名居天子は天候を操れません。あしからず。


咲夜が奉納した額は、134100円。「いざよい」の語呂合わせになっていました。
しかし、その奉納金には複数の額の札と硬貨が混ざっており、
お札が16枚 硬貨が8枚で構成されていました。
こちらも16と8で、漢字の「十六夜」の語呂合わせとなっており、
ひらがなと漢字の、二重の語呂合わせとなっていました。


レミリア「もういいわ、それより退屈で一つ、考えてたことがあったの」
実はレミリアは、二つ考えていた。 メインの話題とサブの話題を。
咲夜の反応によって、どちらを話すか決めていたのだ。
しかし、咲夜の反応がよろしくなかったため、レミリアはサブの話題を出した。

咲夜の反応によっては、物語は大きく歪曲した。 
もう一方がどのような物語だったかは、時間が戻りでもしなければ確かめることはできないだろう。
初めての投稿となります 感想、指摘などよろしくお願いします
特に、セリフの前にキャラの名前を書く手法について是非をいただければなと
巻き毛猫
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コメント



0.320簡易評価
1.20名前が無い程度の能力削除
紙芝居形式は止めた方が良いですよ
2.70名前が無い程度の能力削除
好きな物を好きなように書けばいいと思うよ
3.90名前が正体不明である程度の能力削除
えっと…
個人的には台本形式はもう新難題に入れてもいいくらい難しいと思いますが、
(書いたことないからわかんない)
キャラ名は省略してもいいと思います。
(例)ルーミア「そーなのかー」 → ル「そーなのかー」
あとEXは正直蛇足でした。
でも話は面白かったので、次回作も期待して待ってま~す!
4.無評価作者削除
とりあえず、知人にも、台本形式がよくないことを聞きました。
あくまでも「短編小説」の形式をとれと言うことで

次回も頑張ります
ありがとうございました!
6.無評価名前が正体不明である程度の能力削除
おっと、一ついい忘れていた。何度もすまないね。
では。
「想創話にようこそ!」
11.100名前が無い程度の能力削除
最近の人たちは「面白かった」という評価よりも、作者の欠点を指摘してきます。

今回も書き方がどうのこうのなっていますが、私個人の意見では読みやすくてよかったですよ。

書きたいように自由になさってください。一番に見るべき内容を評価しない方々が増えていますが…頑張ってください。
14.60楽郷 陸削除
「咲夜が奉納した額は、134100円。「いざよい」の語呂合わせになっていました。」という遊びは面白いと思ったのですが、真相を明かす前、最初に霊夢がお金を見つけたときに134100円と明記していれば伏線にもなってさらに面白くなったと思います。