Coolier - 新生・東方創想話

八雲式すごろく

2011/12/14 02:35:01
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「すごろくしましょうよ。」
「・・・・・・は?」

 あまりに唐突だったので、霊夢は間抜けな声が出てしまった。








  八雲式すごろく








「しかし、なんだな。妖怪でもこんな遊びに興味があるのか?」

 もっともな疑問を言う、魔理沙。

「暇なんだよ皆。」

 これまたもっともな意見を言う、萃香。

「私は忙しいですよ。新聞とか新聞とか捏造とか。」

 最後に、とんでも無いことを文が言う。

「すごろくなんて、いつ以来かねぇ。」

 少し感慨深げな、小町(サボタージュ中)。

「凄く変なメンツだけど、まぁ問題無いわね。」

 うんうんと頷く紫。

「いいから帰れ、今すぐ。」

 アフタヌーン グリーン ティータイムを邪魔された霊夢が怒りの声。

「すまない霊夢。だが、あとが面倒になるよりも、サクッと終わらせたほうが精神的に楽だぞ。」

 主の迷惑を詫びる、式の藍。

「じゃあ、早速やりましょうか。」

 紫がスキマから、すごろくのボードを取り出した。

「じゃーん。徹夜で作った、八雲式すごろく2号です。」
「「・・・・・・・。」」

 徹夜でギラついた目を爛々と輝かせながら、すごろくを取り出した。

「普通だな。」
「紫。擁護できないよソレ。」
「ネタにすらなりませんねぇ。」
「手作りって感じで、えっと、良いとアタシャ思うよ。うん。」
「帰れ。そして下手糞。」

 ボロクソである。普段は飄々としている紫が本気で涙目になる程。

「酷い・・・頑張ったのに。で、でもっ!普通のすごろくとは違うのよ!」

 バシバシとすごろくボードを叩きながら、プレゼンを開始する。

「見なさい。このマスを。」
「全部空白じゃないか。それじゃあ、すごろくにもならないよ。」

 萃香が、マジマジと見た後に告げる。そう、マスは全部空白だったのだ。

「藍。アレを。」
「え?紫様懐に入れていたじゃないですか。」
「あ、そうだった。頭がボーッとしてるわ。」

 ごそごそと何かを取り出した。

「「カード?」」

 場にいる全員がハモり、プレゼンは続く。

「えぇ、マスに止まるたびにカードを引いてもらいます。そして、その内容に従うこと。例えば、1マス進めとか、戻れとかね。」
「普通のすごろくと変わらないじゃないですか。」

 文がすかさず突っ込みを入れるが、紫はノンノンと人差し指を振る。

「もちろん、普通の内容もあるけど・・・・例えば・・・。」

 カードを適当に1枚引いて、内容を読み上げた。

「十六夜咲夜の3サイズを測ってくる。」

 その場の全員に電流が走ったのだった。






 結局、傍観を決め込んでいた霊夢も強制参加で、すごろくが開始された。マスは全部で60マス、理論上、6の目が10回出ればゴールできるわけだ。
 順番だが、霊夢>魔理沙>萃香>文>小町>紫に決まった。藍は、審判役。

「博麗の名にかけて、私は勝つ!」
「紫、変な声マネやめてくれる?(怒)」
「いいから、さっさとやろうぜ。」

 霊夢がサイコロを投げる。出た目は2。

「んー・・・進まなかったなぁ・・・。で、これ引くのよね?」
「そうそう、ズズイと引いてちょうだいな。」

 紫がニヤニヤと笑う。いや、その場の全員が不適切な笑みを浮かべている。普段、ギャフンと言うのは自分達なので、霊夢の不幸を期待しているのかもしれない。

「えーっと・・・自分の順番より一つ前のヤツに、渾身のボディブロー。えっと、前だから、最後の・・・紫かーーーーーー!!!」
「うそおおおおおおおお!?」

 霊夢と紫の絶叫が響く。ガッツポーズをする霊夢を見れば、普段どれだけ迷惑をかけたかが分かるというものだ。


 そんなワケで、境内に出た面々の視線の先には、ガッチリホールドされる紫&する藍。

「覚悟は良い?」
「霊夢~。信じてるから~、信じてるからね~。って、どこ行くの?」

 霊夢は、後ろに30歩程下がって、おもむろに加速を開始。脚力と飛翔を使い低空で加速、加速、まだ加速!

「私より早いかもしれませんね。」

 文が冷静に実況し始める。ジャーナリスト根性なのだろう。刹那、ドスンと鈍い音が響いた。

「・・・・良い・・・パンチ・・・ね・・・霊夢・・・・グフッ・・・」

 パタリと紫は地面と抱擁した。口から何か出たようにも見えるが・・・。


 そして、満面の笑みの霊夢が紫を見下ろしていた。





「あー・・・死ぬかと思った。人間のパワーも怖いものね。」
「あー・・・スッキリした。すごろく楽しいわね。」

 明暗ハッキリ分かれた2人の感想。

「嫌よ嫌よも好きのうち。って思っていたんだが、マジ殴りとはなぁ・・・。」
「流石に遊びで、本気で殴りに行くのは出来ないよ。」
「鬼のアンタが本気出したら駄目じゃあないかねぇ。」

 魔理沙と萃香、ツッコミを入れる小町。他人事である。

「まぁ、次は私だな。」

 出た目は、6。

「魔理沙っておいしい所、よく当たるわね。」
「そうか?」

 霊夢のジト目を軽く流しながらカードを引く。

「なになに・・・スペカはケツから出る。・・・・は?」

 意味が分からないカードが出た。すると、カードブックなる物を取り出した藍が解説を入れる。

「要するにだ、この場合は・・・・尻からマスタースパークを撃てば良いんだ。そう見えれば良いから、あの道具を体内に仕込む必要は無いぞ。」
「あ、あああ当たり前だっ!仕込めるかっ!」

 真っ赤になって反論する魔理沙。他の面々は、あまりに下品で幼稚な内容に、紫を非難の目で見る。

「・・・い、いいじゃない。眠くて・・・何を書いていたかうろ覚えなのよ。そんな目で見ないで。」

(どう思います?仮にも賢者ですよ。)
(いやぁ、知り合いとして謝るよ・・・なんかごめんな?)
(いくらなんでも・・・ちょっとねぇ。)

「ちょっ、聞こえてるから!聞こえてるからヤメテ!」

 文、萃香、小町の3人に詰め寄る紫。だが、モーゼのごとく紫から下がる3人。露骨である。

「お前ら無視すんなー!」

 上空から魔理沙の声。どうやらスカートの中に、仕込んだようだ。箒にぶら下がっている。

「行くぜー。・・・・マスタースパァァク!」

 魔理沙の尻から飛び出す眩い輝き。

「いつ見ても、もの凄いですね。」

 文が呟く。頷く面々。

「人間にしておくには惜しい逸材よね。」
「どうでもいいけどさ、シュールな光景だねぇ。」

 魔理沙のスカートから迸る閃光。なんとも、情けない格好である。




「こんな馬鹿みたいな撃ち方、今後一切やらないだろうな。」
「お疲れ様。お茶飲む?」
「おぉ、悪いな霊夢。頼むぜ。」

 トタトタと台所に駆けていく霊夢。

「ねぇ、私と魔理沙。扱いが全然、全然っ違うような気がするんだけど。」
「紫様。日ごろの行いと言うものがですね?」
「藍。油揚げ1ヶ月禁止ね。」
「・・・・( ^ω^)oh...」




「さぁて、どうなるかねー。」

 ワクワクしているのか、笑顔でサイコロを投げる萃香。出た目は5。

「5か・・・悪くないね。カードが・・・1マス進む。ありゃ・・・つまんないなぁ。」

 普通すぎて、皆リアクション出来ないのであった。




「次は私ですね。よっと・・・1ですか。カードは・・・幽香のヒマワリデストロイ。ですか・・・・えっ!?」

 ハズレ。明らかにハズレである。ネタにするつもりが、ネタになってしまった。しかも、超絶のハズレである。

「藍さん。聞きたいことが。」
「ん?なんだ?」
「デストロイって、どの辺りまでデストロイ?1本?」
「そんなワケ無いだろう。えーっと、「kill them all(皆殺し)」だそうだ。」
「私が死んじゃいますよっ!?」
「だが、これもルールだ。それとも天狗は、遊びごときから逃げるのか?」
「くっ、そんな事・・・あるに決まってるじゃないですか。というか、人様に迷惑かけるのってどうなんですか?」

魔理沙(本を盗む)「私はどうこう言えないぜ?」
萃香(神社入りびたり飲んだくれ)「同じく。」
小町(さぼり魔)「アタシャ、不良死神だし?」
紫(迷惑かけるのが仕事妖怪)「ちょっ、補足説明酷い!」
霊夢(そもそも絡まない)「ま、死なない程度に頑張りなさい。」





 紫のスキマを使って、近くまでやってきた。早い話、ヒマワリをちゃんと折るかを見るためだ。嘘は良くないからね。

「・・・逝ってきます。」

 文は、戦場へと歩みを進めた。

「次回、あややの活躍にご期待下さい。」
「紫様。終わりません。変なフラグ立てないで下さい。」

 紫に突っ込む藍。疲れる会話である。

「思いっきり挙動不審だな、アイツ。」

 魔理沙は、ヒマワリに近づいては離れる文を指差す。

「そうね。ここで幽香が出てきても面白いんだけど。」

 なんだかんだでノリノリの霊夢が言う。

「そう。私が出てきたほうが面白いの?」

 幽香が言う。



「「え?」」



「あら、マヌケな顔ね。何を企んでいるのかしら?ねぇ?・・・・ねぇ?」

 相当警戒されているが、今ならまだ大丈夫だ。どうとでも誤魔化せる。



―ペキッ



 文が 律儀に ヒマワリを 折った。 合掌(笑)









「あー・・・とんでもねぇ・・・。」

 肩で息をする魔理沙。逃げ足だけは流石である。

「こっちが先に見つかるなんてねぇ・・・ハッハッハッ。」

 カラカラと笑う小町。移動系能力の小町は、早々に戦域離脱に成功したのだった。

「あー、のど渇いた。皆、お茶飲む?」
「あ、霊夢。手伝うよ。」

 タフな霊夢と萃香は、台所に消える。

「・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・。」

 主犯の紫と、実行犯の文は、捕まってコッテリ絞られた。




お茶を飲んで一息つけたので、すごろくを再開する。

「私だけ、白湯だったのってなんで?」

 酷くない?と言う紫。今日の霊夢はとことん容赦しない様だ。

「んじゃ、次はアタシか。ほいっ・・・4か。」

 小町がサイコロを振る。出た目はまずまず、問題はカードなのだが。

「えー・・・、順番が2つ後ろの人のケツに蹴り。だってさ。2つ後ろだから、霊夢か。まぁ、サクッと終わらせるかね。」

 次の瞬間には、霊夢の背後に回って蹴りを出す。

「え?」

 あまりに自然な流れで不意を突かれたのか、霊夢は反応できない。

「恨むなよっと。」

 炸裂音。

「ぐっ!?」

 戦闘能力は高い霊夢だが、肉弾戦はあくまでも人間。小町は軽く蹴ったようだが、相当痛そうだ。だが、叫んだりしないあたりに、プライドが伺える。

「おっと、痛かったかい?加減はしたんだけど。」
「死にはしないから大丈夫よ。」
「ははっ、死んだら責任もって運んでやるさ。」




「次は主犯の紫ね。」
「霊夢、犯罪者みたいに言わないでくれる?」
「存在が犯罪みたいなクセに良く言うわ。」
「今日の霊夢ひどいー。」
「おい、仲が良いのは分かったから、さっさとサイコロ振れよ。」

夫婦漫才にすかさず突っ込む魔理沙。

「・・・まぁ、それもそうね。。」

 不満そうにサイコロを投げる。出た目は4。

「カードは・・・アリス邸で食事を作る。こんなの作ったかしら?」
「紫様。一応ですが、補足がありますのでお聞きください。」
「ん?なぁに?」
「食事は全員分作ること。ちゃんとした物を作ること。この2つは守ってください。」
「ふむ、まぁお昼時だし・・・良いけどね。料理なんて久しぶりね。」




 そんなわけで、全員でアリス邸へ。どう考えても、アポ無しで台所貸してくれというのは、迷惑この上ない気もするが。

「とりあえず、紫様だけで交渉してください。私達は、敷物とかをセットしておきますから。」

 そう行って、風呂敷から敷物を取り出す藍。

「はいはい、じゃあ行ってくるわね。」

 そう言って、アリス邸玄関に向かう紫。

「・・・食材もアリス持ちなのか・・・。」

 そう呟くのは魔理沙。

「図々しいにも程があるわね。」

 霊夢も頷いている。

「おーい、霊夢と魔理沙はそっち・・・そう、そっち持っておくれ。」

 小町が敷物を広げつつ、2人を呼ぶ。

「ピクニックみたいで楽しいですね。」

 文はかなり回復したようで、いそいそと食器セットいじっている。




 料理が来るまで暇になったので、全員で雑談をする。

「この間、咲夜のヤツがさ、人里でナンパされてたんだぜ。」
「えっ!?魔理沙見たの?」
「おぅ、バッチリ見たぜ。」

 まるで自分の事のように胸を張る魔理沙。霊夢は興味津々なようだ、珍しく。

「人間の色恋沙汰って良く分からないなー。」
「アタシは何となく分かるよ。霊達も結構好きみたいなんだよ。その手の話。鬼は無いのか?好いた好かれたってのは?」
「んー・・・仲間としてって感じなんだよ。人間とは違うと思う。」

 小町に首を振る萃香。

「はー・・・でも、皆さん異性にどうこうってお話は聞きませんよね?」

 文の一言で、人間2人が固まる。

「そ、そうゆう文はモテるの?」

 霊夢が声を振り絞る。

「え?私ですか?恋文なら何回もありますよ。年に2~3回は頂きますね。この間も新聞配達中に、人間から。」

 霊夢と魔理沙がヒソヒソと何か話し込む。それを疑問に思いつつ、小町に尋ねる文。

「死神ってどうなんです?霊からなんか言われたりしません?」
「いや、むしろ女で船頭やってるのが、珍しいってほうが先みたいだねぇ。まぁ、アタシもそう思うけどさ。あとは・・・やっぱ胸の話とかになるかねぇ。」
「あー・・・確かに大きいですもんねー。ちょっと羨ましいです。」
「天狗ってのは成長するんだろ?じゃあ、大きくなるかも知れないじゃないか。」
「何百年先になるんでしょうか・・・。」

 少し肩を落とす文。それを見てカラカラと笑う、小町と萃香。穏やかな時が流れる。


―ドン!


 アリス邸から爆発音が響いた。爆発の衝撃で、内蔵に響く衝撃波。皆に緊張が走る。

「くっ、なんだ一体!?」

 魔理沙が帽子を抑えながら立ち上がる。霊夢もそれに続いて立ち上がり、札を構える。

「何かの襲撃かっ!?」

 小町と萃香も臨戦態勢。文はカメラを取り出す。

「スクープですかねっ!?」

 軽く煙が出ている玄関が勢い良く開いて、人形がワラワラと出てくる。さらに、アリスも出てきた。

「アリス!こっちだ!何があったんだ!?」

 魔理沙がアリスに駆け寄る。

「エホッ、あの妖怪の痴者、やってくれたわっ・・・ケホッ。」
「は?紫か?」
「そうよ!台所貸してくれって言ってきた時も、馬鹿かと思ったけど、ほんとにっ!」
「何がったんだ?」
「まぁ、貸してあげたのよ。材料も今度買ってくるから貸せっていうのも承諾したわ。」
「お前。結構優しいよなぁ。」
「べっ、別にそんなこと無いわよっ。で、料理し始めたと思ったら、小麦粉で粉塵爆発起こしたのよ。どうやったら起こせるのよ!あぁもう、頭に来る。さらに火が飛んで布に引火し・・て・・・あーーーー!!燃えてる燃えてる!!」

 アリスの家から火の手が上がる。流石に水を出すような能力は全員持っていない。すると、頭上から声がした。

「皆、下がって!」

 紫だ。アリスの家の上にスキマを大量に出すと、そこから水が降り注ぐ。瞬く間に火の勢いは衰え、やがて鎮火した。
 しかし、既に遅く、大黒柱を失った家が崩れた。不幸中の幸いは、森に火の手が回らなかった事くらいだろう。

「危機一髪ねっ!」

 一仕事終えた紫が、満面の笑みで・・・・アリスにひっぱたかれて、地面に突き刺さった。




 何はともあれ、これで1順した。おさらいすると・・・

霊夢   紫へのボディ
魔理沙 ケツからスパーク
萃香   1マス進む
文    ヒマワリデストロイ
小町   霊夢に蹴り
紫    アリスの家で、うっかり放火





 2巡目。

「・・・・アンタ達・・・・こんな事で・・・・こんな事で・・・・私の家なんとかしなさいよっ!!!」

 キーーーーン。全員が耳鳴りするほどの絶叫。まぁ、当然ではある。

「アリス、なんでウチ(神社)に来てるのよ?いや、家がなくなったのは分かるけどね?」
「へ?あー・・・なんとなく。」

 特に何か考えがあった訳では無いらしい。そもそも、自分の家が燃えたのだから、冷静な方がおかしい。
 妙に挙動不審なアリスである。

「まぁ、ゲームついでに家潰されたらな・・・そりゃ怒るよな。」

 傍若無人が似合う魔理沙ですら、この感想。恐るべくは八雲式すごろく。

「次は・・・あ、私か。まだ、一巡しかしてないなんて・・・面倒くさいわね。ていっ。」

 コロコロ転がるサイコロ。出た目は・・・4。

「なんかパッとしない数字ね・・・・。藍、カード頂戴。」
「ん、これだ。」

 ヒュッと投げてよこす藍。藍自身も相当面倒になってきているようだが、紫は見て見ぬふりだ。
 それだけ、思い入れがあるのだろう。徹夜してるし。

「えっと・・・アリスの家の窓を拭く・・・え?」
「「え?」」

 全員が思わず口にする。なんだそれは?と。

「えっと?」

 藍を全員が見る。

「いや、流石にカード引き直しだろう。」
「だよね?」

 そこでアリスが待ったをかけた。

「窓。拭いてもらおうじゃない。」

 驚いたのは霊夢だ。だって家は全焼全壊、窓なんてある訳が無いのだから。

「アリス・・・お前・・・そんなに悲しかったのか・・・。」
「うるさい!可哀想なものを見る目を向けるんじゃないわよ!ともかく、魔理沙は黙ってなさい!」

 肩をすくめて魔理沙は引っ込んだ。

「どうすんのよ?」
「霊夢。窓がないなら、窓があるようにすれば良いのよ?分かる?」

 全員が沈黙する。意味が分からないからだ。
 しかし、紫は気がついた。こんな時だけ賢者な頭脳。

「あぁ、家を建てれば拭けるわね。」

 静寂が場を支配する。思い出したかのように霊夢が反論する。

「私一人で!?家を!?無理だってば!?」

 しかし、刺さるのは全員の視線。

(頑張れ霊夢。)

 この視線だけである。







かくして、八雲式すごろくは続行不能となり、その短い生涯に幕を閉じた。

今、こうして日記に書いてはいるが、紫様はいつもワケがわからないことをしている。

妖怪の賢者では無く、愚者だと。前々から言われているのを知らないのだろうか。

この間も・・・・・


「紫様。人の日記を勝手に読まないでくれますか?」

―ビクッ

「いやぁ・・・これには深い・・・深い事情が・・・ね?」
「いい加減にして下さい。そんなのだから、霊夢にまで耄碌ババァなんて言われるんですよ?」
「え?あの子そんなこと言ったの!?」
「むしろ、幻想郷での評価は概ねそんなもんです。自業自得ですよ。」
「うぅ、酷いわ。」
「とか言いながら、スキマに日記を入れたの出してくださいね。出さないなら、私が出ていきます。」
「あーん、籃厳し~。お慈悲~。」
「・・・私がお慈悲願いたいです。」

 九尾が全て垂れる籃なのであった。
久しぶりの新作。というより、息抜き。
しっとり系や淡々とした話が多いので、軽い話を。

年内に紅魔館の話を出そうと頑張ってはいるものの・・・無理('A`)

この話、続けても良かったかも知れませんが・・・
流石に・・・・無理があるです・・・ハイ。

萃香だけ何も被害を受けていないのは・・・いじってもヘラヘラして終わりそうだったからw
強いて言うなら、大事なもの(酒)でいじるくらいかなぁ?



「えっと・・・カードは、大事なものを皆から壊してもらう・・・。」

 皆の視線が自分に集まるのを感じる。主に腰のあたりに。

「萃香。出しなさい。その瓢箪を。」

 まるで仮面のような笑みを浮かべた霊夢が、じりじりと近寄ってくる。
 萃香は、今まで生きてきた中でこれほど怖い人間は初めて見たと、後日の文々。新聞で語ったらしい。

「れれれれれ霊夢。ちょっとまってよ・・・お酒を捨てるのはいいけど、この瓢箪は・・・。」
「問答無用!」



まぁ、こんな感じになったんじゃないかなぁ?
まなみ
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コメント



0.1180簡易評価
6.70奇声を発する程度の能力削除
>「・・・・( ^ω^)oh...」
不意打ちww
13.無評価名前が無い程度の能力削除
そもそも価値のない地の文はいれない方がいい。
かえって安っぽくみえる。

あと顔文字は使わない、()内に文字をいれて感情を表現しない。
そこを描写するのが筆者の役目。

肩の力は抜くな。
貴方は力を抜いて息抜きで作品は書けない。
いや、書けるレベルに達してない。

これを悪口ととるか助言ととるかは、貴方次第。
15.80名前が無い程度の能力削除
面白いとは思います
だけど人数が多過ぎかな、と
例えば小町と萃香を抜かして四人にし、マスの数も24程度にすればすごろくの最後まで描ける上、ゲーム進行の遅さにだれる事も解消出来ます
あと、毎回カードを引く、というのも同じ展開が続く原因になりますから、せめて「イベントマスに止まったらカードを引いて酷なイベント」ぐらいにしないと読んでてたるくなります
「空白の60マスとイベントカード」を作るのに徹夜、というのも、ん?と思ってしまいます
罰ゲームや景品とかもあると良かったですね
次回作期待してます
17.90名前が正体不明である程度の能力削除
アリスが不憫すぎる。
18.無評価まなみ削除
>>6
それが狙いです(キリ 嘘です。使ってみたかったんです顔文字。

>>13
全然悪口なんて思いませんよ。小説として、当たり前の事ですしね。
他の作品では一切()も顔文字も入れていないです。
そうゆう意味で、肩の力を抜いてみました。

>>15
はい、おっしゃるとおりです。もっと減量できます。ごめんなさい。
見切り投稿なのは自覚してます。申し訳ない・・・次は気合いれます。
19.無評価名前が無い程度の能力削除
萃香が何かするのも見たかったぜ
22.無評価名前が無い程度の能力削除
とてもアイデアやセンスは良いと思います。

ですが少し読みにくく感じました。
少し詰め込みすぎのような気がします。

それと三点リーダ(…)を使いましょう。
41.無評価名前が無い程度の能力削除
えっと・・・。霊夢は全焼したアリスの家を建てて窓を拭いた。そのあと死んだ。←この流れで合ってますか?
42.100名前が無い程度の能力削除
すんません。評価忘れてました。