1
この頃、寒くなってきた。
吐く息も白くなり、放射能火炎を吐く怪獣王の物まねをしたくなるような冬のある日の事、霧雨魔理沙は昼時を狙って博麗神社にやってきた。
「うーす」
赤い大鳥居をくぐって、誰にするでもなく挨拶をしてみるが、いつもなら掃除をしているか、縁側でお茶をすすっているはずの霊夢の姿は見えず、
鳥居の近くに箒が立てかけられているのが見える。
魔法使いが黒のとんがり帽子のつばをくいっと上げて神社の方を見ると、台所の方から白い炊煙が立ち上っていた。
「ふむ。どうやら霊夢は飯を作っているらしい。そして、偶然にも私は神社にいる。これは昼食を相伴しろという神の采配に違いない」
魔法使いは、少し小腹が空いていたのだ。
そんな訳で、魔理沙は『仕方がないな』とでも言いたげな様子で神社の居住スペースに向かい、勝手口から勝手にお邪魔をする。
すると、霊夢は魔理沙の目論見どおり、台所で料理をしていた。
フリルの付いたエプロンを付けて木製のまな板の上で包丁をリズミカルに動かしながら、鼻歌交じりに料理をしている霊夢は、なかなか機嫌が良さそうに見える。
「うーす」
「あら、魔理沙じゃないの。いらっしゃい」
上機嫌な霊夢を見て、魔理沙はほくそ笑んだ。
食事をご相伴に預かるためには、霊夢の機嫌が良いに越した事はないからだ。
上機嫌な霊夢であれば、食事をご馳走になった後で、果物やお菓子が出される事だってあるかもしれない。買い置きの饅頭や庭で取れた甘柿など、
博麗神社の定番と言える甘味を思い出し、魔理沙は思わず唾を飲み込む。
「何を作っているんだ?」
そんな食い意地を隠しながら、魔理沙は人懐っこい笑みを浮かべて霊夢に尋ねる。
すると、博麗霊夢はとびっきりの笑顔でこう返した。
「今日はね、おうどんなの」
うどんとは、麺類に属する食べ物で、小麦を粉としたものを水で溶いて麺状にし、これを茹でた食べ物の事である。
うどんというものが何処から来たのか諸説ある。奈良時代に唐菓子として饂鈍(うんとん)として伝わったとも、
南北朝の時代に酒の肴として登場したウトムが初出であるとも言われているが、今のところこれこそが正しいと断言できるような定説はない。
また、余談ではあるが現在のようなうどんとなったのは江戸のころであるらしいが、その時に薬味として胡椒と梅干が添えられていたという。
近松門左衛門の浄瑠璃『大経師昔暦』の中でも「本妻の悋気と饂飩に胡椒はお定り」という文句があるぐらいだ。
かの如き謂れを持つうどんを、霊夢は鍋でぐつぐつと茹でている。
鍋には南瓜や里芋、人参などの火の通りにくい野菜がよい感じに煮立てられ、霊夢はここに刻んでいた葱のほかにしめじや舞茸などの茸類、
油揚げや肉、これらを一切合財煮込んで、煮込みうどんにするようだ。
「食べたい?」
「そりゃもちろん」
「だったら、手伝ってよ。とりあえず、鍋の番をよろしく」
そういいながら、霊夢は鍋に肉を入れる。
「おし。わかった」
ちょっと手伝っただけでうどんを食べられるのなら安いものだと、魔理沙はお玉を手に持って、浮いてきた灰汁をすくい取る仕事に就く。
肉は、牛肉とも豚肉とも知れない謎な肉で、どうにも灰汁が凄まじく出た。おかげで魔理沙は灰汁取りに随分と苦労をする。
一方の霊夢は、魔理沙を鍋の番をしている間にテキパキと働く。
付け合せの沢庵を切ったり、うどんをよそうお椀などの食器を茶の間に持って行ったりと動きながら「灰汁をとったら、もうを入れちゃっていいからねー」と魔理沙にファジーで暢気な指示を送ってきた。
「わかっている。ただ、仕上げの味付けは霊夢がやってくれよ」
魔理沙は用意されていた麺を入れた。
少し煮込んだら茸類と葱を入れて、仕上げに味噌で味を調えれば完成だろう。
「はい、ご苦労様。それじゃ、仕上げたら持ってくから座っていていいわよ」
「あいよ」
しばらくして、魔理沙が茶の間で待っていると霊夢が鍋を持ってきた。
蓋を開けると、南瓜の甘い香りが強烈に自己主張をしている。霊夢はそれをお椀にたっぷりとよそってくれた。
これだけの量を一人で食べるとは思えない。
もしかしたら、自分が来る事を予測していたのだろうか。そうだとしたら、実にありがたいことだ。
そんな殊勝な事を考えながらも、魔理沙は食べる事にする。
「いただきます」
平たい麺は少し溶け出した南瓜にからまってオレンジ色に染まり、それがなかなか美味しそうに見えた。
「どう?」
「ああ、美味そうだな」
素直な観想を言うと、霊夢は「それはよかったわ」と嬉しそうだ。
「でも……」
何かが一つ引っかかる。
その引っ掛かりの所為で、魔理沙は未だに箸をつけていない。
この美味そうな料理に文句なんてないのだけれど、何かが確実に間違っている。
それが分からないうちに、これを食べてはいけないような気がしたのだ。
しばらく、腕組みをしてうんうんと唸りながら考え込んでいたが、魔理沙はようやくそれにハタと気付いて、全力で叫んだ。
「これ、ほうとうじゃねーか!」
Q ほうとうはうどんに入りますか?
A 宗教や政治の問題にはお答えできません
2
最近の寒さは凄いものがある。
息を吐くと、吐息の中に含まれる水分が凝結して白くなってしまうので、思わず『つめたくかがやくいき』とデスピサロごっこをしたくなるぐらいだ。
そんな、八回逃げるを選択したくなる寒い日に、霧雨魔理沙は博麗神社にやってきた。
「うーす」
博麗神社正面の赤い大鳥居をくぐって挨拶をしてみたが、それに答えるものは誰も居ない。
いつもは、賽銭箱を覗きながら『どうして世の人々は賽銭を入れないんでせうか』と世をはかなんでいる博麗霊夢の姿が
あったり無かったりするのだけれど、今日は姿が見えなかった。
だが、それも当然だろう。
今は昼飯時、博麗霊夢も普通の人間と同じようにご飯を食べるという習性を持つ生き物である。
昼時となれば食餌の準備くらいはするものだ。
魔法使いは、視界をふさいでいた帽子のつばを、テンガロンハットを被る荒野のガンマンのように格好をつけて弾くと、神社の方を見た。
すると神社の居住スペースからは、白い炊煙が立ち上っているのが見える。
「ふむ。なるほどなるほど。どうやら今は飯時だったようだ。私は全く意識していなかったけれど、こうなったならご相伴に預かるというのが筋だろうな」
実際、魔理沙は、結構お腹が空いていたのだ。
朝は普通に食べたのだけれど、もう結構腹ペコだ。
別に、運動量が多かったわけでもないけれど、どうも今日はお腹がへるのだ。
このように重大な動機を有していたので、普通の魔法使いは「こいつは天の意思、つまり天佑なんだぜ」と巫山戯た事を言いながら、神社に居住スペースに少し早足で向かう。
そして、勝手口からお邪魔をしてみれば、なんともいい匂いが漂ってくるではないか。
「うーす」
「あら、魔理沙。いらっしゃい」
魔理沙が挨拶をすると、料理をしていた霊夢はフリルの付いたエプロンをひるがえしながら挨拶を返してくる。
その姿は、何処かの新妻に見えなくもなく、実に可愛らしい。
「なんだ。飯を作っていたのか。何を作っているんだ?」
そんなとぼけた調子で魔理沙が霊夢の手元を覗き込んでみると、新妻っぽい巫女は大きな鍋に大量のお湯を沸かしながら、たまねぎやニンニクなどを刻んでた。
「今日は寒いでしょ。だから、体が温まるおうどんよ」
うどんとは麺類に属する食べ物で、小麦粉を水で溶いて麺状にし、それを茹でるという食べ物だ。
うどんは、関西の粉もんという言葉があるように、西日本でよく食べられているという印象があるけれど、実のところうどんの勢力圏は日本全土に広がっていて、実にグローバルな食べ物である。
特に香川の讃岐うどんが有名であるが、他の地方でも日本三大うどんの一つに数えられる稲庭うどんが東北にあるし、
関東でも日本三大うどんの一つである水沢うどんがある。他にも、桐生うどん、氷見うどん、武蔵野うどん、鳴門うどん、味噌煮込みうどんなどとうどんが愛されている証拠は枚挙に暇が無い。
うどんとは、それほどまでに広く愛されている食べ物なのだ。
「なるほど、うどんとは気が利いているじゃないか」
「そうでしょ」
楽しそうに頷きながら霊夢は、奇怪な色をした茸を大きめに切った。他にもまな板の上には、沢山のカットトマトに人参、
そして人間の里の肉屋で買った挽肉などが並んでいた。
「おお、それは私があげた茸じゃないか」
「そうね。椎茸があればよかったんだけど、無いから代用で使っているわ」
「うん。そうかそうか。そいつは良かったな。おお、それならだ。私の茸が霊夢の料理の戦力なっているなら、その出資者に幾らかの還元があってしかるべきだと思うんだぜ?」
ちょっととぼけた調子で魔理沙が言うと、霊夢は「なるほどなるほど」と唸ってみせた。
「でもねぇ。この茸は何処の生まれともわからない茸。そんな出自の分からない馬の骨……じゃなくて、茸の骨を一戦も交えないうちから高く評価するのはどうかしら?」
確かに魔理沙の茸は、得体が知れない茸ばかりなのだ。
例えば、まな板の端に居座っているこの茸。
見た目こそはホウキタケ科に分類される無数に枝分かれしたサンゴ状の茸なのだけれど、色合いが毒々しい赤で、食べろと言われても『ひょっとしたら、毒があるのではないかな?』などと、躊躇してしまうような代物だ。
他の茸達も似たり寄ったりの毒々しい外見で、茸を持ち込んだのが魔法の森の茸の泰斗である魔理沙でなければ、霊夢だって食べようとも思わないだろう。
そんな食欲が減衰すること著しい食い物で、ご相伴に預かるなんて『ちょっとふてぇ考えじゃねぇの?』と霊夢は言いたいようだ。
「あれだ。こいつらは韓信みたいなもんだよ。ちょっと見た目はアレかもしれんが、食ってみれば癖になるって」
「こんなのを癖になってもねぇ」
苦笑をしながらも霊夢は謎の茸のスライスをつまんだ。
「いやいや、意外とさ。見た目が悪い方が見慣れれば愛嬌があっていいもんだぜ」
「なるほどね。それじゃ、この茸達は実際の槍働きに期待するとして、魔理沙も少しは働いてくれる? お皿を取って。二枚ね」
皿が二枚という事は、つまりご相伴に預かれるという事だろう。
魔理沙は、霊夢の気が変わらない間にと、
「オーキードーキー。それでは本機は作戦行動に移る」などと巫山戯た事を言いながら、急いで食器棚へと皿を取りに向かった。
この神社では妖怪どもが集まって、日夜宴会が繰り広げられているとはいえ、一人暮らしである事には変わりはないのだから、食器の類はあまり多くない。
その少ない食器の中から、魔理沙はスープなどよそるのに適した皿を二枚取り出した。クリーム色で縁に茶色のラインが入った粉引き六寸皿だ。
そうして魔理沙が食器棚で皿を選んでいる間に、霊夢は手際よく刻んだ材料を炒めはじめている。
「これでいいか?」
「はいはい、それで良いわよ。それじゃ、次はフライパンを担当してね。玉葱は炒め終わっているから、そこに茸とトマトと人参と挽肉を入れて、また炒めて」
「おいおい、人使いが荒いな」
「台所に遊兵は禁物だもん。恨むなら、ホイホイ台所に踏み入れた我が身を呪うといい」
「おのれー」
三文芝居をしながらも、魔理沙はフライパンを受け取って野菜と肉を炒める。
霊夢と同じく一人暮らしは長いので、料理に関しては全く問題なかった。
「それで、お前はどうするんだ?」
「そりゃ、麺を茹でなけりゃ、うどんにならないでしょう」
大きな鍋に煮立ったお湯、そこに霊夢は塩を一抓みいれると、そこにパスタを放射状に入れた。
最初はパスタも鍋の縁に寄りかかっていたけれど、しばらくすると熱湯によってパスタは鍋の中に姿を消す。
「……魔理沙はやっぱりアンデルテ?」
「いや、私は何だっていいぞ。それよりも、だいぶ水気がなくなってきたんだが」
「ああ、それじゃ。味付けは私がするわ。魔理沙は茹で加減を見て、いい感じだったらお皿に上げてね」
そう言って、霊夢が魔理沙に手渡したのはパスタしゃもじ。茹でたパスタを絡め取る調理器具だ。
「いや、私は茹で加減とか分からないぞ」と魔理沙が抗議をすると、霊夢は「それだったら、もうよそっていいわよ」と気楽な調子。
仕方がないので、適当にいい感じだと判断した瞬間、魔理沙はパスタをさっと上げて、粉引き六寸皿に盛った。
「はい、どいて!」
すると、即座に霊夢によってミートソースがかけられる。
少しばかり手間取ったけれども、これで完成。簡単なものだ。
パスタの盛られたお皿を持って、二人は茶の間に移動した。
「うん。よくできた」
霊夢は満足そうに自画自賛をする。
実際、そいつはトマトの酸味が微かに香り、肉の濃厚ないい匂いが漂ってくる、かなり美味そうな奴で、すきっ腹を抱えていた魔理沙は思わずごくりと唾を飲み込んでしまった。
「いただきます」
キチンと手伝ったのだからと、堂々とご相伴に預かっていい。
魔法使いはフォークを握ると「エイヤッ」とばかりにパスタの中に突き刺し、ぐるぐると回す。すると麺がミートソースを巻き込んで、糸紡ぎをしたみたいに麺の玉がフォークの先っぽにできるのだ。
そして、十分にミートソースと絡まったパスタを口に運ぼうとした瞬間、ハタと魔理沙は気が付いた。
「これ、スパゲッティじゃねーか!」
Q スパゲッティって、人を舐めてますか?
A うどんも小麦粉ならスパゲッティも小麦粉。同じ小麦粉のうどんがうどんであれば、スパゲッティがうどんでない道理はないでしょう。
3
空を見上げると、どうにも雪虫の気配がする。
まだ、日が高い所為か振ってはこないけれども、きっと夜になればちらちらと幻想郷の空を雪虫が舞うだろう。
こんな、ほんの少しだけ暖かい日は、雪虫が来る合図なのだ。
「もう、冬なんだよな」
そうな情緒溢れる台詞を呟きながら、霧雨魔理沙はかなりのすきっ腹を抱えて、博麗神社の大鳥居をくぐった。
その空腹感はかなりのものだった。
ちょっと気を許せばお腹の虫がすぐにわめき立てそうなぐらいで、腹の音を抑えるために魔理沙は常に気を張っていなければいけない。
どういうわけかは分からないけれども、どうにも今日は洒落にならないほど魔法使いの腹は減っていたのだ
「ふう」
魔理沙は空腹を殺して、大鳥居を見上げた。
この赤い鳥居も、もう少しすれば雪によって白く塗りつぶされてしまうのだろう。
この幻想郷は、結構な豪雪地帯であるから、毎年かなり積もっている。
鳥居の全てを押しつぶすほどに雪が降った事はなけれども、その赤がまだらになる程度の降雪はあるのだ。
「さて、やっぱり霊夢は居ないか」
なんとなく納得をしながら、魔理沙は神社の居住スペースを見た。
すると、そこからは真っ白な炊煙が立ち上っている。
「おお、こいつは全く予測していなかった事だが、今はちょうど昼飯時か。そして私の腹は壮絶な空腹感を抱いている。こいつは是が非でも昼食のご相伴に預からんと幻想郷が危機だぜ」
そんな阿呆な事を言いながら、魔理沙は博麗神社の居住スペースに急いで向かった。
こうして、寒空にいるのは、実にひもじいので、一刻も早くただ飯にありつきたかったのである。
「うーす」
「あ、魔理沙いらっしゃい」
勝手口から勝手に入った魔理沙が挨拶をすると、包丁を研いでいた霊夢がにこやかに挨拶を返す。
そんな博麗の巫女の隣には、見慣れないものがある。
台所のかまどに据え置かれた途方も無く大きな黒い鍋がそれだ。
それは煮立った巨大な鍋だった。
五右衛門風呂も吃驚するような巨大な鍋て火をかけられ、台所でぐつぐつと煮立っていたのだった。
まるで、地獄で亡者を茹でる大釜みたいだ、と魔理沙は思った。
「何をしているんだ?」
「うん。うどんを茹でようと思って」
うどんとは、小麦の粉を水で練って麺にして茹でた食べ物の事である。
その権勢は年を経るごと高まっており、世界でもうどんは広まっているそうで、きっとあと何年もすれば、キャリフォルニア巻きのように換骨奪胎した独自のうどん群が世界を席巻するに違いない。
なんといってもうどんという食べ物は、小麦粉という世界でも実にメジャーな材料を作っているのだ。
だから、テキサス共和国うどんにトルクメニスタンうどん、沿ドニエストル共和国うどんに聖マルタ騎士団うどん、リヒテンシュタイン公国うどんにグレート・ブリテンおよび北部アイルランド連合王国うどんなど、実に様々なうどんが生まれるべきだろう。
こうして世界中に撒かれたうどんの使徒達は、来るべき時に備えるのだ。
そして世界はハルマゲドンならぬハルマゲウドンが起きるだろう。
他の全ての食べ物とうどんの聖なる戦いは、だいたい三ヶ月くらい続き、その戦いの末にうどんの使徒は勝利して、世界は正しい姿に作り変えられ、うどん神と共に天より降りてきたうどんの千年王国へと導かれるのだ。
そこはうどんの理想郷で、人々はうどんに飢える事はなく、大地にはうどんの実る樹が生えていて、周囲にはめんつゆの沸く泉があり、そこよりこんこんと沸きいでるうどんつゆは、関西だしでもあり、関東だしでもあり、味噌仕立てでもある。
そして、万能なるうどんつゆは四つの川を通ってうどんの理想郷に流れ込み、選ばれたうどんの民は舌鼓によってうどん神を千年にわたって称え続けるのだ。
それほどに、うどんというものは素晴らしい。
「ほう、熱いうどんか。こんなに寒い日にはぴったりだな」
「でしょう? そうだ。魔理沙も食べていきなさいよ。どうしても一人だと量が多いのよね」
肉厚の肉切り包丁を研ぎながら、霊夢は言った。
「お、そうか。悪いな」
確かに、こんな人間を一人沈められそうな巨大な鍋でうどんを茹でるとなれば、それは相当な量になるはずだ。
魔理沙は「だったら、喜んで手伝ってやるぜ」などと、調子のいい事を言う。
「それでね。私は火を見ているから、うどんを納屋から取ってきて欲しいの」
「うへぇ、私も働くのかよ」
「当然でしょう。働かざるもの食うべからず。ほら、行って来て」
そんな標語を出されたら、幾ら魔理沙でも従わざる得ない。
普通の魔法使いは、ぶつくさ文句を言いながら、博麗神社の外れにある納屋に向かった。
ここの納屋は、野良道具やら、祭事に関係ない大道具、使い古しの大八車など、すぐに使わない様々な物がしまってある、いわば物置だ。
元々は、先々代あたりが冬の間、納屋でお蚕様を養育するために使っていたらしいが、先代からただの物置になってしまったしい。
「さて、うどんはどこかな」
立て付けの悪い納屋の戸をガタガタ音を立てながら、魔理沙は開けた。
納屋の中は真っ暗で、外から差し込む光だけでは中を見通す事もできないので、魔理沙は魔法で明かりをつけてみる。
「おや?」
すると、なにやら納屋の奥に白いものが吊るされているではないか。
これが、霊夢の言っていた『納屋のうどん』なのだろうか。
魔理沙は、首を捻りながらも、そちらのほうに向かっていくと『白い物体』は明らかになった。
そいつは、手足を縛られて天井からつるされた月の兎だったのだ。
それは魔理沙を見つけると、赤い瞳に涙を浮かべながら、悲痛な声でこう叫ぶ。
「助けて!」
それを見て、魔理沙はハタと気が付いた。
「これ、うどんげじゃねーか!」
Q これ、安直じゃないですか?
A いえ、定番ですよ。
4
寒さが洒落にならなくなってきた。
どうやら今年の冬将軍は気が早いらしく、既に幻想郷近辺まで勢力圏を拡大させているらしい。
そんな冬将軍が意気を上げているある日に、霧雨魔理沙は相当なすきっ腹を抱えて博麗神社にやってきた。一体どういう理屈か分からないが、お腹が空いてしょうがないのだ。
しかし、魔法使いは食わねど高楊枝という言葉もあるように、魔理沙は鳴きそうになる腹の虫を戒める。
所詮は虚勢であるけれども、弱みは見せない主義だからだ。
「うーす」
そして、博麗神社の大鳥居をくぐりながら魔理沙は挨拶をするけれども、この博麗神社の実質的主である博麗霊夢の姿は見えない。
境内の隅には立てかけた箒があるところを見ると、ついさっきまで掃除をしていたようであるが、一体何処に行ったのか。
魔法使いが視線を巡らせて見ると、神社の居住スペースの方に炊煙が見えた。
「ほほう。どうやら私は偶然にも昼飯時にやってきてしまったみたいだな。ちょうど、腹も空いていることだし、これはご相伴に預かってもバチは当たらんだろう」
誰も聞いていないのにそんな事を呟くと、魔理沙はスタコラサッサと勝手口に向かった。
そっちは台所に直結しているので、色々と捗るのだ。
「うーす」
「あ、魔理沙じゃないの。よくきたわね」
霧雨魔理沙が挨拶をすると、鍋を火にかけながら、人参や椎茸、それに三つ葉などを刻んでいた霊夢が、にこやかに挨拶を返してくる。
「何をしているんだ?」
「ちょっとうどんをね」
うどんとは、小麦を粉として水で練って、それを麺状にして茹でた食べ物である。
その版図は地球という枠組みを超えて宇宙に達し、世界で始めて宇宙人とコンタクトをしたショージ・アダムスキーも、太陽系の惑星を旅した際に『小麦粉を水で練って茹でた麺状の物体を食べさせられた。それはソイソースの香りがした』と明らかにうどんと思しき食べ物を食べさせられているし、手紙魔の宇宙人として知られている宇宙人『ウンモ星人』も多くの手紙の中で『それはともかくおうどん食べたい』と文章を結んでいる。
なによりもうどんが宇宙である決定的証拠は、有名な空飛ぶ円盤墜落事件であるロズウェル事件で、軍はロズウェルの牧場付近で墜落した空飛ぶ円盤を発見し、その中には宇宙人の死体とどん兵衛があったと発表した。宇宙人はUFOにどん兵衛を持ち込むほどにうどんラヴだったのだ。
他にも、フラットウッズで目撃された三メートルの宇宙人の手にうどんの入ったどんぶりが認められたり、ミステリーサークルの中心部に食べかけのうどんが残されていたりと、宇宙人とうどんの関係は疑いようが無い。
かの如く、宇宙もうどんに満ちている。
「ほほう。確かにこんな寒い日はうどんに限るな。おお、そういえば霊夢に朗報だぜ。私はなんと昼食を食べていない。しかも、そうして霊夢が飯を作っているのを見て、凄い腹が減ってきたところだ」
「意訳すると、飯食べさせろってこと?」
「そうか。悪いな、なんか催促をしたみたいで」
「いや、もう全力で催促していたでしょ」
「へへへ」
霊夢が呆れたように呟くと、魔理沙は悪びれもせずに笑みを浮かべた。
「ま、良いわ。とりあえず、ご飯を食べたいなら手伝ってよ」
「ああ、わかった。昼飯代が浮いた事だし、飯代くらいは働くぜ」
「その言葉に二言は無いわね」
そうして、霧雨魔理沙は送り出された。
そこは地獄だった。
この街は、かつてメルキア連邦の工業地帯として栄えていたらしい。
だが、百年戦争の中期にはバララントの最重要攻撃目標となって、爆撃を受けた結果、自然環境は破壊されて、繁栄していたこの街は酸の雨降りしきる地獄となったのだ。
その後も、復興と爆撃を繰り返し、街は人に住む人は居なくなった……はずだった。
だが、百年戦争の終結によって行き場をなくした兵士達と難民が集まり、この街はそういった連中と、そんな奴らを食い物にする悪党が巣食う街として蘇った。
悪徳と欲望と暴力が満たされた、深さ三キロメートルの地獄の大釜。
そこが魔理沙が送り込まれた場所だった。
「ひっでぇな……こいつは」
むせ返る猥雑な空気に霧雨魔理沙は閉口する。
この街のメインストリート、つまりは割と治安がいい場所を歩いているにもかかわらず、危険な匂いがぷんぷんとする。
きっと、少しでも立ち止まったり、辺りをキョロキョロと見回したりと、街に巣食うハイエナ共の注意を引くような真似をすれば、連中は哀れな犠牲者を見つけたとばかりに襲い掛かってくるだろう。
大自然では怪我をしたものや病気になったもの、つまりは弱者から狩られる弱肉強食の掟で動いているが、この街もその辺りは変わらないらしい。
「……さっさと用事を終わらせないとな」
気を引き締めて、魔理沙は霊夢に渡されたメモの場所に急ぐと、辻バトリングをしている場面に出くわした。
この街の住人は、バトリングには目が無いらしく、バトリングがあると我先にと駆けつけて、賭けに興じるのだ。このお祭り好きな気質は、幻想郷の連中とあまり変わりが無い。
こんな街中でリアルバトルをするわけにはいかないので、当然ルールはブロウバトル。つまり、火器の類は使用せず、アーマードトルーパーによる格闘戦とアームドパンチのみで試合をする形式だ。リアルバトルに比べれば『安全』だけれども、鉄の棺桶で殴り合えば、事故も起きる。そんなルールだ。
殴り合っているのは、無改造のスコープドッグが二体。
スウェーバックやブロッキングを巧みに使って、二匹の犬は零距離での乱打戦を繰り広げている。恐らくどちらも戦場帰りで、何処に行く当ても無い、戦争以外の何もできない最低野郎(ボトムズ)なのだろう。
しかし、だからこそ、奴等は己の命を華々しく燃やして、その火花に人々を強く引き付けるのだ。
そんな魂の燃焼を見て、霧雨魔理沙は足を止めた。
道の真ん中でバトリングをされては、試合が終わるまで通れないという事情もあった。
けれども、それ以上に魔理沙が足を止めたのは、燃え尽きようとしている命に目を奪われた事もあるのかもしれない。
鉄と鉄のせめぎ合い。
鉄塊がひしゃげる音。
そして、凄まじい歓声と小さな悲鳴。
しばらくして、一体のスコープドッグが鉄の塊になって、道は通行可能となる。
勝者に声援を送る人々の間に見えた泣き崩れる人は、バトリングパイロットの縁者だろうか。
見ていても、何もしてやれないし、かける言葉も無い。
魔理沙は、ついさっきまで死闘が繰り広げられていた場所を立ち去った。
そうして興奮冷めやらぬ人々の間を縫って、メインストリートを進むと、看板も出ていない一軒の店にたどり着く。
ここが魔理沙の目的地である闇屋だ。
闇屋の親父は、最初そこ魔理沙に対して警戒を露にしていたが、
「博麗霊夢の使いでやってきた」
そう言うと、闇屋は格好を崩し、汚い丸椅子に座るように勧めてくれて、合成コーヒーまで淹れてくれた。
合成コーヒーは、その名の通り合成技術によって生成されたコーヒーだ。最も、合成されているのはコーヒーだけでは無い。こんな街に住む人間のほとんどは、生まれてから死ぬまで大して美味くない合成食品しか口に入れる事はできない。自然環境の破壊されたこの街では、天然ものは途方も無く高価なのだ。
そうして、抜け目の無い目つきをした闇屋の親父が商品を探しに奥に行く間、魔理沙はコーヒーを啜った。
たまらなく苦い。
そうしてコーヒーを飲みながら、魔理沙は窓から直径三キロにも及ぶ巨大な魔女の大釜を見上げた時、ハタと気が付いて叫んだ。
「これ、ウドの街じゃねーか!」
Q 食べ物ですらないですね?
A むせる。
5
「天野くぅーん!」
「これ、ウド鈴木じゃねーか!」
Q ちょっと待て。
A ウッディです。
0
寒い日だった。
あまりの寒さに思わず手編みのマフラーでも編みたくなるある日、霧雨魔理沙は博麗神社に舞い降りる。
跨っていた箒を肩で背負い、神社の真っ赤な大鳥居を見上げてみると、ちゅんちゅんと雀達がさえずっていた。
きっと人間の里で稲穂をたらふく食った奴なのだろう。その雀はでっぷりと太っていて、実に美味そうに見える。
雀焼きに雀汁、雀飯なんてのも良いかもしれない。
「……うまそうだな」
ぐぅ。
魔理沙の腹の音に危険なものを感じたのか、雀はヂヂヂと警戒音を立てながら何処かに飛んでいってしまった。
「……うう、腹が減ったぜ」
霧雨魔理沙は飢えていた。
どれくらい飢えているのかと聞かれれば、失うものは何も無く、ただ全てを奪うのみであった第一部開始時のディオ・ブランドー並みに飢えていたのだ。より分かりやすい例えをするならば、ご家庭のエンゲル係数を増大させる伝説の幽霊『ゴーストQ』並みと言えばお分かりいただけるだろうか。
ともあれ、魔理沙は空腹に苛まれていたのだ。
しかも、不可解な事に、なんでこんなにも腹が減っているのか皆目見当が付かない。
まるで、餓鬼やひだる神にでも取り付かれたかのように魔理沙は、異常に空腹中枢が刺激され、見るもの全てが食物に見えてしまう段階にまで追い詰められていた。きっと、今なら野良犬を見ても「……うまそうだな」と呟いてしまうだろう。
そんな飢狼もかくやという有様な魔法使いは、食べ物を求めて大鳥居をくぐって境内に入った。
博麗霊夢の姿は見えないが、神社の居住スペースの方に炊煙が立ち上っているのが見える。
「おお! これこそ天佑という奴だな。ちょうど私も腹が減っていて、霊夢は昼食を作っている。だったら、話は早いってもんだ」
そう言って、魔理沙はなけなしの体力を振り絞って、走った。
しかし、途中で少しよろけた。
だが、頑張って気力を振り絞って、どうにか勝手口にたどり着いたのだった。
「うーっす!」
「ああ、魔理沙か。どうしたの?」
勝手口から台所へのダイレクトアタックをかましてみると、見事に霊夢はそこに居た。
フリルが付いたエプロンで、調理によって生じる様々な攻撃を防ぎながらも脇は常にノーダードな巫女は、飢えに苦しむ魔理沙を尻目に暢気な鼻歌を歌いながら、椎茸に包丁で切れ目を入れている。
「飯を食わせてくれ」
「ちょ、直球ね」
「もう見栄を張る気力も無い」
「わ、分かったから。顔が近い」
思いっきり近付いた魔理沙を、霊夢は少しだけ顔を赤らめながら、ぐいっと突き放した。
さすがに息がかかる距離にまで近付かれたら、女の子同士だというのに気恥ずかしくなってしまう。
「めしー」
「分かったっての。いま、うどんを作るから、茶の間で待ってなさい」
「あ、ありがてぇ! ありがてぇ!」
「ええい、うざったい! すぐにできるから、さっさと台所から出て行け!」
なんか凄い勢いで、顔を真っ赤にした霊夢に怒鳴られたので、魔理沙は茶の間に移動した。
そして、ちゃぶ台に突っ伏して、うどんが運ばれてくるのを空腹を紛らわすためにちゃぶ台の端を齧りながら待つ。
それからどのくらいたったのだろうか。
どうにも腹が減りすぎた所為か、時間感覚が麻痺して、よくわからない。
ともあれ、しばらくはちゃぶ台を齧っていたのだけれど、気が付けばうつらうつらとなりながら、寝ているのか起きているのかも分からない状態となって、気が付けば魔理沙は夢の中にいた。
最初の夢で、魔理沙は博麗神社を訪れていた。
そこで魔理沙は霊夢の手伝いをするのだけれど出来たのは『ほうとう』で、そこで夢から醒めて、何も食べる事ができなかった。
次の夢では、魔理沙は最初の夢と同じように神社を訪れた。
お腹の空き加減は進行して、できる事ならうどんを食べたかったけれども、出てきたのは『スパゲッティ』で、それを指摘したところで夢から醒めてしまった。
三番目の夢は、少しばかり猟奇的だった。
霊夢が『うどんげ』を食べようと納屋に監禁をしているのだ。
情け無用で知られる霊夢でも、人型の生き物を食べるほど見境ないという事はない。でも、夢の中の霊夢は、昔話に登場する山姥のように包丁を磨いで、そこらの兎を食べるようにうどんげを食べようとしていた。
魔理沙が、囚われのうどんげを見つけたときに夢から醒めたけれど、もし醒めなければどうなっていたのだろう。
四番目の夢は、なんとも意味が分からない。
夢の中で魔理沙は霊夢に頼まれて、よく分からない街を歩いていた。
その街は奇妙な場所で、酸の雨が振りしきり、街の住人は河童の機械すら霞むような人型の機械を使って、幻想郷における弾幕ごっこのような事をしていた。
でも、そんな街の事なんて魔理沙は知らない。
それでも夢の中の魔理沙は納得して街を闊歩し、霊夢から託された目的を果たそうとしているのだ。
最後にその街の名前が『ウドの街』だと気が付いて、夢から醒める。
でも、あそこは一体何処だったのだろう。
五番目の夢は、本当によく分からない。
一体、ウド鈴木とは誰なんだろう。
頭を奇妙な髪型に刈り上げて、天野君という人を慕い、朗らかな顔をしながらも、その目つきは、実は鋭かった。
きっと、只者ではないのだろうけれども、それが誰なのかは魔理沙には分からない。
「ウド鈴木とは誰なんだ……」
「誰それ」
霊夢の声にハタと目を開くと、そこはいつもの博麗神社だった。
まるで悪夢を見ていた時のように寝汗をびっしょりかいている。こんな寒い日に汗で濡れたままにしておけば、風邪を引いてしまうだろう。
魔法でタオルを取り出すと、魔理沙はじっとりとした汗を拭った。
「それにしても、人を働かせて自分は寝ているなんて、いい身分ね」
「あー、悪い」
霊夢はちくりと嫌味を言いながら、持っていたお盆を魔理沙の前に置く。
それは、いい香りのする湯気が立ち上る一杯のうどん。
小麦を粉として水で捏ねて麺状にし、それを茹でた食べ物。
その太い麺をすする時の感触は格別で、どんなつゆにも良く合い、ずっと昔から食されている愛すべき麺類だ。
そんなうどんに、魔理沙は辿り着いた。
しかし、それを前にして魔法使いは戸惑いに似た感情を抱く。
魔理沙は、何度も夢の中でうどんを求めては、それに裏切られ続けていた。
このうどんは、本当にうどんなのだろうか。
そもそも、この世に確かなものなど何もないのに、誰が目の前にあるこれをうどんと断言できるのだろう。
我思うが故に我はある。
だが、このうどんは本当に『在る』のだろうか。
ただ、霧雨魔理沙がうどんと認識しているだけで、実はうどんではないのかもしれないではないか。
このうどんがスパゲッティではないと誰が保障してくれる。
そして、もしこれがスパゲッティだとしたら、魔理沙はまた万華鏡の如き夢の中に居る事になる。
それが、堪らなく怖かった。
夢の中で輪廻し続ける事が、恐ろしかった。
もし、また夢を繰り返してしまったら、自分はいつになれば目覚める事ができるのだ。
そして、いつになればこの飢えから解放されるのだろうか。
「……これは、うどんなのか?」
「当たり前でしょう。変な御託はいいから、さっさと食べなさいよ」
霊夢の言葉を聴いて、魔理沙はハタと気が付いた。
そうではないか。
最上の観察手段は、実際にそれに触れることである。
だからこそ、魔法使いや錬金術師たちは世界を探求する為に『実践』するのではないか。
今まで魔理沙は、夢の中でうどんとして出されたそれらを食べずに、それはうどんではないと結論付けてしまった。
だが、そこで食べた上で判断をすれば――存外早く夢から醒めていたのではないだろうか。
そこにあるうどんの在るがままを受け入れる。
それこそが、大切な事なのだ。
「そうだよな」
「あったりまえでしょ」
本当に霊夢は凄い。
自分がひたすらに考えを巡らせている問題の糸口を、いとも呆気なく見つけてしまう。
それが、魔理沙には少しだけ悔しくもあり、同時に有難くもあった。
口に入れて、それがうどんであればうどんはうどんなのだ。
霊夢に勇気付けられて、魔理沙はうどんを食べる事を決意した。
「いただきます」
霧雨魔理沙は、椎茸と人参が入ったうどんを啜る。
しっかりと出汁の利いたうどんは五臓六腑に染み渡り、唇に感じる食感は堪らなく気持ちが良い。
まさに、頭の先から爪先までうどんで満ち満ちていくような、そんな錯覚を魔理沙は覚えた。
そして、ようやくうどんを食べる事ができた霧雨魔理沙は万感の思いを込めて、両手を上に突き上げながら、こう叫んだ。
「これ、うどんじゃねーか!」
Q これはうどんですか?
A Yes, this is a udon.
でもその先が……www
いろいろ予想できそうでいて予想できないネタの数々に圧倒されました。1から始まって0に戻る構成と、ストーリーのリンクも素敵。
あ、いや、面白かったです
エンドレスウドンって怖いですね
香川県民としては讃岐うどんこそ至高と叫びたい。あと宇宙人とうどんの図を想像したらシュール過ぎて…w
な・・・なにをいっているか(ry
うどんおいしいですよね
4章の狂気的な脱線を見てしまうと、笑うよりも先に素晴らしいと思えてきます
天丼ネタなのに笑っちゃうなんて……悔しい(ビクンビクン
3は予想できるとして、それ以外w とくにウド鈴木の不意打ちは酷いw
えっと、
>闇屋は格好を崩し
は、「相好を崩す」ではないでしょうか?