今日。私と紫は同棲を始めることにした。
「って言っても私の家に紫が来るだけなんだよね」
紫が家に来るまでの間にケーキを作っていた。ガトーショコラだ。お菓子作りに関しては咲夜にも負けない腕をしている。
以前に咲夜とお菓子作りの勝負をしてお互いがお互いの作ったお菓子を食べ比べた。正直負けたと思い「降参」と言うと咲夜も「私も」と言って引き分けになった。紅茶は咲夜の
方が美味い…。
紫と同棲をする上で紫が「あなたの魔法研究とか邪魔になったりしない?」とか色々と心配をしてくれた。今まで一人の空間に二人目が来るのだ。心配になるのも無理はない。
しかし私の家はお母さんが一人暮らしをするときに作ってくれたものだ。母は狭いよりも大きいほうがいいと「大は小を兼ねる」の精神で家を造ってくれた。つまり、一人で使う
には広過ぎるから二人になっても問題はないのだ。
「お風呂とか三人は余裕で入りそうね」
今改めて家の中を見るとかなり広いことが分かった。
「……けど広過ぎると寂しさが増すのよね」
声がこだまする。自分の放った言葉に対し返事がないのはとても寂しい気持ちになる。
「あっ…ケーキそろそろ完成させなくちゃ」
放って置いたケーキの仕上げの作業に入る。紫と付き合うようになってからは一人の時に感じる寂しさが強くなったような気がした。
「紫早く来ないかな…」
しばしの間椅子に座り天井を眺める。すると…
「ア~リ~ス」
「きゃ」
いきなり後ろから抱きつかれた。
「ちょ…」
「ん~?」
疑いのないような会えて嬉しいと言う顔されては怒るに怒れないアリスであった。
「荷物ってそれだけなの?」
「今はこれくらいよ。必要になったら隙間からすぐに出せるように整理はしてきから大丈夫よ」
「今までと変わりないじゃない」
「今夜から私は帰らないわ」
「…」
改めて考えると恥ずかしくなってくる。今日からこの私の家の中で紫と生活。嬉しくもあり不安でもある。
「って…何してるの?」
「アリスの匂いを嗅いでるのよ」
攻撃されると分かったのか紫は私と距離をとった。
「ちゃんと私のあげた香水使ってくれてるのね」
「当たり前よ」
紫からの贈り物。使うのは勿体ないけどこの香水を付けてると紫の所有物みたいで嬉しかったりする。
「嬉しいわ」
何度も見たはずの紫の笑顔。相変わらず可愛い。ギャップが有りすぎなんだ。そうよきっとそう…。
「……やっぱり可愛い」
「い、いきなりは卑怯よ」
顔を赤らめて文句を言う紫。けどまんざらでもないようなのでそのままあらかじめ作って置いたケーキを人形に持って来させる。
「ウエディングケーキじゃないけど記念になればなって思ったの」
「かいがいしいわアリス」
切り分けをして皿にケーキを盛る。
「じゃいただきまーす」
「いただきます」
私は正直紫からの感想が気になって気になって仕方なかった。
「ど、どう?」
「ん?すっごく美味しいわよ」
その言葉を聞いてようやく私も自分のケーキを食べる。普通に美味しかった。
「ア~リス」
「どうかした?」
いきなり頬を舐められた。
「クリーム付いてたわよ」
「…あ、ありがと……」
すごく自然にやってくるから顔の火照りが収まらない。こんな些細なことさえも幸せに思える私は幸せ者で紫もこんな気持ちだといいな。
「はいあ~ん」
「え?」
「早くしないとケーキ落ちちゃうわよ?」
「あ?あ…え…あ、あ~ん」
はずっ!!
こうなったら私も……私のケーキは何処に?
「流石に二つは多いわね」
「……はめられたぁああ!!」
そのあとは夕方近くまで紅茶を飲みながら話をした。
紫はほとんど聞き手。私が昔の事。最近のことを一方的に話す。
「紫はあんまり喋らないわね」
「そう言われればそうね」
「何か話してよ」
「そうねぇ…昔の私はねもっともっと情熱に溢れてたの」
「えぇ?!」
「生まれた当時の私はこの能力はみんなが幸せになれるって信じてたの」
「…」
「もちろん冗談なんかじゃなく本気でね。けど次第に分かって来たの。こっちが幸せになればあっちが不幸になってる。ならあっちを幸せにってやってたらそれこそ堂々巡り」
「けど…それを真剣にやってた紫は偉いよ」
「いいえ。アリス私は無知なだけだったの。無知な私は結局最後に二つとも不幸にしてしまったの。そしてどんな世界でもいい。みんなが幸せになれる世界をって作ったのが…」
「幻想郷…」
「そう…」
紫も失敗はあるんだ…。目を伏せ落ち込み、消えてしまいそうな紫を私は抱きしめた。
「大丈夫よ…」
「そう見えなかった…」
「なら少しこのままで…」
みんな幸せになる。こんな簡単なことすら外の人は忘れてしまったのか。
「紫?」
「ん……」
「ここで寝たら風邪引いちゃうよ?」
「うぅ…」
か、可愛い!!
眠たい子供が擦り寄ってくるみたいな。紫が私の服のハシを掴んで顔を擦ってくる。
「……」
とりあえず撫でて見た。
「んん~…ぅん~」
喜んで居る時みたいな、くすぐったいのかそんな反応を見せた。
「まさか紫にも弱点があるとはね」
ふと思ったがやっぱり紫も女の子なんだなって再認識した。
紫を起こさないように人形を使って紫をベッドまで運んで行く。
「私はお風呂に行ってくるわよ」
寝てる紫の頬にキスをして風呂に向かった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「紫の服ってこれアイロンはいいのかな?」
風呂から帰って紫を見ると服がしわくちゃになり毛布にくるまり紫は寝ていた。早い話が私が風呂に行った直後紫は暑いと思い自分の服を脱いだ。今日の紫の格好はスーツみたい
な格好だった。今は下と上着を脱いでいる。そして今度は寒くなり毛布にくるまったのだ。
「とりあえずはハンガーにかけとくか」
ハンガーに紫の服を引っ掛け
「紫。お風呂よ」
「ん~…入るぅ…」
「そっ。じゃ…」
吹いた。色んな意味で。
裸Yシャツって…。
「じゃ…」
多分今私顔が林檎みたいに真っ赤のはず。それにしても紫…羨ましいくらいの美脚だった!!それにそれに…腰のくびれとか半端ないくらい引き締まってるし。胸も分かってはいた
けど大きいし…。なんだろうこの敗北感。
「…わ、私だって今から……」
「何が今からなの?」
「わっ。もうあがったの?」
「シャワーだけだったからね」
「そう…って寝るときは着物?」
「浴衣みたいなものよ」
風呂上がりの紫って髪を上にあげて湿った髪が頬に付いたり艶っぽい所が何だかエロい…。
「じゃ今度こそおやすみ」
「よくそんなに寝れるわね」
「フフッ。私の妖力の回復方法は主に睡眠によって回復してるわ」
「じゃあ…」
「春から秋にかけてある程度の…妖力を使って……冬で冬眠してまた…全快す……る…」
「そ、そうだったんだ」
「今年は普通の…睡…眠で…大……丈夫…」
そう言うと紫は寝てしまった。
「強すぎるのも困りものなの?」
寝ている紫にそんな事を聞いてみた。答えは返ることはなく、紫の寝息だけが聞こえてくる。
私も寝ようとベッドに入り紫に抱きついた。甘えるってこんな感じだったっけ?今は紫の温もりだけを感じていたい。
――――――――――――――――――――――――――――――
「アリス。アリス朝よ」
紫が身体を揺すって来る。もう朝なのか…
「おはようゆか…」
目の前には大きくそしてとても豊かな胸が二つ。
「え~と…」
「あぁアリスってば起きたら私の胸に顔を埋めて寝たのよ」
「ご、ごめん…」
「寝心地が良かったなら別に構わないわよ」
「寝心地は確かに良かった…」
そう言うと紫は抱きしめてくれた。
「こんな幸せな朝もたまにはいいでしょ?」
「そうね…」
幸せな私。紫も多分幸せなはずね。それにしても柔らか~い…
「ふかふかでぷにぷに…」
「何なのよその表現は」
「紫の包容力を吸収中…」
「それって吸収されたらやばい気がするんだけど」
「癒やし癒やし…」
「よし。さぁ起きてアリス」
このままでは堕落すると思ったのだろう。紫は気持ちを入れ替えてアリスを起こした。
「私がご飯作ってあげるわ」
「えっ?紫料理出来んの?」
「藍に料理を教えたのは誰だと思ってるの?」
ウィンクをしながら笑顔で台所に向かう紫。そうか藍に料理を教えたのは紫なんだからその紫が料理出来ないわけないんだ。
テーブルに頬杖を付きながら紫を見る。やっぱり女の子ね。
「出来たわよ」
「早くない?」
「早く美味しくが私の料理の基本よ。それと食べてくれる人の事を考えてね作るの」
テーブルに出されたのはパンの真ん中にソーセージが入っていて黄色と赤の調味料がかかった物が出てきた。
「これは?」
「ホットドッグって言うの」
「熱い犬?」
「違う違う…」
呆れて苦笑していた。とにかく食べてみてと勧められた。とにかく紫が食べれないモノは出す訳がないから一口………何だチキンサンド見たいな感じなのね。この赤いのはトマト
が使われているのかな?酸味が何とも…。黄色いのは……黄色い…の……は…?!
「んんんんんんん~!?!?!?!?!」
「えっ?」
水!水!
紫が持って来た水を一気に飲み干す。
「はらかった…」
「辛かった?」
頭を上下に動かして了承した。舌が麻痺しそうな味。いやあんな味なのか?
「私はそこまで辛いとは思わないけど」
「何でその黄色いのが食べれるの?」
「マスタード?これはこんな味なのよ」
私のホットドッグを食べて感想を言ってくる。けど紫が食べてると何だか美味しそう…
「も、もう一口…」
「はい」
間接キス!
は置いといて…やっぱりこの刺激が…ヤミつきになるのかな?
「どう?」
「辛いけど…うん。美味しい」
「いやいや」
「?」
「私との間接キスはどうだった?」
「ふぇ?」
大真面目な顔で聞いてくる紫。なんて答えれば?!嬉しいとか?
「え、え~と…」
「嘘嘘」
「ふぇ?」
「ほっぺにケチャップ付いてるわよ」
「ど、どこ?」
「ここよ」
紫は指で取ってからそのまま……舐めた。恥ずかしい…
「ねぇアリス」
「な、何?」
「もしもさ。自分の好きな人の嫌いな所を見つけたらどうする?」
「そうねぇ…好きな所を倍見つけるかな?」
意外そうな顔をする紫。簡単な話だ。紫もこの同棲生活には不安はあったんだ。それを直接聞けないから回りくどくさっきの質問をしたんだ。そう…一緒にいたら見たくないもの
も見てしまうかもしれない。けど嫌いな所を見つけたなら反対に好きな所を見つければいいだけ。
「私だってだらしない所見せたりするかもしれないよ?」
「大丈夫よ。そんな事で私の気持ちは変わらないから」
真剣な質問には真剣に。冗談でも紫は真剣に答えてくれる。そんな紫も大好きだ。
「私のどこが好きになったの?」
「アリスの好きな所は優しいところ、危なかっしい所、甘えさせてくれるところ。それといざって時に頼りになるところ」
「頼りになるかな?」
「なるわよ。アリスは私のどんな所が好きなの?」
「全部。何もかもどんな紫にでも大好き。私の紫に嫌いな所は無い」
「だらしない所見せちゃったらどうする?」
「可愛いって思う。私が支えてあげなきゃって思うね」
「そんなアリスも大好きよ。ありがと」
そう言って紫は私にキスをした。前にキスをしてからというもの紫に主導権を握られっぱなしだ…
「紫って最初みたいにおどおどしなくなったよね?」
「はじめての事は怖いけど今は幸せすぎて悩むのが勿体ないのよ」
「あぁ…」
紫も私と同じで幸せだったんだ。嬉しい。
「シャワー借りてもいい?」
「朝から?」
「誰かさんのせいで胸の谷間が汗まみれなのよ」
「すみません…」
「嘘よ。一緒に入る?」
「ん~…私もはいろうかな」
お風呂セットを持ってお風呂場に行く。
「紫着替えは?」
「此処に」
そう言って隙間を開いて見せた。
「ずるい」
「便利と言って頂戴」
勝ち誇った紫の顔も綺麗で大好きだ。
――――――――――――――――――――――――
「あ、アリス?」
「何?」
「あんまりそうジロジロ見られるとは、恥ずかしいわ」
「大丈夫。紫の乳大きいから」
「何が大丈夫なのよ~?!」
紫は羨ましい位の良い身体…。腰のクビレはバストとヒップを際立たせるかのように引き締まり、バストとヒップもそんなのお構いなしのように大きく綺麗な形をしている。あの
胸には夢と希望が詰まってるのかな?
「アリス?」
「な、何?」
不意に声をかけられ観察を止める。
「ほらこっちに来て」
「え?うん」
背中でも流してくれるのかな?
「はい目を瞑って」
「あ~シャンプー?」
「正解よ」
優しく丁寧に洗ってくれる紫は何でも出来る人に思えた。
「痒いところは御座いませんか?」
「何よそれ」
「外ではこうやって聞くのよ。それとアリスちゃんと髪の手入れしないと髪ダメになっちゃうわよ?」
「だって時間ないんだもん…」
「綺麗な髪してるんだから粗末にしたらダメよ?」
「はい…分かりました」
そう言うと髪のシャンプーを流してくれた。そしてトリートメント&コンディショナー…。到りつくせりのようで何だかもどかしい。
「紫のもやってあげる」
「私のは大丈夫」
「何で?」
「自分でやるから」
「……私がやる」
ほぼ無理やり紫の髪を洗い始めた。
「あ~ん私の髪がぁ…」
「わ、私だって真面目にやればちゃんと手入れ出来るわよ」
紫もそこは分かっているらしく舌を出して笑っていた。
それにしてもちゃんと手入れされた髪の毛ね。金色で綺麗で長くて羨ましい…私なんて癖っ毛で少しちじれるから伸ばせないのに。
「羨ましい…」
「そうでも無いわよ?」
「え?」
「長いと手入れは大変だし、ご飯のときにお味噌汁の中に髪が入るなんてしょっちゅうだし、朝起きたら髪が身体に絡まってるとか。とくに冬眠の時ね」
「確かに。今年は冬眠しないとか昨日言ってなかった?」
「えぇ。今年はだいそれた異変も無かったし妖力も十分にあるし、睡眠時間が少し長くなるだけね」
「……無理してない?」
「そりゃあ全然っていったら嘘になるわ。だって今まで妖力を貯める時期に起きてるのだから無理はするわ」
「なら…」
なら今年も冬眠すればと言おうとして口を閉じられた。そして紫は髪のシャンプーなどを落とし目を見て話してくれた。
「アリスが居るから今年は冬眠したくないの。これは私のワガママよ」
「…身体壊さないって約束して」
「約束するわ」
湯船に浸かりながら紫と指切りをした。
「無理しないで」
「分かってるわ」
「辛かったら直ぐに私に言ってね?」
「えぇ…」
「それと…あと…」
「アリス」
紫が抱きしめてくれた。裸だから少し恥ずかしいけど、紫の体温が直に感じることが出来て嬉しい。
「大丈夫よ。あなたの約束全部守ってあげるから」
「なら…最後にひとつだけ…」
「なに?」
「私を泣かせないって約束して。これはこの先一生」
「無理だってわかってるけど絶対に守って見せるわ」
「ホント?」
「えぇ…約束破った時はそうねアリスの言う事一つだけ聞いてあげる」
「…嬉しい」
安心したのか涙が溢れてしまった。けどこんな嬉し泣きなら大歓迎だ。
「これはカウント?」
「もち」
意地悪に笑って見せる。
「なら私は何をしたらいい?」
「とりあえず風呂から出よ? のぼせちゃう」
ただでさえ紫といると身体が熱くなるのにこんな湯船の中でやりとりをしたら倒れちゃいそう…
―――――――――――――――――――――――――――
風呂からあがり私達はいつもの格好に戻った。紫は紫色の服。私も何時もの蒼い服だ。
「でお嬢様私めは一体何をすればよろしいのでしょうか?」
「そうねぇ…目を瞑って…」
「フフッ…畏まりました」
ここで普通にキスってのは余りにもベタね。何か…あっ。
「いいよ」
「?」
「はいこれ」
「ネックレス?」
「私のお手製よ?」
「すっごく嬉しい」
光に当ててみたり、鏡の前で似合うかどうか確認したりホント紫は可愛いな。
「じゃあアリス目を瞑って」
「え?…うん……」
何だろ。
「いいわよ。開けて」
「ん」
「はい。これをあなたに贈るわ」
「こ、これって…」
「婚約指輪には少しダイヤが小さいのだけれどそこは我慢してね」
「だ、だめだよ。こんな高価なもの…」
「首輪って訳じゃないけどペアで付けてたらお互いが繋がってるみたいじゃない」
「……いくらしたの?」
「私の気持ち分」
「むむむ…」
「これは私があなたとずっと一緒に居たいって気持ちの表れなの」
「……」
「だから素直に受け取ってくれたら嬉しいな」
「だったら紫が私の指にはめて」
優しく微笑んだあと紫は指輪を私にはめてくれた。
「アリス」
「私もやったげる」
紫の指にはめる。小さくて細い…。こんな手で今まで紫は頑張って来んだな…。
「紫」
「何?」
「私紫を手放す気無いからね」
真剣に言った。紫は何も言わずに抱きしめてくれた。
「なら私も同じ気持ちだけど。手放しちゃダメよ?」
「当たり前よ。紫も手放さないようにしっかり私を捕まえて置いてよ?」
「もちろん」
そのままキスをした。
片方が片方を独占しようとすればそこにはすれ違いが生まれる。
私たちのようにお互いがお互いを求めればそこには届く距離に相手の手がある。自分の手は一人なら絶対に相手に届くことはない。しかし相手も自分に手を伸ばしてくれるならそ
れはとても幸福な事で分かり合える距離まで近づいてる証拠。あとはお互いにお互いの間にある距離を埋めていけば二人は一つになる。
全てを知らないといけないなんて事は無い。自分のように相手を大切に思う事。自分の事が全て分かる人が居ないように相手の事を知らない。これは恥じることでも何でもなく当
り前なのだ。最後に大切なのは気持ちしだいなのだ。
「気持ち次第で人生を見る視点は変わる」
「大好きよアリス」
「私も紫が大好き」
「愛してる?」
「愛してる。愛してる?」
「フフッ。愛してる」
お互いがお互いを求め分かろうとすれば相手は何時でもすぐそこに…
「って言っても私の家に紫が来るだけなんだよね」
紫が家に来るまでの間にケーキを作っていた。ガトーショコラだ。お菓子作りに関しては咲夜にも負けない腕をしている。
以前に咲夜とお菓子作りの勝負をしてお互いがお互いの作ったお菓子を食べ比べた。正直負けたと思い「降参」と言うと咲夜も「私も」と言って引き分けになった。紅茶は咲夜の
方が美味い…。
紫と同棲をする上で紫が「あなたの魔法研究とか邪魔になったりしない?」とか色々と心配をしてくれた。今まで一人の空間に二人目が来るのだ。心配になるのも無理はない。
しかし私の家はお母さんが一人暮らしをするときに作ってくれたものだ。母は狭いよりも大きいほうがいいと「大は小を兼ねる」の精神で家を造ってくれた。つまり、一人で使う
には広過ぎるから二人になっても問題はないのだ。
「お風呂とか三人は余裕で入りそうね」
今改めて家の中を見るとかなり広いことが分かった。
「……けど広過ぎると寂しさが増すのよね」
声がこだまする。自分の放った言葉に対し返事がないのはとても寂しい気持ちになる。
「あっ…ケーキそろそろ完成させなくちゃ」
放って置いたケーキの仕上げの作業に入る。紫と付き合うようになってからは一人の時に感じる寂しさが強くなったような気がした。
「紫早く来ないかな…」
しばしの間椅子に座り天井を眺める。すると…
「ア~リ~ス」
「きゃ」
いきなり後ろから抱きつかれた。
「ちょ…」
「ん~?」
疑いのないような会えて嬉しいと言う顔されては怒るに怒れないアリスであった。
「荷物ってそれだけなの?」
「今はこれくらいよ。必要になったら隙間からすぐに出せるように整理はしてきから大丈夫よ」
「今までと変わりないじゃない」
「今夜から私は帰らないわ」
「…」
改めて考えると恥ずかしくなってくる。今日からこの私の家の中で紫と生活。嬉しくもあり不安でもある。
「って…何してるの?」
「アリスの匂いを嗅いでるのよ」
攻撃されると分かったのか紫は私と距離をとった。
「ちゃんと私のあげた香水使ってくれてるのね」
「当たり前よ」
紫からの贈り物。使うのは勿体ないけどこの香水を付けてると紫の所有物みたいで嬉しかったりする。
「嬉しいわ」
何度も見たはずの紫の笑顔。相変わらず可愛い。ギャップが有りすぎなんだ。そうよきっとそう…。
「……やっぱり可愛い」
「い、いきなりは卑怯よ」
顔を赤らめて文句を言う紫。けどまんざらでもないようなのでそのままあらかじめ作って置いたケーキを人形に持って来させる。
「ウエディングケーキじゃないけど記念になればなって思ったの」
「かいがいしいわアリス」
切り分けをして皿にケーキを盛る。
「じゃいただきまーす」
「いただきます」
私は正直紫からの感想が気になって気になって仕方なかった。
「ど、どう?」
「ん?すっごく美味しいわよ」
その言葉を聞いてようやく私も自分のケーキを食べる。普通に美味しかった。
「ア~リス」
「どうかした?」
いきなり頬を舐められた。
「クリーム付いてたわよ」
「…あ、ありがと……」
すごく自然にやってくるから顔の火照りが収まらない。こんな些細なことさえも幸せに思える私は幸せ者で紫もこんな気持ちだといいな。
「はいあ~ん」
「え?」
「早くしないとケーキ落ちちゃうわよ?」
「あ?あ…え…あ、あ~ん」
はずっ!!
こうなったら私も……私のケーキは何処に?
「流石に二つは多いわね」
「……はめられたぁああ!!」
そのあとは夕方近くまで紅茶を飲みながら話をした。
紫はほとんど聞き手。私が昔の事。最近のことを一方的に話す。
「紫はあんまり喋らないわね」
「そう言われればそうね」
「何か話してよ」
「そうねぇ…昔の私はねもっともっと情熱に溢れてたの」
「えぇ?!」
「生まれた当時の私はこの能力はみんなが幸せになれるって信じてたの」
「…」
「もちろん冗談なんかじゃなく本気でね。けど次第に分かって来たの。こっちが幸せになればあっちが不幸になってる。ならあっちを幸せにってやってたらそれこそ堂々巡り」
「けど…それを真剣にやってた紫は偉いよ」
「いいえ。アリス私は無知なだけだったの。無知な私は結局最後に二つとも不幸にしてしまったの。そしてどんな世界でもいい。みんなが幸せになれる世界をって作ったのが…」
「幻想郷…」
「そう…」
紫も失敗はあるんだ…。目を伏せ落ち込み、消えてしまいそうな紫を私は抱きしめた。
「大丈夫よ…」
「そう見えなかった…」
「なら少しこのままで…」
みんな幸せになる。こんな簡単なことすら外の人は忘れてしまったのか。
「紫?」
「ん……」
「ここで寝たら風邪引いちゃうよ?」
「うぅ…」
か、可愛い!!
眠たい子供が擦り寄ってくるみたいな。紫が私の服のハシを掴んで顔を擦ってくる。
「……」
とりあえず撫でて見た。
「んん~…ぅん~」
喜んで居る時みたいな、くすぐったいのかそんな反応を見せた。
「まさか紫にも弱点があるとはね」
ふと思ったがやっぱり紫も女の子なんだなって再認識した。
紫を起こさないように人形を使って紫をベッドまで運んで行く。
「私はお風呂に行ってくるわよ」
寝てる紫の頬にキスをして風呂に向かった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「紫の服ってこれアイロンはいいのかな?」
風呂から帰って紫を見ると服がしわくちゃになり毛布にくるまり紫は寝ていた。早い話が私が風呂に行った直後紫は暑いと思い自分の服を脱いだ。今日の紫の格好はスーツみたい
な格好だった。今は下と上着を脱いでいる。そして今度は寒くなり毛布にくるまったのだ。
「とりあえずはハンガーにかけとくか」
ハンガーに紫の服を引っ掛け
「紫。お風呂よ」
「ん~…入るぅ…」
「そっ。じゃ…」
吹いた。色んな意味で。
裸Yシャツって…。
「じゃ…」
多分今私顔が林檎みたいに真っ赤のはず。それにしても紫…羨ましいくらいの美脚だった!!それにそれに…腰のくびれとか半端ないくらい引き締まってるし。胸も分かってはいた
けど大きいし…。なんだろうこの敗北感。
「…わ、私だって今から……」
「何が今からなの?」
「わっ。もうあがったの?」
「シャワーだけだったからね」
「そう…って寝るときは着物?」
「浴衣みたいなものよ」
風呂上がりの紫って髪を上にあげて湿った髪が頬に付いたり艶っぽい所が何だかエロい…。
「じゃ今度こそおやすみ」
「よくそんなに寝れるわね」
「フフッ。私の妖力の回復方法は主に睡眠によって回復してるわ」
「じゃあ…」
「春から秋にかけてある程度の…妖力を使って……冬で冬眠してまた…全快す……る…」
「そ、そうだったんだ」
「今年は普通の…睡…眠で…大……丈夫…」
そう言うと紫は寝てしまった。
「強すぎるのも困りものなの?」
寝ている紫にそんな事を聞いてみた。答えは返ることはなく、紫の寝息だけが聞こえてくる。
私も寝ようとベッドに入り紫に抱きついた。甘えるってこんな感じだったっけ?今は紫の温もりだけを感じていたい。
――――――――――――――――――――――――――――――
「アリス。アリス朝よ」
紫が身体を揺すって来る。もう朝なのか…
「おはようゆか…」
目の前には大きくそしてとても豊かな胸が二つ。
「え~と…」
「あぁアリスってば起きたら私の胸に顔を埋めて寝たのよ」
「ご、ごめん…」
「寝心地が良かったなら別に構わないわよ」
「寝心地は確かに良かった…」
そう言うと紫は抱きしめてくれた。
「こんな幸せな朝もたまにはいいでしょ?」
「そうね…」
幸せな私。紫も多分幸せなはずね。それにしても柔らか~い…
「ふかふかでぷにぷに…」
「何なのよその表現は」
「紫の包容力を吸収中…」
「それって吸収されたらやばい気がするんだけど」
「癒やし癒やし…」
「よし。さぁ起きてアリス」
このままでは堕落すると思ったのだろう。紫は気持ちを入れ替えてアリスを起こした。
「私がご飯作ってあげるわ」
「えっ?紫料理出来んの?」
「藍に料理を教えたのは誰だと思ってるの?」
ウィンクをしながら笑顔で台所に向かう紫。そうか藍に料理を教えたのは紫なんだからその紫が料理出来ないわけないんだ。
テーブルに頬杖を付きながら紫を見る。やっぱり女の子ね。
「出来たわよ」
「早くない?」
「早く美味しくが私の料理の基本よ。それと食べてくれる人の事を考えてね作るの」
テーブルに出されたのはパンの真ん中にソーセージが入っていて黄色と赤の調味料がかかった物が出てきた。
「これは?」
「ホットドッグって言うの」
「熱い犬?」
「違う違う…」
呆れて苦笑していた。とにかく食べてみてと勧められた。とにかく紫が食べれないモノは出す訳がないから一口………何だチキンサンド見たいな感じなのね。この赤いのはトマト
が使われているのかな?酸味が何とも…。黄色いのは……黄色い…の……は…?!
「んんんんんんん~!?!?!?!?!」
「えっ?」
水!水!
紫が持って来た水を一気に飲み干す。
「はらかった…」
「辛かった?」
頭を上下に動かして了承した。舌が麻痺しそうな味。いやあんな味なのか?
「私はそこまで辛いとは思わないけど」
「何でその黄色いのが食べれるの?」
「マスタード?これはこんな味なのよ」
私のホットドッグを食べて感想を言ってくる。けど紫が食べてると何だか美味しそう…
「も、もう一口…」
「はい」
間接キス!
は置いといて…やっぱりこの刺激が…ヤミつきになるのかな?
「どう?」
「辛いけど…うん。美味しい」
「いやいや」
「?」
「私との間接キスはどうだった?」
「ふぇ?」
大真面目な顔で聞いてくる紫。なんて答えれば?!嬉しいとか?
「え、え~と…」
「嘘嘘」
「ふぇ?」
「ほっぺにケチャップ付いてるわよ」
「ど、どこ?」
「ここよ」
紫は指で取ってからそのまま……舐めた。恥ずかしい…
「ねぇアリス」
「な、何?」
「もしもさ。自分の好きな人の嫌いな所を見つけたらどうする?」
「そうねぇ…好きな所を倍見つけるかな?」
意外そうな顔をする紫。簡単な話だ。紫もこの同棲生活には不安はあったんだ。それを直接聞けないから回りくどくさっきの質問をしたんだ。そう…一緒にいたら見たくないもの
も見てしまうかもしれない。けど嫌いな所を見つけたなら反対に好きな所を見つければいいだけ。
「私だってだらしない所見せたりするかもしれないよ?」
「大丈夫よ。そんな事で私の気持ちは変わらないから」
真剣な質問には真剣に。冗談でも紫は真剣に答えてくれる。そんな紫も大好きだ。
「私のどこが好きになったの?」
「アリスの好きな所は優しいところ、危なかっしい所、甘えさせてくれるところ。それといざって時に頼りになるところ」
「頼りになるかな?」
「なるわよ。アリスは私のどんな所が好きなの?」
「全部。何もかもどんな紫にでも大好き。私の紫に嫌いな所は無い」
「だらしない所見せちゃったらどうする?」
「可愛いって思う。私が支えてあげなきゃって思うね」
「そんなアリスも大好きよ。ありがと」
そう言って紫は私にキスをした。前にキスをしてからというもの紫に主導権を握られっぱなしだ…
「紫って最初みたいにおどおどしなくなったよね?」
「はじめての事は怖いけど今は幸せすぎて悩むのが勿体ないのよ」
「あぁ…」
紫も私と同じで幸せだったんだ。嬉しい。
「シャワー借りてもいい?」
「朝から?」
「誰かさんのせいで胸の谷間が汗まみれなのよ」
「すみません…」
「嘘よ。一緒に入る?」
「ん~…私もはいろうかな」
お風呂セットを持ってお風呂場に行く。
「紫着替えは?」
「此処に」
そう言って隙間を開いて見せた。
「ずるい」
「便利と言って頂戴」
勝ち誇った紫の顔も綺麗で大好きだ。
――――――――――――――――――――――――
「あ、アリス?」
「何?」
「あんまりそうジロジロ見られるとは、恥ずかしいわ」
「大丈夫。紫の乳大きいから」
「何が大丈夫なのよ~?!」
紫は羨ましい位の良い身体…。腰のクビレはバストとヒップを際立たせるかのように引き締まり、バストとヒップもそんなのお構いなしのように大きく綺麗な形をしている。あの
胸には夢と希望が詰まってるのかな?
「アリス?」
「な、何?」
不意に声をかけられ観察を止める。
「ほらこっちに来て」
「え?うん」
背中でも流してくれるのかな?
「はい目を瞑って」
「あ~シャンプー?」
「正解よ」
優しく丁寧に洗ってくれる紫は何でも出来る人に思えた。
「痒いところは御座いませんか?」
「何よそれ」
「外ではこうやって聞くのよ。それとアリスちゃんと髪の手入れしないと髪ダメになっちゃうわよ?」
「だって時間ないんだもん…」
「綺麗な髪してるんだから粗末にしたらダメよ?」
「はい…分かりました」
そう言うと髪のシャンプーを流してくれた。そしてトリートメント&コンディショナー…。到りつくせりのようで何だかもどかしい。
「紫のもやってあげる」
「私のは大丈夫」
「何で?」
「自分でやるから」
「……私がやる」
ほぼ無理やり紫の髪を洗い始めた。
「あ~ん私の髪がぁ…」
「わ、私だって真面目にやればちゃんと手入れ出来るわよ」
紫もそこは分かっているらしく舌を出して笑っていた。
それにしてもちゃんと手入れされた髪の毛ね。金色で綺麗で長くて羨ましい…私なんて癖っ毛で少しちじれるから伸ばせないのに。
「羨ましい…」
「そうでも無いわよ?」
「え?」
「長いと手入れは大変だし、ご飯のときにお味噌汁の中に髪が入るなんてしょっちゅうだし、朝起きたら髪が身体に絡まってるとか。とくに冬眠の時ね」
「確かに。今年は冬眠しないとか昨日言ってなかった?」
「えぇ。今年はだいそれた異変も無かったし妖力も十分にあるし、睡眠時間が少し長くなるだけね」
「……無理してない?」
「そりゃあ全然っていったら嘘になるわ。だって今まで妖力を貯める時期に起きてるのだから無理はするわ」
「なら…」
なら今年も冬眠すればと言おうとして口を閉じられた。そして紫は髪のシャンプーなどを落とし目を見て話してくれた。
「アリスが居るから今年は冬眠したくないの。これは私のワガママよ」
「…身体壊さないって約束して」
「約束するわ」
湯船に浸かりながら紫と指切りをした。
「無理しないで」
「分かってるわ」
「辛かったら直ぐに私に言ってね?」
「えぇ…」
「それと…あと…」
「アリス」
紫が抱きしめてくれた。裸だから少し恥ずかしいけど、紫の体温が直に感じることが出来て嬉しい。
「大丈夫よ。あなたの約束全部守ってあげるから」
「なら…最後にひとつだけ…」
「なに?」
「私を泣かせないって約束して。これはこの先一生」
「無理だってわかってるけど絶対に守って見せるわ」
「ホント?」
「えぇ…約束破った時はそうねアリスの言う事一つだけ聞いてあげる」
「…嬉しい」
安心したのか涙が溢れてしまった。けどこんな嬉し泣きなら大歓迎だ。
「これはカウント?」
「もち」
意地悪に笑って見せる。
「なら私は何をしたらいい?」
「とりあえず風呂から出よ? のぼせちゃう」
ただでさえ紫といると身体が熱くなるのにこんな湯船の中でやりとりをしたら倒れちゃいそう…
―――――――――――――――――――――――――――
風呂からあがり私達はいつもの格好に戻った。紫は紫色の服。私も何時もの蒼い服だ。
「でお嬢様私めは一体何をすればよろしいのでしょうか?」
「そうねぇ…目を瞑って…」
「フフッ…畏まりました」
ここで普通にキスってのは余りにもベタね。何か…あっ。
「いいよ」
「?」
「はいこれ」
「ネックレス?」
「私のお手製よ?」
「すっごく嬉しい」
光に当ててみたり、鏡の前で似合うかどうか確認したりホント紫は可愛いな。
「じゃあアリス目を瞑って」
「え?…うん……」
何だろ。
「いいわよ。開けて」
「ん」
「はい。これをあなたに贈るわ」
「こ、これって…」
「婚約指輪には少しダイヤが小さいのだけれどそこは我慢してね」
「だ、だめだよ。こんな高価なもの…」
「首輪って訳じゃないけどペアで付けてたらお互いが繋がってるみたいじゃない」
「……いくらしたの?」
「私の気持ち分」
「むむむ…」
「これは私があなたとずっと一緒に居たいって気持ちの表れなの」
「……」
「だから素直に受け取ってくれたら嬉しいな」
「だったら紫が私の指にはめて」
優しく微笑んだあと紫は指輪を私にはめてくれた。
「アリス」
「私もやったげる」
紫の指にはめる。小さくて細い…。こんな手で今まで紫は頑張って来んだな…。
「紫」
「何?」
「私紫を手放す気無いからね」
真剣に言った。紫は何も言わずに抱きしめてくれた。
「なら私も同じ気持ちだけど。手放しちゃダメよ?」
「当たり前よ。紫も手放さないようにしっかり私を捕まえて置いてよ?」
「もちろん」
そのままキスをした。
片方が片方を独占しようとすればそこにはすれ違いが生まれる。
私たちのようにお互いがお互いを求めればそこには届く距離に相手の手がある。自分の手は一人なら絶対に相手に届くことはない。しかし相手も自分に手を伸ばしてくれるならそ
れはとても幸福な事で分かり合える距離まで近づいてる証拠。あとはお互いにお互いの間にある距離を埋めていけば二人は一つになる。
全てを知らないといけないなんて事は無い。自分のように相手を大切に思う事。自分の事が全て分かる人が居ないように相手の事を知らない。これは恥じることでも何でもなく当
り前なのだ。最後に大切なのは気持ちしだいなのだ。
「気持ち次第で人生を見る視点は変わる」
「大好きよアリス」
「私も紫が大好き」
「愛してる?」
「愛してる。愛してる?」
「フフッ。愛してる」
お互いがお互いを求め分かろうとすれば相手は何時でもすぐそこに…
裸Yシャツゆかりんとな…ほう
いい感じの甘さでめっちゃニヤニヤ出来ました
このゆかアリ分で後10年は戦える!