―――注意―――
この作品では、メイド長が様々なキャラを呼び捨てにするシーンが多数あります。(おぜうとかその他諸々)
キャラのほとんどは年齢等も見た目に比例しております。(例外:咲夜、霊夢)
また、キャラ間の相関も原作の物と違う点がございます。ご了承下さい。
紅魔館―――
今回お話するのは幻想郷でも五本指に入るほどの有名所。
そこで繰り広げられる、切なくも心温まる物語。
今宵も皆様を、友情と家族愛で溢れるこの世界へご招待いたしましょう。
愛、そして団欒 ~十六夜一家~
「レミィ……あんたまた私の本汚したでしょ?」
「え……なんのことDAI?」
「隠さなくてもいいわよ。私の部屋に勝手に入るのはあんたしかいないんだから……」
「HAHAHA、パチェもなかなか冗談が上手くなっt……」
「レミィ……?(冷ややかな視線)」
「ごめんなさい」
どこの家族も姉妹間の争いは絶えないのである。
家族の憩いの場と言われる居間もここの姉妹たちからすれば争いの絶えない、謂わば戦場である。
先程から言い争い(?)をしているのがここの長女と次女である、パチュリーとレミリアだ。
冷たい雰囲気を醸し出し、しみのついた本を持っているのが長女、パチュリー。三度の飯より本が好き。虚弱体質はご愛嬌。
一方、姉に対し深々と頭を下げているのが次女、レミリア。家族想いで器がでかいが、態度もでかい。おまけに見栄っ張り。
「フラン……本当に大丈夫?やっぱりお母さんがやるから……」
「お母さんはそこで見てて!私がやるから」
「おねえちゃん、りょうりできるの?」
「そうよ。見てなさい、お姉ちゃんの包丁捌き」
(大丈夫かしら……)
こちらは別の意味で緊迫している台所。
二人の忠告を無視して得意げに包丁を持つ三女、フランドール。何でも自分でやりたいお年頃。お母さんは見てて!
そんな姉をきらきらした瞳で見る四女が、小悪魔。純真無垢を体現したような末っ子。3さいです!
そしてハラハラした面持ちでフランドールを見ているのが、この紅魔館の現最高責任者、十六夜咲夜。
四児の母にして、四人の愛情と様々な後始末を一手に受ける紅魔館のスーパーママである。スーパーママである!!
「フラン、前にも言ったけど材料を抑える手は猫の手って……」
「あーもう、うるさーい! お母さんは見ててって言ってるじゃない!!」
でも、と言いかけた咲夜の声は台所に近づく騒がしい足音にかき消された。
「お母さーん。私の部屋の鍵、もっと頑丈なのにしてくれない? レミィが破れないくらいのやつ……」
台所に現れたパチュリーに、ねーねーと肩を揺すられる。がっくんがっくんである。
「今はちょっと待って! フランが……」
「甘いわね、パチェ!!」
今度はバンッ、という音と共に現れたレミリアの声にかき消される。
「私に破れないドアなど……ないっ!!」
ドドン、という効果音が似合いそうな出で立ちでレミリアは胸を張った。その絶壁は、張っても膨らみを微塵も感じさせず、見る者を優しい気持ちにすr(以下略)
前述はさておき、えっへん、と威張り散らすレミリアの態度にパチュリーのこめかみも限界に到達しようとしていた。目が笑ってないよ……パッチェさん……
「ま、そもそもパチェに姉としての威厳が足りないから……」
その言葉が引き金となる。
「むっきゅーーーーーー―――――――!!」
と同時に、悲鳴とも叫びともつかない声を上げながら、パチュリーはレミリアに飛び掛かった。
「おっ、やるかー?」
対してレミリアは嬉々とした表情でパチュリーを迎えた。
かくして紅魔館台所で、今日に入って何回目になるかわからない姉妹喧嘩の火蓋が切って落とされた。
「…………ちょっと……あんた達……」
いよいよ咲夜も爆発寸前になったその瞬間、レミリアに押されたパチュリーがフランにぶつかった。
「痛っ!!」
先程まで意気揚々と包丁を手にしていたフランが悲鳴を上げた。
一同がそれを聞いた途端、動きが止まりフランに視線が集まった。
フランは俯いて右手を抑えていた。抑えている手の指の間から血が流れていた。
「フランっ!?」
フランに近づき手で抑えている箇所を見る。恐らく、というより確実に包丁で切ったのであろう。
それでも、普通は騒ぎ立てることではない。実際、刺さったり、ざっくりとやってしまったわけではなかった。
にもかかわらず、咲夜は自分の血の気が引いていくのを感じた。
というのも、フランの右腕からは傷が深いのか、普通ではない量の血が出ていた。
咲夜は手近にあったタオルを取るとフランの右腕の付け根に強く結び付けた。
その苦痛で悶えるフランを抱き上げ、なるべく衝撃を与えないようそっと床に寝かせた。
と、咲夜はあることに気づいた。
フランの容態を見ようと顔に視線をやると、フランは下唇を噛んでいた。きつく閉じられた眼からは涙を流しながら、必死に激痛に耐えていた。
咲夜は我が子の勇姿を目の当たりにして、少しだけ頬が緩んだ。
「大丈夫……お母さんが絶対に助けるから……」
苦しむフランの耳元で優しく囁くと、フランも力なく、されど咲夜にはっきりと分かるように頷いた。
フランの気持ちを受け止めた咲夜の顔は真剣なものに変わっていた。
「パチュリー!! 脱衣所からタオルを持ってきて!!」
言われて先程まで呆然としていたパチュリーは我に返った。
「わ……わかったわ!!」
パチュリーが脱衣所に向かっていくのを見届けた咲夜は小悪魔を呼んだ。
呼ばれた小悪魔は、突然の出来事に泣いていた。
「大丈夫よ。お姉ちゃんはママが絶対に助けるから」
泣きながら抱きついてくる小悪魔をあやし、咲夜は次の指示を出した。
「レミリア!! お医者様を呼んできてっ!!」
しかし、レミリアから返事はなかった。
「レミリア?」
もう一度呼ぶも、なお呆然としているレミリア。
「レミリア!? レミリア!!」
肩を揺すり、咲夜が何度も呼びかけるも、レミリアは焦点の合っていない目で横になっているフランを見つめるばかりだった。
レミリアは混乱していた。咲夜の声もレミリアには届いていなかった。
なぜ妹は腕から血を流しているのか。いつものようにふざけていただけなのに、なぜこんなことになっているのか。
レミリアはただ呆然と立っていることしか出来ない。
目の前で起こっていることが現実とは思えなかった。
自然と一歩後ずさった。
と、レミリアの視界の端に床に落ちた包丁が入った―――フランの血が付いた包丁が―――
「ひっ………」
その包丁がまるで全ての現実であるかのように感じた。
気づけばレミリアは台所を飛び出ていた。
「レミリア!?」
咲夜の呼ぶ声も最後までレミリアには聞こえなかった。
「母さん、どうするの!?」
レミリアがいなくなった今、医者を呼びに行くのは咲夜かパチュリーになった。
とは言え、パチュリーは生まれつき体が弱い。医者を呼びに行く途中で倒れてしまうかもしれない。
かといって自分がこの場を離れるのは危険な気がした。
苦しむフランの顔色は先程よりも悪くなっていく。苦痛に歪む我が子の顔を見て咲夜は必死に思考を巡らせた。
しかし、気持ちが焦るばかりで時間だけが過ぎていく。
(何か……何か方法はないの!? このままじゃフランが……)
「母さん!! 私がフランについてるから、早く医者を!!」
その言葉を聞いて我に返った咲夜はパチュリーの顔を見た。その表情には不安の色が見て取れたが、もう四の五の言っている状態でないのも確かだった。
「……パチュリー、フランのことお願い!!」
言うが早いか、咲夜が勢いよく台所を飛び出そうとしたとき―――
「「きゃあっ!?」」
という悲鳴と共に何かが倒れたような音がした。
パチュリーが悲鳴のした方に視線を向けると、咲夜がしりもちをついていた。
よく見ると一人は咲夜だが、もう一人台所の戸の向こう側でしりもちをついている人がいた。
咲夜とパチュリーは同時に驚愕した。
そのもう一人というのが、咲夜がこれから呼びに行こうとした幻想郷唯一の医者である、八意永琳だった。
「えっ!? どうしてここに……?」
驚きを隠せない咲夜の質問に永琳は打ち付けた腰回りを抑えながら。
「さっき往診の帰りに、ここの子とすれ違ったのよ……」
ぱたぱたと埃を払いながら言った。
その言葉を聞いて咲夜は、はっとした。
レミリアだ。本人からしたら恐らく逃げ出したのであろうが、結果としては医者が来てくれた。まさしく怪我の功名である。
「裸足のままだったから、何かあったのかと思って来てみたんだけど……」
言いながら永琳は咲夜の背後で横になっているフランを見てやっぱりね、と頷いた。
レミリアの事も気がかりだが今はフランのことだ。
「フランが包丁で手を切って、それで血が……」
「落ち着きなさい。状況はだいたい見れば分かるわ」
動揺している咲夜を制すると、永琳はフランの下に駆け寄った。後に続いて咲夜も覗き込む。
「どう……?」
フランの容態を診ている永琳の横で、咲夜は動揺を隠せない様子だった。パチュリーもまた、神妙な面持ちで永琳の言葉を待っていた。
「どうも何も……ちょっと手を切っちゃっただけね。切りどころが悪かったみたいだけど、傷は浅いみたいだから二、三針縫えばすぐに治るわよ……」
言いながら、永琳は持参していた医療バッグから医療道具を取り出し、床に広げた。
「この程度の傷だったら、すぐに治療できるから……ってどうしたの?」
見ると咲夜はその場にへたり込み、パチュリーは苦しそうに咳込んでいた。
「安心したら、腰が……パチュリー、大丈夫?」
「えぇ…げほっ、大丈夫……」
咲夜は目尻に涙を浮かべながら、今なお泣いている小悪魔をあやしていた。
パチュリーも吸入器を咥えているものの安心したような面持ちだった。
どうやら二人とも安心して緊張の糸が切れたのだろう。
「はぁ……大事に至らなくてよかった……」
咲夜が安堵の息をもらしていると、永琳がその肩をぽん、と叩いた。
「まだ、安心するのは早いんじゃない?」
永琳がほら、と指を立てる。
咲夜も初めはきょとんとした顔をしていたが、すぐに意味を理解したのか、盛大なため息をついた。
「あー、そうね……」
でも、と泣いている小悪魔や吸入器を咥えているパチュリーを見る。
永琳もまた、そんな咲夜の様子を見てふぅ、とため息をついた。
「……この子たちは私が見てるから、行ってらっしゃい」
初めこそ驚いたが、咲夜は素直に永琳の好意に甘えることにした。
ごめんなさい、とだけ言い残し咲夜は台所から出て行った。
レミリアの行先はだいたい目星がついていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「本当、毎度迷惑をかけてごめんなさい」
博麗神社の玄関先で咲夜は頭を下げていた。
「別に気にしてないわよ」
頭を下げる咲夜に対して微笑みを掛けているのは、博麗霊夢である。いまでは皆の頼れるお母さん。
なぜ咲夜が霊夢に謝っているのかというと、理由は数時間前に遡る―――
紅魔館を抜け出したレミリアは他に行くあてもなく人里を歩いていると、買い物に来ていた霊夢と鉢合わせになったのだ。
霊夢は裸足のままのレミリアに少なからず事情があると踏んで、家に連れて帰ったのである。
レミリアを探していた咲夜にもその報せが入り、今に至るわけである。
「それで……? 今回はどういった事情かしら?」
霊夢が今回は、と聞くのにも理由がある。というのも、十六夜家の姉妹たちは何かあるとなぜか博麗神社に行くという習慣がある。
そのため咲夜が迎えに来て、霊夢に謝罪するというのも習慣になってしまった。
毎日のように頻繁ではないにしろ、そう何度も訪ねられては、あなたたちには関係ないと言われて引き下がるような霊夢さんはいません。
今回も咲夜は申し訳ない気持ちで霊夢に事情を話すのだった。
「ふーん……包丁で怪我ねぇ……」
縁側にて、一通りの事情を聞き終えた霊夢はお茶を淹れながら咲夜の隣へ座った。
「あの子が悪いというわけじゃないんだけど、あそこで逃げ出すとはね……」
そう呟き、咲夜は差し出された湯呑に口を付けた。
その様子を横から見ていた霊夢は後ろを振り返った。
そこには倒れたレミリアにチルノとルーミアがじゃれついていた。なんとも微笑ましい光景である。
視線を咲夜に戻した霊夢は、
「多分……今と同じなんじゃない?」
そう告げると同じように湯呑を傾けた。
咲夜は意味が分からず視線を霊夢に移した。
「レミリアに限らず、あの子たちからしたら……今、この場で誰かが怪我するなんて思ってもみないでしょ……?」
「あ……」
意味を理解したのか咲夜も後ろに振り向く。
「あんたのとこの子は皆家族思いだから……だからこそ、自分が怪我させたって現実が怖くなったのよ。それこそ、怪我した妹から逃げ出すほどにね……」
咲夜は何も言わない。言えなかった。
レミリアが姉妹の中で一番家族思いなのは知っていた。
だからこそ、あの場で一番気にしてやらないといけないのはレミリアの方だったのかもしれない。
動揺していたということもあった。
フランの傷も大怪我とはいかなかったが、そのままにいていれば命に関わったかもしれない。
自分は間違った判断をしていない。
そう思うも、咲夜はレミリアを責める気にはならなかった。
レミリアの足には霊夢がしたであろう、包帯が巻いてあった。
靴を履くことも忘れるほどに、レミリアは追い込まれていたのであろう。
そんな状態であることを察してやれなかった。
咲夜は己のふがいなさを噛みしめた。
目に見える傷は時が経てば塞がるもの。
されど、目に見えぬ傷は簡単には塞がらない。それこそ、その者が忘れない限り。
咲夜は、やりきれない思いでレミリアを見ることしか出来なかった―――
「じゃあ、そろそろお暇するわね……本当、いつもいつも悪いわね……」
博麗家の玄関先。
レミリアをおんぶした咲夜は謝罪を口にした。
「気にするなって言っても意味ないでしょうね……ま、次回も頼まれてあげる」
そんな冗談ともつかいない言葉を口にした霊夢は、最早慣れた感じだった。
「できれば次回なんてない方がいいんだけど……」
「もうその言葉聞くのは何回目かしら?」
意地の悪い笑みを浮かべる霊夢。
だが、その言葉を否定しきれない咲夜はため息をつくしかなかった。また次もここに来る羽目になるのだろう。
それにしても、と霊夢が切り出す。
「あんたのとこの旦那はまだ帰ってきてないの……?」
「う、まぁ……ね」
霊夢の言う咲夜の旦那とは紅美鈴のことである。咲夜の悩みの種の一つである。
紅魔館と子供たちを咲夜に任せて出て行ったきり、行方不明になっている。
噂では、月に行っただの、地底で温泉入ってるだの、道端で昼寝しているだの、ろくな噂を聞かない旦那である。しかもどれも信憑性が高く否定できないのが情けない。。
咲夜自身も愛想が尽きてるが、それでも子供のためには帰ってきてほしいと思うときもある。
「まったく……奥さん残してどこで何をしてるのやら……」
呆れた様子の霊夢の言葉を咲夜は制した。
「霊夢! その話はもういいじゃない」
言いながら、咲夜は目で背負っていいるレミリアを示した。
霊夢も察したのか口を閉じた。
レミリア自身はチルノ達と話していて聞いていなかったようだった―――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……お母さん」
不意に背負っているレミリアから呼ばれ、咲夜は脚を止めた。
「……なに?」
「…………」
咲夜にはレミリアが何を言わんとしているか察しがついていた。が、咲夜としては自分から訊くのでなく、レミリア自身から聞きたかった。
「…………」
きゅっ、と咲夜の服を掴む手に力が入る。
言い淀んでいるのが、咲夜にも伝わった。それでも咲夜はレミリアの言葉を待った。
……………
…………
………
……
「……怒らないの? 私が逃げたこと」
数分の沈黙を破りレミリアが口にした言葉がそれだった。
「……そうね……すっごく怒ってる……って言ったらどうする?」
それを聞いたレミリアはあぅ、と咲夜の背中で丸くなった。
「……冗談よ………………ごめんなさいね、レミリア……」
咲夜はレミリアを自分の正面に降ろし面と向かってそう告げた。その言葉の中に様々な意味を込めて。
膝を屈めて、レミリアと同じ高さになった視線が交差する。
「フランも辛かったけど、レミリアも苦しかったのよね……お母さん、フランしか見てなかったわ……ごめんなさい」
レミリアに頭を下げる咲夜。こんなことでレミリアの傷が治るとも思えなかったが、これが咲夜が今できる精一杯だった。
「お母さんは悪くない! 悪いのはフランに怪我させて逃げた私……んっ!?」
すべて言い切る前に、咲夜の指がレミリアの口を紡いだ。
「レミリアは優しいから……お母さんがそれに甘えちゃってたの……」
「そんなことな……」
レミリアの言葉を遮ってそれに、と咲夜は続けた。
「レミリアは怖かったんだよね? お母さんそれに気付けなかった…………寂しかったね」
その言葉を聞いた途端、レミリアの双眸から涙が溢れる。耐えきれず、レミリアは咲夜の胸に飛び込んだ。
「ごめ……なさ……ごめん……なさい……」
嗚咽とともに何度も呟くレミリアを咲夜はしっかりと抱きしめた。
かけがえのない温もりをその身にしっかりと刻みながら―――
「お母さん……」
「何?」
「ありがとう……」
「……どういたしまして」
もう何度目かも忘れてしまうほどに往復した、家に続く道。
この道の上で色々な思いを知り、色々なことを学んだ。
今日まで。そしてこれからも。
家に続く『道』が咲夜とその子供たちの『道』となっていく―――
~了~
この作品では、メイド長が様々なキャラを呼び捨てにするシーンが多数あります。(おぜうとかその他諸々)
キャラのほとんどは年齢等も見た目に比例しております。(例外:咲夜、霊夢)
また、キャラ間の相関も原作の物と違う点がございます。ご了承下さい。
紅魔館―――
今回お話するのは幻想郷でも五本指に入るほどの有名所。
そこで繰り広げられる、切なくも心温まる物語。
今宵も皆様を、友情と家族愛で溢れるこの世界へご招待いたしましょう。
愛、そして団欒 ~十六夜一家~
「レミィ……あんたまた私の本汚したでしょ?」
「え……なんのことDAI?」
「隠さなくてもいいわよ。私の部屋に勝手に入るのはあんたしかいないんだから……」
「HAHAHA、パチェもなかなか冗談が上手くなっt……」
「レミィ……?(冷ややかな視線)」
「ごめんなさい」
どこの家族も姉妹間の争いは絶えないのである。
家族の憩いの場と言われる居間もここの姉妹たちからすれば争いの絶えない、謂わば戦場である。
先程から言い争い(?)をしているのがここの長女と次女である、パチュリーとレミリアだ。
冷たい雰囲気を醸し出し、しみのついた本を持っているのが長女、パチュリー。三度の飯より本が好き。虚弱体質はご愛嬌。
一方、姉に対し深々と頭を下げているのが次女、レミリア。家族想いで器がでかいが、態度もでかい。おまけに見栄っ張り。
「フラン……本当に大丈夫?やっぱりお母さんがやるから……」
「お母さんはそこで見てて!私がやるから」
「おねえちゃん、りょうりできるの?」
「そうよ。見てなさい、お姉ちゃんの包丁捌き」
(大丈夫かしら……)
こちらは別の意味で緊迫している台所。
二人の忠告を無視して得意げに包丁を持つ三女、フランドール。何でも自分でやりたいお年頃。お母さんは見てて!
そんな姉をきらきらした瞳で見る四女が、小悪魔。純真無垢を体現したような末っ子。3さいです!
そしてハラハラした面持ちでフランドールを見ているのが、この紅魔館の現最高責任者、十六夜咲夜。
四児の母にして、四人の愛情と様々な後始末を一手に受ける紅魔館のスーパーママである。スーパーママである!!
「フラン、前にも言ったけど材料を抑える手は猫の手って……」
「あーもう、うるさーい! お母さんは見ててって言ってるじゃない!!」
でも、と言いかけた咲夜の声は台所に近づく騒がしい足音にかき消された。
「お母さーん。私の部屋の鍵、もっと頑丈なのにしてくれない? レミィが破れないくらいのやつ……」
台所に現れたパチュリーに、ねーねーと肩を揺すられる。がっくんがっくんである。
「今はちょっと待って! フランが……」
「甘いわね、パチェ!!」
今度はバンッ、という音と共に現れたレミリアの声にかき消される。
「私に破れないドアなど……ないっ!!」
ドドン、という効果音が似合いそうな出で立ちでレミリアは胸を張った。その絶壁は、張っても膨らみを微塵も感じさせず、見る者を優しい気持ちにすr(以下略)
前述はさておき、えっへん、と威張り散らすレミリアの態度にパチュリーのこめかみも限界に到達しようとしていた。目が笑ってないよ……パッチェさん……
「ま、そもそもパチェに姉としての威厳が足りないから……」
その言葉が引き金となる。
「むっきゅーーーーーー―――――――!!」
と同時に、悲鳴とも叫びともつかない声を上げながら、パチュリーはレミリアに飛び掛かった。
「おっ、やるかー?」
対してレミリアは嬉々とした表情でパチュリーを迎えた。
かくして紅魔館台所で、今日に入って何回目になるかわからない姉妹喧嘩の火蓋が切って落とされた。
「…………ちょっと……あんた達……」
いよいよ咲夜も爆発寸前になったその瞬間、レミリアに押されたパチュリーがフランにぶつかった。
「痛っ!!」
先程まで意気揚々と包丁を手にしていたフランが悲鳴を上げた。
一同がそれを聞いた途端、動きが止まりフランに視線が集まった。
フランは俯いて右手を抑えていた。抑えている手の指の間から血が流れていた。
「フランっ!?」
フランに近づき手で抑えている箇所を見る。恐らく、というより確実に包丁で切ったのであろう。
それでも、普通は騒ぎ立てることではない。実際、刺さったり、ざっくりとやってしまったわけではなかった。
にもかかわらず、咲夜は自分の血の気が引いていくのを感じた。
というのも、フランの右腕からは傷が深いのか、普通ではない量の血が出ていた。
咲夜は手近にあったタオルを取るとフランの右腕の付け根に強く結び付けた。
その苦痛で悶えるフランを抱き上げ、なるべく衝撃を与えないようそっと床に寝かせた。
と、咲夜はあることに気づいた。
フランの容態を見ようと顔に視線をやると、フランは下唇を噛んでいた。きつく閉じられた眼からは涙を流しながら、必死に激痛に耐えていた。
咲夜は我が子の勇姿を目の当たりにして、少しだけ頬が緩んだ。
「大丈夫……お母さんが絶対に助けるから……」
苦しむフランの耳元で優しく囁くと、フランも力なく、されど咲夜にはっきりと分かるように頷いた。
フランの気持ちを受け止めた咲夜の顔は真剣なものに変わっていた。
「パチュリー!! 脱衣所からタオルを持ってきて!!」
言われて先程まで呆然としていたパチュリーは我に返った。
「わ……わかったわ!!」
パチュリーが脱衣所に向かっていくのを見届けた咲夜は小悪魔を呼んだ。
呼ばれた小悪魔は、突然の出来事に泣いていた。
「大丈夫よ。お姉ちゃんはママが絶対に助けるから」
泣きながら抱きついてくる小悪魔をあやし、咲夜は次の指示を出した。
「レミリア!! お医者様を呼んできてっ!!」
しかし、レミリアから返事はなかった。
「レミリア?」
もう一度呼ぶも、なお呆然としているレミリア。
「レミリア!? レミリア!!」
肩を揺すり、咲夜が何度も呼びかけるも、レミリアは焦点の合っていない目で横になっているフランを見つめるばかりだった。
レミリアは混乱していた。咲夜の声もレミリアには届いていなかった。
なぜ妹は腕から血を流しているのか。いつものようにふざけていただけなのに、なぜこんなことになっているのか。
レミリアはただ呆然と立っていることしか出来ない。
目の前で起こっていることが現実とは思えなかった。
自然と一歩後ずさった。
と、レミリアの視界の端に床に落ちた包丁が入った―――フランの血が付いた包丁が―――
「ひっ………」
その包丁がまるで全ての現実であるかのように感じた。
気づけばレミリアは台所を飛び出ていた。
「レミリア!?」
咲夜の呼ぶ声も最後までレミリアには聞こえなかった。
「母さん、どうするの!?」
レミリアがいなくなった今、医者を呼びに行くのは咲夜かパチュリーになった。
とは言え、パチュリーは生まれつき体が弱い。医者を呼びに行く途中で倒れてしまうかもしれない。
かといって自分がこの場を離れるのは危険な気がした。
苦しむフランの顔色は先程よりも悪くなっていく。苦痛に歪む我が子の顔を見て咲夜は必死に思考を巡らせた。
しかし、気持ちが焦るばかりで時間だけが過ぎていく。
(何か……何か方法はないの!? このままじゃフランが……)
「母さん!! 私がフランについてるから、早く医者を!!」
その言葉を聞いて我に返った咲夜はパチュリーの顔を見た。その表情には不安の色が見て取れたが、もう四の五の言っている状態でないのも確かだった。
「……パチュリー、フランのことお願い!!」
言うが早いか、咲夜が勢いよく台所を飛び出そうとしたとき―――
「「きゃあっ!?」」
という悲鳴と共に何かが倒れたような音がした。
パチュリーが悲鳴のした方に視線を向けると、咲夜がしりもちをついていた。
よく見ると一人は咲夜だが、もう一人台所の戸の向こう側でしりもちをついている人がいた。
咲夜とパチュリーは同時に驚愕した。
そのもう一人というのが、咲夜がこれから呼びに行こうとした幻想郷唯一の医者である、八意永琳だった。
「えっ!? どうしてここに……?」
驚きを隠せない咲夜の質問に永琳は打ち付けた腰回りを抑えながら。
「さっき往診の帰りに、ここの子とすれ違ったのよ……」
ぱたぱたと埃を払いながら言った。
その言葉を聞いて咲夜は、はっとした。
レミリアだ。本人からしたら恐らく逃げ出したのであろうが、結果としては医者が来てくれた。まさしく怪我の功名である。
「裸足のままだったから、何かあったのかと思って来てみたんだけど……」
言いながら永琳は咲夜の背後で横になっているフランを見てやっぱりね、と頷いた。
レミリアの事も気がかりだが今はフランのことだ。
「フランが包丁で手を切って、それで血が……」
「落ち着きなさい。状況はだいたい見れば分かるわ」
動揺している咲夜を制すると、永琳はフランの下に駆け寄った。後に続いて咲夜も覗き込む。
「どう……?」
フランの容態を診ている永琳の横で、咲夜は動揺を隠せない様子だった。パチュリーもまた、神妙な面持ちで永琳の言葉を待っていた。
「どうも何も……ちょっと手を切っちゃっただけね。切りどころが悪かったみたいだけど、傷は浅いみたいだから二、三針縫えばすぐに治るわよ……」
言いながら、永琳は持参していた医療バッグから医療道具を取り出し、床に広げた。
「この程度の傷だったら、すぐに治療できるから……ってどうしたの?」
見ると咲夜はその場にへたり込み、パチュリーは苦しそうに咳込んでいた。
「安心したら、腰が……パチュリー、大丈夫?」
「えぇ…げほっ、大丈夫……」
咲夜は目尻に涙を浮かべながら、今なお泣いている小悪魔をあやしていた。
パチュリーも吸入器を咥えているものの安心したような面持ちだった。
どうやら二人とも安心して緊張の糸が切れたのだろう。
「はぁ……大事に至らなくてよかった……」
咲夜が安堵の息をもらしていると、永琳がその肩をぽん、と叩いた。
「まだ、安心するのは早いんじゃない?」
永琳がほら、と指を立てる。
咲夜も初めはきょとんとした顔をしていたが、すぐに意味を理解したのか、盛大なため息をついた。
「あー、そうね……」
でも、と泣いている小悪魔や吸入器を咥えているパチュリーを見る。
永琳もまた、そんな咲夜の様子を見てふぅ、とため息をついた。
「……この子たちは私が見てるから、行ってらっしゃい」
初めこそ驚いたが、咲夜は素直に永琳の好意に甘えることにした。
ごめんなさい、とだけ言い残し咲夜は台所から出て行った。
レミリアの行先はだいたい目星がついていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「本当、毎度迷惑をかけてごめんなさい」
博麗神社の玄関先で咲夜は頭を下げていた。
「別に気にしてないわよ」
頭を下げる咲夜に対して微笑みを掛けているのは、博麗霊夢である。いまでは皆の頼れるお母さん。
なぜ咲夜が霊夢に謝っているのかというと、理由は数時間前に遡る―――
紅魔館を抜け出したレミリアは他に行くあてもなく人里を歩いていると、買い物に来ていた霊夢と鉢合わせになったのだ。
霊夢は裸足のままのレミリアに少なからず事情があると踏んで、家に連れて帰ったのである。
レミリアを探していた咲夜にもその報せが入り、今に至るわけである。
「それで……? 今回はどういった事情かしら?」
霊夢が今回は、と聞くのにも理由がある。というのも、十六夜家の姉妹たちは何かあるとなぜか博麗神社に行くという習慣がある。
そのため咲夜が迎えに来て、霊夢に謝罪するというのも習慣になってしまった。
毎日のように頻繁ではないにしろ、そう何度も訪ねられては、あなたたちには関係ないと言われて引き下がるような霊夢さんはいません。
今回も咲夜は申し訳ない気持ちで霊夢に事情を話すのだった。
「ふーん……包丁で怪我ねぇ……」
縁側にて、一通りの事情を聞き終えた霊夢はお茶を淹れながら咲夜の隣へ座った。
「あの子が悪いというわけじゃないんだけど、あそこで逃げ出すとはね……」
そう呟き、咲夜は差し出された湯呑に口を付けた。
その様子を横から見ていた霊夢は後ろを振り返った。
そこには倒れたレミリアにチルノとルーミアがじゃれついていた。なんとも微笑ましい光景である。
視線を咲夜に戻した霊夢は、
「多分……今と同じなんじゃない?」
そう告げると同じように湯呑を傾けた。
咲夜は意味が分からず視線を霊夢に移した。
「レミリアに限らず、あの子たちからしたら……今、この場で誰かが怪我するなんて思ってもみないでしょ……?」
「あ……」
意味を理解したのか咲夜も後ろに振り向く。
「あんたのとこの子は皆家族思いだから……だからこそ、自分が怪我させたって現実が怖くなったのよ。それこそ、怪我した妹から逃げ出すほどにね……」
咲夜は何も言わない。言えなかった。
レミリアが姉妹の中で一番家族思いなのは知っていた。
だからこそ、あの場で一番気にしてやらないといけないのはレミリアの方だったのかもしれない。
動揺していたということもあった。
フランの傷も大怪我とはいかなかったが、そのままにいていれば命に関わったかもしれない。
自分は間違った判断をしていない。
そう思うも、咲夜はレミリアを責める気にはならなかった。
レミリアの足には霊夢がしたであろう、包帯が巻いてあった。
靴を履くことも忘れるほどに、レミリアは追い込まれていたのであろう。
そんな状態であることを察してやれなかった。
咲夜は己のふがいなさを噛みしめた。
目に見える傷は時が経てば塞がるもの。
されど、目に見えぬ傷は簡単には塞がらない。それこそ、その者が忘れない限り。
咲夜は、やりきれない思いでレミリアを見ることしか出来なかった―――
「じゃあ、そろそろお暇するわね……本当、いつもいつも悪いわね……」
博麗家の玄関先。
レミリアをおんぶした咲夜は謝罪を口にした。
「気にするなって言っても意味ないでしょうね……ま、次回も頼まれてあげる」
そんな冗談ともつかいない言葉を口にした霊夢は、最早慣れた感じだった。
「できれば次回なんてない方がいいんだけど……」
「もうその言葉聞くのは何回目かしら?」
意地の悪い笑みを浮かべる霊夢。
だが、その言葉を否定しきれない咲夜はため息をつくしかなかった。また次もここに来る羽目になるのだろう。
それにしても、と霊夢が切り出す。
「あんたのとこの旦那はまだ帰ってきてないの……?」
「う、まぁ……ね」
霊夢の言う咲夜の旦那とは紅美鈴のことである。咲夜の悩みの種の一つである。
紅魔館と子供たちを咲夜に任せて出て行ったきり、行方不明になっている。
噂では、月に行っただの、地底で温泉入ってるだの、道端で昼寝しているだの、ろくな噂を聞かない旦那である。しかもどれも信憑性が高く否定できないのが情けない。。
咲夜自身も愛想が尽きてるが、それでも子供のためには帰ってきてほしいと思うときもある。
「まったく……奥さん残してどこで何をしてるのやら……」
呆れた様子の霊夢の言葉を咲夜は制した。
「霊夢! その話はもういいじゃない」
言いながら、咲夜は目で背負っていいるレミリアを示した。
霊夢も察したのか口を閉じた。
レミリア自身はチルノ達と話していて聞いていなかったようだった―――
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……お母さん」
不意に背負っているレミリアから呼ばれ、咲夜は脚を止めた。
「……なに?」
「…………」
咲夜にはレミリアが何を言わんとしているか察しがついていた。が、咲夜としては自分から訊くのでなく、レミリア自身から聞きたかった。
「…………」
きゅっ、と咲夜の服を掴む手に力が入る。
言い淀んでいるのが、咲夜にも伝わった。それでも咲夜はレミリアの言葉を待った。
……………
…………
………
……
「……怒らないの? 私が逃げたこと」
数分の沈黙を破りレミリアが口にした言葉がそれだった。
「……そうね……すっごく怒ってる……って言ったらどうする?」
それを聞いたレミリアはあぅ、と咲夜の背中で丸くなった。
「……冗談よ………………ごめんなさいね、レミリア……」
咲夜はレミリアを自分の正面に降ろし面と向かってそう告げた。その言葉の中に様々な意味を込めて。
膝を屈めて、レミリアと同じ高さになった視線が交差する。
「フランも辛かったけど、レミリアも苦しかったのよね……お母さん、フランしか見てなかったわ……ごめんなさい」
レミリアに頭を下げる咲夜。こんなことでレミリアの傷が治るとも思えなかったが、これが咲夜が今できる精一杯だった。
「お母さんは悪くない! 悪いのはフランに怪我させて逃げた私……んっ!?」
すべて言い切る前に、咲夜の指がレミリアの口を紡いだ。
「レミリアは優しいから……お母さんがそれに甘えちゃってたの……」
「そんなことな……」
レミリアの言葉を遮ってそれに、と咲夜は続けた。
「レミリアは怖かったんだよね? お母さんそれに気付けなかった…………寂しかったね」
その言葉を聞いた途端、レミリアの双眸から涙が溢れる。耐えきれず、レミリアは咲夜の胸に飛び込んだ。
「ごめ……なさ……ごめん……なさい……」
嗚咽とともに何度も呟くレミリアを咲夜はしっかりと抱きしめた。
かけがえのない温もりをその身にしっかりと刻みながら―――
「お母さん……」
「何?」
「ありがとう……」
「……どういたしまして」
もう何度目かも忘れてしまうほどに往復した、家に続く道。
この道の上で色々な思いを知り、色々なことを学んだ。
今日まで。そしてこれからも。
家に続く『道』が咲夜とその子供たちの『道』となっていく―――
~了~
理由は霊夢が三十路を迎えた乙な年増とは全く思えなかったから。
つまり家族という劇を演じている少女達のお話にしか見えなかった訳です。辛辣な物言いでごめんなさいね。
今回は違った。
紅魔館という優秀な舞台装置の助けがあったとはいえ、咲夜ママにそれほど違和感を覚えませんでした。
十六夜家の面々がちゃんと描写されていたから。それでも必要十分とは個人的に思えないのですけどね。
今のところキャラクタに最大のパーソナルデータである妖怪という特色が付与されていない様子。
これが今後吉と出るか凶と出るか。
貴方だけの幻想郷が描き出されることを期待しています。頑張って。
>初めこそ驚いたが、咲夜は素直に永琳の好意に甘えることにした →俺的にこの場面では〝厚意〟かな
>そのままにいていれば命に関わったかもしれない →そのままにしていれば?
>すべて言い切る前に、咲夜の指がレミリアの口を紡いだ →噤ませたor塞いだ、とか?
ただ、若干まだ言葉の選び方や表現のキレが甘い所も、コチドリさんがご指摘されたように、見て取れました。まぁ、文章的表現に関しては数をこなす内に益々上手くなっていくと思います。
さて、内容に関してですが、まず、話の尺は丁度良いと思います。前作も、このくらいあっても良かったかと。
話自体もほんわかしていて温かいお話でした。
ですが、>>1さんの仰られるのもある意味的を得てるのは確かなんです。
こういう二次創作において、キャラの立ち位置に関しては別に色々な設定をしても、人それぞれで良いと思っているのですが、寧ろワタクシの中で気になったのは、キャラ各々の性格です。
性格に関する解釈は色々ありますが大元の所はしっかり守った方が良いかと。そういう意味で割としっかり者に見える妹様のキャラ性に違和感を感じました。あと、個人的には咲夜さんはもう少し瀟洒でもよかったかな、と。
美鈴に関してはろくな噂を聞かないとの記述がありましたが、正義感と勇猛果敢とシエスタの権化である美鈴がそれでいいのかよ、と思いました。まぁ、まだ実際に登場してないから何とも言えませんが。後々、どう描かれていくのかが気になる所です。
とにかく、難しいでしょうが、キャラごとの個性をもっともっと生かしてみて下さい。
確かに原作設定から外れる、家族という二次設定に違和感を感じる人も少なくはなく、>>3様の言うように賛否両論の作品だとは思いますが、少なくともワタクシは今後の展開や、じしゃくさんの成長を期待してますので、どうか折れる事の無きよう、頑張って下さい。
因みに、シリーズものにするなら、〇〇一家シリーズ みたいな感じのタグを着けると良いと思いますよ。
他の家庭の話も期待。
美鈴は!?^^;
もう少しキャラの性格が分かればいいかと…
ストーリーは良いですが話が要所要所で焦り?みたいなのがあるような
次回作も楽しみにしています!