霊夢は退屈で仕方が無かった。
最近ではもう異変が無くなっており、自分の出番がなくなったという事で神社の茶の間でうな垂れていた。
もちろん、それでも参拝客は誰一人として来なかったが。
その所為で霊夢は退屈を極めていた。
まだ日が昇ったばかりで、未だに霧が立ち込めている。特別濃い霧ではなかったがそれでも遠くが見えない。
日の光が霧の隙間から差し込むが空気中の水滴の乱反射で拡散し、思わぬ光景となっていた。
幻想郷でこのような現象は珍しくも無いが、霊夢自身はうんざりしていた。
なぜなら、この霧は一週間ほど前になって急に発生し、霧が現れると決まって体調が悪くなる。しかも発生周期が定期的ではなく、連続的にだ。
さすがに怪しいと感じた霊夢だったが、体がだるいという事で霧が発生した日には寝込んでしまう。
徐々に異変と感じていながらも、根拠がなければ動けない。
根拠以前に体が動かないからどうにもならない訳で・・・そういうもどかしさに霊夢は己の弱さ(だらしなさ)にキレそうになった。
博麗霊夢。幻想郷最強にして国士無双であり、博麗大結界で幻想郷を外の世界から守っている。
能力は『空を飛ぶ程度の能力』。
とても最強と言う名に相応しい能力には見えないだろうが、空を飛ぶということは霊夢にとって空間を無にして飛ぶということなので、敵の攻撃などを無かったことにもできるのだ。
性格は万物平等な考えで、差別やくだらない嘘も言わない。
非常に喜怒哀楽が激しく、それなのに回りの人間や果てには妖怪などといった者達に好かれるという不思議な雰囲気を持つ。
昼過ぎになった・・・・・
ずっと倒れていたままでは身体に悪いと思い、その場からスッと立ち上がる。
ただ立ち上がっただけでは意味が無いので、とりあえずお茶を淹れることにした。
もちろん、茶葉を買うお金(まさかのお賽銭)も無い霊夢は、貰い物(というより貢物)の中にあった茶葉でお茶を淹れた。
長年お茶を飲む者の淹れるお茶は断然美味で、その淹れ方にも特徴があった。
まず、湯のみに沸騰した水を注いで一度湯のみそのものを熱する。そうすることで飲む時の量を測ったり、温度を調整できたりするのだ。
茶葉の量は飲む者によるが、霊夢は節約したいが為に量は少なめだった。
のんびりだらーっとお茶を淹れていると、居間にある縁側の外からウェーブのかかったロングヘアーが特徴の金髪で黒い衣服を身に纏った少女が箒に乗って飛んできた。
霧雨 魔理沙である。
その負けず嫌いな性格といったらもう頑固と言うほどで、霊夢が信頼する唯一の知人でもある。
純粋な人間の中では最強と呼ばれるほどで、並大抵の妖精や妖怪では勝てないくらいだ。
だが、それは霊夢とは違い先天的な物ではなく。勉強、経験、努力の末にようやく身に付けた能力だった。
能力はあらゆる魔法を使うだけで、能力ではない。
しかし、彼女の代名詞と言えば超絶的破壊力を誇る『マスタースパーク』であり。能力というより、もう特技だ。
堂々と靴を脱ぎ、堂々と居間に入ってくる魔理沙に対して霊夢は文句を言おうとしたがなぜか喋れない。
正確には口を開ける力も無いのだ。
一瞬、風邪か?などと身体を心配したが、そうでもなかった。
霊夢の調子が変だということに違和感を感じた魔理沙はお茶を変わりに淹れるよと言って、霊夢を座らせた。
「最近身体が変なのよね・・・・。霧が出るたんびにだるくなっちゃうんだけど・・・・・」
霧に対して、己の不満を吐き捨てるように言う。
一方魔理沙の方はお茶を淹れ終わったらしく湯のみを正方形の机の上に置いた。
対して魔理沙は霊夢に。
「そういえば、お前の神社の周りだけもの凄い量の霧が被ってたぜ?驚くほどにな」
どういうこと?と聞く霊夢だったが、割り込むように魔理沙が言う。
「霧に入った途端に体がズンっと重くなったようなんだが・・・・・眩暈がするぜ」
百聞は一見にしかずということなので魔理沙と共に霊夢は自分の神社から出ることにした。
身体がだるいということで、空もまともに飛べない霊夢に魔理沙がバランスの支えになるように手を繋ぐ。
ようやくバランスが取れるようになったところで霧の中を突っ切るように進む。
霧は分厚くもなかった為、すぐに出られたのだが。
出た瞬間、霊夢の体調が急激に回復し始めた。今にもだるいですと言わんばかりの体制から突然シャキっと元に戻り、やつれていた顔がみるみる本来のかわいらしい顔に戻った。
虚ろな目は活気に目覚めたように色を取り戻していく。
「おお、霊夢。一人で飛べるようになったか!これだったら手はもう繋がらなくて良いな?」
そう言って、繋いだ手を離す。
すると、先ほどまでバランスも取れなかった霊夢が今では問題なく腕を組み、何かを考えている。
「魔理沙、異変よ・・・・・」
「んあ?なんだって?机辺?」
「・・・・ッちがうわよ!異変よ!!見て分からない?この不自然な霧!」
遂に我慢がならなくなったのか、キレた霊夢が身体からもの凄い気を垂れ流しにしている。
魔理沙は呑気に話について行く為に適当にコクコクと相槌をうつだけだった。
「一体どんな異変解決になるんだろうな!」
高らかに大笑いする魔理沙に霊夢はだまって霧の原因を探すために、まずは前科のある悪魔の巣窟である『紅魔館』に向かった。
湖のど真ん中に位置するこの館は、そうだ。
まるで紅い血によって全体が塗装され、真紅の宝石を連想させるような色合いをしていた。
実際は何で塗装されているかはわからないが、恐らくただ単に目立つように作られているのだけなのは誰にでもわかった。
きっとこの館の主はとんでもなく目立ちたがり屋で、とんでもなくワガママな性格をしているんだろう。
なんたって湖のど真ん中に建てて。尚且つ、さらに目立つ紅色にすれば誰にだって中に住んでいる主がどのような人かどうかは大体想像できる。
と、
そんな風にこの紅く塗装された館の門前で門番をしている妖怪、『紅 美鈴』はこの館について客観的な思考を思い浮かべていた。
「そりゃあんだけ目立ちたがり屋でワガママだったら誰からも嫌われるでしょう・・・・・しかし、これでも我らが館主。侮辱や冒涜などしません!そしてッ!退きません!媚びへつらいません!反省しません!」
意味の分からないセリフを大声で叫ぶ紅魔館専属門番こと、美鈴。
真面目に門番をしているのか、していないのか、それは自身も相手もどのように考えればいいのかわからない。
噂では、立ちながら昼寝をしていると言われているが、それは定かではない。
そもそも直立した状態で睡眠をとるなんて普通はできない芸当だ。
そんな芸当ができるのは恐らくどこかの無能兵士くらいだろう。
寝るならせめて寝巻きか何かで寝れば良いという話だが流石に館の番人が勤務中に寝るはずも無いだろう、根拠は無いが。
美鈴が門前にて軽い柔軟体操をしていると、目の前に広がる湖の先から風を切るような音が響いたのを耳にした。
この湖は普段は霧で覆い隠されていて、人々はどのような地形をしているのかはまでは知らなかった。
けれども、霧が引いた後の湖は素晴らしく絶景で、見る人を驚かせたそうだ。
湖には色々なおとぎ話があるらしく、その中でも有名なのが氷の妖精が湖を悪い妖精たちから守るというものだった。
だが、氷の妖精自体は実際、人里の子供たちが言うには確かに存在すると言っているのだ。
なんでも子供たちが湖の水辺近くで遊んでいるとつられてやって来て『よく』一緒に遊ぶという。
ただし、遊びすぎると風邪を引くという理由であまり長く遊ばないのが理由だとかで詳しいことはあまり知られていない。
話によれば、氷の妖精の姿はまるで子供のように小柄で、背中には結晶のような羽が数本生えているだけだと子供たちは言うのだった。
ちなみに氷の妖精の性格についてはというと、子供達は皆、口を揃えて「バカ」と答える以外はないらしい。
まったく良く分からない性格である。
そんないい加減な噂が立ち込める湖からヒュッと、
何かが高速でこちらに近づいてくる。
美鈴は右手で目の上に覆うように目を細めて湖の先を確認した。
すると、
「あ?・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!紅白と黒白じゃないですか!!!またきやがった!こんちくしょうッ!!・・・・・でも戦って勝てる相手じゃないしなあ・・・・・」
ようやく姿を確認したらしく、美鈴は独り言を言いながら苦虫を噛み潰した様な顔になった。
美鈴の頭の中ではあの二人組みがなぜ一緒にこの館に来たのかがまったく判断できなかった。
いつもならどちらか一方がやって来るはずなのだが、と。
『紅霧異変』以来、何があっても関わりたくない二人組みだったが、一体何しにまたここへ来たのだろうか?
グッと
特に意味も無く固唾を呑む。
(誰かに知らせるべきかも・・・・・・いや、でも、ここで足止めをしてればメイド長が気付いて助けてくれるかも・・・・・・・)
内心慌てふためき、構えの型すらなっていないのに気付かず、結果的には背中を壁に貼り付けるようにして、壁と同化すると言わんばかりに微動だにしなかった。
しかし、どう見ても自分から壁に寄り掛かっているようにしか見えない訳で、もう完璧に鷹に狙われる獲物にしか見えなかった。
壁の色が茶色であったためか、美鈴の着ている緑色の服により完全に壁から生える雑草のようにも見えた。
だが、当の本人はそんな事に違和感も感じずに、ただ当然と構えている。
一方、霊夢と魔理沙は博麗神社で霧を発生させた犯人を突き止めようとここ、前科のある紅魔館へとやってきたのだった。
さすがにもう懲りたはずだったのではないのかと心底呆れ半分で来た霊夢にとっては『紅魔館が黒』という前提で足を運んできたのだ。
なぜなら霊夢にとっては霧というワードそのものが頭の中では真っ先に紅魔館の奴らに即、繋がったからだ。
紅魔館の門を越えた途端に魔理沙が口を動かした。
「なぁ、今・・・・・・誰か居なかったか?特に、絶対居ないといけない奴・・・・・・・」
霧雨 魔理沙は己の視界に写った景色の中にある『何か』に疑問を持った。
対して博麗 霊夢は興味なさそうに「雑草じゃないの?」とだけ返す。
霊夢自身は気付いているものの、そんな雑魚に一々構っていられないという意思表示でもあり、とっとと原因を突き止め、異変を解決、そして神社に帰り、寝るということだけだった。
門を通過したのは良いが、この先が問題だった。
妙に庭が静かだったのだ。
とはいえ、元々庭を管理しているのは門前にて雑草と呼ばれていた美鈴だけなのだ。
静かなのは当たり前を通り越して『当然』と言える。
紅白、黒白が門を通過したのに気付いて美鈴が悔しそうな顔で、
(・・・・・・・・・・・・!?なんなんですかあの二人!人の家をまるで自分の家の様に易々と!!!悔しいッ!・・・・・・・・・・・・悔しいですッ!!!!)
だが、美鈴はただ見つめるだけで追おうとしない訳だが。
本当にそんなんで門番が務まるのか、不思議だった。
太陽がまだ真上にあるということなので昼頃。
土製の地面が熱気に包まれ、薄い蜃気楼が立ち上がっていたその上をコツコツを足音を立てながら進む二人。
「さぁて、ここからが問題ねぇ・・・・」
「何がだ?」
突然、霊夢が眉間に人差し指で押さえ、考え始めたので気になった魔理沙が反射的に反応した。
「だって、以前来た時には掃除係のメイドが居たはずなのよ。なのに今回は居ない」
「そんときはたまたまだったんじゃないか?というかこんな広い場所でバッタリ会える訳ないぜ」
「広すぎるから困ってるんだけど・・・?」
ああ、と相槌を返す魔理沙を無視しながら庭園を突き進む。
庭園には様々な種類の花があった。
基本的にはバラが多かった為か、庭の殆どが赤一色で埋め尽くされていた。
そして、館の玄関扉を開け、館内に入る。
内装はやはり赤色を強調したもので埋め尽くされていて、飾られている物から日常的に使う物までも赤色の塗装が施されていた。
まるで、真紅の血を意識し強調しているかのように、誇張するかのようにあらゆるものが紅く染められていた。
そもそもこれだけの量を塗ったとしてペンキはどこからかき集めたのだろうか?
富豪とはいえ買える物の量はお金と違って限りがある。
まあ、別に問題は無いが。
長さが無限とも言えるこの廊下を進んでゆく二人だったが途中で魔理沙が立ち止まる。
手は目を押さえ、頭を上に上げて呟いた。
「あぁ~だんだん目が痛くなってきた・・・・・・赤色ばっかりで慣れないぜ。一体ここの館主はどこまで赤色好きなんだ?やっぱし吸血鬼だからなのか?」
「さぁ?例え占いのラッキーカラーが赤だったにしては度が過ぎているわね・・・・・あ、でも流石に全部赤ではないみたいよ?」
「そりゃそうだろうな、全部赤にするなんて流石に無理だぜ。だって見てみなこれ、扉の色とか階段の手すりの色とかはそのままだしな」
そこまで言って突然、霊夢と魔理沙は立ち止まった。
霊夢が割るように呟く。
「ねぇ・・・・階段を下りたらどこだっけ・・・・?」
「う~んと確か・・・・・・・・・パチュリーの図書館だった気がする・・・・・・」
「咲夜?ちょっとこっちへ来なさい」
王座の椅子に座った幼い少女が手の平を上に向け、一指し指を少し引く様に、メイド長である十六夜咲夜を呼んだ。
王座の椅子には煌びやかな金のバラのレリーフを縁(ふち)に施しており、背の張り地部分にはイリエワニの腹部の皮で織りなされていた。
張り地の中身にははカシミアというカシミアヤギから取れた純度100%の毛がこれでもかと言うほど隙間無く詰まっていた。
足の部分に至っては、すべてが純金製で地面に固定されるような形で埋まっている。
椅子の重さは見た目だけでも軽く50貫を超えていると思われる程なので埋まるのも仕方がない。
広間の奥に堂々とひとつだけ置かれた椅子は何年も、いや何百年も動かしていないかの様な雰囲気を漂わせていた。
豪華な椅子に座って足を組んでいる少女が退屈そうに天井を見る。
「あ~あ。咲夜?」
少女がもう一度メイド長である女性の名を呼ぶ。
だが、少女が名前を呼ぶのを遮る形で咲夜は少女の目の前に立ち、一歩足を引いてしゃがみ込み、右腕をくの字に曲げ小指球を腹にトンと付けて。
「はい、お嬢様。如何なさいましたか?」
咲夜は冷静に、尚且つ瀟洒に目の前の主人に応える。
続けるように、
「御昼食はもう既に済まされていますが・・・・」
直後に少女は半ば呆れ顔になり、
「そうねぇ、私はまだ何も言ってはいないのだけれど・・・・?まぁ、良いわ。それより、誰かが私の大切に、それはもう大切にしている花瓶を割ったのだけれど・・・知らないかしら?」
少女は椅子の隣に置かれていた銀の燭台を指でなぞりながら小さな口をニヤリと歪め、動かした。
視線は少し上向けで機嫌が悪いと一瞬で察知できるような形相だった。
主人の機嫌をこれ以上損なわないよう、咲夜が口を開く。
「花瓶とは・・・・もしやあの小道具屋でご購入された・・・・・あの?」
「そう、それよ」
すると咲夜は続けざまに、
「あの、青色をした龍の模様が印象的な大きさはちょうど手のひらサイズの・・・・・でしょうか?確かに、あれはこの幻想郷に二つとない程の美しさでしたから・・・・・・・・・」
そう言いながら、辺りを執拗に探す。
傍で咲夜の行動を見ていた少女は、不思議そうに眺め続けたあとに大きなため息をした。
「だから割れたって言ってるのになんで、貴方は探しているの?」
「は、申し訳ございません。レミリア様が異様に辺りを見回すもので、些かながら私も御力添えできないかと・・・・」
「そう考えたのならば、花瓶を割った犯人を見つけなさい。・・・・・あと、レミリアと言わないで。お嬢様とお呼びなさいと何度言えばわかるの?」
と言うと、咲夜は目の前から既に居なくなっていた。
正確には消えたと言うべきだが、これ以外にどう表現すればいいのか紅魔館の館主、レミリア・スカーレットは内心で小さく思った。
それよりも、今の台詞を無視された事の方がちょっぴり腹が立った。
「ところでお嬢様。割れた花瓶の破片はどこに?」
「うわぁっ!?」
椅子の真横から覗くように顔をレミリアの顔に近づけ、言い放つ。
咲夜の突然な行動に驚くレミリア。
「い、いきなり戻って来ないで頂戴!部屋に入ってくるときは扉をノックと言ったでしょうっ!?」
心拍数が急上昇し、小さな白い顔の表面には冷や汗を少し掻いていた。
それに気づいた咲夜が冷静にまたもや瀟洒にスカートのポケットからハンカチを取り出し、撫でるように拭いた。
「その事につきましては申し訳ございません。実は割れた破片がどこにあるかを聞きたいだけなのです」
「ああ・・・・・確か、踏んだら危ないから部屋の隅に集めておいたわ」
指で破片の位置を指しながら簡潔に述べる。
吸血鬼であるレミリアにとっては割れた花瓶の破片など塵も同然なのだが、一応人間である咲夜に対しての配慮だった。
(いつも冷静を装っているつもりだろうけど、結構抜けているからねぇ、咲夜は。こんなことで怪我でもされたらたまったものじゃないわ)
この館に住んでいる者で唯一人間であるのは咲夜ただ一人だけなのである。
しかもその人間である咲夜がレミリアの唯一信頼する従者なのだ。
一番脆い人間である咲夜がレミリアの盾だというのだった。
(いいえ、咲夜は怪我なんてしないわ。メイドだもの。私の知らないところで怪我なんてするはずがない)
咲夜が、部屋の隅まで歩み寄っていくとそこには花瓶の破片らしきものが丁寧に、角に掃き溜められていた。
次にスカートを少しばかりかたくし上げ、しゃがみ込み、破片の鋭利な部分に注意しながら手に取った途端、違和感を覚えた。
(これは・・・・・どういうことかしら?)
すぐさま、主人のレミリアの所に走って行く。
その手には先程の鋭利な破片が軽く握られていた。
「お嬢様、これを見てください・・・・・・・」
花瓶の破片をレミリアに見せる。
「花瓶の破片じゃない、どうかしたの?」
「これは破片は破片でも花瓶の破片ではありません・・・・・」
「どういうこと?」
咲夜が目を少し細めながら言う。
「ガラスで精巧に偽(にせ)られて作られた。贋作です」
そういうことだったのだ。
咲夜があの時、破片を手にとった時の違和感とはガラス製陶器と土製陶器の違いだったのだ。
手に触った瞬間に微かなザラつきと重量感で贋作と気付いたのだった。
「そんな、だってあの時、小道具屋で買った時は店主が土製陶器だって・・・・」
「あの時は本物で、持ち帰った後にすり替えられたとか・・・・・?」
なぜレミリアがこの違いを見抜けなかったのには訳がある。
それは小道具店で花瓶を購入した際、手にずっと持っていたのは咲夜だったのだ。
レミリアはあくまで見て、気に入った程度だった訳だ。
それならば気づけなかったのも無理ない。
咲夜が小さく口ずさむ。
「誰かが割ったように見せかけ、盗んでいったという事ではないでしょうかお嬢様?」
レミリアが少し考えた後、
「ええ、私もそう思うわ。だけど盗むといっても此処はツェペシュの末裔であるこの私の紅魔館よ?来れる者は限られているわ」
「それは初耳です、お嬢様。来られているものが限られていたとは・・・・」
そう呟いた直後だった。
レミリアが何者かが扉に近づく気配を察知した。
「ッ!?」
その瞬間。ドゴォオオオン
と、爆発音が部屋中に響いた。
爆弾や大砲などに似た音だが、違う。
これは。
「「札!?」」
レミリアと咲夜の二人が口を揃えて言い放った。
あたり一面に飛び散る扉の破片と爆炎の中から黒い影が二つ現れたのだった。
「邪魔するぜ」
「みーつけた」
次は既に出来上がっているけど少し待って。
此処に読みに来てる人は東方をある程度は知ってる人達だから、改めて書かれてもくどいだけ
そういう無駄を省いていけばもっと読みやすくなるかも
あと、くどいと言われましたら確かにくどいですね。
でも、上リンクのサイトで読みに来た方が設定がわからないと仰るので仕方なく…
まぁ、途中から多分なくなるけどさ!
読むのが辛くなって途中までしか読んでないですけどね。
ありがたいですけども、もっとビシバシ言ってくれても大丈夫です。
その方が何処ら辺がおかしいか、間違っているか、良いか、が直ぐにわかるので。
そして、アホ作家です、すいません。
でも、やめません!
趣味ですから。
最初にこの話内の設定を説明するのは悪くないとは思いますが、もう少し推敲してから投稿したほうが
読みやすくなるとは思いますので次はがんばってくださいね
性格ではないでしょうか?
面倒になったので、少しとばして途中から読んでみましたが、十分に楽しんで読むことができました。
キャラ設定、特にその言い回しや思考について、あまり見慣れないものが多く、違和感を覚える一方で、新鮮とも感じました。
しかし、いいところで切りますね。「盛り上がってきt……あれ?」みたいな。
思いっきり前につんのめって椅子から転げ落ちるレベル。
続きができてるなら、まとめて投稿しちゃいなYO!!これが焦らしプレイなのか!!!
もしかしてじゃないと思いますが、冒頭の霊夢と魔理沙の紹介のくだり消した方がよろしかったでしょうか。
>>14 誤字指摘ありがとうございます。修正しました。