突発的にレイマリ
短い
まりさかわええ
違った歯車は噛み合わない。
「魔理沙ー、あれどこに置いたっけ?」
「あれならその辺だぜ」
適当な質問、適当な答え。それで意味が通じるのは何故だろうか。
「あ、あった。ありがとー」
「うーい」
気の合う仲ではない。むしろ決定的に違う人種。お互いにお互いを見ていない事が関係の前提。異変でもなけりゃ意見をぶつからせる事もない。かと言い、関係は絶たれず今の今まで続いている。恐らく、これからも。
「魔理沙ー、ちょっとは手伝わないとお酒にはありつけないわよ」
動くのだるい、と暗に示す大の字寝。暫くすれば霊夢は蹴飛ばしに来てくれる。それを待つ。遠くから不満げな声が聞こえた。
考え方の相違点が物事の優先度の高低にあるなら、私の一番上は自分の利益だ。利にならない事はやらない。不利な勝負でも最終的に自分の為に繋がるなら意地を張る。だから思うようにいかないときは拗ねる。つまらない。だって、霊夢の一番上が分からないから、あいつとの勝負に勝てない。
だから、私とあいつでは歯車は合わない。数も大きさも何もかも違う歯車は噛み合わないまま勝手に回る。今はいいけど、これ以上近付いたら両方壊れて終わりだ。あいつには距離は詰めずに甘えていたい。
ふと、霊夢が枕元に立っていた、枕は無いが。私を見下ろしている。冷たい無感情な瞳、何か考え事をしてる時の眼だ。何を考えてるかは分からない、分からない事で繋いでる関係。
何も言わずに霊夢は腰を下ろした。距離が狭まる。一気に近くなる。頭をしっかりと押さえつけられて上から覗き込まれる。
こいつの眼は透明過ぎる空だ。私と違って感情に色が付いていない。透明。空が蒼ではないのと同じ、こいつの本物の感情は色なしだ。その透明が私の瞳を見る。
頭は固定されてる。次にこいつが何するか、私は知っている。逆さまの霊夢はそっと私の髪に手を差し込み、目を閉じた。
だから、これ以上近付いたら壊れるしかないんだって。
「駄目だって」
顎を押さえられた。目を開けると少し怒り気味の魔理沙がこちらを睨む。私とは全然違う綺麗な生き物。
「なにをとち狂ってんだ。違うだろ」
私達はこうじゃないだろ、黄色の瞳が呟く。
いつだったか、彼女は私を透明と称したけど、そう言う彼女は質量のある色をしている。何色でもない、純粋な物。物質的過ぎる、故に私は触れられない。彼女が触れさせない。歯車がどうとか、そんな気にする事じゃないのに。
魔理沙は手を放さない。宴会の準備の途中なんだけどな。
「こんな事、するな」
答えず顎に当てられた手を舐めてみた。奇声をあげて魔理沙は手を引き剥がす。耳まで真っ赤にして私を睨み付けた。添えた手のひらから彼女の熱が伝わってくる。魔理沙は何とかして私から離れようとしたがそれはさせない。
私の歯車なんてとうに壊れている。だから彼女の綺麗な歯車を壊してみたい。滅茶苦茶にしてしまえば私から逃げないかな。泣くかもしれないけど、その顔も見てみたい。ああ、もう。
「魔理沙」
「駄目」
「魔理沙」
「駄目だ」
「魔理沙」
彼女は泣き出しそうな眼で私を見つめる。髪が散らばってて綺麗だ。魔理沙は私の瞳を見て、軽く息を吐いた。誘ってるようにしか見えない。
「魔理沙」
「…………」
「魔理沙」
「……………………」
「…………魔理沙」
「私は、お前とは…………」
囁くようにそう言って、魔理沙は手を伸ばす。それを掴まえて、震える手のひらに口付けた。今度は引っ込められない。彼女は切なげな声を漏らして喉を鳴らす。
超可愛いので顔を寄せて唇を合わせる。それから耳元で囁いた。
「やっと捕まえた。大好きよ、魔理沙」
いつものどんちゃん騒ぎの中心に、いつもとは違う二人がいた。普段の静かさはどこにも無く、終始楽しげに声を上げている。座る位置は離れているが、互いに目が合うと笑いあう。仲の良さそうな二人だった。
宴会はほとんどが酔いつぶれるまで続き、二人はいつの間にか姿を消していた。まだ意識のある者はやっとくっついたかと忍び笑いを漏らした。月の綺麗な夜だった。
短い
まりさかわええ
違った歯車は噛み合わない。
「魔理沙ー、あれどこに置いたっけ?」
「あれならその辺だぜ」
適当な質問、適当な答え。それで意味が通じるのは何故だろうか。
「あ、あった。ありがとー」
「うーい」
気の合う仲ではない。むしろ決定的に違う人種。お互いにお互いを見ていない事が関係の前提。異変でもなけりゃ意見をぶつからせる事もない。かと言い、関係は絶たれず今の今まで続いている。恐らく、これからも。
「魔理沙ー、ちょっとは手伝わないとお酒にはありつけないわよ」
動くのだるい、と暗に示す大の字寝。暫くすれば霊夢は蹴飛ばしに来てくれる。それを待つ。遠くから不満げな声が聞こえた。
考え方の相違点が物事の優先度の高低にあるなら、私の一番上は自分の利益だ。利にならない事はやらない。不利な勝負でも最終的に自分の為に繋がるなら意地を張る。だから思うようにいかないときは拗ねる。つまらない。だって、霊夢の一番上が分からないから、あいつとの勝負に勝てない。
だから、私とあいつでは歯車は合わない。数も大きさも何もかも違う歯車は噛み合わないまま勝手に回る。今はいいけど、これ以上近付いたら両方壊れて終わりだ。あいつには距離は詰めずに甘えていたい。
ふと、霊夢が枕元に立っていた、枕は無いが。私を見下ろしている。冷たい無感情な瞳、何か考え事をしてる時の眼だ。何を考えてるかは分からない、分からない事で繋いでる関係。
何も言わずに霊夢は腰を下ろした。距離が狭まる。一気に近くなる。頭をしっかりと押さえつけられて上から覗き込まれる。
こいつの眼は透明過ぎる空だ。私と違って感情に色が付いていない。透明。空が蒼ではないのと同じ、こいつの本物の感情は色なしだ。その透明が私の瞳を見る。
頭は固定されてる。次にこいつが何するか、私は知っている。逆さまの霊夢はそっと私の髪に手を差し込み、目を閉じた。
だから、これ以上近付いたら壊れるしかないんだって。
「駄目だって」
顎を押さえられた。目を開けると少し怒り気味の魔理沙がこちらを睨む。私とは全然違う綺麗な生き物。
「なにをとち狂ってんだ。違うだろ」
私達はこうじゃないだろ、黄色の瞳が呟く。
いつだったか、彼女は私を透明と称したけど、そう言う彼女は質量のある色をしている。何色でもない、純粋な物。物質的過ぎる、故に私は触れられない。彼女が触れさせない。歯車がどうとか、そんな気にする事じゃないのに。
魔理沙は手を放さない。宴会の準備の途中なんだけどな。
「こんな事、するな」
答えず顎に当てられた手を舐めてみた。奇声をあげて魔理沙は手を引き剥がす。耳まで真っ赤にして私を睨み付けた。添えた手のひらから彼女の熱が伝わってくる。魔理沙は何とかして私から離れようとしたがそれはさせない。
私の歯車なんてとうに壊れている。だから彼女の綺麗な歯車を壊してみたい。滅茶苦茶にしてしまえば私から逃げないかな。泣くかもしれないけど、その顔も見てみたい。ああ、もう。
「魔理沙」
「駄目」
「魔理沙」
「駄目だ」
「魔理沙」
彼女は泣き出しそうな眼で私を見つめる。髪が散らばってて綺麗だ。魔理沙は私の瞳を見て、軽く息を吐いた。誘ってるようにしか見えない。
「魔理沙」
「…………」
「魔理沙」
「……………………」
「…………魔理沙」
「私は、お前とは…………」
囁くようにそう言って、魔理沙は手を伸ばす。それを掴まえて、震える手のひらに口付けた。今度は引っ込められない。彼女は切なげな声を漏らして喉を鳴らす。
超可愛いので顔を寄せて唇を合わせる。それから耳元で囁いた。
「やっと捕まえた。大好きよ、魔理沙」
いつものどんちゃん騒ぎの中心に、いつもとは違う二人がいた。普段の静かさはどこにも無く、終始楽しげに声を上げている。座る位置は離れているが、互いに目が合うと笑いあう。仲の良さそうな二人だった。
宴会はほとんどが酔いつぶれるまで続き、二人はいつの間にか姿を消していた。まだ意識のある者はやっとくっついたかと忍び笑いを漏らした。月の綺麗な夜だった。
素敵なレイマリをありがとう。
あと出来ればタグにレイマリを……危うく見落とすトコでしたので。
もっともっとだ