Coolier - 新生・東方創想話

魔界カップ麺が好き!

2011/06/06 05:12:03
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 ダンボールより重いものはもったことがありません。
 半分くらいは嘘だけど、もう半分くらいは真実だ。
 なにしろアリス・マーガトロイドは蝶よ花よと育てられた魔界のお姫様。もちろん正確には魔界神である神綺の被造物にすぎないけれど、実質的には親娘関係に等しいからお姫様と言っても嘘ではない。他の娘たちも同様にお姫様ということになってしまいそうだが、例えばメイドの夢子と愛され具合は同じだとしても、アリスの立ち位置は神綺にとって特に手のかかる子どもという認識らしい。
 そういったわけで、ダンボールの中に入っているのは実家から送られてきた食べ物の類だ。
 なんとはなしにときどき無性に食べたくなる懐かしさ。
 魔界カップ麺シーフード味。
 海のない幻想郷でなぜシーフード味が出せるのかは謎であるが、おいしさだけは保証つきである。
 アリスは魔界カップ麺をテーブルの上に置いた。
 こんな下賎なものを食べるなんて、アリスの都会派のイメージからすれば少々あわないけれど、それでも好きなものは好きなのだからしょうがない。
 作り方は簡単で、お湯を注いで三分間待つだけというお手ごろ感覚。
 上海に沸かしたお湯を持ってこさせて、自分は魔界カップ麺の蓋の部分をはがして準備万端だ。

「あ、そうだ。時計が必要ね」

 普段アリスは家の中に時計らしきものを置いていない。
 たぶんいたずら好きな兎か誰かに持っていかれてしまったのだろう。
 とはいえ、これも準備が良い魔界の母が用意してくれたものがある。
 妙に凝った意匠の懐中時計である。あの十六夜咲夜が身につけている銀の懐中時計に似ているが、あれよりもずっとゴテゴテしていて趣味が悪い。普段アリスが身につけないのも、そのデザインセンスの悪さが母への思慕の情を上まわった結果である。まあ、今は誰も見ていないから気にはしない。
 アリスは片手に懐中時計を見つつ、もう片方の手でカップ麺のなかにお湯を注いだ。
 あとは三分間待つだけだ。
 そして、その三分間は長かった。



 とくにすることもないので、時計を片手に時間を数えていた。
 何かをしているとすぐに過ぎ去る時間も、いたずらに消費するだけだと長く感じるらしい。
 机につっぷして、そのまま時計をぼんやり見つめる。
 あと数秒。
 そして――
 何事もなく三分間が経過したと思った瞬間に、どういう原理か時計がぐるぐると巻き戻り、元に戻った。
「故障かしら?」
 でも、とりあえず三分間が経過しているところは見ていたわけだから、カップ麺は完成しているはずである。
 時計の修理はあとででもできるが、のびきった麺を元に戻すことはできない。
 アリスはちょっとした期待感を胸に、蓋をとりはずす。
「あら?」
 けれど、そこには硬いままの麺がぷかぷかとお湯の海のうえを浮いていた。
 三分間が経過していないどころか、今まさにお湯をいれたような状態である。
「おかしいわね。時計の一秒の感覚もずれているとは思えなかったし……」
 時計に視線を移し、心の中で一秒を刻んでみる。やはりずれているとは思えなかった。
 とりあえずカップ麺の蓋をしなおして、もう少し待ってみることにする。あと一分半ほどで、もう三分経過する。あわせて六分ぐらいはたつことになる。少々一秒の感覚が短くなっているとしても、三分以上は経過するはずである。
 それから、ちょうど三分を刻んだと思った瞬間。
 再び、時計の針がぐるぐるとまわりだして、お湯をいれた時刻に戻った。
 妙な予感がする。
 蓋の中がどうなっているか、なんとなく予想がついた。
 まるで爆弾を扱うような慎重な手つきで蓋を取り去ってみる。案の定そこにあったのはお湯を注いだときと変わらない固形の麺である。
「これは……一体」
 顎に手を当てて、少し考えてみる。家の中を見渡してみるが、特に変わった様子はない。
 そうすると一番考えられそうなのは、この時計だ。時計になにかしらの魔術がこめられていて、それが発動したと考えるのがわかりやすい。アリスも魔法については学んでいるし魔法使いでもある。そのアリスが時計から何も異常を感知できないのは、アリスを超えた力を持つ神綺の力が宿っているせいだろう。
「考えてみてもしょうがないわね。この時計にはカップ麺の完成を阻止する能力があるのかしら」
 だとすれば、時計を奥にしまってしまえば、カップ麺は無事に完成しそうである。
 けれど、少し考えてみればわかるとおり、この時計を送ってきたのはアリスを溺愛している神綺だ。
 その神綺がたとえカップ麺程度のことであってもアリスの不利になることをするだろうか。
 アリスは口にするまでもなく断言できる。そんなことは絶対にありえない。
 ふと、視線をあげた。
 カチリとまた時計が巻き戻る音がする。
 すると、すぐ近くを飛んでいた上海が、一瞬で右方向に数十センチほどワープした。これにはさすがのアリスもうろたえた。認識を揺らがせるような魔力ではないとしたら、高度な時間操作系の能力だろう。時計という概念からしても、可能性は高い。
「神綺さまに連絡をとったほうがよさそうね」
 すぐそばにある戸棚の中に、魔法の手鏡が置いてある。アリスは時計が巻き戻るのと同時に行動し、五秒もかからずに手鏡を手に取った。原理としては外の世界の電話に近いもので、その人の固有の波長のようなものを捉えて繋げる道具である。魔力が満ちている魔界ならすぐに繋がるはずだ。

 PRRRRRRRRRRRRRRR

 音にすればそんな感覚の奇妙な振動のあと。
 神綺の顔が手鏡に映し出された。
「あら、アリスちゃん久しぶりね。ぜんぜん連絡がないから心配したのよ」
「神綺さまお久しぶりです」
「そんな他人行儀にならないの。お母さんって呼んでくれなきゃ嫌だわ」
「そんなことよりも神綺さま。今日はご相談があって連絡をさしあげたのですが」
「なぁに?」
「あの……」
 一瞬、アリスは考える。
 どう話を切り出すべきか。たとえば
――カップ麺が作れないのでどうしたらいいか聞く。
 どう考えても小学生以下のレベルである。お湯も沸かせない女の子だと思われたら死んでも死にきれない。
 ここは単純に時計の話に絞るべきだろう。
「神綺さまからいただいた時計のことなんですが」
「ん? ああ、あれね」
「時間を操作する系統の力が宿ってたりしますか?」
「まいったわね。まさかそんなことになってたの」
 さっきまでのほほんとしていた神綺が一瞬で真面目な顔になった。
 アリスも声に緊張を宿し、続きを聞く。
「どういうことですか?」
「あの時計の名称は"魔神復誦"というの。アリスちゃんの――」



 話を聞けたのはそこまでだった。
 三分間が経過した瞬間。
 アリスは机に腰掛けていた。自分がどういう状況にいるのか一瞬わからず困惑したが、どうやら元の時間に押し戻されたようだ。
 そこまで考えた時点で、時計を見ると、だいたい30秒ほど経過している。これで手鏡を持ち出して連絡してもうまく聞き出すのが難しいかもしれない。
 アリスはどう質問をすれば効率がよいかを残り二分ほど考えることにした。
 残り五秒。
「よし、カウント」
 5、4、3、2、1。
 時間が巻き戻った瞬間に、アリスは立ち上がり、手鏡をすばやくとる。神綺に連絡。ここまで4秒。
 つながった。
「あら、アリスちゃ――」
「すいません。神綺さま。"魔神復誦"についてうかがいたいんですが」
「発動中なのね?」
 神綺の顔が前回のときのように引き締まったものになる。
 その間、約2秒。
「アリスちゃんに贈った時計――"魔神復誦"はその名のとおり時を巻き戻す力があるわ。自動防御系の魔法で、装備している人の身に危険が迫ると三分間だけ時を戻してくれるの」
「危険のレベルは?」
「命を失う程度よ」
「時を巻き戻す回数に限度は?」
「無限ではないけれど、そう簡単にはなくならないはずよ。ありったけの愛をこめたから」
「そう……」
「大丈夫よ。アリスちゃんなら三分間の時間でできないことはないわ」
「わかった。ありがとうお母さん」



 世界はまたリセットされる。
 先ほどの恥ずかしい台詞ナンバー3以内は確実の『お母さん』発言も世界の狭間に消えているから恥ずかしくはないのだ。ちょっと耳たぶが熱いけれど恥ずかしくないったら恥ずかしくない。
 ともかく――
「私って命狙われるようなことしたかしら」
 そこからしてわからない。
 特に用事がなければ外にもでないし、基本的には出不精である。
 人里で人形のショーをしたこともあるが、人里の人間がアリスに感づかれることもなく一瞬で命を奪うことができるほどの能力があるとも思えない。
「うーん。わからないわ。それに私の命を奪ったところで誰か得する人なんているのかしら」
 とりあえずできることから確認していくしかない。
 アリスは人形達を一斉に目覚めさせて、三分間の間にできうる限り家から離れさせた。もちろん自分もである。
 もしも超遠距離射撃か何かで殺されたのだとすれば、アリス一人が助かっても人形達を消失しかねないので、みんなで一斉に疎開してみたわけだ。
「みんなちゃんとついてきてる?」
「シャンハーイ」
 上海が言うには大丈夫とのこと。
「だいぶん遠くにはこれたけど、魔法の森の領域を抜け出ることはできないわね」
 これでダメなら、逃亡の可能性は消えることになるが――。
 アリスの記憶は連続しているから、世界の切り替わりのなかで最も顕著なのは視界だ。
 音もなく。
 気配もなく。
 なんの前触れもなく。
 アリスの見ている景色が瞬間的に変わる。
 見慣れた家の壁の色。

「ふぅ。そう甘くはないみたいね」
 
 どうやら"敵"は、かなり大規模な攻撃をしかけてきているらしい。
 それこそ絨毯爆撃に近いような、魔法の森全体を破壊する力をもっているか、あるいは超ピンポイントでアリスを狙撃できる力があるかだろう。
 そのような実力を持つものは、ここ幻想郷でも限られている。
 一番知ってそうなところから、確認していったほうがよいだろう。
 まず思い浮かんだのはパチュリー・ノーレッジである。
 パチュリーとの仲は決して悪いものでなく、むしろ魔女仲間として良いほうだと思っているが、彼女の知己であるレミリア・スカーレットは子どもっぽい性格をしている。それでいてプライドも高いから、どこかで不興を買ったとしてもおかしくはない。ただ、レミリアについてはそんなに積極的に会って話をしたわけではないので、彼女の固有の波長をつかみそこねている。要するに"番号"を知らない。だから、パチュリーにそれを教えてもらおうと思ったのである。

 PRRRRRRRRRRRRR

 三分間が始まると同時にアリスはパチュリーへと連絡した。
 しかし、なかなかでない。あの広大な図書館のなかでパチュリーは決まって定位置にいる。その人の持つオーラを透過するような物質、例えば鏡などにアリスの姿が映って見えるはずであるが、あちらが連絡をとろうとしない限り、幻影にすぎないのだ。
 アリスはジリジリと焦るような気持ちで待った。もう三十秒は過ぎただろうか。もしも三分間の間に繋がらなければパチュリーとの連絡は事実上取れないことになる。
 と、そのときようやく繋がった。
 パチュリーはアリスを見下ろしている。たぶん水晶玉を覗きこんでいるのだろう。
「あなたから連絡が来るなんて珍しいわね」
 むきゅっとした、ちょっと不機嫌そうな顔だ。
 もしかして寝ていたのだろうか。
「お疲れのようね? 寝不足かしら」
「いいえ。ちょっと喘息がひどくなってる時期なの」
 パチュリーは白か。
 友人でありながら、一応の判別をしてしまう自分にわずかながら嫌な気分がする。
 けれど緊急事態で、しかたないと割り切る。割り切るのが魔女の普遍的な性質だ。知らないことを知らないと割り切らないと、その膨大な知識に溺れてしまうからだ。
 時間的に限界だったので、適当に話を流し、二回目にはレミリアの"番号"を聞こうと思った。
 魔女仲間の間では、個人の固有の波長は文字通りの意味で"番号"を用いている。
 つまりわかりやすいようにアナログな波長をデジタルな"番号"へと変換して理解しているのだ。そうすることでより正確に他者への伝達が可能になる。知識を共有することで利益を得るのが目的の、魔女の知恵である。
 パチュリーならばレミリアの"番号"を知らないはずがないだろう。ただ、この"番号"は個人のプライバシーに直結しているので、おいそれと他人から教えてもらえるようなものではない。アリスがパチュリーの"番号"を知っていたのも、それなりに長いつきあいがあって、互いに黙示の承諾があったからである。

 PRRRRRRRRRRRRR

「パチュリー。お願いがあるのだけど」
「なにかしら?」
「レミリアの"番号"を教えていただける?」
「どうして、と聞いていいかしら」
「確かめたいことがあるのよ」
「どんなことよ」
 まさかレミリアを疑っているなんて言えない。
 アリスは言いよどんだ。
「たいした理由もないのなら教えることはできないわ」
「説明してる時間がないのよ」
「……むきゅー」
 少し思案しているようだ。
 ただ、これでは時間が足りない。

 PRRRRRRRRRRRRR

「パチュリー。単刀直入に言うわ。レミリアの"番号"教えていただける?」
「あなたにしては礼儀がなってないわね。紅魔館に来たときにでも直接聞けばいいじゃない」
「実は動けない事情があるのよ」
「それはあなたの理由であって、私には関係のないこと。魔女は自侭であり人の言うことは聞かない」
 そうそれが魔女の心性である。
 実はアリスの場合は魔界人なので少し心の形は違うのだが、それでもパチュリーの言わんとしていることはわかる。
――少々強引すぎたかしら。
 しかし、他にいい方法が思い浮かばない。
 三分という制約がある以上、できるかぎり会話は省略しなければならないし、余計な雑談をしている暇はないのだ。
「聞いてるの?」
「あ、ごめんなさいね」
 ちらりと時計をみると残り三十秒ほど。
 今回はちょっと難しそうだ。
「ねえ、どうすれば教えてもらえるのかしら」
「わからない人ね。友達は売らないって言ってるの」
「おおげさね」
「魔女だからこそ細かいことにこだわりたいの」
 そこで時間が途切れた。
 どう考えても時間が足りない。これではたとえ脅迫をしても難しそうだし、そもそも脅迫しようにも材料が足りない。
 となるとあとは詐欺的な手法を使うしかないということになりそうだが……。
 アリスとしてはパチュリーにうそはつきたくない。たとえ世界がリセットされるにしろ、うそをついたという事実は消せない気がするのだ。
「けど難しそうね。パチュリーって変に頑固だし」

 PRRRRRRRRRRRRR

「お久しぶりね」
 と、アリスは優雅に言ってみた。
「そうね。直接来ないのは何故と聞いていいかしら。もしかすると人形の遠隔操作の実験?」
「いいえ。ちょっとレミリアに尋ねたいことがあったのよ。でも直接顔を合わすと気まずい類の問題なの」
「それで"番号"が知りたいって?」
「ええそうよ。お願いできるかしら」
「私はその問題とやらがなんなのかわからないままレミィの"番号"を教える気はないわ。あきらめなさい」
「レミリアにとって重要な問題だとしても?」
「彼女は私のことが必要になればちゃんとそう言って来るし、だいたいのことはひとりで達成できるわ」
 残り二分程度。
「信頼しているのね」
「当然でしょう」
「じゃあ、そのレミリアが何か変なこと言ってなかったかしら」
 アリスは少し違う方向を探ってみることにした。
 親交はほとんどないに等しいが、顔見知りで有力者であるレミリアのことは多少知識として知っている。
 レミリアの能力は運命を操る程度の能力。もしかするとアリスがレミリアに接触しようとしていることをレミリアはその能力を用いて感知しているかもしれない。
 そこに一縷の望みをかけた。
「そういえば――」
 惜しいがここで時間切れ。

 PRRRRRRRRRRRRR

「レミリアが運命について何か言ってなかったかしら」
「ずいぶんと突然ね。けどそうね、今日は模倣めいた匂いがするって言ってたわ。よくわからないけどもしかするとあなたのことなのかしらね。人形なんてまさに人間の模倣なのだし」
 レミリアは知っていた?
 これはチャンスだ。
「私はいま家からでることができないのだけど、レミリアと私に関わる運命の線があるみたいなの。レミリアの"番号"を教えていただける?」
 時計の針は刻一刻と進み続けている。
 パチュリーの息苦しそうな吐息に焦れる。
「いいわ」そして一呼吸。「でもレミリアに聞いてみてからでいいかしら」
 残り一分三十秒。
 間に合うか。
「いいわ。けど時間がないのよ。早くしてちょうだい」
 アリスはすぐさま魔力を打ち切った。
 パチュリーの判断能力ならアリスが何を言いたいかわかるはずだ。すぐに"番号"をつかってレミリアに連絡を取ることを願っているのである。悠長に小悪魔あたりを飛ばしていたら間に合うはずもない。
 残り三十秒。
 時間は残酷に進み続ける。
 祈るような気持ちでアリスは手鏡を凝視する。
 と――
 つながった。
 残り十数秒というところ。どうやらパチュリーは連絡してくれたらしい。
 おそらくパチュリーはレミリアから許しがでたというだろう。そう推測できる。しかし、それではぎりぎり間に合わないかもしれない。どうせレミリアが許さなければいずれにしろダメなのだから、レミリアが許すという選択をすることを願って行動したほうがよい。
 だからあえてアリスは自分から口を開いた。
「お願い"番号"を」
「っ――」
 瞬間、パチュリーは何かを考えているようだったが、その天才的な頭脳をもってして何かを感得したのか。
「XXX-XXXX-XXXXよ」
 番号のみを簡潔に述べた。
 残りわずか二秒のことだった。
 アリスは椅子から立ち上がり、窓のほうへと視線を向ける。
「お礼ぐらいは言いたかったわね」



 ともあれこれでレミリアまでのラインはできたことになる。
 彼女は吸血鬼であるから昼間のいまは寝ているのが普通だが、アリスが連絡してくることを運命操作で知った可能性がある。
 さっそく"番号"を使って連絡をとってみた。

 PRRRRRRRRRRRRR

 つながった。
 わずか二秒ほどで。
 背もたれの大きな椅子に座り、足を組んで頬杖をついたレミリアの姿がみえた。
「おまたせしたかしら」とレミリア。
「早くつながって嬉しいわ。ところでレミリア。今日の私の運命はどんな感じかしら」
「そうね。よくもなく、悪くもなく、普通ってところじゃないかしら」
 どういうことなのかよくわからない。
 ある意味日常は壊れていないともいえるが、レミリアの言葉は何か微妙なところを含んでいるらしい。
 それが運命とでも言うのだろうか。
 運命という概念についてはまったく知らないわけではない。
 アリスは魔女でもあるので、あまり趣味ではないが占いの類もしたことはある。
 星を占ってみると、その占う行為によって多少の影響が出てしまうので、結果を他者に伝えるときには細心の注意を払わなければならない。はなはだ伝達がしにくい概念、それが運命なのだ。レミリアがもってまわった言い方をする理由も理解できなくはない。
 とはいえ――わかったこともある。
 レミリアがここにいるということはとりあえず彼女は白とみてよいだろう。アリスの実力は幻想郷の平均よりは上に位置しているし、アリスを殺せる実力をもった存在はここ幻想郷でも少ない。さらにアリスに気づかせることもなくそれができる者となると限られてくる。
 紅魔館の主。西行寺の娘。永遠亭の薬師。山の二柱。花の大妖怪。地底の鴉。無意識の少女。寺にいる大魔法使い。スキマ妖怪。鬼。そして博麗の巫女。
 これらの者が実力的にアリスを排除できそうな力を持つ者たちである。
 このなかで無意識の少女は故意が原理的にありえないので除いてもいいだろう。寺にいる大魔法使いも魔法というアリスの専門分野だから最低でも攻撃された瞬間ぐらいは認識できると思いたい。鬼もその真正直なところから考えて不意打ちめいたことは絶対にしないと言えそうだ。博麗の巫女も自分からルールを破るとは考えがたい。もちろん、ルールを持ち出すなら弾幕ごっこによる決定が義務づけられているここ幻想郷において、それなりの実力をもった者がそのルールを破るとはおよそ考えられないのだが……。
 それと花の大妖怪については古くからの知り合いなので、およそそういうことはしそうにないこともわかっている。あれで結構かわいい性格をしているのだ。秘伝の萌え魔法もあることだし。 しかしそう考えていくと結局、幻想郷の主要人物は多かれ少なかれみんな知り合いなのだから誰も彼も白ということになってしまう。

 いけない。思考がループしている。

 今は目の前のレミリアに集中しようとアリスは思った。
 レミリアもいまではすっかり幻想郷になじんでいるひとりだ。アリスとの仲もそれほど悪いとまではいえないし、貴族をきどっているところがあるから、いきなり攻撃するような品のない振る舞いはしたことがない。
 いや、もうひとりいる。
 アリスに事前に気づかせることもなく殺害可能な実力を持ったものが。
――フランドール・スカーレットである。
「妹さんはお元気?」
「気に食わないな」
「え?」
「おまえの運命の線が乱れているのはわかる。そしてそのほつれた糸をなんとか元に戻そうとあがいているのもわかる。なにが起こっているのかまでは知らないが」
「……」
「私の妹は少々不安定なところがある。けれど、フランが紅魔館の外に迷惑をかけるのだけは全力で阻止してきたわ」
「そう……確かにそうね。ごめんなさい」
 レミリアはアリスをじっと観察したあと、ふんと鼻を鳴らした。
「アリス、おもしろい話をしてあげるわ。"次"も連絡してきなさい」
「次って?」
「あなたなら知ってるでしょう」
 レミリアは不敵に笑い、そこで通話は切れた。
 なにかもやもやとした気分である。
 手に持っている"魔神復誦"はあいもかわらず同じ時間を刻み続けている。

 PRRRRRRRRRRRRR
「レミリア、おもしろい話を聞かせてくれないかしら」
「いいわよ」
 レミリアは悪魔特有のうっすらとした微笑みをうかべている。
 こんなにも言葉を省略しているのに、まるでさっきと連続しているかのような感覚だ。
「アリス。あなたは複数の運命を選びとれるとき、廃棄された運命は無かったものになると考えてるんじゃない?」
「違うのかしら」
「そういうわけじゃないのよ。あなたは神さまになれるわけじゃないの。たとえ神の力を借りていようともね。あなたが仮にAという人物を殺す未来と殺さない未来のどちらか一方を選べるとして、いまその岐路に立っているとしても、あなたはAの運命を握ったことになるわけではない。あなたの選択によってAが生存するルート、死亡するルートが決まったとしても、Aの尊厳が侵害されることはないわ」
「何が言いたいのかしら」
「時間はたっぷりあるんでしょう。そう焦らないの。人生は楽しくが私のモットーなのよ」
「それで?」
「もっと言えば、岐路に立っている者からすれば、AはNPC化しがちなわけよ」
「NPC?」
「ノン・プレイヤー・キャラクター」
「人間に非ずなら、ここ幻想郷では珍しくもないわね」
「そういうことが言いたいんじゃないわ。続きは次回に」

 PRRRRRRRRRRRRR

「ノン・プレイヤー・キャラクターについて教えてもらえるかしら?」
「要するに、人格が無いキャラクターのことだよ。運命を操作でき選択肢を選び取れる岐路に立つ者にとっては、同じ質問をすれば同じ答えが返ってくることが多いだろう。もちろん微妙な時間の差や言い方によって反応は変わってくるが、おまえの主体性によってすべてをコントロールできるといえなくもない」
「それはまちがいだと?」
「まちがいじゃないよ。選択するのはいつだって岐路に立つ者だからな。しかし本来はおのおのが全員、岐路に立っている。みんな選択している。その複雑に決定された選択の総合が運命と呼ばれるものだ」
「廃棄された運命はどうなるのかしら?」
「廃棄された運命はいつだって選びとられた運命に嫉妬している。無かったことになるわけじゃない。おまえ自身に置き換えてみればいい。今日は魔理沙に会うか霊夢に会うか考えたとして、魔理沙に会って実際に話をしているときに不意に考えたりしないか。霊夢と会っていたらどうなっただろう、って。それは捨てられた運命がうらやんでいるからだ」
「廃棄された運命をないがしろにしたらいけないと言いたいの?」
「そうだ」
「でも選び取らないと前には進めないじゃない」
「選び取るのは悪いことじゃない。みんなそうしている。ただ相手のことをNPCだと思って行動するのは危険よ。廃棄された運命が選択された運命に復讐しようとしていると思えないかしら」
「相手のことをNPCだと思ってはいけない?」
「そうよ。たとえ選び取られなかった時間が歴史の狭間に消えていくとしてもね。私のアドバイスとしてはこんなものかな」
 アリスは数回前のパチュリーに詐言を用いようとしたことを思い出した。
 もしかすると騙せるパターンも何度か試せばみいだせたかもしれない。
 今のアリスの状況からすれば、そのような方法をとらざるをえない場面もでてくるかもしれない。
 だが、やめておいてよかった。
「友達を大切にしましょうってことでよいのかしら」
「そういうことね。息災を。わが友人よ」



 友達と言われてしまった。
 さすがにレミリアは完全に白だと確信したが、いまだにアリスが死亡する原因はわからずじまいだ。ためしに全力のシールドを張ってみたがやはり無駄で、完全にアリスの力をうわまっていることがわかる。レミリアからは"敵"が誰なのかは聞けずじまいだったし、やはり総当たりでいくしかないらしい。
 そうなると必要なのは"番号"だ。
 アリスは手鏡を手にとった。

 PRRRRRRRRRRRRR

「お。アリスか。おまえから連絡してくるなんて珍しいな」魔理沙はあいかわらずにこやかに笑っている。「いまからおまえの家で飯食おうと思ってたんだぜ」
「迷惑よ」
「妖怪も人間に迷惑かけてるんだからお互い様だ」
「個人間の問題を種族間の問題に置き換えないの」
「じゃあなんの用事だよ」
「実は"番号"を知りたいのよ」
「あー"番号"な。確かに異変の中心人物の"番号"ならだいたい知ってるな。それでアリスは何をくれるんだ」
「そうね。ご飯くらいならおごってもいいわ」
「商談成立な」
 パチュリーとは違って、魔理沙はプライベートの概念が甚だ弱いらしい。まあ、こそ泥よろしく勝手に侵入するようなやつである。期待するほうがまちがってる。
 自分の"番号"もいつのまにかご飯一杯分で売られているのかなと思うと、ちょっと悄然とした気持ちになってくるが、魔理沙を介して他人の"番号"を知ろうとする自分も似たようなものなのかもしれない。
――レミリアのアドバイスを忘れないように気をつけないと。
「……で、最後に霊夢と紫の"番号だが、これは知らんな」
「紫はともかくとして霊夢も?」
「あいつは浮いてるからな。こっそり"番号"を探ろうとしても無駄だったんだ」
「教えてもらったらいいのに」
「な……なんか恥ずかしいじゃんか」
「ああそう」
 いきなり乙女になるのはどうしてなのか。
 アリスにはさっぱり理解できない魔理沙の心だが、これはべつにアリスが人間じゃないからわからないというわけではないと思う。
 ともかく、霊夢と紫という結界組の"番号"については他の人に聞くしかなさそうである。
 それ以外の主要人物について聞くことができたのは大きい。
 魔理沙の顔の広さは幻想郷でも一、二を争いそうだ。
 ついでに言えばレミリアの"番号"も知ってたのでパチュリーで粘る必要はなかったということも判明した。これについてはちょっと落ちこむアリスだった。



 次に話をしてみようと思ったのは、永遠亭の薬師である。
 意外に思うかもしれないが、永夜のときは魔理沙とともに家のなかに乗りこんだこともあるので、もしかすると怨まれてるということもあるかもしれないと思ったのである。
 もっとも永琳に抱いた印象は一言で言えば
――格物到知
 であり、きわめて良識にとんだ人物に思える。智恵が人間の顔をして歩いているような物腰。魔女をしのぐ知識量。
 だが、なにしろ相手は数億年生きているという噂もある人物。時間の概念がそもそも違う蓬莱人である。腹芸のひとつぐらいは易々とできるだろうし、そこがパチュリーとの決定的な差異だ。そしてアリスが苦手とする側面でもある。
 他方で、輝夜についてはもとから容疑者とは思っていない。輝夜も蓬莱の玉の枝というチート武器を持ってるためそれなりに実力はあるのだろうが、あの屋敷から出てくるとも思えないし、仮に出てきたとしても、守勢の力であるからアリスを攻撃したとは考えにくい。ありうるなら――可能性の問題としてとらえるなら、輝夜はほとんどゼロに近いが永琳は五パーセントといったところか。その程度の違いである。
 相手には無限の時間があるから粘着されたら相当厄介かもしれないなどと思いつつ、アリスは手鏡を手にとった。

 PRRRRRRRRRRRRR

「あら……あなたは?」
 永琳の顔がかなり小さい。
 どうやらいま永琳とは矢じりを通じてつながっているようだ。
 ほんのちょっとだけ警戒度をあげた。
「アリス・マーガトロイドよ。覚えているかしら」
「ええ、確かあの夜のときに会ったわね。それで御用は何?」
「単刀直入に聞くわ。あなた、私のこと怨んでる?」
「はい?」
「あの夜のとき、あなたの屋敷を侵犯したわけじゃない」
「ぷっ」永琳はいきなりふきだした。「そんなことを気にしてわざわざ連絡してきたの? おもしろい人ね」
 嘘をついているようには見えないが、相手の年齢を考えると老成された演技かもしれない。
 もともと月人の知能は地球の人間や妖怪を遙かにしのぐといわれている。加えて、あの八雲紫とタメが張れるほどの策謀家タイプ。アリスとしては苦手なタイプだ。自分が直情と知略の中途半端な立ち位置にいるせいだろう。
 アリスがしかめっつらをしていたせいか、永琳の顔つきが柔らかくなった。
「落ち着かないときはラベンダーの香りがいいわよ。精神を安定させる作用があるわ」
「そういえばあなたお医者様でもあるのだったわね」
「薬剤師が専門だけど、医者でもあるわね。というか幻想郷ではそこまで厳密に分けてないみたいだけど」
「じゃあ、あなたには――」

 PRRRRRRRRRRRRR

「アリス・マーガトロイドよ。唐突で悪いんだけど診断していただけるかしら」
 わずかな可能性であるが、アリス自身が病か何かで急逝したということは考えられないだろうか。
 誰かに殺されたと考えるよりずっと可能性は高いように思えた。こんなことも思いつかないとは、自分はずいぶん焦っているらしい。
 あるいは考えたくなかったのかもしれない。
 三分後に急逝する場合、もはや医者が間に合うことはほぼ絶望的だろうから、"魔神復誦"を窓から投げ捨てるしかないだろう。
「話が見えないわね。どういうことなの?」
「簡単に言えば、あと三分ぐらいで死にそうなんだけど、そういうことってありうるのかしら」
「診察ならここに来てもらわないと困るわね。だいたいこういう映像では問診と異なる微妙な違いがあるから薬の売買が禁止されたりしている国もあるのよ」
「家から出られないのよ」
「精神的に?」
「どちらかといえば物理的な理由よ」
「肉体的って意味かしら。一歩も動けないの?」
「動けるけど、もうあと二分後には私は死ぬわ」
「それって幻想郷流のジョークなのかしら」
「いいえ。今、この映像を見た感じでいいのよ。幻想郷一のお医者様であるあなたの目から見て、私はあと一分ほどで死にそうに見えるかしら」
「なんともいえないけれど、落ち着かないならラベンダーが」

 PRRRRRRRRRRRRR

「三分後に突然意識がなくなるような病ってあるのかしら」
「たくさんあるわね。多すぎて数え切れないくらいよ」
「徴候がないタイプもあるのかしら」
「それもたくさんあるわ」
「そういう病に冒されていないとわかるためにはどうすればいいのかしら」
「病に冒されているかを確認するのはわかりやすいわ。磁気や光の一種を当てたりして、その反射の具合で調べたり。瞳孔や舌の色、そのほか外形的特徴でわかったりすることもあるわ。でも、病に冒されていないというのは難しいわね。例えば検査をしたとしても終わったあとの一秒後に発病する可能性はあるわけだし、病魔に冒されていないとはなかなか言い切れないものなのよ。とりあえず問題がなさそうだ程度の意味ならあるけれど」
「とりあえず問題がなさそうだ程度の意味でいいのよ。私でも判別できる方法はある?」
「たぶん無理ね。専門の機器が必要よ」
「冗談じゃないわ」
「落ち着きなさいな。そうね。ラベンダーが近くにあるのなら鎮静効果があるから試してみてはどうかしら」

 通信が途切れた後もしばらくアリスは消沈していた。
 いままでの様子から見た限りでは永琳も白。
 普通なら殺人行為をする数分前には殺意を抑えきれなくなっているはずだし、相手に優しくはできないはずだというのがその理由である。
 理由になっていないかもしれない。いやしかし、会話をしている最中に超長距離の狙撃ができるとは思えない。やっぱり白。毒殺ならどうだろう。アリスの家にこっそりと忍びこみ、致死性の毒物をしかける。もちろん無味無臭の……。
 だめだ。混乱しているのを感じる。
 考えがうまくまとまらない。
 自分がこんなにも死を恐怖していたという事実に驚きを隠せない。アリスは余裕をもって事にあたるタイプだ。夏休みの宿題は最初の一日目から着手して一週間で終わらせてあとは悠々自適の生活を送るような性格をしている。なので、こういう緊急事態には動揺が激しい。
 自分でもわからなかったが――、手が小さく震えている。
「シャンハーイ?」
 ふと見ると、上海が不安げにこちらを見ていた。
 持ち主であるアリスの感情を掬いとったのだろうか。アリスは上海を撫でた。さらさらの金髪を撫でていると少し気分が落ち着いてくる。これでラベンダーでもあれば完璧なのかもしれないが、あいにくと持ち合わせがない。
「喉が渇いたわね。一息いれましょうか」

 三分間しか時間がないから、行動は迅速に。
 ちょうどカップ麺を作るための残りのお湯を使える。溶かせるタイプの簡単なコーヒーでいいか。
 ごそごそと棚を十秒ほど探ると、すぐに見つかった。
 スプーン一杯分ほどコーヒーの素をいれて、さらさらと溶かしていく。本当ならコーヒーメイカーで作りたいが時間が足りない。砂糖とミルクはおおめに。
 優雅に呑んでいる時間もないので、しかたなく早めに――。
「あ!」
 と、そこでアリスは飛び上がるように立ち上がった。
「どうしてこんなことに気づかなかったのかしら……」
 なぜアリスは喉が渇いたのか。
 三分間の間に肉体の状態も巻き戻るとばかり思っていたが、そうではないらしい。"魔神復誦"はアリスの肉体ごと過去へと連れ戻している。そうでなければ喉が渇く理由がわからない。だいたい記憶にしても脳内のシナプスやらなにやらの状態だとすれば、それもまたリセットされているとすれば覚えてないはずなのだ。肉体ごと過去に転移しているからこそ覚えている。
 肉体の時間は確実に前に進んでいるのだ。
「はーぁ」大きな溜息。「やっぱり悩みなんてなかったわ」
 とりあえず肉体的な意味では。
 それからアリスは四回分の時間のあいだ、体験時間で十二分ほど休憩することにした。
 事象は巻き戻っても、アリス自身は疲れるのである。



 PRRRRRRRRRRRRR

「うにゅ?」
 聞こえてきたのは緊張感の欠片もない声。
 ヤタガラスを吸収した霊烏路 空である。彼女は昼寝の最中だったのか眠たそうな顔をしていた。映り具合がぼやけている。たぶん何かの金属片に映し出されているのだろう。鴉だけに光りものが好きなのだろうか。
 目をごしごし。
「だあれ?」
「アリス・マーガトロイドよ。ご存知かしら」
「うにゅ?」
 小首をかしげて記憶を探っているようだった。それにしても反応速度が遅い。戦闘時の空はもっと研ぎ澄まされた錐のような性格をしていたようだが、普段の彼女はおとぼけキャラなのだろうか。それともこれが地なのか。どうもゴリアテのように穏やかな性格をしているように見える。
 空と連絡をとったのは永夜のときと同じく、アリスが異変解決に関与したからである。
 当時、空は地上征服をたくらんでいたようなので、それを阻止したかたちになる。最終的には霊夢に討たれたことになるし、今ではすっかりおとなしいからあのときのことを怨んでいるとは考えにくいが、一応の関係があるから他より可能性は高い――と思ったのだ。しかし、空もまた"敵"ではなさそうである。
 そもそも"敵"がいるのかどうかも懐疑的になりつつあった。
 しかし、手詰まりと呼ぶにはまだ早い。とりあえず物理的にアリスを殺害できそうな実力者を全員洗ってみるまでは。
 空は実力的にはかなり高い能力を有している。
 なにしろその能力は神の火。
 殲滅能力はおそらく幻想郷でも一番といってよいだろう。ただ力を得たのはつい最近のことなので、巨大すぎるパワーに振り回されて制御能力のほうはいまいち弱いようだ。
「ねえ。空」
「なんでせう?」
「あなた、魔理沙のことはどう思ってるのかしら?」
「ん。恋バナの予感?」
「違うわよ。ほら地底に降りてきたとき魔理沙と戦ったでしょ」
「えーっと魔理沙って誰だっけ」
「白黒! 白黒よ!」
「あー、そういえばそんな人いたかも? それで?」
「いやもういいわ」
「もー。お昼寝の邪魔をしていいのはさとり様だけなんだからね。オマエもフュージョンしてやろうか……zzz」
「会話しながら寝るなんて芸当はじめてみたわ……」
 ある意味才能である。
 とりあえず今度はさとりに話を聞いたほうがいいかもしれない。少なくとも地底や地霊殿のことはさとりが統括しているのだろうし、なにかしらヒントが聞けるかもしれない。

 PRRRRRRRRRRRRR

「アリス・マーガトロイドよ。突然申し訳ないんだけどよろしいかしら」
「あら、あなたは魔理沙さんの心の中にいたお方ですね。ふむふむ。心を読まれないために遠隔通話を用いますか。覚り妖怪としては目隠しされたようで恐ろしいですねぇ」
「聞きたいことがあるのだけどいいかしら」
 さとりの愚痴を無視する形で会話を進める。
「どうぞ」
「最近変わったことがなかったかしら」
「いいえ。特にはありませんね。しかしそういう発言をするということはアリスさんはごく近未来に地底ないしは地霊殿から害悪がもたらされると考えているのですね」
「いえ別に限定してはいないわ。けれどそうね。どこかからなにかしらの侵害行為が起こるらしいのは確かよ」
「アリスさんに対してでしょうか?」
「ええ……」
「いえ、私がお聞きしたいのはですね。例えばお空が地上に向けて核融合の力を放った場合、地盤が崩落してアリスさんだけでなく幻想郷中が巻き込まれることになるわけです。つまりその侵害行為なるものはあなたをターゲットにしたものなのでしょうか。それとも無差別なものなのですか?」
「ああ……なるほど」
 考えないではなかった。
 天変地異などの可能性だ。
 しかし、アリスが空を飛んでも"敵"の攻撃から逃げ切ることはできなかったし、天変地異ならだいたいの発生パターンが決まっている。予兆もそうだ。自然は必ずなにかしらのサインをだしているものである。
「そういえばひとつ気になることがありました」と、さとりは言った。
「なに!?」
「うまく言えないんですが――」

 PRRRRRRRRRRRRR

「最近気になることがなかったかしら」
「まるで私の妹のように唐突ですね。ええと確かアリス・マーガトロイドさんでしたっけ」
「そうよ。あなたなら地底のことには詳しいはずよね」
「ふむぅ。そう言われましても、こういう心を見ることができない探りあいは苦手でして」
「三分後、私は死ぬわ。あと二分半ぐらいかしらね。おそらくは大規模な殲滅攻撃かピンポイントの狙撃。言っとくけど、あなたのところのペットを疑っているわけではないわ」
「疑ってるじゃないですか」
「正確には疑っていたというべきかしら。でも今はそうではないわね。だいたいあの鴉からして戦意というものがまったく感じられないもの」
「故意が無いから侵害行為ができないというわけじゃないですよ。むしろ世の中においては事故や過失によって死ぬほうがずっと多いのです。こいしを見ていてそう思います」
「例えばあなたの地獄鴉が寝ぼけてぶっぱなして、私の家の直下にたまたま当たるってことはありうるかしら」
「それはないと思いますよ。あの子は寝ているときは制御棒をはずしていますから」
 確かに目をごしごしとこすっていた。
 制御棒は装備していなかった。
「最初の問いに戻るけれど、何か気になることはないかしら?」
「そうですね……とはいえ、なんだか身構えてしまいますね。まるで尋問されている気分ですよ。いつも私の前に立つ怨霊たちもこんな気分なんですかね」
「……わからないわ。でも今度は尋問っぽくならないように気をつけるわ」

 PRRRRRRRRRRRRR

「アリス・マーガトロイドよ。突然の連絡ごめんなさいね」
「いいえ。かまいませんよ。地上の方が何の用でしょう」
「最近地上がらみで何か気になることなかったかしら。こちらでなにか異変が起こりそうなの」
「気になることと言われましても困りましたね。最近は穏やかな日常生活を送ってたものでして、すぐには考えつきそうにありません」
 真面目に考えているようだが、これでは間に合わないかもしれない。
 最初にうまくいきそうだったのはなぜだろう。侵害行為がアリスに向けられているか否かという文脈だったはずだが――。
「無差別的な何かについてなんだけど」
「無差別ですか……うーん。ああそういえば、お空に力を与えてくださった神様から最近連絡がありましたね」
「山の神様のこと?」
「そうです。八坂神奈子さまからです」
「どんな内容の話」
「核融合はそんなに危険じゃないから大丈夫というような話でした。なにやら専門的な話だったので理解がおぼつかないところもあったのですが、核融合は中性子と水素を用いているからクリーンなエネルギーだそうです。だから万が一制御に失敗してもメルトダウンが起こることはありえないとかそんな話でしたね。原子の力は普通なら無差別に毒素を撒き散らしかねない危険な技術だそうですよ」
 そうではないというアピールだったということ?
 なぜアピールしたのかを考えると、むしろ危険であるからという解答になりそうだが。
 考えすぎだろうか。
「ありがとう」
「いいえ。お役に立てたのなら光栄です。私はですね……地上の方ともう少しお話したいと思っているんですよ。よろしければ地底に――」



 どうもこういうのは感傷的になってよくない。
 なんだか狭間に消えていった歴史が、そこで交わされた会話が死んでいくようで、かなしくなってしまう。
「でもあと少しかしら――」
 今度は山の神。
 そのうちの一人。八坂神奈子である。神代の時代よりこの国を支配してきた軍神であり、その力はそこらの妖怪の比ではない。技術促進にも力をいれていて、ひそかに内政好きなところもある。宴会などで見かける姿はフランクで人づきあいがよさそうな雰囲気があるが、魔理沙の話によると戦闘のときは超怖かったらしい。
 風が……ラストスペルが……とかなんとか言ってたような。
 まあ魔理沙のことだから自分の武勇伝をおおげさに伝えるために相手の力を巨大に見せたのかもしれない。
 力は一流。そして智恵も。
 アリスでは魔道書による補正があっても勝てる見こみは少ない。
 切り崩せる可能性がわずかでもあるとすれば、親交することによってだろう。親交は信仰と同義である。神は信仰するものをないがしろにすることはできないはずだ。

 PRRRRRRRRRRRRR

「われを呼ぶのは誰ぞ」
「アリス・マーガトロイド。幻想郷に住むしがない魔法使いよ」
「で、何の用かしら。もしかして宴会のお誘い?」
 いきなり威厳が吹っ飛んだ。
 よっこいしょとか言いつつ、座布団に座りなおす様はなにか見てはいけないものを見てしまったようだった。
 気にせず用件を伝えることにする。
「最近、なにか地底がらみで気になることがなかったかと思って。たとえば地獄鴉の力について、とか」
「それでなぜあんたが連絡を寄越してくるのかよくわからないねぇ」
「そうね……」アリスは数秒考える。「知り合いだからよ」
 知り合いだから連絡をとる。
 知り合いだから話をしているのだ。
 大きな意味ではまちがってはいない。神様相手に嘘をつくわけにもいかない。アリスの言葉は人を喰ったようにも聞こえるかもしれないが、少なくとも誠実であろうとした結果なのである。
「知り合いか。まあ確かに幻想郷では知り合いは多いな。あんた魔法使いってことは魔理沙と仲が良かったりするのかい」
「まあそれなりにね」
「うちんとこの早苗も同じ人間とは仲良くなりたいらしくてね。魔理沙の悪癖が移らないか少々心配だよ」
「魔理沙は人間の限りというものを知っている子よ。そのおかげで花火みたいに派手に生きたいと思っているみたい」
「ああ、すまないね。べつに魔理沙のことを悪く言うつもりはないんだ」
「私もべつに魔理沙のことをよく言うつもりはないわ」
「あっはっは。あんたおもしろい子ね」
「ところで――」
「ああそうね。実をいえば気になることってのはさ。その早苗のことなんだよ――」

 PRRRRRRRRRRRRR

「東風谷早苗についての心配事について教えていただけないかしら」
「ん。時間遡行系の力を使ったか?」
「ええ」
 さすがに上位神クラスになると行使された力がわかるものらしい。
 あるいは神代の力から培ってきた智恵だろうか。アリスの短い言葉からすぐにあてはまる力を探り当てたというところだろう。
「どういう状況なの?」
「三分後に私は死ぬ。繰り返しながら"敵"を探してるの。あと二分二十秒ぐらい」
「私も疑われているか。いや――疑われていたか」
 そう、犯人だと疑っているのならわざわざそんなことを話したりはしない。
 早苗のことを語る直前に、神綺のような心配そうな瞳をしていたのだ。それがアリスが神奈子への疑いを捨てた直接の理由である。
「時間がないからかいつまんで言う。最近、外の情勢が騒がしくてな……。早苗は外の世界に未練があるから心配をしているということなのだ」
「それが心配事?」
「ああ、そうだ」
「では私の三分後の死とは無関係ということね」
「いや私の推察だが、おまえがここにたどり着くまでに犯人らしき人物がいなかったというのなら、原因はおそらく"外の世界"にある。そして事はおまえだけの問題ではない」
 軍神の言葉はまるで鉛で殴られたかのように重い。
 幻想郷の危機?
 どういうことなのだろうか。
 やはり一種の天変地異が起こったというのか。

 PRRRRRRRRRRRRR

「もしも"外の世界"が滅びたら、幻想郷はどうなるの?」
「光の速さで紅茶噴いたらどうなるのみたいな質問だね。私はなぜなにお姉さんじゃないんだが」
「ごめんなさい。脈絡がなくて。でもどうしても知りたいのよ」
「単純なことだ。外が滅びれば中も滅びる」
「結界があるのに?」
「あれは論理結界に過ぎん。論理とは常識の結界のことだ。常識の背後に非常識があるからこそ結界が成立する。常識も非常識も等しく無に帰せば結界ももはや関係がない」
「つまり人間が一人残らずいなくなれば、幻想郷も崩壊するということなの?」
「杞憂というものだ。"外の世界"に人間は億単位でいるんだぞ。数学的にすべてが一斉に滅びることはありえん。……いや、そうとも言えんか」
「その可能性が高いとあなた自身から聞いたのよ」
「それを先に言え馬鹿者。なるほど時間遡行系の能力か。なにか妙な力を感じると思ったぞ。我と拮抗するほどの力を持つ者がここ幻想郷内にいたとはな」
「残り二十秒。指針が欲しいわ」
「外の世界のことなら幻想郷の管理者に聞くしかないだろう」
「八雲紫の"番号"は?」
「"番号"?」
「連絡を取るための固有の波長のことよ」
「私は知らない。力が欲しいならいくらでも貸そう。私も早苗もそれにあいつも――存外ここが気に入ってるのでな」
「ありがとう。必要になったら連絡するわ」



 いよいよ核心に近づいてきたのを感じる。
 しかし、八雲紫に連絡を取れなかったらどうすればいいのだろう。
 アリス自身が最速で空を飛んでも博麗神社まではいけそうにない。外の世界の出来事をなんとかするほどの力もない。基本的に外部の事情に精通しているのは紫しかいないから、彼女と連絡をとらないことには始まらないのだ。
 すがるような思いで、アリスはコールする。
 八雲紫の数少ない友人といわれている人物。
 西行寺幽々子である。

 PRRRRRRRRRRRRR

「あら? えーっと、どなたかしら」
「アリス・マーガトロイド。魔法の森に住む魔女よ。今日は幻想郷の危機を知らせにきたの」
「そのわりにはずいぶん落ち着いているのねえ」
「時間だけはたっぷりあるのよ」
「ふうん。じゃあこちらに来て直接話してもらえるかしら」
「残念だけどそれはできないわ。時間がないのよ。八雲紫の"番号"を教えてちょうだい」
「面白い呼び名をしているのね。それって宇宙紐の腰の振り方のことでしょう?」
 波動関数やらなにやらのことをそういうふうに呼ぶこともあるかもしれないが、今は持ってまわった言い方が憎らしい。
 いや、アリス自身も言ったように時間はたっぷりあるのだ。
 焦る必要はない。
 間違えずに、誠実に。
「教えていただけるかしら?」
「あら、だめよぅ。そんなに簡単に教えたら紫に怒られちゃうわ」
「幻想郷の危機なのよ。そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
「それなのよねえ。だいたい紫が幻想郷の危機が起こるときに私に一報もいれないなんてことがあるのかしら」
「妖怪の賢者とはいえ失敗しないなんて言い切れないでしょう」
「そう。失敗はありうるわ。でも――」

 PRRRRRRRRRRRRR

「アリス・マーガトロイドよ。幻想郷の危機なの。紫の"番号"を教えてちょうだい」
「紫が気づかない危機なんてありうるのかしら」
「賢者だって失敗はするでしょう」
「そう。失敗はありうるわ。でも、あなたよりもずっと幻想郷のことを考えているのよ」
「それは認めるわ。私は正直に言えば幻想郷がなくなっても生きていく自信はあるし、帰るべき場所もあるもの。けど――存外ここのことも気にいってるのよ」
「悔しいのよ」扇子を開き、幽々子は顔半分を覆った。「あの賢い式神でも、ここにいる賢い友人でもなくて、あなたみたいなまだ若い娘が紫の失敗を補うというのが、悔しいわ」
「偶然よ。百のうち一ぐらいの確率で幻想郷のことなんてまったく考えてなかった魔法使いが不意に危機が迫ってることに気づいたりすることもあるのよ」
「そうね。まあいいわ。あなたは少なくとも幻想郷の"敵"ではないのだし――。はっきり言うことにするわね」
「ええ」
「知りません」
「はい?」
「だから、紫の"番号"なんて知らないのよ」
「はぁっ? 友達なんでしょう。なんで知らないのよ」
「だって紫は私が会いたいなって思ったらだいたい来てくれるし、私から連絡取る必要なんてなかったんだもの」
「信じられない」
 魔理沙のときも思ったが、幻想郷では仲良くなりたい人ほど"番号"を聞かないルールでもあるのだろうか。
 まあアリスも魔女仲間ぐらいしか"番号"を知らなかったのだから人のことは言えないけれど――。
 嘘をついている様子もなさそうだし、これは本格的に手詰まりのようだ。



 当てがなくなったので、しばらくの間、アリスは目を瞑って考えていた。
 八雲紫に連絡が取れそうな人物はあとひとり。
 博麗霊夢しかいない。しかし、その博麗霊夢に連絡が取れそうな人物もまたいそうにない。霊夢に会うしかない。けれど霊夢に会うには時間が圧倒的に足りない。
「まいったわ。詰んだかしら」
 そもそも霊夢が悪いのだ。
 いや結界組が悪い。
 人間関係を極限まで希薄にしているから、こういう事態が起こるのだ。
 けれど、関係をできるかぎり持たないようにするのも公平を貫くためだといえるし、いわば全体のために奉仕しているのかもしれない。そう考えると、霊夢や紫が悪いとは思えなくなってしまう。
「いまは感傷に浸ってる場合じゃないわね。問題は距離か。ここから博麗神社まではどうがんばっても二十分はかかるし、私の能力では無理。他の人に連絡をとってみたら……だめね、それでは三分の間に返信を貰うのはほとんど不可能」
 そこらの妖精をピチューンさせて近場にワープさせるデスルーラ通信法や弾幕式モールス信号も考えたが、あまりにも不確定すぎるし、モールス信号に到っては霊夢が解読できるとも思えない。
 伝言しかない。
 伝言――。
 そういえば魔理沙が言っていた。最近、寺にやたら人なつっこい妖怪が増えたと。
 そのなかにはやまびこの妖怪もいたらしい。
 やまびこの声は幾重にも反響して遠くへ届く。ギリギリ博麗神社にも届くかもしれない。
 だが、霊夢に声が届いたとしても返信する方法は?
 魔法使いのように鏡に向かって通信するような芸当ができるとも思えない。霊夢の仕事はあくまでも妖怪退治だ。誰かに連絡をとったりするのも仕事上あまり好ましくないだろうし、知らないと考えたほうがよいだろう。
 霊夢からの返信方法が思いつかない。
 だが、他に思いつかない以上、霊夢を信じて通信するしかない。

 例によって魔理沙からの伝手で響子の"番号"を聞きだして、連絡をとる。

 PRRRRRRRRRRRRR

「アリスよ。突然で申し訳ないんだけど、やまびこの仕事を頼めるかしら」
「ご奉仕ですね! いいですよー!」
 鏡が割れそうなほどの元気な声だ。
 これならもしかすると本当に届くかもしれない。
「じゃあお願いするわね」
「内容はなんですか」
「霊夢へ。紫の"番号"を教えてちょうだい。時間がないから一分以内で返信お願い、アリス」
「復誦します」
「けっこうよ。お願い早く」
 どんなに急いでも響子と連絡をとるだけで一分はかかってしまう。残り二分。やまびこの声が届いて返信するのに一分少々といったところ。
 はっきりいって――かなり絶望的な時間だ。
 もしも、霊夢が符だけを投げて寄越しても一分では魔法の森につくことはない。
 それでも――。
「りょーかいです!」





「霊夢へ。紫の"番号"を教えてちょうだい。時間がないから一分以内で返信お願い、アリス」





 うわんと空間が揺れた。
 鏡越しに伝わってきそうなほどの空気の揺れだった。
 キーンと鼓膜が震えている。

「すごい声ね」
「えっへっへ。がんばっちゃいました」
「ありがとう」

 あとは返信があるよう祈るだけ。
 残り五十秒。
 四十秒。
 三十秒。
 まだなにも徴候がない。とりあえずアリスは家の外にでて空中で待機している。東のほうの空をじっと見つめる。
 なにかしら徴候があればすぐに掴めるように。
 二十秒。
 十五秒。
――さすがに一分では無理だったかしら。
 アリスが諦めかけたそのとき、
 ブオンと空間がたわんだ。
 そこから息をきらした霊夢が現れた。残り十二秒。
「ば、番号は――」
 信じられない。
 アリスでさえも二十分はかかる行程をたった一分で駆け抜けたというのか。
 空間を渡る力があるといっても、さすがに人間の力を越えている。霊夢はアリスと同じくエンジンがかかるまで時間のかかるタイプだ。そんな霊夢が最初からフルスロットルで飛ばしてくるのはいったいどういう理由があってのことなのだろうか。博麗の巫女の勘がそうさせたのだろうか。それともアリスへの信頼がそうさせたのか。
 そんな霊夢のがんばりもあと数秒の間に闇へと葬られる。すごく不公平な気がして、きゅっと胸がしめつけられる。
「伝えたわよ」
 残りは八秒。
「速かったわね」
「文に半分くらいは乗せてもらったのよ。偶然に感謝するのね――」
 部屋の中でアリスはひとり口を開く。
「感謝してるわ。霊夢」



 PRRRRRRRRRRRRR

「幻想郷の危機らしいわ」
 アリスは短く言った。アリスが紫の"番号"に連絡するという事実だけで、その情報の確度の高さがわかるはずだ。
 もしも山の神の言ったことがまちがいでも、それはそれでかまわない。ただ、アリスとしてはおそらく山の神の言ったことは正しいだろうという確信がある。
 まったく、幻想郷に住むやつらはどいつもこいつも野心とは程遠く――幻想郷のことが気に入ってるやつらばかりなのだから。
 紫は顔を青くして、すぐになにやら調べ始めた。
 それは空間に投影されるタイプのスクリーンのようで、外の世界の様子が垣間見えた。
「ダメだわ。速すぎて補足できない」
「なにが起こってるの?」アリスは聞いた。
「人間の兵器よ。凄まじい速さで空を飛び、一国を破壊する程度の力はある」
「撃ち落とせないの?」
「現実に干渉するには現実の理がいるのよ」
「よくわからないわ。説明して」
「時間が無い」
「時間ならあるわ。私を信じなさい。ここまできたんだから何度でもつきあってやるわよ」
「……時間遡行能力。幻想の力ね」
「今回だけよ。番号だってすぐに忘れ薬でも飲んでやるわ。だから――」

 PRRRRRRRRRRRRR

「紫。外の世界で国を滅ぼせる兵器が迫っているらしいわ」
「なんですって?」紫はスクリーンを展開して、顔を青ざめさせる。「なんてこと――こんな馬鹿な選択は聞いたこともないわ」
「撃ち落とす方法は?」
「現実の理は現実によらなければならない」
「どういうことなの」
「説明している暇はないわ」
「時間ならあるのよ。説明してちょうだい。」
「たとえば、その兵器――ミサイルに対して弾幕を撃っても撃ち落したことにはならない。現実に干渉するには現実的な理由が必要なの。ああもうダメだわ。あと一分で――」
「現実的な理由ってどんなことを言うの?」
「あなたおちつきすぎよ。結界が消滅すれば内圧で一気にこの幻想郷は滅びるわ」
「滅びないから安心しなさいよ。で、どうなの」
「兵器だから故障したとか――かしらね」
「あなただったらそんなの簡単でしょ。スキマ使ってちょっとだけ壊したらいいだけじゃない」
「ミサイルは速すぎるのよ。スキマは言葉では言い表せないぐらいの超計算によってファーサイドの理をこちらの世界へ持っていくもの。あまりにも時間が足りないわ」
「専門的すぎ。どうしてできないのか言いなさいよ」
「要するにすごい計算が必要だから座標を特定する暇がないの」
「ああそう。簡単じゃない」

 PRRRRRRRRRRRRR

「というわけで、今回はまず、"みさいる"の座標を計算するのよ。あんたのことだからどうせその座標とやらも数値化しているんでしょう」
「ゆかりん、なにがなんだかわからない」
 ついにボケ始めてしまったか。
 ともかくいくつかの省略はあったものの、アリスの思惑どおりなんとか座標は特定された。その座標はおよそ二分後にどうなるのかという予測計算を用いたものだ。そらの計算でそこまでできるのだから、紫の頭はどうなっているのか、恐ろしい。
 けれど、あばばばばばばばばばと言いながら計算しているのはさすがに見なかったことにしようと思った。

 PRRRRRRRRRRRRR

「紫。"みさいる"が迫っているわ。ポイントはX23Y46Z637」
「あなた何言ってるの?」
「ほら、あと一分三十秒しかないわ。さっさとスキマ使って撃ち落してきなさいな」
「え? え? え?」

 残り一分。
 線香花火がポトっと落ちるみたいに、終わりはあまりにもあっけなく、アリスの三分間はようやく進み始めた。
 あとから紫に聞いた話によると、どうやら"某国"が核攻撃をしかけてきたらしい。ミサイルがあえなく故障したため、"某国"は偶然核が搭載されたままになったミサイルが発射されてしまったとして言い逃れをしたが、これに対して日本は高度な政治的配慮から遺憾の意を表明したにとどまったとのこと――。その"某国"の攻撃も甚だ不合理なリーダーの感情が源泉にあるらしく、さすがに紫でも計算できなかったらしい。紫ですら理解できない外の人間はいったいどういう精神構造をしているのだろうと興味半分、恐怖半分といったところだ。
 でも――
 まあ、そんな無粋でまったくもって華麗さに欠ける政治的な事柄は、幻想郷に住まう少女には似つかわしくないし、アリス自身も興味がなかった。
 こんなことに気を払っていなければならない紫のことを少々気の毒に思ったほどだ。
 とりあえず、いま気がかりなのは、偶然知ってしまったみんなの"番号"である。魔理沙は知っているのだが――アリスとしてはやはりちょっとフェアではないと思ったので、あとでパチュリーに忘れ薬でも煎じてもらおうと考えている。紫にはその旨伝えておけば十分だろう。
 


 















 三分経過後。


 ようやくいい具合にふやけたカップ麺。
 おなかがすいているのは忘れていた。肉体は過去に戻らないから、思い出してみれば一瞬餓死の恐怖にみまわれたほど。
 時計を見ると紫に対する説明を終えて四分ぐらい経過しているから、そろそろふやけすぎになってしまうだろう。
 カップ麺の蓋を丁寧にとりはずすと、あの忘れがたき香ばしい匂いがたちこめる。
 ちゅるりと麺を喉に滑らすと、ずっと変わらない懐かしい味。
「たまに食べたくなるのよねぇ……」
 そのとき家の扉が勢いよく開かれて、あのとき来ると言っていた魔理沙が予定調和のようにやってきた。
「よ、アリス」
「ん。来たのね」
「まるで私がいつ来るのか予測していたみたいな口ぶりだな」
「まあそうね。それで、もしかしてご飯を食べさせて欲しいとか思ってるんでしょ」
「おおよくわかってるな」
 魔理沙は嬉しそうに笑っている。
 アリスは笑い出したくなるのをこらえた。
「これでよかったら食べる?」
「これってもしかして魔界カップ麺か」
「そうよ」
「アリスがこんなの食うなんてイメージになかったぜ。もしかして好きなのか」
 アリスはふと思う。
 もしも――
 もしもである。
 アリスが今日偶然に魔界カップ麺を食べることを選択しなかったらどうなったのだろう。幻想郷は誰にも知られることなく消滅してしまったのだろうか。それともアリス以外の誰かがそれを阻止するために行動したのだろうか。アリスがいたから今回は誰も行動しなかったのか。
 考えても答えがでる類の問題じゃなさそうだ。
 それにどちらにせよ答えは決まっている。
 アリスは言った。
「決まってるじゃない。大好きよ!」


もしもカップ麺のことが好きなら、次に世界を救うのは貴方かもしれない的なお話

追記。
感想感謝。誤字指摘感謝です。
さらに追記。
誤字なおしました。ご指摘ありがとうございます。
人形租界の夜とごっちゃになってたみたいです。
超空気作家まるきゅー
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コメント



0.18200簡易評価
2.100名前が無い程度の能力削除
これはすごい。
だんだんと壮大になっていくスケール。
異様な存在感の魔界カップ麺。
いやぁ、面白かったです!
5.100名前が無い程度の能力削除
目が離せなかったぜ…
良かったです!
8.100名前が無い程度の能力削除
一気に読んでしまいました 面白かったです
9.100奇声を発する程度の能力削除
気が付いたら読み終えていました
10.100名前が無い程度の能力削除
外掘を徐々に埋めながら中心へと向かう、論理のパズルに大興奮。ロジックパラダイス。
最高に面白かったです。
11.100名前が無い程度の能力削除
あはは。うん・・・?えっ・・・。うええ!?
ってな感じでずんずんと読み進めてしまいました
面白かったです!
12.100名前が無い程度の能力削除
三分ごとに煮詰められて行くアリスの思考が面白かったです。
少々ご都合的な場面もありましたがそこはそれ。
楽しめました。ありがとうございました。
14.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺が腐ってたとかそんなギャグ落ちかと思ったらすごい壮大な話だった!

魔界カップ麺食べたいなぁ
15.100名前が無い程度の能力削除
最初は何コレ状態だったがラストまでどんどん引き込まれた
すっごい面白かったです
そしてゆかりんかわいすぎw
18.100名前が無い程度の能力削除
いつもながら発想がすごいです。もう大好き
20.100名前が無い程度の能力削除
いやあ、面白かった
テンポもよくてするする読めた
22.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺が世界を救うとは誰も思ってもいなかった。
23.100名前が無い程度の能力削除
これは面白すぎる。こんなに没頭して読んだのは久しぶりです。
感想に何を書けば良いのかわからないくらい、面白かったです。
25.100名前が無い程度の能力削除
良いですね、時間遡行の力をフルに使った力押しに次ぐ力押し。ループ物はこうでなきゃ。
これってやっぱり最後の言葉がレミリアの言葉に繋がってくるんですよね。いや-怖い。でもすると某国がミサイルを発射するしないの部分にまで及んでしまうのでしょうか。よくわかんない。
26.100名前が無い程度の能力削除
タイトルと冒頭からは考えられない展開に一気に読み切ってしまいました。3分間しかくり返せないという設定がすごく生きててどう展開していくかに本当に夢中になりました。
27.100名前が無い程度の能力削除
久々に100点じゃ足りないと思える話を読んだ。
28.100クロスィ削除
一気に読ませていただきました!

ループ物ではその状況を使い捨てにする話が多い中、しっかりと礼儀を通すのはアンチテーゼで収まらない素晴らしい着目点だと思います。こんな状況でも相手を気遣い、嘘をつかないアリスは見ていて心地よいものがありました。特にさとりの「尋問をされているようですね」からの言葉遣いの変化は、アリスの人格のよさが現れていると思います。

通話を重ねての台詞の応酬、徐々に可能性を絞って行く物語の造り方と、終始楽しませていただきました。
ただ、物語の締め方にカップ麺とレミリアの発言がそこまで関係してこなかったのは少し残念でした。今回のアリスの行動はレミリアの発言が指針になっていたので、なにかそこを感じさせる余韻があれば最高だったかな、と個人的には思いました。

シーフード味好きなアリスは流石都会派魔女…わかっていらっしゃる。非常に面白かったです!
29.100名前が無い程度の能力削除
当事者の紫とたぶんレミリア以外は誰も知らないアリスの孤独な戦いに敬礼
31.100名前が無い程度の能力削除
無限ループってこわくね?
32.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです
34.80名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
40.100白々燈削除
ぐいぐいと引き込まれていく展開に感服しました。
無限ループで徐々に真相にたどり着いていくのには手に汗握ってしまいました。
とても面白かったです。時間を忘れて楽しむことが出来ました。
42.100名前が無い程度の能力削除
普段はケータイでクーリエのssを読むのですが、この話はパソコンで直接読みたくなり、そうしました。
みんないい奴だなぁ……
43.100名前が無い程度の能力削除
外の世界が幻想郷に干渉する話を読むといたたまれない気分になる
外の世界の一人として、申し訳ありません

あとカレー味が好きでごめんなさい


>病に犯され
→『冒され』
44.100名前が無い程度の能力削除
まるでよく練られた映画のようだ、面白かったです。
46.100Dark+削除
読んだあとに鳥肌たった。感動した。面白すぎる。面白すぎる……
47.90名前が無い程度の能力削除
あばばばばば
49.100桜田ぴよこ削除
凄かった。
50.100過剰削除
これは凄い
ぐいぐい話に引き込まれました
アリスの思考が煮詰まっていく姿がとても面白かったです
51.無評価名前が無い程度の能力削除
話が面白くない。
うまく人を騙してる作品。そこに関しては評価する
52.90名前が無い程度の能力削除
おもしろかった。流石アリスだwww

魔界神様もなんてものをwww
54.100名前が無い程度の能力削除
すごい
59.100名前が無い程度の能力削除
すげぇ
60.100yunta削除
自分の命、そして幻想郷を救ったあと、待っているのはカップ麺。
難解になりがちなループネタでも、異変を颯爽と解決するアリスはさすが都会派ですね。
61.80可南削除
しっかりした構成と丁寧に書かれている物語の印象を受けました。
面白かったです、ありがとうございました。
64.100名前が無い程度の能力削除
まさかこんな展開になるとは予想できませんでした。
爽快な読後感です。
65.100名前が無い程度の能力削除
正直、「どうせカップ麺が原因というオチだろ?」とか思ってました。
土下座させてください。

どうでもいいけど、カップ麺は、十分に都会派の食べ物だと思います。
67.100名前が無い程度の能力削除
面白い、面白すぎる
以前より氏の作品によって新しい世界観が開けることは有りましたが、今回は本当に撃ちぬかれました

3日間を繰り返して仮面を取り返すゲームを思い出したのは自分だけでしょうか
68.100名前が無い程度の能力削除
ループごとにアリス対応が変わってそれに対する助っ人の反応の変化が面白かった
あばばばばばてw
71.100名前が無い程度の能力削除
カップめんからここまで話が大きくなるとは思いませんでした。
気持ちよくだまされました。ありがとうございました。
72.100名前が無い程度の能力削除
残り10秒で連絡して何度も何度もゆかりんを泣かせたい
これがレミリアの言う選ばれない運命を蔑ろにするってことか
てかやまびこで直接ゆかりん呼べし!
73.100名前が無い程度の能力削除
いやもう、ホント言葉で上手く感想を伝えられませんが、

100点を付けたいと心から思った作品は久しぶりでした。
74.80名前が無い程度の能力削除
幻想郷と魔界は別世界なんで魔界にシーフードがあっても
なんら問題ないと思います。
それはともかくシーフード味は最高。
シーフードを選んだアリスに万歳。
75.100名前が無い程度の能力削除
ギャグだと思ったらシリアスだった・・・
構成が巧すぎて妬ましいわ!
76.100名前が無い程度の能力削除
少しずつ少しずつ解決へと近づいてく様がスリリングで面白かったです
78.100名前が無い程度の能力削除
すげぇ
79.100名前が無い程度の能力削除
ただのカップ麺に「魔界」を付けた途端、
異変の元凶っぽくなるミスリーディング

そんな餌に釣られクマー
80.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺からここまでの話を引き出すとは……
脱帽です。
82.100葉月ヴァンホーテン削除
頭の中で幾十の賛美の言葉を思い浮かべようと、この口からはただただ感嘆の溜め息が出ていくばかり。
誠に、誠に! 面白かったです。
85.100名前が無い程度の能力削除
なんだこれすごいな
87.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
88.100名前が無い程度の能力削除
どんどんアリスの思考が加速していくのが、
とても爽快だった。
ゆかりんかわあいいな。
89.90カミソリの値札削除
良い作品ですね。
カップ麺は大好きです
90.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺オチだと思っていた。
否。思わされていた。
92.100名前が無い程度の能力削除
1回目で飛んできた霊夢がすばらしい
93.100名前が無い程度の能力削除
魔界カップ麺が原因で死ぬと思ったのに……見事なお手前、感服致しました。
評判いいから読みにきたのでインスタントラーメンを食べながら読んだぜ!
……カップラーメンは無かったのだ。グスン。

個人的にグッときたのは霊夢。まさか来てくれるとは!
思わずガッツポーズを取っちまったぜい。
94.100がま口削除
個人的にどストライクな作品に久しぶりに出会えました。
水平思考と言うべきなのでしょうか。破綻を全く起こさない論理とループの奔流が心地よかったです。
一気に読み終えてまた読み返したい引力を持っている傑作ですね。
95.100名前が無い程度の能力削除
そんなことよりおうどんたべたい
98.100名前が無い程度の能力削除
大変面白かったです
101.90名前が無い程度の能力削除
とてもアリスらしかった気がする。
102.100名前が無い程度の能力削除
ものすごく面白かった。
次がどうなるのか全く予想できなかったあばばば
103.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです
幻想郷の危機に完璧に駆けつける霊夢さん格好いいよ
105.100名前が無い程度の能力削除
何人か言ってるけど、霊夢がかっこいい!
とても面白かったです。
106.100名前が無い程度の能力削除
これは凄い!登場キャラがみんな魅力的で面白かったです!!
107.100名前が無い程度の能力削除
緊張感がたまらん。
あとゆかりんまじかわゆす
108.100名前が無い程度の能力削除
カップラーメンから始まり壮大な物語へと展開を広げる作者様の構成力の高さに脱帽しました。
しかしこんな反則技みたいな魔法を何度も発動させられる神綺の愛の深さにも感動。さすが魔界神。


一カ所だけ、
>租界
→『疎開』
109.100まりまりさ削除
凄いなんてレベルじゃない
上でも述べられていますがやはり霊夢が最高でしたね
110.100名前が無い程度の能力削除
b
111.100名前が無い程度の能力削除
面白かった
会話する回数が増えるごとに対応がきちんと変わっていくのが良かった
やっぱりアリスがカップ麺を食べるために時計を取り出さなかったら幻想郷が壊滅してたのかな?
113.100名前が無い程度の能力削除
なんだろう。
なんて言うか……言葉が見つからない。
いろいろ書きたいはずなのに纏まらない……面白かったです。
114.100名前が無い程度の能力削除
なにこれめっちゃおもしろい
121.90名前が無い程度の能力削除
幻想郷だけでなく日本もアリスさんによって救われたわけか
122.100名前が無い程度の能力削除
とても面白かったです
124.100名前が無い程度の能力削除
すげぇ
126.100名前が無い程度の能力削除
なんかもう、すごいとしか言えません。

ボキャ貧ェ……
128.100名前が無い程度の能力削除
50点じゃ足りないのでこちらで。
129.100名前が無い程度の能力削除
ラベンダーじゃなくてカップ麺で時かけ・・・
132.100名前が無い程度の能力削除
映画で見たい話でした。
しかし、信じられないほど高レベルなSSですね。
これが五桁の評価を貰う作者の力ですか。
133.80名前が無い程度の能力削除
パチュリーの説得が成功した後はアリスに好意的なキャラばかりで
3分間でどうにかする間でもなく話が簡単に進み過ぎなので、
アリスへの協力に難色を示すキャラをもっと出した方が良かったかもしれません
135.100名前が無い程度の能力削除
面白かった。創作話で初めて読んだ作品がこれでよかった。
137.100名前が無い程度の能力削除
テンポが特に素晴らしかったです。
正しく面白かったです。
138.100名前が無い程度の能力削除
傑作
139.100名前が無い程度の能力削除
気のせいか、アリスが主人公になると名作が生まれやすい気がする。
異変に立ち向かううんぬんだと、特に。
作中でも行っていたが、直情と知略の合間に位置する彼女の性格は、
案外主人公向きなのやもしれぬ。

それと、読んでる最中に「フォーントリガー」なるフレーズを思い出してしまった。
ループ物だが無関係だろうに……。
141.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺食べようとしたら幻想郷が滅びるところだった
何を言って(ry
絶妙な制限時間と話の進行に引き込まれた
ちょうど、小説版のシュタインズゲートを読んでたところだった
時間遡航物っていいよね
144.100名前が無い程度の能力削除
サクサク読めました。読後感も良し。
148.100名前がない程度の能力削除
ようこそ……『都会派の世界』へ……
149.100名前が無い程度の能力削除
なにが起こったのかわからないがとにかくすごいのはわかった
151.100名前が無い程度の能力削除
面白かった!ちょっとカップ麺食べてきます
152.100名前が無い程度の能力削除
凄かった。まさかカップ麺から幻想郷の滅びを救う旅が始まるだなんて一体誰が思うのだろうか。
153.80ねじ巻き式ウーパールーパー削除
おもしろかったです。
なにげにあややが活躍しててうれしい。
154.90名前が無い程度の能力削除
脱帽。
155.100名前が無い程度の能力削除
非常に都会派な文章構成に脱帽です
先の気になる展開の連続でサクサク読めました
スクロールバーの小ささなんて無かった

文句なしの100点です
156.100名前が無い程度の能力削除
うわあああ、読んでいてゾクゾクするお話でした!
携帯からだと全文表示されなくて出先で身もだえしておりましたが、読めて良かった!
さすがマガトロさんは都会派やで……!
157.100名前が無い程度の能力削除
久々に面白いのを読んだ
162.100リペヤー削除
これほど淡々と進む大異変も少ない。
なんともいえぬ不思議なお話でした。
164.100名前が無い程度の能力削除
面白かった!
霊夢が来てくれたのには感動した。
165.90名前が無い程度の能力削除
食べようとしてよかったカップ麺。
167.100てるる削除
これはすごい!
何が起こったのかをつないでいくことで少しずつ事実がわかってくるこの感覚が素晴らしい!

文句なく100点です
172.100愚迂多良童子削除
リンゴォ・ロードアゲインのマンダムのような感じか。
しかしこれ、もし通信手段がなかったらアリスが餓死するか時計の限界が来るかで
終わってたのか。これは運命か、はたまた奇跡か。
175.100名前が無い程度の能力削除
何から何まで面白い
しかし原因となったものが
妖怪の賢者にさえ理解出来ない心の動きだったとは
本当に恐ろしいのは人間ですね
176.100名前が無い程度の能力削除
面白かった! 本当に面白かったです。ありがとうございます。
霊夢が救世主に見えた。幻想郷を救えたのは……ひっくるめて皆のお陰か。
こんなにワクワクしながら読んだの久しぶりでした。本当にありがとうございます。
180.100名前が無い程度の能力削除
すごいや
182.100名前が無い程度の能力削除
面白かったと評価するしかないです。
アリスならではの駆け引きがとてもよかった!
186.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺で死ぬっていうオチじゃなくて本当に良かった
187.100名前が無い程度の能力削除
いやもう すげぇ としか言えない自分に凹む。
本当にどこからこのようなお話のアイデアが出てくるのか知りたいです。
188.100名前が無い程度の能力削除
あばばばばばばばばば
190.100名前が無い程度の能力削除
こんなに面白い話があるなんて! ありがとうございます!
あああ感動を言葉に出来ないー!
191.100i0-0i削除
とても面白かったです! ありがとうございました!
192.100名前が無い程度の能力削除
よくまとめられた佳作です。
193.100名前が無い程度の能力削除
原作に噛み合うネタ
二次創作らしいキャラ同士の掛け合い
文章だからこそ出来るテンポ

二次創作小説に必要な要素全てが噛み合ってる
名作
195.100名前が無い程度の能力削除
面白いとしか言えません
196.90名前が無い程度の能力削除
カップ麺が出来上がるまでの間に世界は救えるということを証明した作品。
ワクワクしながら読みました。面白かったです。
197.100名前が無い程度の能力削除
面白い、私の表現力ではそれ以上の言葉は蛇足になってしまうので。それくらい素晴らしい作品でした。
199.100名前が無い程度の能力削除
なんかマルチエンディングな探索ゲーみたいな何かをやってる気分になりました
パッと読める、濃厚なお話は久しぶりに読んだ気がします。とにかく面白かったです
201.100名前が無い程度の能力削除
これは面白い!                次も頑張って下さい!
207.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺食いたくなった。
213.100みつば削除
こ、これは衝撃的な面白さ……。
214.100名前がない程度の能力削除
あばばばばばwww
216.100ナルスフ削除
自分も途中でカップ麺オチを疑ってた・・・
逆にしてやられた気分ですわ。

そしていきなり連絡されたトップの皆様の落ち着きっぷりとゆかりんの落差がww
222.100名前が無い程度の能力削除
面白かった。どこが面白いかあげればそれはもういろいろと出てきそうなのですが、まとめられない。
こんな良い作品を読ませてくれてありがとう。
224.100名前が無い程度の能力削除
自分がアリスだったらどういう行動をとるだろうかと考えつつ面白く読ませていただきました。
この話を読んでここにコメントするのもなんだか運命的なものに思えてしまいます。
それにしても世界を救ったのに平然とカップ麺を食べるアリスは都会派過ぎる……
225.無評価名前が無い程度の能力削除
何かムジュラの仮面思い出した
限られた時間でいかに効率よく行動するかの試行錯誤
一度情報手に入れたら、次のループからはその過程省略して先に進めるっていうあの感覚
懐かしいわ
227.100Admiral削除
これはすごい…!長めなのに一気に読んでしまいました。
3分間という限られた時間の積み重ねで見事に幻想郷と日本を救ったアリスに感謝。
魔界カップ麺の使い方もお美事。
良い作品、ありがとうございました。
228.100名前が無い程度の能力削除
何度も読みたくなる作品を見かけたのは久しぶり。
230.100名前が無い程度の能力削除
クロノクロスの世界観を感じさせるようなお話でした。面白かったです。
232.100名前が無い程度の能力削除
ゆかりんwww
233.100名前が無い程度の能力削除
泣いた。映画化してほしい。
234.100名前が無い程度の能力削除
壮大なカップ麺だ……!!
235.100名前が無い程度の能力削除
ゆかりんはかわいいな、しかし
237.90名前が無い程度の能力削除
非常に面白いお話でした

ふとくだらない事を思いついたのですが

幻想郷が吹き飛んでも恐らく平気な
映姫様こそ真の無敵キャラかも
238.100KASA削除
めーっちゃめちゃめちゃおもしろかったです!
本当に読むのが止まりませんでした。
そして紫かわいいw あばばばばばば!
239.100名前が無い程度の能力削除
これは驚いた。3分で世界を救えるものなんですね。
245.100おぅ削除
バラダイス・ロストにならなくて良かった
250.80euclid削除
カップ麺は2分38秒が丁度良いんだってば
251.100名前が無い程度の能力削除
面白かったよ
254.100名前が無い程度の能力削除
人知れず?に世界を救うなんて、いかにもアリスらしいですね
255.無評価KASA削除
読み返してまた新しい感想を得たので二度目のコメントをさせていただきます。
点数はすでに100点いれてあるので今回はフリースレスで失礼します。

レミリアのNPCに関してのセリフを読み返して思ったのですが、この作品で時間逆行をしている
のは実はアリス一人だけだったんでしょうか? 
つまりはアリス一人が平行世界を渡り歩いているような感じで……他の皆は幻想郷が滅亡するとういうそれぞれの運命をまっとうしていたのでしょうか。
可愛い響子ちゃんやあんなに頑張った霊夢やあばばば紫様も、ある運命においては実際の出来事として幻想郷と一緒に死んでしまったのかなぁ。
なんかそう考えるとものっそい切なくなりました。

この感情をぶつける先が見つからずもんもんとしていたのですが、「そうだ、作者様に投げちゃえ! あ、あんたのせいなんだからねっ」ということでコメントにお邪魔させていただきました。

こんな風に感情をゆさぶってくれる貴方SSは、きっと特別な存在なのだと感じました。
257.100デン削除
あまり時間もないので冒頭だけちょこっと読むだけ、のつもりが一気に読み進めてしまいました。

面白かった、の一言です。
258.80名前が無い程度の能力削除
幻想郷に海は無いのはわかるんですが、魔界にも海がないと断言されてるような所がちょっと…
あとアリスは永琳に胡蝶夢丸を処方してもらってて、永夜で月人のこともある程度分かってる様子があるのに
まるで永夜抄時から一度も会ってないような対応に違和感、
そこが気になった以外はおおむね良かったです。
259.90かたる削除
面白かったです。繰り返される三分間の中で、アリスの思考の進展具合が丁寧でよかった
260.100白木の水夫人形削除
ループ物は、せいぎ
面白かったです
261.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです!
265.100名前が無い程度の能力削除
えーりん死なないから緊張感がwww
267.100如月日向削除
素晴らしい吸引力があるお話でしたっ。
しかし幻想郷は一体何度滅んだのか。
滅んだ幻想郷に住む人達の想いがアリスに道を示していったのでしょうね。
ループもので珍しいなと思ったのは主人公であるアリスがほとんど行動できないこと。
普通は主人公自身がもっとループに干渉するような気がしますが、今作は通信するくらいしか時間がない。
そのなかでどうするかと必死に考えるのが斬新でした。

オチがややあっけなくて物足りないのが唯一残念な点でしょうか。
原因がわかってもその問題を解決するのが困難で、そこからさらに知恵を絞るところが見たかったような気もします。
今まで連絡した人にもう一度協力してもらうとかですね。
座標計算は永琳と協力して、撃ち落とすのに空を使うとかっ。
(私の残念な頭では大したアイデアが出ないけどまるきゅーさんならもっとできると期待しちゃうの!)

最後に一言。
これからカップ麺にお湯を注ぐ度にこのSSを思いだし、数多の三分間に想いを馳せることになりそうです。
とても印象に残るSSをありがとうございました。
269.100名前が無い程度の能力削除
ちょwww点数www
とか思ってましたが、なにこの傑作。
魔界神の愛が生んだ偶然の奇跡が、理知と直情の狭間に揺れる人形遣いによるインスタント救世録を産み出したんですね。
しかし、連絡を取ればそれを自ずから察して冷静に対応してくれる、諸方面の有力者達がまたいい感じでした。
察する真実の深さに差はあれど、誰もが軽妙に会話を組み立てていくというところに、東方らしさをみた気がします。

いや、ここまで疾走感のあるループものは初めてです。

あばばばゆかりんとラベンダーえーりんで和む私はBBA(ry
273.90とーなす削除
三分間で切り取られた会話たちの中に、上手くキャラそれぞれの個性が立ち現れていて面白かったです。どのキャラもまさに「それっぽい」。
永琳あたりは意外な感じですが。もっとテンポ良く会話が進むかと思ったら、意外にも悪戦苦闘。どう選択肢を選ぼうがラベンダー。しかし、アリスと一緒に試行錯誤するのが楽しいSSでした。
274.100パレット削除
ゆかりんのアバ画像ください
275.90名前が無い程度の能力削除
すばらしい
276.100名前が無い程度の能力削除
最高でした。
これ読んだから明日も一日頑張れる気がする
277.100名前が無い程度の能力削除
三分間の冒険って本を思い出したよ、内容は全然関係ないけど。
278.100名前が無い程度の能力削除
ドキドキワクワクしながら読み終えて「あー楽しかった」と余韻に浸りながら皆さんのコメントを見ていた中で、KASA氏のフリーレスを見た時に、実はこの話って物凄く恐ろしい内容だったんじゃないかと思ってゾッとしました
廃棄された選択肢の世界に、確かに生きてたみんながどうなったのか……やっぱりこあい
279.100名前が無い程度の能力削除
\すげえ!/
280.80名前が無い程度の能力削除
あばばばばばばばばばゆかりんで笑いました。
三分ループの発想が面白かったです
282.100名前が無い程度の能力削除
久々に凄い作品を読んでしまった。
あんた天才だよ!
285.100名前が無い程度の能力削除
今まで正直作者さんのSSは苦手だったんだけど、
これはまた新しい境地に到達した感じ。
あっという間に引き込まれて最後までノンストップで
読まされてしまった。
プロの作家でもここまでの完成度の文章はそうそう書けないんじゃないか。
コメント欄が褒め過ぎだとは全く思えない同人SSとしては出色の出来。
287.100名前が無い程度の能力削除
腹の足しになるSSでした。ありがとうございます!
293.100名前が無い程度の能力削除
ここまで見事に完成したループ物は始めて見たかもしれない。
すばらしかった。
301.100名前が無い程度の能力削除
なるほど、と言わせるようなどきどきする設定でした。

ありがとうございます。
302.100名前が無い程度の能力削除
すごい、としか言いようがないです。
307.100カンデラ削除
時間ループ物って登場人物が「目的の為なら多少の犠牲(BAD ENDになる世界の人達の運命)は止むを得ない」って徐々に人間らしさを失っていく傾向があるけど、この作品のアリスはそれが無く、逆に、各時間軸でのキャラ達へ賞賛を想うシーンがあって凄く良かったです。

このアリスは3分前より格段に魔界カップ麺と幻想郷が好きになったのではないか、と思わせる最後のセリフが大好きです。
308.100久我拓人削除
おぉ、すっげぇ面白かったです!
カップ麺は滅多に食べないので、私はヒーローにはなれそうにないや~
311.100名前が無い程度の能力削除
かなり感動させていただきましたw
そしてKASA氏の読解力に感服・・・レミリアはわかってて幻想郷の終わりを見届けようとしていたのでしょうか。
そして霊夢gj
314.100名前が無い程度の能力削除
それぞれの、ラスボス達のカリスマとか、霊夢の霊夢らしい危機感(勘)に鳥肌が立った。
とりあえずもう一回読んでくる 特にお嬢様のところ
めっちゃ面白かったです。
316.100名前が無い程度の能力削除
点数なんぞwと思って見てみたら……これは凄い。霊夢マジパねぇ…!
それとKASA氏のコメで二度目を読みなおして見て、さらに感動しました。

レミリアの言葉は「選ぶ事の無かった可能性にも重要なヒントが隠されているから見落とすな」とも取れるし
レミリアがもし三分後に世界が終ってしまう、という事を判ってたのだとしたら
「“今”の貴女と話している私は力を貸してあげるから“次”の貴女は頑張りなさい」という
激励のようにも聞こえてくる。

作者様の意図とはかけ離れた解釈をしてしまってるかもしれませんが、
なんだか考えさせられる深い作品でした。GJ!
318.100名前が無い程度の能力削除
俺もカップ麺好きで昨日世界救ってきたところだった
319.100名前が無い程度の能力削除
間違いなく霊夢が幻想郷を救った
323.100名前が無い程度の能力削除
シリアスのようでシリアスでない、少しシリアスな塩梅が絶妙ですね。
とりあえず、アリスさんデスルーラ通信法はやめなさい。
324.100名前が無い程度の能力削除
構成が素晴らしい。
最後のほうアリスのやり取りが淡々としていくことで文章のテンポアップも図られてる。
霊夢も良かったけど、レミリアには感動させられた。
わが友人、でぶっ殺された。
328.100名前が無い程度の能力削除
これはすごい。
読みながら次はどうなるんだろうとドキドキしました。
329.100名前が無い程度の能力削除
最高でした
330.100名前が無い程度の能力削除
みんなかっこいいじゃないか…
333.100名前が無い程度の能力削除
すごいの一言です
334.90名前が無い程度の能力削除
うん
337.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい!
アイデア、ストーリー、それぞれのキャラクター、どれも
一級品でした。
338.100名前が無い程度の能力削除
楽しませてもらいました
341.80名前が無い程度の能力削除
面白い物語だった
346.100名前が無い程度の能力削除
ループ物でこれほど小さく、綺麗に、上手にまとめた作品はそうそうないと思います。
いやー素晴らしいものを読ませていただきました。ありがとうございます。
350.100名前が無い程度の能力削除
なんといってもとにかく綺麗ですね。ともすればゴチャゴチャで収集がつかなくなるような自由度の世界を、必要にして十分に表現する。非凡な物語です。唯一気になったのはオチにかけてのスッキリさですかね、逆にそれでいい気もしますが。
354.100名前が無い程度の能力削除
デスルーラ通信法www
355.100幻想削除
すごい!!
この一言に尽きます。

そして軽くSGのにおいがしますねw
357.100名前が無い程度の能力削除
完成度の高いSFでした。SF好きの私も大満足です。
358.100名前が無い程度の能力削除
iyaaaaa面白かった
見事です

>あばばばばばばば
吹いたwww
361.100名前が無い程度の能力削除
くっそ面白かった
それぞれの人物がそれぞれの役割を用い主人公を導く
古来の童話のような展開ではありつつも作風は幻想郷というね

お見事でした!
363.100名前が無い程度の能力削除
神奈子様が「なにか妙な力を感じる」と言っているあたり、神綺様のくれた魔神復誦は世界全体を何度も巻き戻していたのか・・・
魔界神すげぇ。
364.100名前が無い程度の能力削除
拍手!喝采!大喝采!こんな素晴らしい話に出会えた自分はとってもラッキーだ‼ありがとう!本当にありがとう‼
366.100名前が無い程度の能力削除
上手やわぁ…
373.100名前が無い程度の能力削除
お見事!
いいもの読ませてもらいましたわ
379.100名前が無い程度の能力削除
すごかったです
380.100名前が無い程度の能力削除
ソウルハッカーズやペルソナ2をやってた頃を思い出した。
いやはや、すげぇ。
ただ最後だけ少し、ん?って感じるところも。
>「杞憂というものだ。"外の世界"に人間は億単位でいるんだぞ。数学的にすべてが一斉に滅びることはありえん。……いや、そうとも言えんか」
ここなんだけど、この"外の世界"=幻想郷のある地帯のことなのか、それとも日本国のことなのか。
後者ならこのミサイルで日本国民が全滅したのかな?と。
あとミサイルなら自衛隊で対処出来ないのかな?とか。
専門的なことになりそうだから深く考えるのは止めておいた。
383.90名前が無い程度の能力削除
スピード感がすごかった
387.100名前が無い程度の能力削除
このえーりんは世紀末化した日本の真ん中でも淡々とラベンダー嗅いでそうだ
388.100名前が無い程度の能力削除
おもろかった
390.90名前が無い程度の能力削除
霊夢にどつかれて、訳もわからず全力疾走する文を幻視した
393.100名前が無い程度の能力削除
ベネ
395.100名前が無い程度の能力削除
なんともいえない疾走感。一気に読んでしまいました。面白かったです。
396.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしいとしか言い用がない。
なんか爽快感が生まれました
401.100名前が無い程度の能力削除
ぐいぐい引き込まれました。

皆がみんな「らしい」感じでとってもよかったです。
402.100名前が無い程度の能力削除
良作。
403.100名前が無い程度の能力削除
見事。感服。
406.100名前が無い程度の能力削除
今までの氏の作品とは全く違う感じで少しとまどいましたが、面白かったので全く問題ありませんでしたw
410.100名前が無い程度の能力削除
力押しで全て解決しつつも、連絡相手の順番や対応の差異によるタクティカルな魅せかたをするのは凄い。
最後には紫を顎で使ってさっぱり解決するのも気持ちいいですね。
411.100名前が無い程度の能力削除
アリスでよかったな・・・!
413.100名前が無い程度の能力削除
グイグイ引き込まれた
416.100名前が無い程度の能力削除
アリス以外ならどうなっていた事やら…

とても楽しめました
426.100名前が無い程度の能力削除
滅びた幻想郷の運命が助かった幻想郷の運命に嫉妬……なんて考えると切なくなります
一気に駆け抜ける面白さでした

>「ゆかりん、なにがなんだかわからない」
色々と台無しだよ!w
430.100名前が無い程度の能力削除
面白かった。いやもう、それだけ。
431.100名前が無い程度の能力削除
とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました。
435.100名前が無い程度の能力削除
こんな素晴らしい作品に今更ながら出会えてよかった
444.100名前が無い程度の能力削除
SeaFoodでSFになっているのに気づいて笑ってしまった。
449.100名前が無い程度の能力削除
このssが好きで定期的に読みに来ています。月並みな感想ですがいつ見ても素晴らしい。
一箇所だけ、

>紫「速すぎて補足できない」
→捕捉
450.100名前が無い程度の能力削除
カップ麺を食べることでアリスの女としての部分が死ぬとかそういうギャグを想定したがとんでもなかった!
それぞれの反応がらしくて良かったです。
最後まできれいにまとまっていて面白かったです
453.100名前が無い程度の能力削除
面白そうだと息抜きに見てみればなんと言う力作
454.100名前が無い程度の能力削除
いやすごいわコレ。すごいわ作者さん。
一回読んだだけでも申し分なく100点満点なのに、
読み返してみるとすごく深い。
「廃棄された運命」の通話相手の主観では、やはり通話が切れた瞬間に滅亡を迎えているわけで。
そういうふうに読んでみると彼女らの言葉がとても深く感じる。
事情をまったく分かってなさそうな人も、感づいたらしき人も。
遺言めいた言葉も多い。「息災を。我が友人よ」にはやられたわ。
時をかけるアリスにラベンダーを執拗に勧めるえーりんには別の意味でやられたけどw
そういう無数の滅亡の運命たちをループしながら見せられたアリス、
そんな今回の事件こそが「復讐」だったのだろうかとか。
でもそれが無ければその運命たちも廃棄されずに……アレ?
っていう物語の構造自体のループも感じられて。
もうなんていうか、気持ち的には500点ぐらい差し上げたい。どうもご馳走様でした。
456.100ばかのひ削除
これが50kb?
一瞬でした。
そしてあまりの発送で度肝を抜かれました。
なんて勢いのある、趣深い話。
457.無評価名前が無い程度の能力削除
これを機に他人に対して少し積極的になって仲良くなってフラグ立てまくっていくんですね
469.100名前が無い程度の能力削除
たかがカップ麵ッ・・・! されどカップ麵ッ・・・!
圧倒的面白さッ・・・!!
読んでて楽しかったッ・・・!!
474.100名前が無い程度の能力削除
ふむ、文句なしだ
478.100名前が無い程度の能力削除
気がついたら読み終えていた…な、なにをry
おもしろかったです。この一言に尽きる!
481.100名前が無い程度の能力削除
ギャグだと思ってたらwww
些細な事が世界を救うきっかけになるか・・
483.100名前が無い程度の能力削除
SeaFoodなカップ麺…! このssでアリスが大好きになったよ。
484.90名前が無い程度の能力削除
すごい発想だ
486.100名前が無い程度の能力削除
凄く面白い
引き込まれる
487.100名前が無い程度の能力削除
普通に傑作
494.100名前が無い程度の能力削除
作者様の思考能力にただただ圧倒されました。
いい作品ありがとう
503.100名前が無い程度の能力削除
いや、すげぇ。面白かったです。
511.100名前が無い程度の能力削除
面白い。最初のふとしたきっかけから最後の一大事に、最初はただ己の危険を避けようとしてたアリスが最後は世界の危機を救い、最初は数えるほどの番号しかなかったアリスの手元に、最後には幻想郷の面々の番号が。そして最初から最後まで、魔界カップ麺シーフード味はふやけ続ける。何を述べようと、何を並べようと、この何気ない日常的三分間から紡ぎだされるストーリーと、最後に導き出されるカタルシスを言い尽くすことは出来ません。
ありがとうございました。
523.100名前が無い程度の能力削除
100点じゃ足りないなと思ったのは初めて
時間制限アリの脱出ゲームを眺めている感覚だった
ノナリィゲームのプレイヤーがアリスみたいな感じって言うか
さとり、レミリア辺りの会話が好きです
可愛かったのはゆかりん
528.100Na削除
これほどまでのものを100点で収めていいのか…
531.100名前が無い程度の能力削除
あらすじから面白そうで実際面白かった…すっごく満足っすね
533.100名前が無い程度の能力削除
ありがとう
541.100名前が無い程度の能力削除
廃棄された運命は嫉妬してても、たとえ自身が選ばれなくった運命だとしても幻想郷が残って欲しいって気持ちがあってそれが霊夢を動かしたと考えるとなんかいいなと思いました。
レミリアの色々理解してる反応、永琳のラベンダー薦め、神奈子からの予想外の話の進展、霊夢の頑張り、紫の対応、そしてアリスの頑張り。 どれもとても面白くこの作品を読むことができてよかったと思っています。
すごく面白かったです!
543.100名前が無い程度の能力削除
よく見てみたら幽々子だけ一切時間が戻ってないかのようにアリスと会話してたのが戦慄したw 実際幽々子だけ時間戻ってないことが普通に有り得そうなのが怖い
544.100名前が無い程度の能力削除
よく見てみたら幽々子だけ一切時間が戻ってないかのようにアリスと会話してたのが戦慄したw 実際幽々子だけ時間戻ってないことが普通に有り得そうなのが怖い
545.100名前が無い程度の能力削除
どうなるのか、わくわくしながら読んでました。
550.100名前が無い程度の能力削除
詳しい説明をされていないのに霊夢がちゃんと急いでるという事は、
もしかして巫女のカンが発動したのだろうか・・・?
556.80名前が無い程度の能力削除
故障切り分けやトラブルシュートみたいで、面白かった。
レミリアで虚言に制約かけたのは上手いと思います。
繰り返せるとはいえ、3分で過去(?)のやりとり踏まえて情報を引き出すのは、器用な要約能力が必要そうですね。
その苦労が後半はあまり描写されてないので、アリスの苦労が伝わりにくい気がしました。
でも、全体通して面白かったです。
579.100たこやき削除
引き込まれてみました
案外しょうもないことが死因でした!ちゃんちゃんって感じかと思ったらミサイルって結構現実的な死因なんですねw
580.無評価名前が無い程度の能力削除
面白いですね。
581.100名前が無い程度の能力削除
以前読んだ時も凄いなと思ったけど改めて読み直して、やっぱ凄いなとと思った。
589.100うみー削除
うひ
599.100名前が無い程度の能力削除
久しぶりに読み直したけどやっぱりこの話好き
一番好きなシーンは序盤のレミリアの忠告だったり