「よっと」
射命丸が飛び上がった。
だが、様子が変だ。
射命丸がもし本気なのであれば、飛び上がるだけでも突風並みの風が起こる筈なのだが今のはそよ風程度だ。
手加減でもしているのかしら……そう思った。
「先手必勝だ!私も全力で行くぜ!」
魔理沙が八卦炉を構える。
「ちょ、ちょっと魔理沙!?」
「恋符『マスタースパーク』‼」
八卦炉から魔方陣が現れ輝き始めた……が、
シュボッ シュー………
八卦炉は小さな火を出しただけで何も起きなかった。
「どうやら今回は私に利がある様ですね」
射命丸はあざ笑うかの様に言った。
「な、何で出ないんだよ!?」
「魔理沙!危ない‼」
振り向いた時にはもう遅かった。射命丸はスペルカードをかざし発動させた。
「もう遅い! 風神『風神木の葉隠れ』‼」
もうだめかと思われた……が、
ヒュー………
弾幕は現れずただ虚しくそよ風が吹くだけだった。
「あやや!?どうして私まで!?」
そんなこと聞かれても私にも分からないわよ。
そう思いつつも霊夢は、
「恐らく何をやっても無駄よ。私はスペルカードが発動出来るしね。さっきの爆風がその証拠よ」
……と停戦を申し出た。
「仕方ありません……お通しします。で す が!私もお供させて頂きます」
ここまで強調して言う理由は多分、話の内容を聞いて記事にしようとでも考えているのだろう。
まあ、そのぐらいならいいか。
「分かったわ。好きにしなさい」
「それでは、行きましょうか!」
何故か一番張り切っているのは射命丸だった。
何をそんなに張り切っているのか霊夢達には分からなかった。魔理沙が小声で話かけてきた。
「おい霊夢、良かったのか?」
魔理沙が心配そうに尋ねる。
「心配要らないでしょ。話を聞いてるだけだし……それに文がいれば道中は心配要らなさそうだし」
「まあ…石の事聞くだけだしな……」
霊夢達は妖怪の山の頂上にある守矢神社を目指した。
~守矢神社~
途中、白狼天狗にまた霊夢達が何かするのではないかと誤解されたが、射命丸が説得し何とか守矢神社に到着した。
「到着です……お疲れ様でした」
「あの白狼天狗どうにかならないの?」
霊夢が投げやりに尋ねる。
「すみません。あれだけはどうしても……」
射命丸が申し訳なさそうに答える。すると、神社の奥から緑色の髪の少女が現れた。
「あら、文さんに霊夢さんと魔理沙さんではないですか」
彼女の名は東風谷早苗。この守矢神社の巫女であり現人神でもある。
「それにしても珍しいですね。お二方がここへ来るなんて……」
「神奈子に用があるのよ」
霊夢が単刀直入に答える。
「八坂様に……ですか?……ああ、分かりました、こちらです」
神社の裏から上がり長い廊下を通って大きな広間に出た。その広間の奥の真ん中に堂々と座っている人影があった。
「八坂様、客人がお見えになりました」
「ああ、ご苦労だった、早苗」
そう返事を返すのはこの守矢神社の神様、山坂と池の権現である八坂神奈子だった。
「神奈子、聞きたい事があるんだけど……」
「黒い石についてだろう」
神奈子は知っていたかの様に答える。それもそのはず、霊夢達が来る前に紫が来ていたからである。
「なら話は早いわ。この石よ」
霊夢は手に持っていた黒い石を神奈子に見せた。後ろでは魔理沙が焦った表情でポッケの中を漁っていた。
「霊夢……いつの間に取り出したんだ?」
「……あんた……霖之助さんに見せたっきりでこの石忘れて行ったでしょ……」
二人が香霖堂へ行った時、魔理沙は石を受け取らずに飛んで行ってしまったのである。霊夢は霖之助から石を受け取り急いで追いかけて行った。そして、現在に至るという訳である。
それを思い出した魔理沙は、
「あ……アハハハ……」
と笑って誤魔化した。
「ハァ……それより、どう?何か分かる?」
霊夢が話を戻して神奈子に尋ねた。
「あのスキマ妖怪が言っていた通りだ。三つの力が宿っているな……霊夢、この石を持っていて変わった事はないか?」
霊夢は少し考え
「そういえば……飛ぶ時体が重かったわ、あとは魔理沙が魔法を使えなかったり…文が風を操れなかったり……」
……と道中であった事を話した。
「成る程……どうやらこの石には能力を抑える能力を持っているらしいな」
それを聞いて霊夢は納得したみたいだが、魔理沙はまだ半信半疑だった。
「じゃあどうして私や文はスペルカードが使えなかったんだ? 石を持ってもいないのに……」
「多分、近くにいれば能力が抑えられるのだろう」
だから香霖でも分からなかったのか……
魔理沙は納得した。
すると隣で一生懸命メモをとっていた射命丸が、
「よーし! 早速その石の事を記事にしましょう! 八坂様、失礼しました」
と守矢神社から出ようとした時、目の前にスキマが現れ中から紫が出てきた。
「待ちなさい射命丸」
紫が射命丸を止めた。
「紫さん、どうかしましまたか?」
「石について分かった事があるのよ。 霊夢、その黒い石の正体は陰陽玉よ」
紫がそう告げた時、その場の空気が変わった。
「「「陰陽玉!?」」」
三部に続く
射命丸が飛び上がった。
だが、様子が変だ。
射命丸がもし本気なのであれば、飛び上がるだけでも突風並みの風が起こる筈なのだが今のはそよ風程度だ。
手加減でもしているのかしら……そう思った。
「先手必勝だ!私も全力で行くぜ!」
魔理沙が八卦炉を構える。
「ちょ、ちょっと魔理沙!?」
「恋符『マスタースパーク』‼」
八卦炉から魔方陣が現れ輝き始めた……が、
シュボッ シュー………
八卦炉は小さな火を出しただけで何も起きなかった。
「どうやら今回は私に利がある様ですね」
射命丸はあざ笑うかの様に言った。
「な、何で出ないんだよ!?」
「魔理沙!危ない‼」
振り向いた時にはもう遅かった。射命丸はスペルカードをかざし発動させた。
「もう遅い! 風神『風神木の葉隠れ』‼」
もうだめかと思われた……が、
ヒュー………
弾幕は現れずただ虚しくそよ風が吹くだけだった。
「あやや!?どうして私まで!?」
そんなこと聞かれても私にも分からないわよ。
そう思いつつも霊夢は、
「恐らく何をやっても無駄よ。私はスペルカードが発動出来るしね。さっきの爆風がその証拠よ」
……と停戦を申し出た。
「仕方ありません……お通しします。で す が!私もお供させて頂きます」
ここまで強調して言う理由は多分、話の内容を聞いて記事にしようとでも考えているのだろう。
まあ、そのぐらいならいいか。
「分かったわ。好きにしなさい」
「それでは、行きましょうか!」
何故か一番張り切っているのは射命丸だった。
何をそんなに張り切っているのか霊夢達には分からなかった。魔理沙が小声で話かけてきた。
「おい霊夢、良かったのか?」
魔理沙が心配そうに尋ねる。
「心配要らないでしょ。話を聞いてるだけだし……それに文がいれば道中は心配要らなさそうだし」
「まあ…石の事聞くだけだしな……」
霊夢達は妖怪の山の頂上にある守矢神社を目指した。
~守矢神社~
途中、白狼天狗にまた霊夢達が何かするのではないかと誤解されたが、射命丸が説得し何とか守矢神社に到着した。
「到着です……お疲れ様でした」
「あの白狼天狗どうにかならないの?」
霊夢が投げやりに尋ねる。
「すみません。あれだけはどうしても……」
射命丸が申し訳なさそうに答える。すると、神社の奥から緑色の髪の少女が現れた。
「あら、文さんに霊夢さんと魔理沙さんではないですか」
彼女の名は東風谷早苗。この守矢神社の巫女であり現人神でもある。
「それにしても珍しいですね。お二方がここへ来るなんて……」
「神奈子に用があるのよ」
霊夢が単刀直入に答える。
「八坂様に……ですか?……ああ、分かりました、こちらです」
神社の裏から上がり長い廊下を通って大きな広間に出た。その広間の奥の真ん中に堂々と座っている人影があった。
「八坂様、客人がお見えになりました」
「ああ、ご苦労だった、早苗」
そう返事を返すのはこの守矢神社の神様、山坂と池の権現である八坂神奈子だった。
「神奈子、聞きたい事があるんだけど……」
「黒い石についてだろう」
神奈子は知っていたかの様に答える。それもそのはず、霊夢達が来る前に紫が来ていたからである。
「なら話は早いわ。この石よ」
霊夢は手に持っていた黒い石を神奈子に見せた。後ろでは魔理沙が焦った表情でポッケの中を漁っていた。
「霊夢……いつの間に取り出したんだ?」
「……あんた……霖之助さんに見せたっきりでこの石忘れて行ったでしょ……」
二人が香霖堂へ行った時、魔理沙は石を受け取らずに飛んで行ってしまったのである。霊夢は霖之助から石を受け取り急いで追いかけて行った。そして、現在に至るという訳である。
それを思い出した魔理沙は、
「あ……アハハハ……」
と笑って誤魔化した。
「ハァ……それより、どう?何か分かる?」
霊夢が話を戻して神奈子に尋ねた。
「あのスキマ妖怪が言っていた通りだ。三つの力が宿っているな……霊夢、この石を持っていて変わった事はないか?」
霊夢は少し考え
「そういえば……飛ぶ時体が重かったわ、あとは魔理沙が魔法を使えなかったり…文が風を操れなかったり……」
……と道中であった事を話した。
「成る程……どうやらこの石には能力を抑える能力を持っているらしいな」
それを聞いて霊夢は納得したみたいだが、魔理沙はまだ半信半疑だった。
「じゃあどうして私や文はスペルカードが使えなかったんだ? 石を持ってもいないのに……」
「多分、近くにいれば能力が抑えられるのだろう」
だから香霖でも分からなかったのか……
魔理沙は納得した。
すると隣で一生懸命メモをとっていた射命丸が、
「よーし! 早速その石の事を記事にしましょう! 八坂様、失礼しました」
と守矢神社から出ようとした時、目の前にスキマが現れ中から紫が出てきた。
「待ちなさい射命丸」
紫が射命丸を止めた。
「紫さん、どうかしましまたか?」
「石について分かった事があるのよ。 霊夢、その黒い石の正体は陰陽玉よ」
紫がそう告げた時、その場の空気が変わった。
「「「陰陽玉!?」」」
三部に続く
前回に比べ、格段に読みやすくなっていますが、まだ及第点というのには及ばないようにも思いました。
あまり第何部、などと分割せずに、ある程度まとまった量が仕上がってから投稿して見るのはいかがでしょうか。時間もかければ推敲などもできますし、じっくりと物語を考えられるかもしれませんし。
自分も若輩ではありますが、作者様の文章の成長をこれからも見守りたくなりました。一部でちょっかいを出したからには最後まで付き合わさせていただきたくおもいます。
頑張ってください!
戦闘を文字だけで表すには、プロの作家さんでもそれなりに文章量が必要な筈です。
これでは残念ながら臨場感がありませんねぇ。
しかし成長量を踏まえてみれば、次回作に期待できそうです。
自分自身、あまりえらそうなことは言えない程度の文章能力なのでアドバイスとかは出来ませんが、応援しています。頑張ってください。
リアル事情により次の投稿が遅くなります。m(_ _)m