「明日、私を完膚無きまでに騙しなさい」
紅魔館 大食堂。
多くのメイドや使用人が遅めの夕食を取っている中、主である私レミリア・スカーレットはそう宣言した。
案の定、半数の面子がぽかーんと口を開け、残り半数がきょとんとしている。
よしよし、インパクトは充分だ。私は発言の真意を説明し始める。
「明日は4月1日。外ではこの日をエイプリルフールと呼んで、簡単に言えば嘘を吐いてもいい日とされているわ。
でも私は今まで一度も嘘を吐かれて、あーやられたぁ、って思ったことがないのよ。
そ・こ・で、私のことをうまい嘘で騙したら、ご褒美をあげるわ」
そう、平たく言えば退屈しのぎにイベントを考えたので、皆でやろうと持ちかけたのだ。
メイド達も、ご褒美というわかりやすい言葉に興味を示し、歓声を挙げる。
「はいはい静粛に。ルールを発表するから聞いて。
制限時間は広間の大時計で明日の正午から午前0時まで。嘘の内容は私に話しかけるもよし、仕掛けで驚かすもよしよ。
ただし、その嘘がうまいか下手かは私の判断で決めるわ。言っとくけど、チャチな嘘じゃ私の食指は動かないわよ。
それでさっきも言ったけど、ああーやられたぁ、って一番私に思わせたのが優勝。ご褒美ゲット。
さて、何か質問は?」
はいはーい、と手が挙がる。
「はい、咲夜」
「お嬢様、それは私も参加していいのですか?」
「もちろん。図書館から地下室に至るまで、紅魔館全ての従業員および家族友人が対象よ」
「あと、お嬢様に嘘を吐く、って気が引けるのですが」
「よい心がけね。でも存分にやりなさい。折角それが許される日なのに勿体ないわよ。
はい、美鈴」
「ご褒美ってなんですか?」
「ストレートね。まぁ、有体に言えば貰ってのお楽しみよ。
ただ、この嘘吐き大会にふさわしい物を用意したわ。間違ってもインドのパンじゃないからね。
他に無いなら食事続行。明日、楽しみにしてるわよ」
こう締めくくって、私は食堂を後にした。
その直後、扉の外まで漏れる私を引っ掛けるための楽しそうな相談の声を耳にして、私は久しぶりに何かをワクワクしながら待つ、という感覚を思い出していた。
――◇――
翌、正午。いつもより早めに起きだした私は、部屋の中でUFOを目撃した。
大きさは両手の平で輪っかを作ったぐらい。全体からくすんだ金属光沢を放ち、カラフルな色小窓がたくさん。
そんなつば広帽子形のそれが、回転しながら左右にゆらゆらと揺れている。
私は大げさに驚くフリをして、未確認飛行物体に近づく。
そして、一言。
「釣り糸が見えているわよ。それから、灰皿はちゃんとサロンに返しておくこと」
ちぇ、ばれたか。そんな声がベッドの天蓋の上から聞こえてきて、釣竿を持った妖精メイドが残念そうに部屋から出て行く。
ほっぺに絵の具が付いていたあたり、一生懸命小道具を製作したことが伺えた。
仕掛けは陳腐だが、本気度がわかって私は満足だ。
「おはようございます、お嬢様。早速仕掛けてきましたね」
「おはよう、咲夜。発想はいいけど、精度はイマイチね」
私はモーニングティーを淹れる咲夜に、そうカリスマイルしながら感想を述べる。
しかし、私は油断せずに咲夜の言動に注視する。
咲夜はとても賢い。忠義を尽くす側近だが、いつ本物と見間違うばかりの虚偽を挟むかわかったもんではない。
戦いは、既に始まっているのだ。
そんな心理戦をよそにカモミールの芳醇な香りを楽しんでいると、扉が急にノックされる。
私が入室を許可すると、血相を変えた妖精メイドが何匹か慌てて入ってきた。
「お嬢様! た、大変です! キッチンから火が出ました!」
「そりゃもう下は大火事です! ボーボーです!」
「ついでに上は大水です!!」
なにぃ!? 私は目を剥き、メイドに詰問する。
「それは大変だわ! あなた、その現場を目撃した?」
「はい! しっかとこの目で」
「じゃあ火元はどこ? 規模はどれくらい? ケガ人はいるの?」
私が質問を畳み掛けると、メイドはえっ、えっ、としどろもどろになる。
すると、後ろの大水と言ったメイドが背後からごにょごにょ耳打ちする。
「あ……ええー、ケガ人は幸いいません。火元はコンロで、壁や天井がメラメラと燃えています……で、いいんだよね」
「なんと天井まで。由々しき事態だけど、キッチンの壁や天井って何でできてるか知ってる?」
「それは防水性に優れた丈夫な石造りです!」
「へーえ。じゃあそう簡単にメラメラとは燃えないんじゃない?」
あっ、と気づいた時にはもう遅い。私の勝ちだ。
「今度はしっかり設定を練りなさい」とすごすご引き返すメイド達に、ご苦労さんという意味合いの言葉をかけておく。
「安直ですね」
「ええ、むしろ愚直ね。でも咲夜、しばらくはこんなのばっかだから笑わないように」
その後は予想通り。
ご飯を食べてる最中にもメイドがひっきりなしにやってきては、やれ借金取りが追ってきた、やれ金星人が襲撃してきたと騒ぎを知らせる。
私はそれらに真摯に論理的矛盾を突きつけて、うなだれたメイドが帰って行くというパターンの繰り返し。
ようやく、人身事故起こしたからご褒美を振り込めと糸電話で通告してきたメイドをやりこめて、部屋に来訪する面々が一段落した。
いいかげん対応が億劫になってきたので、私は咲夜と共に部屋を出る。
廊下ではこれよ聞きがしに、人里の川にアザラシが大量発生したという様な眉唾の噂が跋扈していた。
私は、ため息をつく。
「なんか、思っていたのと違う」
「と、申しますと?」
「私はこう、知略で人の虚を突きあう様なウィットに富んだヤツを望んでいるの。
これじゃ、子供騙しもいいとこだわ」
「まぁ、妖精の考え付くことですから」
「あぁ、もっと私の知的欲求を刺激して満たしてくれる逸材はいないかしら?」
――◇――
とりあえず、これ以上屋敷にいても混沌とした虚構に付き合わされるだけなので、私は日傘をさして一人で庭に出る。
いつの間にか太陽も天辺から傾き、ぽかぽかと陽気が心地いい時間帯だ。
冬のツンと澄ました空気が緩んだ青空には小鳥が歌い、紅魔館自慢の庭園には初春の花がほころび始め、真っ赤な液体にまみれたメイドがうつろな瞳、迫真の死に顔でぶっ倒れていた。
「……こんなにケチャップ臭い中、よく頑張っていたわね。でももういいわ。すぐに洗濯しなさい」
「…………すかー……えへへ、もうホットドックは食べられましぇ……ぴー……」
目を半開きにして寝てるだと!
嘘ではないが、ある意味やられたと感じた。恐るべき春のうららかな陽気。
よく辺りを見回すと、ある者は角材を持ったままノドを引っかいていて、またある者は池に頭を突っ込んで足をV字に開いている。
室内よりバラエティーがあるんだか無いんだか判定に苦しむ嘘だ。
てゆーか私ん家の庭は惨劇が起こるイメージなのか!? 客が来たらビビるぞこれ!
企画を完全に履き違えている被害者ズにやれやれと心中ツッコミを入れつつ、私は正門に辿り着く。
そこにいるのは、今大会でのダークホースだと予想している門番の美鈴。
彼女も妖怪人生が長いから、意外と口が達者なのだ。
門に寄りかかっていた美鈴に声をかけると、美鈴は振り返って姿勢を正す。
「お嬢様、今日は寝ずにお待ちしていました」
「へぇ、出会いがしらに一発かますとは上出来よ」
「いやいやいや! これは本当です! 騙すのはこれからです」
慌てる美鈴に本当かなぁ、と私は疑いの眼差しを送る。
美鈴は信用の無さに多少傷心したようだったが、すぐ気を取り直して話し始める。
「お嬢様。去年の夏、菜園に不思議な木が生えていたんです」
「ほうほう、どんな木?」
「幹が真っ黒で、葉っぱも丸い形で黒い葉脈が通っているんです。
それで藤色の花びらがとんがった花が咲いて、夏と秋にも大きな実をつけるんですよ。
しかもその実は濃い紫色で、ヘタはトゲトゲで痛いし中身がスポンジみたいな構造なんです」
そこまで聞いて私は、期待が外れてがっかりした口調でこう言う。
「美鈴、嘘ならもっとマシなのにしなさい。そんな木があるわけないでしょう」
ところが美鈴は、私の呆れた物言いを待ってましたと言わんばかりにニヤリと口角を上げる。
「お嬢様、それが実在するんです。その実を今ご覧に入れましょう」
「えええっ!?」
私は驚愕で素っ頓狂な声を挙げる。
すると、美鈴は服のポケットに手を伸ばしているではないか。
果たしてどんな異形の植物が出てくるのか。私は真剣な眼差しで見つめる。
そして、美鈴が取り出した実を見たとき、私は額を片手で叩いてこう言った。
「ああー、やられた!」
美鈴の手の中にあったのは、ナスビ。確かに、こいつは美鈴の説明に全て符合する。
「お嬢様。茄子の冷製パスタ、お好みだったらしく例年おかわりしてらっしゃいましたよね? 今年も植えておきましたよ」
「まったく、完敗よ」
私はニコニコとナスビを見せる美鈴に、まいったと手を挙げる。
そう。私はこーゆうのを望んでいたのだ。
「美鈴。あなたかなりポイント高いわよ。暫定一位ね」
「わぁ本当ですか!」
無邪気に喜ぶ美鈴を尻目に、私は綺麗に騙された清々しさを感じて屋敷に戻った。
――◇――
おやつの時間が近づいてきても、攻撃の手は緩まなかった。
こう語ると手ごわいイメージだが、ネタ切れなのか「私、実は男なんです」とトンチンカンな事を唐突に宣言して走り去るメイドなんてのはまだいい方だ。
廊下を歩いていたらいきなり「お嬢様、大ッ嫌いです」なんてさらっと爆弾を落とすメイドもいた。
とりあえず「でも、私は大好きよ」って言ってやったら、ぽーっと夢見心地なニヤケ顔になって、フラフラとどこかに行ってしまった。
何だかこっちも気恥ずかしいので、図書館で一休みすることにした。
「いらっしゃいレミィ。どう、調子は?」
「ものすごい話しかけられるわ。有名人ってこんな苦労しているのね」
パチェはふぅんと興味なさげに本へ視線を戻す。
どうせこんな感じなんだろうなと思った通りの反応だが、逆にゆっくり休めて心地いい。
しばらく本を読んでいたら、小悪魔が紅茶を運んできた。
「お嬢様、パチュリー様、どうぞ」
「ありがと」
私は紅茶を一口含む。
すると、いつもとは違うまろやかな甘さとコクが口内に広がった。
「あら……美味しい。小悪魔、今日のは茶葉を変えたの?」
「えへへ。この紅茶、実は蕎麦湯で淹れたんです」
「そ、蕎麦湯!?」
「はい。蕎麦湯には栄養満点なお蕎麦のエキスがたっぷり入っているんです。
例えば蕎麦湯に豊富に含まれるヒスチジンは、紅茶の苦味成分であるタンニンの働きを約40~60%抑える働きがあるんです。
さらにムチン質が茶葉本来の甘みを引き出して、弱アルカリ性の液体ですから色合いも綺麗になるんですよ。
また、蕎麦粉に含有されるジンゲオロール由来のトロリとした特有の粘性も紅茶にコクを出すのに丁度いい等、まさに蕎麦湯は紅茶にうってつけのお湯ですね」
「へえぇ。今度咲夜に教えて淹れてもらおうかしら」
私が紅茶をまじまじと見ながら感慨深く頷くと、小悪魔はへへへと小さく舌を出す。
「お嬢様ごめんなさい。さっきの説明、全部嘘です」
「うぇっ!?」
私は間抜けみたいにカップへ視線を落とす。小悪魔はその様子をしてやったり、といった表情で堪能していた。
「この紅茶は、隠し味に蜂蜜を入れただけです。
でもパチュリー様が、レミィはインテリぶっているから、それっぽいカタカナ語に数値、いかにもな説明を並べればきっと騙されるって」
「パチェ!」
「ふふふ、うぇっ!? ですって」
パチェは本で顔が半分隠れているが、笑いをこらえているのが丸分かりだ。
やられた! 完全に不意を討たれた。私は安心しきっていた事に臍をかむ。
つれない素振りを見せていたが、この魔法使いはこんな奴だった。
なら、こっちにだって考えがある。
私はドカッとパチェの眼前の席に腰掛ける。
「パチェ、代理戦争で利潤だけ獲得するなんてフェアじゃないわ」
「あら、戦略的には二重丸でしょう」
「騎士道的にはペケよ。名乗りをあげて堂々とやりましょう。
それとも、策が不発に終わっても逃げられる算段ばかり描いているのかしら?」
「……計画は36個考えても、逃げの一手に負けるのよ」
パチェはドライな物言いだが、本を閉じて頬杖をつく。
よし、乗ってきた。こう見えてもパチェは、挑発を受け流せる程血は冷たくないのだ。
案の定、パチェは集中して頭を回転させる際のいつものクセを出した。
次はきっとこう高らかに言う。
「我が名はパチュリー・ノーレッジ。これよりレミィを華麗に堂々と騙し討ちする者なり」
ほらきた。私も背筋を正して戦闘態勢になる。
「それで、紅魔館随一の知識人はどんな嘘を披露してくれるのかしら」
「ふぅむ。永遠を生きる吸血鬼に、ありきたりな嘘じゃ興醒めね。
私が書いた嘘のレパートリー本が必要だわ」
「レパートリー本?」
「そう。古今東西の秀逸な嘘を列記してあるの。そこの棚にあるから、悪いけど取ってきてくれない?」
「わかったわ」
私はパチェの指し示した棚に歩いていき、その本を探す。
パチェはその間、私の後姿を目で追ってニヤニヤ笑っていた。
ふふん。私は一冊の本を手に取りこうパチェに伝える。
「あったわ。この本ね」
「え?」
パチェはありえないことが起こったのか、ほとんど無意識に素の声を出す。
さらに私はページをめくって続ける。
「へぇー、これはすごいわね。ふんふん……あはは、これなんかケッサク!」
「えええ!? ちょ、ちょっと私にも見せて」
私の大仰な反応にビブリオマニアの火が点いたのか、パチェはトテトテとこちらに歩いてくる。
私はニコリと微笑んで、文章の一文を指でなぞる。
「ほら、これよこれ」
私のおススメの内容をパチェが黙読する。
するとたちまち口をあんぐり開けて、滅多に開かない目を全開にするパチェ。
そして、私の溜飲を下げる待望の一言。
「むきゅう……やられた」
私が開いているのは国語辞書。指差したのは一つの単語。
【策士策に溺れる】
「嘘のレパートリー本なんて、最初から無いんでしょ。
存在しない本を探させてせせら笑うつもりだったんでしょうけど、砂糖を振りかけたティラミスより甘いわ」
私は胸を張る。
パチェが私の事をよくわかっている様に、私もパチェの考える事なんてお見通しなのだ。
これで仕返しもキッチリ完了だ。
「でも不審に感じさせない演技やタイミングは評価に値するわ。技能賞ってとこかしら?」
「……今度は本当に蕎麦湯で淹れた紅茶を出すからね」
一方パチェは悔しそうに虚勢を張る。中々珍しい光景だ。
ともかく私は勝利の余韻に酔いしれ、ぶすーっと読書を再開するパチェの図書館を後にした。
――◇――
「お姉様、一緒にお茶しよう!」
そう妹のフランが誘ってきたので、私達は日陰のテラスに腰を下ろしてアフタヌーンティーと洒落込む。
咲夜が供したお茶菓子は、香ばしいスコーンにジャムとクロテッドクリーム。
時刻からいえば英国風だから、だそうだ。
私が紅茶に口をつけたらすぐに、フランが満面の笑みで口を開く。
「お姉様。今朝ね、部屋で起きたらベッドのそばに大きな怪獣がいたの」
「へぇ、怪獣」
「そう! 天井に頭ぶつけるくらい背が高くて、全部緑色で、すごいゴツゴツしてた」
「それは禍々しいわね」
「うん。だからちょっと手加減して、怪獣の尻尾をきゅっとしてドカーンってやったら泣いちゃった。
だからハンカチで手当てしてあげたら、ありがとうって喋ったの。
それでね、フランのお友達になってくれるって言ってくれたんだよ!」
「まあ、よかったわねフラン」
「うん! 今度はお姉様と一緒にお茶しようって言っとくね」
私はスコーンにジャムを塗りながら、今日一番の癒しを噛み締めていた。
おそらくフランも今日の嘘吐き大会に参加しているつもりなのだろう。
大きな身振り手振りを交えて紡ぎだされる嘘は、嘘というより空想に近い。
でも、私はもっと続きが知りたい。ずっとフランの話を堪能したい。
私は今までの機知が働き人を思わず唸らせる嘘ばかり聞きたかったが、成程こんな嘘も悪くない。
嘘を聞く私の頬が緩むだけでなく、嘘を吐くフランもとても楽しそうに怪獣の武勇伝を語っている。
皆を幸せにする嘘。場を和ませる嘘。ついおかしくて笑っちゃう嘘。
うんうん、エイプリルフールはこうでなくっちゃ。
そう再認識して、私は午後のひと時をフランの絵本みたいな世界観に浸ることにしたのだった。
「だからフランはこう言ったの。南無三! てね」
「それは勇ましいこと」
そう相づちを打って、私は横目で外を見る。
フランの素朴な作り話を聞いている内に日もすっかり傾き、私が好きな夜に交代しつつある時間になった。
室内から遠くにゴーン、ゴーンと低い大時計の鐘が聞こえる。
「それでね、それでね」
「あらあらフラン、もう夕食の時間になるわ。そろそろお茶会も終わりましょう」
「えー」
「えー、じゃありません。ちゃんとご飯は食べないとダメよ」
「だって……」
フランは不満そうに頬を膨らませる。表情筋がもっとお喋りしたいとわかりやすく訴えていた。
「じゃあこうしましょう。夕食が終わったら、私はフランの部屋でもっとお話を聞く。だからちゃんと夕食を食べること。いい?」
私が交換条件を提示すると、フランは目を輝かせて納得する。
「わかった! じゃ、お姉様早く行こ」
「はいはい。急がなくてもテーブルは逃げないわよ」
手をグイグイ引っ張って食堂へ向かうフラン。勿論、一緒に食事を取るためだ。
私が起こした異変以前には考えられない光景だ。
昔の私達は食事はおろか、差し向かいで話し合う機会すら避けていた。
でも、少々エキセントリックだが霊夢や魔理沙という人間と初めて交流して、フランの内面に変化が見られた。
最近はほとんど毎回食事も一緒だし、こういったイベントにも関心を示す様になった。
そして今は、私とちょっとしたゲーム感覚でのお喋りがよほど気に入ったのか、食卓の向こうから始終屈託のない笑顔を私に見せてくれる。
食卓に座って改めて思う。嘘の日も満更悪くない、と。
「お嬢様。こちらは伝説の超弩級波導無限豚のソテー、カーヴェシャンポリオンソース添えでございます。
超弩級波導無限豚はかの失われたいにしえの大陸、ヨーク・バーランドにてサー・バルシェロに次ぐ高位レオナルド・コンクエスタを卑しき動物で唯一下賜された至高の豚であります。
また、ソースの名の由来となったカーヴェシャンポリオンこと真(神)の名バルバドス=ギャザリオンは東ヨークの勇猛なセメダイーン(剣闘士)であり、彼の暗黒邪気黒曜剣(ブラッブレジェメブレード)はヘカテ山を八つに裂くとまで言わしめました。
本来ならば掟にしたがい、片手にラム酒を掲げヨハン~勝利への調べ~を斉唱するところですが、当時のへレムヌあたりの庶民に倣って一気に」
「そこまでよ。今度は設定練りすぎ。これただの豚しょうが焼きだし」
私は偏頭痛の様に頭を押さえて、呆れるより先にそのパーラーメイドの創造力に感心する。
もう、折角シリアスにきめていたのに台無しじゃない。要素を詰め込みすぎて本筋が全くわからないし。
でもフランがツボに入って、手を叩いて続きを聞きたがっていた。
……まぁ、フランに免じて許すとしよう。
――◇――
「ふあぁふぅ」
私は欠伸をして、広間の大時計を見やる。
この屋敷唯一の時計は、午前0時まであと数分であることを示している。
この時計の針が2本とも真上を向いたら、今日の割と面白かった催し物が終わる。
食後、私はフランが喋り疲れて寝付くまでずっとフランの部屋にいた。
もっとも何故かついてきたファンタジー調パーラーメイドのお陰で、延々ゴリゴリに作り込まれた仮想世界の変遷を聞かされた。
フランもおばあちゃんに昔話をせがむ孫の如く相手をするもんだから、こんな時間になったのだ。
次からフランのお話、こんな調子になるんじゃないでしょうね……
そんな恐ろしい考えを振り払いつつ、私は制限時間の鐘の音をここで待つことにした。
コッチ、コッチと規則正しい機械音が時を刻む。振り子が嘘に塗れた一日を終焉させようと懸命に休まず働く。
チッチッチッチッチ、と忙しないハチドリの羽ばたきの様な機械音が聞こえた。
目の前の大きな時計ではない。
小さなゼンマイとテンプが奏でる音色を、幾度も傍で聞いているから断言できる。
「もうすぐ、ですね」
「ええ咲夜。また明日からは適度な放埓と優雅な退廃の日々よ」
咲夜は懐中時計の蓋をパチリと閉める。ふと、私は気になった。
「そういえば、あなたは一度も嘘を吐かなかったわね。やっぱり私に遠慮してのことかしら」
聡明な彼女のことだから、てっきりパチェ並の常人には見破れない嘘をけしかけてくると思ったのだが、杞憂に終わってしまった。
しかし、彼女はいつもの冷静で腹の内が読めない微笑でこう答える。
「お嬢様。とっておきのものを申し上げます。よろしいでしょうか?」
「……ええ、話してごらんなさい」
この瞬間、私は無意識に咲夜の顔に視線を移行する。
鐘はまだ鳴らない。最後は咲夜の嘘で締めることになりそうだ。
「お嬢様。
私十六夜 咲夜は本日をもちまして、この紅魔館での一切の業務から辞退させていただきます。
長い間お世話になりました」
そう、深々と頭を下げる咲夜。
その姿は、私の失笑を買うのに充分だった。
まったく、こいつはとんだ嘘っぱちだ。よりによってこの私に辞表を叩きつけるなんて、冗談が過ぎる。
だがどうせ最後だ。戯れにこの茶番に混ざってみよう。
「そう。理由は?」
「一身上の都合です」
「ほー。私としてもそんなフワッとした理由で辞められるヤル気の無いメイド長なんていらないわ。
これから長い人生、旅をして自分を探すのも悪くないかもね」
「では、認めてもらえると」
「ははは、いいわよ。どーぞご自由に」
でも明日には戻って来てね、仕事は山積みなんだから。ではあと数分の自由を味わいなさい。
そう笑いながら言おうと大時計を確認して、私は思考が停止しかけた。
時計の長針は、とっくに頂上を越えて右に傾いていた。
「おはようございます。今日はもう4月2日ですわ、お嬢様。
お眠りの妨げにならぬよう、鐘は昨日の夕食中細工をして鳴らなくしておきました」
……何だ。咲夜は何を言っているんだ。
「私は契約に縛られている身ゆえ、ここを辞めて出て行くにはお嬢様の許可が必要です。
そういった意味でも、お嬢様の口から肯定のお言葉を頂くのに、この大会は最適でした」
そう淡々と、聞きたくないのに私を誑かす手段の全容を語る咲夜。
私は乾いた口でやっと問いただす。
「じゃあ、さっきのは……」
「ええ、一点の曇りなき真実でございます。お嬢様はごく普通の日に私の依願退職を受理された。それだけのことです。
それではこれにて失礼」
刹那、咲夜の姿が掻き消える。
あまりに、あまりにあっけない幕切れ。
私はしばらく呆けていたが、弾かれた様に咲夜の自室へ走る。
真っ暗で誰もいない廊下が、私の荒ぶる胸中を逆撫でした。
咲夜の部屋のドアを勢いよく開けると、中はもぬけの殻。
衣服も家具もなく、咲夜の生活痕は何一つとして残っていなかった。
そうか。咲夜は出て行ったんだ。
そう認識させるのに相応しい様相を、まざまざと見せ付けられる。
私はフラフラと部屋の真ん中まで歩く。そこで力尽きて、床に座り込んでしまった。
もう、咲夜の香りすら感じ取れない。ただ青白い月光が私を照らすだけ。
「咲夜……」
私はその名を呟く。
それだけで、崩壊した。
「咲夜、咲夜ッ、さくやッ!……」
私は膝に顔をうずめて何度も届かない名を呼ぶ。
何で咲夜はこんな唐突に。何で私はこんな軽率だったんだ。
頭の中はぐちゃぐちゃで、でも強烈な怒りと後悔と、別離で生み出される身が引き裂かれるような感情ばかりが支配する。
「咲夜ぁ……やだ、やだよぉ……何でもするから戻ってきてよう」
もう平静でなんていられない。私はさめざめと泣きながら誰憚ることなく哀れな願いを漏らす。
「悪いとこ……直すから……嫌いだったら、謝るからぁ……」
「じゃ、セロリ残さず食べます?」
「全部食べるよぉ……」
「ついでに、こないだお嬢様のドロワを失敬したことも許してくれますか?」
「何でも許すから……咲夜ぁ、帰って……きて……」
涙が、ピタリと止まった。
私はギギギと首を軋ませながら振り返る。
そこには、愛想のいい笑顔を浮かべた咲夜の姿があった。
「え……咲夜」
私は訳がわからなくてポカンと咲夜を眺める。
「申し訳ありません。先刻の話は全てデタラメ、嘘です」
そう謝辞を述べて頭を下げる咲夜。
「え……だって、もう今日はエイプリルフールじゃない……」
「それも嘘でございます」
咲夜は私に近寄ると懐中時計を取り出して、私に文字盤を見せる。
その上で回る針は、0時まであと数分あることを示していた。
「え……あれ……」
「大時計の鐘に細工を施すと同時に、針を進めておいたのです。
屋敷の時計はあれ一つだけですから、誰もわかりません。
したがって現時点ではまだ4月1日。嘘を言うには最良のタイミングですわ」
ようやく。ようやく私は最後の最後でペテンに掛かったことを理解した。
咲夜は、私が制限時間を計るのに使っていた時計をいじり、エイプリルフールそのものを騙した。
そして文字通り時を偽り、私が疑いようのない嘘を吐いたのだ。
私はほーっと長い安堵の息をつく。
すると咲夜がしゃがみ込み、ハンカチで私の顔を優しく拭いながらこう続ける。
「しかし、遠慮するなと言われたとはいえ、あまりにも悪趣味な謀でした。
どうか寛大なお心でご容赦いただけると幸いです」
私の取り乱し様をどこかで見ていたのだろうか。咲夜は心底反省した声音で私に許しを請う。
私はその声を聞いた途端、様々な感情が頭を錯綜した。
私は、低い声で呻く。
「……さない」
「……はい? 何ですかお嬢様」
「絶対に許さない!」
突如浴びせられた大声に、咲夜はビクッと手を引っ込める。
「いくら嘘でも! いくら冗談が許される日でも! やっていいことと悪いことがあるでしょ!
こんな仕打ち初めてよ! どう責任取るつもりなのかしら!!」
私は髪を振り乱し、固く握った拳で空を切る様に立ち上がる。
対する咲夜は顔面蒼白で、表情は恐怖に萎縮しこわばる。
龍の逆鱗に初めて触れた人間も、きっとこういう顔をしていたのだろう。
「これは見過ごす訳にはいかないわ。本当に荷物をまとめてもらう様な、厳しい処分が必要ね」
そう冷徹に言い放つ。咲夜の手が、傍目には可哀想なくらいガタガタと震える。
私はその様子を見かねて、咲夜に語りかける。
「咲夜」
「……」
「呼んだら返事」
「……はい」
「今、何時かしら?」
「……はい?」
「あなた時計持っているでしょ。何時?」
ショックで心ここにあらずといった風情の咲夜を促し、時計を確認させる。
咲夜は猛獣を刺激したくないかの様な慎重な手つきで時間を見て、蚊の鳴く様な声で告げる。
「……ちょうど、0時です」
「そう。
それじゃ、紅魔館発エイプリルフールイベント今度こそ本当にしゅ~りょ~!」
わーっ、と私は大げさにおどけて見せ、拍手をしながら殊更明るく宣言した。
咲夜といえば、私の機嫌の急転直下に混乱し、時計を見たままの姿勢で呆けていた。
「はいはい、もうお終い。怒れるご主人は昨日に連れてかれたわよ。
まったく、確かに悪趣味な嘘ね。これには私も、それ相応の嘘で返さないとバランスが悪いでしょう。
あーあー、ちょっと逆襲するつもりだったのに、こんなに怯えちゃってまぁ」
私はできるだけ柔和な笑みを出して、未だに硬直している咲夜の肩を優しく抱き寄せる。
背中を3回程こすってやったところで、咲夜は私がふざけていたことを悟り、全身の力が抜けたように私に寄りかかる。
「……すっ、すみ、ません……お嬢、様っ」
まだ呼吸系等がうまく働かないのか、しゃっくりあげるようにたどたどしい言葉を吐き出す咲夜。
「ほ、本当に……おい、追い出される、かとっ」
咲夜はだんだん呼気を荒げながら今の感情を吐露する。
このまま放っておいたら号泣されそうだ。私は咲夜の頭を撫でながらこう言う。
「……ここからは真実の言葉よ。
馬鹿ね。私が咲夜を追い出す訳無いでしょう。咲夜の代わりなんていないんだから。
だから、一生私に仕えなさい。その代わり、私も一生咲夜のことを離さないんだからね」
「……御意」
やっと落ち着いた咲夜が、いつもの瀟洒な笑顔を見せる。
そんな様子を蒼い月がやれやれ、と言いたげに見守っていた。
――◇――
こうして紅魔館でのエイプリルフールは、騒がしくも家族の絆を再確認できた甘い余韻を残して幕を閉じた。
今日からまた普通の日に戻るけど、催し物のアイデアは尽きない。
そろそろ花見の準備を始めようかしら。新しいパーティーゲームを考えるのも悪くないわね。
私は退屈な日常と戦うべく、今日も暇つぶしを探しながら朝食を取るのだった。
「お嬢様。こちらは瞬! プロミネンスKURENAI裂魚のソルティー風味~大海を越えて~であります。
そもそも瞬! プロミネンスKURENAI裂魚とは遥か遠き蒼の王国より自らの祖を抱く水面へと凱旋する真(信)魚です。
その数多の困難を切り裂き帰郷するその様をヴェルヴェラックⅡ世皇帝陛下は讃え、かの紋章に瞬! プロミネンスKURENAI裂魚の意匠を掲げた程です。
その味力の力強さたるや時の皇帝や教皇にこぞって献上され、アッピア文明の華とパノン家史記十四章第三節に明記されており」
「ねえあなた。これはただの焼きジャケ定食よね。決して焼き瞬! プロミネンスKURENAI裂魚じゃないわよね。
気に入ったの? ねぇ、まさか今後これで料理の説明統一する気なの!?」
……あー、訂正。
個性が光りすぎて直視できない愉快な仲間達のお陰で、毎日退屈とは無縁です。
そんな、ある日の紅魔館の日常。
【終】
こういうほんわか紅魔館が大好きです
もう嫁になってくれません?
「私の触手は動かないわよ。」
食指の誤字?それとも狙って?
どちらにせよ、笑いました。
いやぁ、何分ひねくれ者なもんで、どんな方法で騙してくれかなぁとそればっかり。点数は正直に付けたいので、事故にでも会ったと思ってください。
個人的には、『策士策に溺れる』を見せたレミリアが上手いと思いました。
……最初のは『触手』ではなく『食指』の誤字ですよね?
変なモン動かさんで下さいおぜうさまwww
もし誤字でなければ、これが作中最大の嘘だったと思います(笑)
フランのわざとらしすぎる嘘は実はぬえ辺りが関与している本当にあった話で驚かせてくれるかと期待していただけに残念でした。単なる拙い嘘だとは。
咲夜のは定番ですね。
それでも最後まで読めたし、面白かったです。
VS図書館とか結構好みなので
正確には、咲夜がガチでやめようとしたところまでかな。
ここまでは面白かった、本気でやめさせればよかったのに……。
もっとも、実はそれはウソというところまではまだ面白かったです。
日にちそのものを騙すという発想は、いやまぁ陳腐なのかもだけど、面白い。咲夜らしいし。
その後の、いかにもなセリフ言わせたいです的なおらぁ感動しろよ^^な台詞回しと展開が無理でした。
なんで。なんで咲夜は平気でやるのに、やられたら平気じゃなくなるの?
惜しい作品だったと思います。
ネタ晴らし後に腰が抜けちゃった反応が可愛いすぎる……。
あそこだけでご飯3杯はいけます!
あと触手(ry
この咲夜さん、瀟洒に見えて駄目駄目だった!!
咲夜さんの嘘のくだり、え?うっそだろうまっさかあ・・・と思いつつも突然寿命ネタが絡む事の多い
東方SSでは割とシャレにならないブラフでかなりどきどきしました。
お嬢様の反撃も痛快。嘘に同じ嘘を返しただけの稚拙な方法なのにあっさり引っかかって揺れる
咲夜さんが可愛くてもう。
気になさらずに、安定してて実に楽しめました
肝心の嘘の内容に関しても、変にごまかしたりしていない事に素直に好感を持ちます。
嘘の内容は確かに予想しやすい物でしたが、逆に言えばアイデアの奇抜性ではなく、話の展開の上手さで読みやすい話になっていると思います。
ご褒美に関しては、あとがきでサラっと流してしまっているのが少しもったいない気がしました。
にじみ出てるよね~。たぶんすっごいいい人なんだろうねww 独特の温か
さが伝わってくるよ。次のお話も楽しみにしてるわ! お嬢様
『瞬! プロミネンスKURENAI裂魚のソルティー風味~大海を越えて~』
がすごく気になって恐らく今日は眠れないでしょうww
前のお話もそうですが咲夜ちゃんの性格付けがビタリとはまっていますね。
この咲夜ちゃんとは仮想世界について朝まで激論を交わしたいですわww
冥途蝶
ネタのひねりについての意見が多いですけど、この話はそういうのは関係ない
ですよね。だから私はすごく楽しめました。なんだが不思議な温かさがありま
すね!
ちょっと『超弩級波導無限豚』を追いに山に分け入ってきます! 超門番
紅魔館の全員が慕っていてくれるから、お嬢様の急な思いつきにも本気になってくれるのです。
3番様
「楽しむこと。これが我が紅魔館のモットーよ」
5番様
挑戦的な嘘にはちゃんとお返しまでして、それでも最後には笑って許す所なんてまじカリスマです。
6番様
ほほう、嫁ですか。よろしい、ならば戦争だ。無論、花映塚でな(キリッ)
7番様
狙えてやったらよかったのですが、残念ながら誤字です。修正いたいました。
10番様
自分はこれで結構騙されると思ったのですが、まだまだ見識が浅かったかもしれません。
しかし、これも正当な評価として受け止めます。ご遠慮なさらず、次回も評価していただければ嬉しいです。
12番様
私も、一番自信があったのはナスビの嘘でした。
奇声を発する程度の能力様
いつもありがとうございます。
22番様
あなたはエスパーですか!?
23番様
咄嗟の機転も一級品。それがカリスマたる所以。なお触手はカリスマに関係ないので、修正いたしました(笑)
24番様
フランの嘘は、騙し合いばっかりで流れが殺伐としない様箸休めにすると同時に、きっとフランの嘘ならこんなニュアンスになるかなぁと書いたものです。
でも、ぬえが絡んでいるという展開はとても面白いと感じました。こういう発想を次回以降していけたらな、と思います。
30番様
貴重なご意見をありがとうございます。
咲夜は事前に遠慮なくやりなさいとのお達しがあったので、生半可な嘘じゃ主の意に反すると思ってフルスイングした格好です。しかし、やられるとその酷さが身に染みたのでしょうね。
オチに関しても、ハッピーエンドにこだわるあまり紋切型になった感じは正直否めません。でも、やっぱり咲夜とお嬢様は仲良くあってほしいんです。
次回作にご期待ください。その時はまたご評価していただけると有難いです。
31番様
ところが、その件はお嬢様から「許す」という言質を取ってしまったため、追求が出来ないのです。残念ッ!(ギター侍風)
KASA様
いやぁ、ご趣味が同じですな。私も食パン一斤はイケます。
愚迂多良童子様
策士のくだりは凝った部分ですので、高い評価をいただくのは非常に嬉しいです。触手のくだりは修正して引っ込めておきました(笑)
42番様
それが咲夜さんクオリティ。
45番様
キツイ嘘はサラッと言えるのに、同じ手には弱い咲夜さん。……もしかして、攻められるのに弱いのかそうかぐへへh(ピチューン)
51番様
お気遣い感謝いたします。楽しめたのでしたらこれ幸いです。
63番様
実は最初のオチはご褒美の話だったのですが……どーしてもパーラーメイドを再登場させたくて、あのオチにしたんです(カミングアウト)
でも二つオチが重なったらくどいし、かといって伏線は回収しないといけないので折衷案として後書きに回した次第です。
お嬢様・冥途蝶・超門番様
いえいえそんな。お人よしとはよく言われますけど、どうなのかなぁ……
正確にはこのRPG脳パーラーメイドは、咲夜さんの直属の部下という裏設定があります。是非朝まで生討論しちゃってください。
なんにしても、お気に召されたのなら私も満足です。願わくは、超弩級波導無限豚が近場で見つかりますよう(笑)
69番様
やはり拙い嘘でフランったら可愛いわねもう、じゃ物足りないですね。精進、精進。
忌憚の無いご意見も明日の糧にして頑張りたいがま口でした。
読後感からなにまですごい気に入りました。
ご感想ありがとうございます。やはり付き合いの良い仲間は、こういう企画の時にとても大切だと思います。
75番様
お褒めのお言葉、誠に感激です。思わず隣の部屋に飛び込んで布団をモフりました。
私は真剣に考えた案を友人に送りました。
超謝られました。
べ・・・別に騙されたんじゃないんだからねっ!!
ほんわかしました。
ご感想を頂けて嬉しいです。
そうですか、ご友人に……きっと貴方はとても純粋な心をお持ちなんですよ(力説)
ご感想ありがとうございます。
大時計の件は、紅魔館に一つしかない時計を計測に用いるものであって、時刻を制限時間にしているという認識のまま投稿した次第です。
しかし、ご指摘の通り誤解を招く表現でした。精進いたします。
いえいえ、ご感想ありがとうございます。
そうです。咲夜さんは可愛いんです! 偉い人にはそれが分からんのです!