Coolier - 新生・東方創想話

ユメボシ

2011/02/17 03:11:13
最終更新
サイズ
2.62KB
ページ数
1
閲覧数
523
評価数
0/16
POINT
310
Rate
3.94

分類タグ

生まれてからここに在り続けていた


いつも満たされ続けていた


何よりそれが当たり前すぎて


無いもの全てを求めていた


だけどそれすらも満足出来なくなって


あるのかないのかも分からなくなって


気がつけば周りの光も


次第に闇に染まっていた


慌てて手探りで集めだした


急いで握り締めた星


だけどそれはまるで砂のように


甘くとろけた蜜のように


手の中で夢と化していた、、、




何処まで私は来たのだろう


何を考えて歩いてたきたの


ふと後ろを向けば道などありもせず


ただただ真っ暗な恐ろしい闇


あれ、おかしいな、気のせいだったかな


もし気のせいだったら嬉しいな


そんなはずもあるわけ無いのに


自分に言い訳を求め続けて


未だに今を見れずにいた


仕方なく前を向けばそこには大きな樹木


あの時溢れる想いを胸に私が植えた


希望と言う名の果実の苗


それは確実に年を経て


立派な青葉を揺らしていた


嫌だ、嘘だ、ちょっと待ってよ


私を置いていかないでよ


見事な年輪を重ねた


あなたが私を見下ろしてる


お願い、やめて、もうしないから


だけど、なんで、こうなるの?


私が本当に悪いのかな?


めちゃくちゃになってた感情が


螺旋の様にグルグル混ざっていく、、、




気づけば膝を抱えて眠っていた


何かがこの手を優しく包んでくれてた


目をそっと開いたらその手にはお月様


赤くて大きな見事な光の輪


手にとって何気なく磨いてみた


するとそれはピカピカに光りだした


不思議とそれがとても幸せで


一口そっとかじってみる


中は透き通った純白で


宝石みたいなお姫様


私はそんなあなたに恋に落ちた


生まれて初めて恋をした


でもどうしてだろう、わからないよ


あなたの表情を見てみたいのに


なんでだろう、理解できないよ


視界がぼやけて覗けないの


僅かに零れたそれは虹のような輝きを魅せながら


地面へと静かに消えていった


それは今までに見た事無い美しさだったのに


何故だかもう二度と見たくなかった、、、
















森の中でオバケ茸の隣で仰向けの私が目を覚ます


「…こんな所で寝たせいか変な物見ちまったな…」


木々の隙間からの夜空には幾千の煌き


何気なくそっと手を上に伸ばし一つを捕まえてみた


手を開くとそれはまだ天に浮かんでいた


「………今はまだ出来なくても


絶対、必ず手に入れてみせるぜ。


あの輝く星も、あの赤くて白い星も、な。」


クサいセリフを呟く


「…何言ってんだ私」


頭がどうかしちまったのかとつい苦笑い


周りに盗み聞きしてる奴が居なかったか見渡しつつ立ち上がり


この変な恥ずかしさを紛らわそうと帽子を深くかぶり竹箒にまたがった



とりあえずはあいつに夕飯でもご馳走してもらいに行こうか


あぁ、ちゃんとお礼はするぜ、もちろん





「恋色の魔法で、だぜ?」
初めましての方は初めまして。

そうでない方、また会えて嬉しいです。

紅夜と申します。

この度は読んで頂き本当にありがとうございます。

今回はSSっぽく短めに抑えてみました。

しばらくはこんな感じでいきたいと思います。

ではまた次回お会いできる事を祈って・・・

それでは。
紅夜
http://
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.310簡易評価
0. コメントなし