※初投稿です。
※初東方小説です。
「アリス、私あなたが好き。でもあなたは、あなたには好きな人は居ない。だから宣言するわ。私はアリスに振り向いて貰えるまで、毎日あなたに会いに行くわ」
題『どうして』
博麗神社のあの霊夢に告白されて三週間、霊夢は本当に毎日、ただ、只会いに来た。
会いに来て、「こんにちは」と一言言って帰ったり、和菓子を持って来ては、「紅茶に合わないわね」と言いながらも私に笑顔で話し掛けて来た日もあった。
嬉しくなかった訳じゃない。でも霊夢には友達以上という感情はなかった。芽生える事などあるのだろうかと思考を巡らせていたら。
コンコン。
と私を呼ぶ合図が聞こえた。
そういえば今日はまだ霊夢は来てなかったわねと思いながらドアを開けると…。
「こんにちは」
「えぇ、こんにちは」
そこには案の定、笑顔の霊夢が居た。
霊夢は笑顔の似合う可愛い人だと思う自分もそこに居た。
「今日は、お願いがあって来たの」
「お願い?珍しいわね。お願いって何?」
「えっと…、その…」
「どうしたのよ、はっきり言いなさいよ」
「ぅ…。夜…唐突にアリスに会いたいって思う時があるの…。それで、私にアリス人形作って下さい!!」
霊夢からのお願いなんて滅多にないから、しどろもどろしている霊夢をからかいながら少し真剣に聞いていたら、何と私の人形を作って欲しいんだとか。
………。
「はいぃぃ!?」
黙っていた私をずっと見ていた霊夢が、急に奇声をあげた私にびくついていた。
その姿が可愛いの何の、もう鼻血もんですよ奥さん。
とか悶えていたら。
「駄目…かな?」
と赤い顔で聞いて来た。
「全然!全然駄目じゃないわ!!」
「じゃあ作ってくれるの?」
「も、もちろんよ!!」
釣られて赤くなった私は、もう肯定しざるをえませんでした。
「本当!?ありがとうアリス!」
「今から作れば明日には出来るわ」
「分かった。じゃあ私は今日は帰るね。じゃあね、また明日」
「また明日」
そう言うと霊夢はふわりと空を飛んで行ってしまった。何とも言えぬ珍しい霊夢を見た一日となった。
「さて、霊夢からの貴重なお願いを叶えて差し上げますか」
今日は霊夢になびきそうになった私をお許し下さい。
そう思いながら、もういっそ可愛いとまで思っているのだから、なびいてもいいのかしらと思った。
目が覚めて一番に見たのは私そっくりな人形だった。
そういえばと、霊夢にあげるのだから、丁寧に作っていたら徹夜していていつの間にか眠ってしまっていたようだ。でも肩には掛け布団が掛けられていた。上海と蓬莱だろう。嬉しくて笑顔が一つ零れた。
ふと窓を見ると、空は曇っていて、今にも降りそうな雨だ。
「嫌な天気ね」
そう私が呟くと同時にポツポツと雨が降り出し、そして数秒も経たないうちにザァーと本降りになった。
雨が降り出して一分ぐらい経った時、突如扉の叩く音が聞こえて、まさかと思い、急いで玄関へ向かった。
「こんにちは」
「っ!霊夢っ!」
あいも変わらず挨拶をしてくる紅白の巫女がそこに居た。
だけど、いつもと違う事といえば、彼女がびしょ濡れだった事。私は慌てて彼女を家の中に引っ張る。霊夢もそれに従った。
「上海、タオルを一枚持って来て」
「待って、すぐ帰るから要らないわ」
びしょ濡れの霊夢をそのままにしておけず私は、上海にタオルを持って来て貰うよう命令したが、霊夢に止められた。
「でもっ」
「今日は人形を貰いに来たの。完成してる?」
「えぇ…」
頷くと同時に先程命令していた蓬莱がアリス人形を持ってこっちに来ていた。私は蓬莱から人形を受け取って霊夢にそれを渡した。
「ありがとうアリス!」
「こんな雨の中帰るの?」
ちらと窓の外を見てみると先程よりも激しい雨が降っている。こんな中帰らせるのは酷だと私は思った。
「ごめんなさい。アリスの言いたい事は分かるけど、縁側の窓開けて来ちゃった
の。だから急いで帰らないといけないわ」
思ったが、霊夢は本当に今日は人形だけを取りに来る予定だったので、神社の戸締まりはして来なかったと言う。
「それなら…」
「だから帰るわ。邪魔したわね、それじゃあ」
「あっ…」
言いながら霊夢は人形を服の中に入れて、私が何も言う暇もなく去って行った。
少し…、嫌、物凄く寂しいとその時私は唐突に思った。
タオルぐらい拭かせてよ…。
温かい紅茶ぐらい出させてよ…。
もう少し此処に居てよ…。
また会いたいと思うぐらいにもう霊夢に惹かれている自分が居る事に気付いた日だった。
翌日。
私が目を覚ますと眩しいくらいの朝日が目に差し込んだ。昨日の雨が嘘のように。魔法の森で薄暗いとはいえ、私の家には丁度光が差し込まれるように作られているから良い感じの光はここに入って来るのだ。
背伸びをして起き上がろうとしたら。
「シャンハーイ」
上海がゆっくりとこちらに近付きながら、何かを伝えようとしていた。
何だろうと思い念視してみると、そこには魔法の森が写っていた。蓬莱から上海を通して私に何かを伝えたいらしい。何を伝えたいのか聞くと、蓬莱が突然動き出して、前に進んで行く。私も注意深くそれを見ていた。
すると、さっきはそこは薄暗いのと遠いのとで全然分からなかったが、そこに人が倒れていた。誰だかは全く分からない。
私は慌てて外に出ようとした。が、突然その人影が動き出し、ゆっくりとだが立ち上がった。
その人影は霊夢だった。
「どうして!?」
立ち上がった霊夢は、ちょっとずつ確実にこちらに向かって来た。暫くして霊夢は蓬莱に気付いたのか、こちらを向いてニコリと微笑んだ。その顔は少し赤かった。
私は、出るべきかこのまま待ってるか悩んだ。悩んでしまった。蓬莱をこちらに呼び、私は、玄関で霊夢が来るのを待つ方にした。
それから暫くして、扉の前に霊夢の気配を感じる。が、いつもの扉をノックする音は何一つ聞こえず、代わりにカタッっという無機質な音が聞こえたかと思うと、扉の前にあった筈の霊夢の気配が消えていた。
「霊夢!」
慌てて外に出るが、もうそこには霊夢の姿はなかった。
「シャンハーイ」
空をポケェと見ていた私に上海が呼び掛ける。そういえばと思い下を見た。そこには、霊夢に似合わぬ可愛らしい籠があり、中には洋菓子が入っていた。
昨日のお礼のメッセージがあり、その好意を嬉しく思う。
そう思うのと同時に。
「何故、顔を合わせてくれなかったの?」
胸が凄く締め付けられる衝動にかられた。
この時、私は思った。もう霊夢が好きで好きで毎日顔を見ないと苦しいぐらい好きになっていたのだ。そう私は、霊夢への気持ちに気付いたのだ。
そして、あの霊夢の行動は、三日間続いた。
霊夢は相変わらず顔を見せる事もなく、でも確かに毎日此処に来たという証拠は置いて行く。その奇っ怪な行動に不思議を覚えたが、暫く様子を見る事にしたが。
「何か理由があるのだろう…。でも霊夢に…」
やっぱり霊夢の事が気掛かりだ。明日また霊夢が来て顔を合わせてくれないのなら、帰った後に様子を見に行こう。
何故もっと早くこうしなかったのかとかは置いといて、明日に備えて今日は霊夢が持って来たパイを食べて、寝る事にした。
早く早く霊夢に会いたい。
会って返事をしたい。
そうして次の日。
霊夢はいつ来るか分からないので外に蓬莱を見張りに付けた。
この三日間も霊夢がいつ来て帰るのかは分からなかった。だから今回は見張りを付けたのだ。
朝から昼まで待った。
まだ来ない。
昼から夕方まで待った。
夕方まで来ないのは珍しい。
夕方から夜遅くまで待った。
そしてとうとう夜が明けた。
霊夢は一日来なかった。
私は急いで身支度を始め、そしてすぐに霊夢の居る神社へ飛び立った。
宴会の時しか来ない博麗神社。愛しの霊夢が居る神社。
魔理沙が前に、「霊夢んとこへ遊びに行ったら霊夢は絶対縁側で茶啜ってるんだぜ」とか何とかほざいていたのを思い出す。
しかしそこに霊夢の姿はなかった。だけど、障子が半分程開いていた。
「霊夢居るの?」
呼び掛けてみるが返事はない。少し悪いと思いながらもそこから私はお邪魔することに。
「霊夢?」
再度呼び掛けるが、またもや返事はなし。
だけど、その時、閉めきっている部屋の向こうから何かが聞こえた。それが霊夢だと分かった。
「ごめんね霊夢、入るわね」
一応一言断り、障子を開けて部屋に入る。
やっぱり霊夢は居た。だけど、霊夢は私のあげた人形を抱っこして寝ていた。私が来た事に普通気付く筈だが、どこか様子が変だ。
「霊夢どうしたの?」
近寄って、顔を覗くと霊夢の顔は真っ赤だった。少し息苦しいのかハァハァと息もしている。よく見れば全身は汗まみれだ。まさかと思いおでこに手をやると、予想以上にそこはかなり熱かった。
あの時だ。あの雨が降った日に風邪を引いたんだ。
だからか…、霊夢はこんな顔を私に見せて心配させたくなかったんだ。だから顔を合わせてくれなかったんだ、と思った。
上海に濡れタオルを持って来るように、蓬莱に水一杯を持って来てと命令する。
「霊夢?起きれる?」
「え…?アリスがどうしてここに…」
「昨日霊夢が来なかったから、心配になって来たの…」
「あ……。私…丸一日寝てたんだ…」
「……った…」
「アリス?」
「れーむが無事で…っ、良かったぁ…」
何できついのに無茶して毎日私のところに来たのかという怒りは全部吹き飛び、霊夢の声を聞いたとたん安心して涙が出てきた。
すると、霊夢は私の頭をよしよしと撫でながら。
「…ありがとう」
と一言。涙で見えなかったが、霊夢は微笑んでいる気がした。
「霊夢」
「ん?」
「こちらこそありがとう。私、霊夢が大好きよ」
そう言ってやって私は霊夢に近付く。
風邪のせいではなく、耳まで真っ赤になっている霊夢は可愛い。でも私も霊夢に負けないぐらい赤いのだと顔の熱さで分かった。
霊夢の影と私の影が合わさった。
その側で、私たちを優しく見つめるアリス人形が居た。
FIN
※初東方小説です。
「アリス、私あなたが好き。でもあなたは、あなたには好きな人は居ない。だから宣言するわ。私はアリスに振り向いて貰えるまで、毎日あなたに会いに行くわ」
題『どうして』
博麗神社のあの霊夢に告白されて三週間、霊夢は本当に毎日、ただ、只会いに来た。
会いに来て、「こんにちは」と一言言って帰ったり、和菓子を持って来ては、「紅茶に合わないわね」と言いながらも私に笑顔で話し掛けて来た日もあった。
嬉しくなかった訳じゃない。でも霊夢には友達以上という感情はなかった。芽生える事などあるのだろうかと思考を巡らせていたら。
コンコン。
と私を呼ぶ合図が聞こえた。
そういえば今日はまだ霊夢は来てなかったわねと思いながらドアを開けると…。
「こんにちは」
「えぇ、こんにちは」
そこには案の定、笑顔の霊夢が居た。
霊夢は笑顔の似合う可愛い人だと思う自分もそこに居た。
「今日は、お願いがあって来たの」
「お願い?珍しいわね。お願いって何?」
「えっと…、その…」
「どうしたのよ、はっきり言いなさいよ」
「ぅ…。夜…唐突にアリスに会いたいって思う時があるの…。それで、私にアリス人形作って下さい!!」
霊夢からのお願いなんて滅多にないから、しどろもどろしている霊夢をからかいながら少し真剣に聞いていたら、何と私の人形を作って欲しいんだとか。
………。
「はいぃぃ!?」
黙っていた私をずっと見ていた霊夢が、急に奇声をあげた私にびくついていた。
その姿が可愛いの何の、もう鼻血もんですよ奥さん。
とか悶えていたら。
「駄目…かな?」
と赤い顔で聞いて来た。
「全然!全然駄目じゃないわ!!」
「じゃあ作ってくれるの?」
「も、もちろんよ!!」
釣られて赤くなった私は、もう肯定しざるをえませんでした。
「本当!?ありがとうアリス!」
「今から作れば明日には出来るわ」
「分かった。じゃあ私は今日は帰るね。じゃあね、また明日」
「また明日」
そう言うと霊夢はふわりと空を飛んで行ってしまった。何とも言えぬ珍しい霊夢を見た一日となった。
「さて、霊夢からの貴重なお願いを叶えて差し上げますか」
今日は霊夢になびきそうになった私をお許し下さい。
そう思いながら、もういっそ可愛いとまで思っているのだから、なびいてもいいのかしらと思った。
目が覚めて一番に見たのは私そっくりな人形だった。
そういえばと、霊夢にあげるのだから、丁寧に作っていたら徹夜していていつの間にか眠ってしまっていたようだ。でも肩には掛け布団が掛けられていた。上海と蓬莱だろう。嬉しくて笑顔が一つ零れた。
ふと窓を見ると、空は曇っていて、今にも降りそうな雨だ。
「嫌な天気ね」
そう私が呟くと同時にポツポツと雨が降り出し、そして数秒も経たないうちにザァーと本降りになった。
雨が降り出して一分ぐらい経った時、突如扉の叩く音が聞こえて、まさかと思い、急いで玄関へ向かった。
「こんにちは」
「っ!霊夢っ!」
あいも変わらず挨拶をしてくる紅白の巫女がそこに居た。
だけど、いつもと違う事といえば、彼女がびしょ濡れだった事。私は慌てて彼女を家の中に引っ張る。霊夢もそれに従った。
「上海、タオルを一枚持って来て」
「待って、すぐ帰るから要らないわ」
びしょ濡れの霊夢をそのままにしておけず私は、上海にタオルを持って来て貰うよう命令したが、霊夢に止められた。
「でもっ」
「今日は人形を貰いに来たの。完成してる?」
「えぇ…」
頷くと同時に先程命令していた蓬莱がアリス人形を持ってこっちに来ていた。私は蓬莱から人形を受け取って霊夢にそれを渡した。
「ありがとうアリス!」
「こんな雨の中帰るの?」
ちらと窓の外を見てみると先程よりも激しい雨が降っている。こんな中帰らせるのは酷だと私は思った。
「ごめんなさい。アリスの言いたい事は分かるけど、縁側の窓開けて来ちゃった
の。だから急いで帰らないといけないわ」
思ったが、霊夢は本当に今日は人形だけを取りに来る予定だったので、神社の戸締まりはして来なかったと言う。
「それなら…」
「だから帰るわ。邪魔したわね、それじゃあ」
「あっ…」
言いながら霊夢は人形を服の中に入れて、私が何も言う暇もなく去って行った。
少し…、嫌、物凄く寂しいとその時私は唐突に思った。
タオルぐらい拭かせてよ…。
温かい紅茶ぐらい出させてよ…。
もう少し此処に居てよ…。
また会いたいと思うぐらいにもう霊夢に惹かれている自分が居る事に気付いた日だった。
翌日。
私が目を覚ますと眩しいくらいの朝日が目に差し込んだ。昨日の雨が嘘のように。魔法の森で薄暗いとはいえ、私の家には丁度光が差し込まれるように作られているから良い感じの光はここに入って来るのだ。
背伸びをして起き上がろうとしたら。
「シャンハーイ」
上海がゆっくりとこちらに近付きながら、何かを伝えようとしていた。
何だろうと思い念視してみると、そこには魔法の森が写っていた。蓬莱から上海を通して私に何かを伝えたいらしい。何を伝えたいのか聞くと、蓬莱が突然動き出して、前に進んで行く。私も注意深くそれを見ていた。
すると、さっきはそこは薄暗いのと遠いのとで全然分からなかったが、そこに人が倒れていた。誰だかは全く分からない。
私は慌てて外に出ようとした。が、突然その人影が動き出し、ゆっくりとだが立ち上がった。
その人影は霊夢だった。
「どうして!?」
立ち上がった霊夢は、ちょっとずつ確実にこちらに向かって来た。暫くして霊夢は蓬莱に気付いたのか、こちらを向いてニコリと微笑んだ。その顔は少し赤かった。
私は、出るべきかこのまま待ってるか悩んだ。悩んでしまった。蓬莱をこちらに呼び、私は、玄関で霊夢が来るのを待つ方にした。
それから暫くして、扉の前に霊夢の気配を感じる。が、いつもの扉をノックする音は何一つ聞こえず、代わりにカタッっという無機質な音が聞こえたかと思うと、扉の前にあった筈の霊夢の気配が消えていた。
「霊夢!」
慌てて外に出るが、もうそこには霊夢の姿はなかった。
「シャンハーイ」
空をポケェと見ていた私に上海が呼び掛ける。そういえばと思い下を見た。そこには、霊夢に似合わぬ可愛らしい籠があり、中には洋菓子が入っていた。
昨日のお礼のメッセージがあり、その好意を嬉しく思う。
そう思うのと同時に。
「何故、顔を合わせてくれなかったの?」
胸が凄く締め付けられる衝動にかられた。
この時、私は思った。もう霊夢が好きで好きで毎日顔を見ないと苦しいぐらい好きになっていたのだ。そう私は、霊夢への気持ちに気付いたのだ。
そして、あの霊夢の行動は、三日間続いた。
霊夢は相変わらず顔を見せる事もなく、でも確かに毎日此処に来たという証拠は置いて行く。その奇っ怪な行動に不思議を覚えたが、暫く様子を見る事にしたが。
「何か理由があるのだろう…。でも霊夢に…」
やっぱり霊夢の事が気掛かりだ。明日また霊夢が来て顔を合わせてくれないのなら、帰った後に様子を見に行こう。
何故もっと早くこうしなかったのかとかは置いといて、明日に備えて今日は霊夢が持って来たパイを食べて、寝る事にした。
早く早く霊夢に会いたい。
会って返事をしたい。
そうして次の日。
霊夢はいつ来るか分からないので外に蓬莱を見張りに付けた。
この三日間も霊夢がいつ来て帰るのかは分からなかった。だから今回は見張りを付けたのだ。
朝から昼まで待った。
まだ来ない。
昼から夕方まで待った。
夕方まで来ないのは珍しい。
夕方から夜遅くまで待った。
そしてとうとう夜が明けた。
霊夢は一日来なかった。
私は急いで身支度を始め、そしてすぐに霊夢の居る神社へ飛び立った。
宴会の時しか来ない博麗神社。愛しの霊夢が居る神社。
魔理沙が前に、「霊夢んとこへ遊びに行ったら霊夢は絶対縁側で茶啜ってるんだぜ」とか何とかほざいていたのを思い出す。
しかしそこに霊夢の姿はなかった。だけど、障子が半分程開いていた。
「霊夢居るの?」
呼び掛けてみるが返事はない。少し悪いと思いながらもそこから私はお邪魔することに。
「霊夢?」
再度呼び掛けるが、またもや返事はなし。
だけど、その時、閉めきっている部屋の向こうから何かが聞こえた。それが霊夢だと分かった。
「ごめんね霊夢、入るわね」
一応一言断り、障子を開けて部屋に入る。
やっぱり霊夢は居た。だけど、霊夢は私のあげた人形を抱っこして寝ていた。私が来た事に普通気付く筈だが、どこか様子が変だ。
「霊夢どうしたの?」
近寄って、顔を覗くと霊夢の顔は真っ赤だった。少し息苦しいのかハァハァと息もしている。よく見れば全身は汗まみれだ。まさかと思いおでこに手をやると、予想以上にそこはかなり熱かった。
あの時だ。あの雨が降った日に風邪を引いたんだ。
だからか…、霊夢はこんな顔を私に見せて心配させたくなかったんだ。だから顔を合わせてくれなかったんだ、と思った。
上海に濡れタオルを持って来るように、蓬莱に水一杯を持って来てと命令する。
「霊夢?起きれる?」
「え…?アリスがどうしてここに…」
「昨日霊夢が来なかったから、心配になって来たの…」
「あ……。私…丸一日寝てたんだ…」
「……った…」
「アリス?」
「れーむが無事で…っ、良かったぁ…」
何できついのに無茶して毎日私のところに来たのかという怒りは全部吹き飛び、霊夢の声を聞いたとたん安心して涙が出てきた。
すると、霊夢は私の頭をよしよしと撫でながら。
「…ありがとう」
と一言。涙で見えなかったが、霊夢は微笑んでいる気がした。
「霊夢」
「ん?」
「こちらこそありがとう。私、霊夢が大好きよ」
そう言ってやって私は霊夢に近付く。
風邪のせいではなく、耳まで真っ赤になっている霊夢は可愛い。でも私も霊夢に負けないぐらい赤いのだと顔の熱さで分かった。
霊夢の影と私の影が合わさった。
その側で、私たちを優しく見つめるアリス人形が居た。
FIN
でも健気な霊夢かわいい。そして、たった2ヶ月でSSを書いちゃうあなたの行動力が羨ましいッ
これからも期待してます!
アリスが霊夢の心中を理解するためにどうこうする流れかと思いきや
そんなわけでもなく肩すかしを喰らい
レイアリにしては霊夢の心中がまるで窺い知れず、なにか違う気がしてしまいました。
アリスの心境変化も、霊夢を恋愛対象として見るようになる、大事なステップが無いように思えて、つい首を捻ってしまいました。
せめて、霊夢を看病するところでもう一つドラマが展開されれば、と考えたりもしました。
まとめると起承転結の、起と承のつながりで肩すかしを喰らったのと、転がなだらかすぎると思って、個人的に物足りなく感じました。
これは勝手な意見ですが、プロットを細かく詰めてみてはどうでしょうか。
次の作品を楽しみにしています。
だけどレイアリは好物だけど何か物足りない感じ
上の人も言っているように起承転結の承転がゆるゆるで
なんとかギリギリ繋がっている程度
次回作に期待しております
書き慣れないうちはこれは仕方の無いこと。
はじめてという割にはそれなりに落ち着いているのは評価できます。
特に百合話は主観が入りやすく、その分感情移入させなければいけないので余計に描写の視野が狭くなりがちです。
百合にしろ何にしろ、基礎文章力があってこそキャラもストーリーも活きるので、
キャラへの思いだけ先走りせずに、土台をしっかり学んでみるといいでしょう。
今後に期待。
可愛らしく思えるのと、自分の人形製作を求められて喜ぶのは違うのではと。
他にも引っかかるところはありましたが、レイアリ愛に溢れていて良かったと思います。
次回作期待しています。