この夏は黄色の海を満喫できた。昨年は日照時間も少なく、向日葵達にも元気が無かった。土の調子や栄養に関しては調節できるものの、お天道様が相手となれば風見幽香の手にも余る。
噂によれば天候を操作できる剣もあると聞くが、どうにも眉唾だ。使いこなせるとも思えない。大体、植物というのは好き勝手に咲く生き物である。言葉は乱暴かもしれないが、本来なら手を加えることにも躊躇いを覚える。咲くなら良し、枯れるのも運命だ。
しかし生き物であるからには命が有り、出来れば生涯を色よいものにしてあげたい。いくら運命だからといっても、花に生まれたからには一度ぐらい綺麗に咲いてみたいではないか。植物の気持ちが分かる自分としては、是非とも手伝いの一つや二つぐらいはしたかった。
今年の向日葵は芽吹く頃から例年のモノより元気だった。ともすれば夏の前に力尽きるのではないかと心配するぐらいのエネルギーに満ちあふれていたのだ。
さぞや素晴らしい花を咲かせてくれることだろう。期待は裏切られなかった。
見渡す限りの向日葵。すり鉢状の畑を埋め尽くす、圧倒的な黄色の波。
銀杏並木の美しさにも負けない、向日葵独特の力強さが幽香から言葉を奪った。いや下手な感想を言うぐらいなら、敢えて黙するのが雅というもの。ただ黙って眺めようではないか。
酒も肴も必要ない。これだけの景色があるのなら、幽香はそれだけで満足だった。
有り体に言って腹が減った。
一日や二日の空腹ではない。ここ数年ほど腹は鳴り続けている。妖怪でなければ今頃は死体になっていただろう。多々良小傘は空腹だった。
「ひもじい……」
人間のように食事を取ったらどうだと、馬鹿な人間は言っていた。妖怪の事を理解していないとみえる。確かに普通の飯も食べられるし、味だってちゃんと分かる。しかし、それはあくまで娯楽。腹を満たすことはできない。
妖怪にも千差万別あり、例えば血だったり、あるいは人間だったり、兎にも角にも普通の食事では空腹など紛れないのだ。小傘は人間の驚きを欲していた。腰を抜かし、涙を流し、失禁しながら逃げようとするほどの驚きを。
昔は良かった。ただ現れるだけで人々は驚いたものだ。
それがどうだ。今となっては駄目だしをしてくる人間もいる始末。純朴な精神をどこに置き忘れてしまったのか。これが高度経済成長という奴なのだろう。新聞で見た覚えのある単語だが、詳しい意味は全く分からない。
ふらふらと空を飛びながら、地上を歩く人間を探す。物陰から飛びだすぐらいでは誰も驚かない。だからこそ空からの奇襲なのだ。中身は妖怪でも見た目は人間の小傘。何の前触れもなく人間が空から下りてくれば、さしもの現代人も腰ぐらいは抜かすだろう。
今度こそ食事にありつける。期待感は胸を破りそうなほどだ。
「いた!」
木々の間から見え隠れするのは、間違いなく人間の姿。ご苦労なことに、全身を真っ黒な衣装で包んでいる。汗が止まらない真夏日の今日。よくもまあ倒れないものだと感心を覚えた。
まぁ、それはそれとして。早速、脅かそう。
急降下で降りていったら地面に突き刺さる。ゆっくりと慎重に高度を下げて、綿毛が舞い降りるように地面へ着地を決めた。何だかどこかで見た覚えのある黒ずくめに、とびっきりの迫力を込めて決め台詞を放つ。
「うらめしやー」
鈍い音がしたかと思えば、近くで咲いていた向日葵の花が無惨に散った。
咄嗟に幽香は身を屈める。種も花弁も跡形すら残らず、茎だけが空しく風に揺れていた。せっかくの向日葵を破壊するだなんて、一体どこの誰だろう。見つけたら容赦しないのだが、少なくとも辺りに人や妖怪の気配はなかった。
狙撃でもあるまい。妖怪相手にそんな事をしたって意味が無いのだから。
いや、最近は技術の発達が目まぐるしい。対妖怪相手の特殊な銃弾が開発された可能性もある。恨み辛みに関してはダース単位で買っている幽香のこと。人間のみならず妖怪からも命を狙われる覚えがあった。
迂闊に頭をあげられない。地面を這いずりながら、狙撃手の場所を特定しなくては。
そもそも狙撃かどうかも疑わしいではないか。妖怪の中にはこの程度の芸当を片手間で出来る輩も多い。狙撃と決めつけて隙をつかれたら、それこそ命の危機だ。
少なくとも、伏せている間は向こうも手を出せないらしい。能力が使えないのか、それとも単に見えていないだけなのか。いずれにせよ手が出せるのなら、今頃は何らの攻撃をしているはずだ。
「舐めてくれるわね」
土仕事で泥まみれになるのはいい。清々しい気分にもなれる。
だが不意打ちで泥を付けられるなど屈辱以外の何者でもなかった。妖怪とは矜持を尊ぶ存在。尊厳やら矜持を傷つけられた時の怒りは、肉親を殺された時にも匹敵すると言われている。
どこにいるのか分からない。しかし覚えておくといい。
風見幽香の命を狙った代償は大きいのだと。
近年稀に見る会心の言葉はあっさりと受け流される。
「なんだ、お前か」
霧雨魔理沙であった。黒い魔法使い。かつて星蓮船が異変を引き起こした時に出会った人間だ。
出会い頭に会いたくない相手の第三位にランクインする強敵である。ちなみに二位は博麗の巫女で、堂々の第一位は守矢の巫女だ。古今東西、小傘は巫女と呼ばれる連中と相性が悪いらしい。
「また懲りずに驚かそうとしてるのか。無駄なことを」
「無駄とは何だ。日々の研鑽を怠らず、先人の偉大なる知恵にも精通しているこの私に対して」
「そこまでやってこの有様とは、ある意味では才能だな」
「驚いた?」
「むしろ呆れたぜ」
日よけの帽子から覗いた顔には嘲笑するような表情がありありとが浮かんでいた。
さすがは強敵と書いて強敵。並大抵の行動では眉一つ動かさない。
「やるわね、霧雨魔理沙。いいわ、こうなったら私の全力を見せてあげる!」
「ほお」
舐めきった態度をしていられるのも今のうちだ。
「これはあまりにも危険な為、遙か昔に封印した驚かせ方。数多の人間を心臓発作で葬り、かの大妖怪ですら腰を抜かしたとされる奥義の中の奥義!」
木々がざわめき、草原を風が駆け抜ける。つま先から頭頂部まで神経を集中して、五感の全てを最大限に発揮するのだ。視覚は遠く千里を見渡し、聴覚は天界で落ちた針の音も聞き逃さない、ような気がした。
要は気持ちの問題だ。現に魔理沙も並々ならぬ気配を感じ、若干警戒の色を強めた。
後悔しているのなら、もう遅い。自分のこの封印を解放した時点で、魔理沙が驚くことは決定しているのだ。そう、これはいわば運命の操作。赤い吸血鬼だけでなく、自分もまた運命を跪かせる帝王なのだ。
ゆっくりと掲げた腕の先には、青々と広がる壮大な空がある。息を吸い込み、どこまでも聞こえそうなほどの大声で叫んだ。
「ああ、あんな所にUFOが!」
魔理沙は微動だにしなかった。
馬鹿な。源氏や平家も驚嘆したと言われるほどの奥義を受けて、何故平然としていられるのだ。まさか霧雨の家には代々対抗策が伝えられているのか。
「さすがね、魔理沙。これで驚かなかったのはあなたが初めてよ。参考までに聞かせて貰えるかしら。どうやって私の奥義を破ったのか。その対抗策を」
頬を掻き、気まずそうに魔理沙は腕を掲げる。奇しくもそれは小傘が指した方角と全く同じだった。
「幻想郷じゃ珍しくないだろ、UFO」
雲に混じって空を飛ぶ、未確認飛行物体の姿があった。
「くうっ!」
まさか実在しているとは。驚きのあまり気絶しそうになった。
必死で意識を掴み取り、何とか無様な姿を晒すことだけは回避した。
した?
「大体、この幻想郷じゃあ空を飛んでるぐらいで驚く奴はいないぜ」
「わちきは驚く」
「キャラを作るな。そして自慢をするな」
自慢ではない。敢えて弱点を見せつけることで、自らの潔さを演出しているのだ。
「じゃあ、どうしろって言うのよ。これ以上の驚かせ方はまだ研究中だし」
稗田邸やら上白沢邸の蔵書にまた頼る生活が始まるのだろう。慧音はまだ良いとして、阿求は性格がねじ切れているから苦手だ。麦茶と称してメンツユを出すなど、ぶぶ漬けをストレートで投げつけるような行為を平気でしてくる。
魔理沙は難しい顔で腕組みをしたかと思えば、すぐに表情を緩めた。何か良からぬ事を企んだ時に浮かべる顔だ。嫌な予感がする。
「ちょうど暇を持てあましていた所だ。良いぜ、私が人間を驚かすとびっきりの方法を教えてやる」
人間に教えを請うなんて妖怪の矜持が許さない。あくまで自分は驚かす側。そして人間は驚かされる側。この構図は不動のものであり、絶対に崩れてはいけないのだ。
「お断りよ。私には魔理沙の教えがなくとも充分にやっていけるんだから」
「お前、本当に自分が見えてないな」
「今だ! うらめしやー!」
「今じゃねえよ」
見事に決まった頭上へのチョップに、ちょっとだけ涙したことは内緒にしておこう。
またしても向日葵が無惨に飛び散る。
一度ならまだしも二度目となれば。これはもう偶然も何でもない。確実にいるのだ。自分の命を狙っているものが。
このまま隠れ続けてもいい。だがそうすれば、どんどん向日葵が被害を受けていく。
それだけは避けたい。
幽香はハッとした。まさか敵の狙いは向日葵にあるのか。
自分の性格を熟知しているのなら、植物が無惨に散らされる様を黙って見過ごせるはずがない。だから敵は向日葵を攻撃し、自分が飛び出るのを待っているとしたら。かなりの策士である。それも自分にかなり近しい人物だ。
該当人物は幾人か浮かび上がる。幻月はこんなまどろっこしい手段をとらないし、エリーにこんな大それたことをする力はない。阿求は性格が捻れすぎて何か大切な線が切れているけど、植物を傷つけるような人間じゃないし。メディスンも同じだ。魔理沙や霊夢は策と縁遠い。
となれば残るは八雲紫ぐらいのものだが、果たして彼女がこんなチンケな攻撃をするのだろうか。考えにくい。あれもまた矜持を大事にする大妖怪。やるのなら正々堂々と真正面から勝てる算段をつけて襲ってくるだろう。例外があるとすれば幻想郷が危機に瀕している時。そうなれば紫も手段は選ばないのだろうけど、今がその時だとは思えない。
やはり直接に顔を拝むしかないようだ。向日葵は綺麗に四散している。銃弾による狙撃の可能性は低くなった。鉄の塊が突き抜けたぐらいでは四散するはずもないし。能力による破壊か。
じっとりと全身を汗が流れていく。被っていた麦わら帽子はどこかへ飛んでいった。日光は容赦なく身体中を照りつけ、向日葵の影だけが自分を助けてくれる。
持久戦になりそうだ。だがそうなれば、向こうの思うつぼ。
どこかで仕掛けなければならない。
幽香はタイミングを待っていた。
魔理沙は言った。
「驚かせるという事は意表をつくという事だ。つまり有り得ない出来事が起これば人は簡単に驚く」
遊び半分かと思ったけれど、案外真剣に教えてくれるらしい。
いつのまにか小傘は正座を組み、真面目な表情で聞き入っていた。
「例えば夏なのに厚着をしている奴がいるだろう」
脳裏で魔理沙の姿が浮かんだ。
「そいつが急に薄着をしたら。多少は驚くんじゃないか」
脳内の魔理沙が全裸になった。
鼻水を吹いた。
「……笑う要素があったか?」
魔理沙は首を傾げている。無理もない。
だが大体は理解した。
「つまり有り得ない事を起こせば人は驚くのね」
「ああ、その通り」
「なるほど、参考になったわ。ばぶー」
「あ?」
高度な応用は魔理沙には通用しなかったらしい。訝しげに眉を顰められては、むしろこちらが恥ずかしくなってくる。
「普段から大人っぽい私が赤ん坊の真似をしたのよ。有り得ないでしょ、驚いた?」
「分かりにくいし、大人っぽくないし、発想が飛躍しすぎだ」
怒濤の訂正に思わずたじろぐ。自分としては精一杯の出来だったのだが全く伝わっていなかった。言葉というのは難しいものだと、改めて溜息を吐く。
驚愕の道は険しい。分かっていた事だけど。
「大体、ただ有り得ないだけじゃ駄目だ。インパクトがないと注目して貰えない」
「コンパクト……」
「小さくするな」
要は注目を集めろという事か。それならば問題ない。
驚かせなかった事はあっても、無視された事は一度として無いのだから。
自信満々な表情を見て、何故か魔理沙は顔をしかめた。
「お前の自信は失敗の象徴でしかないんだが」
「さっきの奥義と一緒にして貰ったら困るわね。こちらはちゃんと実績もあるんだから」
「ああ、やっぱりアレ実績無かったんだ」
都合の悪いことは聞こえない。小傘の耳は便利に出来ていた。
「見ていなさい。これが私流のインパクトよ!」
大声を出す点では奥義と同じ。しかし内容の注目度が桁違いなのだ。
これを叫べば、どんな人間だって私に注目してくれる。
不敵な笑みを浮かべ、思い切り叫んだ。
「火事だぁーっ!」
すかさず魔理沙に蹴り飛ばされた。乱暴な魔法使いだ。妖怪でなければ今頃は涙を流す程度では済まなかっただろう。
土埃を払いながら、目元を拭い、怒りの感情をぶつける。
「何するのよ!」
「注目を集めれば良いってもんじゃないだろ。それだと確かに家の中にいる奴も出てくるけどな、そいつらを前にして何を言う気だ」
「泣いて驚けうらやめしやー」
その時に飛び出てきた人間達は、今の魔理沙と同じような表情を浮かべていた。
人間とはそういうものか。俄には理解できない。
「あっ、今だ! うらめしやー!」
「だから今じゃないし、未来でも通用せん」
「うらぶれめしや」
「ほらみろ寂れた」
「表はメシア」
「何か降臨してんぞ!」
またも向日葵が散った。唇を噛みしめる。
覚悟を決めなくてはならない。あちらの有利は圧倒的なのだ。何なら太陽の畑を更地にしても良いのだ。心を痛めるのは幽香ばかり。敵方にとってみれば生け贄になった植物でしかないのだから。
最早殺すのも生ぬるい。見つけたら生き地獄を永遠と見せてやらねば。無念に散っていった向日葵たちも報われまいて。
だが一向に敵の姿は見えない。気配すらしない。
複数なのか。それとも大妖怪級の単独行動なのか。こちらには何の情報も与えられない。手元にあるのは、ただ自分が命を狙われているという。それだけのこと。段々と苛立ちも増していく。
自分はあまり足が速い方ではない。立ち上がって相手の姿が見えたところで、向こうの攻撃が先に届くはず。仮に避けたとしても、すぐさま二発目が襲ってこない保証は何処にもないのだ。
先程から攻撃は不定期に一発ずつ放たれている。しかし連続で攻撃できないとは誰も言っていない。
幽香の推理を裏付けるように、先程の攻撃から数秒のうちに近くの向日葵が散っていった。
「くそっ!」
だがそれだけではない。今度は隣にあった向日葵が急速に枯れ始めたのだ。
まさか敵の能力は一つではないのか。驚愕する幽香をよそに、今度は真向かいの向日葵が神々しく輝きだした。思わず目を細めてしまうぐらいに、ともすれば跪いて頭を下げたくなるぐらいに、その向日葵は光を放っている。
単純な攻撃だけではないのか。これも相手の策だとしたら。
一体、敵は何を考えている。
混乱した幽香に、最早冷静な判断など望めるはずがない。ゆっくりと立ち上がり、辺りを堂々と見渡した。攻撃されたところで知ったことか。自分の身体は頑丈に出来ている。奇妙な攻撃の一つや二つ、簡単にはね除けてみせる。
最初からこうすれば良かった。こそこそと地べたを這いずり回るなんて、自分の性格に合っていなかったのだ。
「さあ、出てきてあげたわよ! 私を撃つなら撃ってみなさい。その瞬間にあなたの位置を特定し、何百倍ものお返しをあげるから!」
攻撃はない。怖じ気づいたのか。
だが残念ながら幽香は大凡の位置を把握していた。この畑を広く見渡し、攻撃していくのは絶好の場所がある。少し離れた所にある、こんもりと盛られた小高い丘。あそこからなら自由に攻撃できるし、いざとなれば身を隠すだけの岩場もある。
隠れられると思っているのか。だとすれば哀れと言うほかない。
最大限の苦痛は後で身体に与えるとして、今は動きを封じなくては。
両手は丘に向けられ、獰猛な笑顔が自然と浮かび上がる。
「マスタースパーク!!」
容赦の欠片もなく放たれた閃光は丘ごと大地を抉りとった。
さすがの威力だ。いや、さすが過ぎた。
気付いた時にはもう遅い。
「しまった!」
猛烈な閃光は風を巻き起こし、あれほど力強く咲いていた向日葵達の花弁を散らしていく。ああ、何という事だ。せっかく巻き込まないようにしていたのに。自分の手で終止符を打ってしまうなんて。
崩れ落ちそうになる身体を必死に奮い立たせる。
まだ彼女達は死んでいない。攻撃された向日葵を除けば、まだ種は沢山残っているのだから。
来年こそは。来年こそは今年よりも見事な花を咲かせるだろう。
そうしたら謝ればいい。
向日葵達はきっと、許してくれるはずだ。
結局のところ、魔理沙の授業は役に立ったのか立たなかったのか。甚だ疑問だった。
有り得ない事をすればいい。それは分かったけれど、具体的にどうすればいいのか。
奥義と火事を封じられた今となっては、残されたのは『うらめしやー』という一つだけ。これでどうやって戦えと言うのか。
「まぁ、これ以上は私でも教えられないぜ。後は自分の努力で何とかするしかない」
努力と一口に言われても、それがどれだけ難しいのか。小傘には痛いほど分かっていた。
どうやら、まだまだ自分の空腹生活は続くらしい。
はてさて、次に驚きを口に出来るのは何時になるのやら。
溜息を吐こうとしたところで、不意に言葉が口から漏れた。
「うらめしや」
魔理沙はまたかと呆れた表情。しかし小傘は驚いていた。
今のは自分の言葉ではない。誰かがそう言わせたのだ。
「うらめしや」
「……どうしたお前?」
さすがの魔理沙も異変に気付いたらしく、不思議そうな顔でこちらを見つめている。どうすればいいか分からず、何となく小傘は魔理沙に近寄った。
「うらめしやうらめしや」
「分かったから。あまり近づくな」
「うらめしやうらめしや」
「近づくなって」
後ずさりする魔理沙。そしてどんどん近づく小傘。
「うらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしや」
「ち、近づくなって言ってるだろ!」
「うらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしやうらめしや」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
魔理沙は一目散に逃げ出していった。
胸を満たすのは驚きの感情。久々のご馳走は頬がとろけるほど美味しくて、何度もうらめしやを連呼しながら、小傘は満足げに微笑むのだった。
いっぽう夢月はウガンダで蝶々と戯れていた。
気づかれたら小傘ちゃんが危ない!
言われないと気づかない自分の知恵の無さが恨めしいorz
取り敢えずあれだ。頑張れ負けるなゆうかりん!
余計なお世話とは思いましたが、誤記指摘を少々。
> 使いこなせるとも思わない。
「使いこなせるとも思えない。」
> 嘲笑するような表情ありありとが浮かんでいた。
「嘲笑するような表情がありありと浮かんでいた。」
> 自分のこの封印を解けさせた時点で
「自分がこの封印を解いた時点で」とか。書き方自体変わってしまいますが、解けさせた、は読み難いかと。
> そして人間は驚かせる側。
「そして人間は驚く側。」驚かせるのは、やはり小傘なのでは。
> 今の魔理沙を同じような表情を浮かべていた。
「今の魔理沙と同じような表情を浮かべていた。」
夏が終われば小傘はどうなるでしょうか
面白かったです
「うらめしや⇒向日葵四散」にしても「向日葵四散⇒うらめしや」にしても、関係性が確立されている以上、それはバタフライエフェクトとは言えない。
例えどんなに遠い関連でも、その関係性が再現されている限りは因果が固定されている事になるからね。
言葉遊びか何かでしょうか…
言いたい事は何となくわかったけど、少し投げっぱなし過ぎるというか。
なんか微妙な読後感だったのでこの点数で。
二つの場面の関連性が分からなかったです・・・
自分の頭の悪さがうらめしい・・・