地底にある旧都。
その旧都に建っている星熊家にて勇儀は悩んでいた。
「おつまみが無い……。」
そう、連日開いている宴会の度に出していたので何時の間にか蓄えていたおつまみを食べ尽くしていたのだ。
(買いに行っても良いんだけどねぇ。)
おつまみが無くてもお酒は飲める。
しかしおつまみが有れば更に美味しくなる事も事実。
(おつまみが有ると思って用意してたから今更作りたくもないし……。)
勇儀は考え、悩む。
その時ふと脳裏を掠めたのは料理がとても上手い金髪の仲の良い橋姫。
「パルスィに作ってもらえば良いじゃないか!」
善は急げ。
瞬く間に勇儀の姿は見えなくなった。
姐御移動中……
「で?そんな事で私の家に来たの?」
「ああ、おつまみを作ってくれパルスィ!」
言い終わるが早いか勇儀は杯にお酒を入れ、飲もうとする。
(パルスィに作ってもらえば美味しいし、話しながら飲むお酒は旨い。正に一石二鳥さね。)
しかし、その考えもパルスィの一言によって砕かれた。
「嫌よ。面倒臭いし。」
カラン……パシャッ。
勇儀の手から杯が落ち、お酒が零れる。
「作ってくれないのかい……?」
あっという間に両目に涙が溜まり、今にも泣き崩れてしまいそうな勇儀にパルスィは慌てる。
「折角……折角パルスィの手料理を食べようと此処まで来たのにかい……?パルスィと談笑しながらパルスィとおつまみを肴に酒を飲もうとしていたのにかい……?」
そう言い、勇儀は泣き崩れた。
普段はあんなにも元気で楽しそうな鬼がおつまみだけで泣いたのだ。
パルスィは慌てた。
「わ、分かったから!おつまみを作ってあげるから泣くのはやめて!」
「グスッ。本当にかい?」
その言葉に勇儀は頑張って泣く事を止め、顔を上げる。
「嘘じゃないから、ね?」
「有難うパルスィ!」
そう言い勇儀は自身の胸にパルスィを抱きしめる。
「ちょっ、一寸待って!いいから零したお酒を拭いてて!」
しかしこの言葉は嬉しさでテンションが上がっている勇儀には届く事は無かった。
結局、パルスィは軽く酸欠気味になってから勇儀が気付き、解放された。
パルスィがおつまみを作っている間、勇儀は楽しみで仕方がなかった。
パルスィはどんなおつまみを作ってくれるのであろうか。
味の濃ゆい物か薄い物か。
肉類か野菜類か。
焼き物か煮物か茹で物か。
想像すればするほど楽しみで仕方が無い。
だがパルスィの事だ、きっと好みの味にしてくれるだろう。
そして遂に出来たという声が聞こえた瞬間、勇儀は駆けだした……。
「はい、鶏皮茹での梅干しニンニク和えと野菜が少し多めの餃子よ。」
「待ってました!」
その一言と同時に箸を持つ。
まず食べるのは熱々の餃子だ。
一つ摘み、口に入れる。
噛むと中から肉汁が溢れる。
しかし多めに入っている野菜のお陰で後味がさっぱりしていてしつこさが全く無い。
食べ、お酒を飲み、また食べる。
幾ら食べても全く飽きが来ない。
余りの美味しさに顔を綻ばせていると目の端に自己主張しているおかずを見つけた。
パルスィが作ってくれたもう一品だ。
ニンニクの香りがとても食欲をそそる。
一口食べてみる。
プリプリの鶏皮に梅の味がとてもマッチしている。
更に味付けに入れている醤油で後味がさっぱりしていて次の一口がすぐ欲しくなる。
一緒に入れている葱も噛む度にシャッキリとした食感と全ての材料の旨味が出たスープが出る。
これもお酒にとても合う。
どっちのおつまみも美味しすぎる。
(やっぱりパルスィの料理は最高さね。)
箸は止まる事を知らない様に動き続けた。
粗方を食べ終わり、嬉しそうにお腹を擦りながら勇儀は笑う。
そしてパルスィの方を向きながら勇儀は話しかける。
「パルスィの愛情が籠ったおつまみで飲むお酒は格別だねぇ。」
「そ、そんな事を言ってもお酒しか出ないわよ。」
赤面しつつも勇儀の杯にお酒を注ぐパルスィ。
「ところでパルスィはお酒を飲まないのかい?」
その台詞を聞き、パルスィは動揺する。
実は誰にも知られていないがパルスィはお酒に弱い。
宴会の時もほんの少ししか飲まない。
「そういえば宴会の時も全然飲んでいないし……。」
勇儀に悪戯心が芽生えるのに時間はかからなかった。
その様子の変化に気付いたのかパルスィは後ずさる。
「わ、私は飲まなくて良いわよ。」
「そうはいかないねぇ。おつまみも無くなったし、今度はパルスィを食べようと思ったんだが。」
逃げようとしたパルスィの首に腕をまわし、逃がさない様にする。
「少し……お酒飲もうか?」
口にお酒を含み、パルスィの顎を持つ。
幾らパルスィも妖怪といえど力は鬼には敵わない。
顎をがっちり固定され、そして……。
「ちょっ!やめっ!んっ!」
彼女等の夜は始まったばかり……。
その旧都に建っている星熊家にて勇儀は悩んでいた。
「おつまみが無い……。」
そう、連日開いている宴会の度に出していたので何時の間にか蓄えていたおつまみを食べ尽くしていたのだ。
(買いに行っても良いんだけどねぇ。)
おつまみが無くてもお酒は飲める。
しかしおつまみが有れば更に美味しくなる事も事実。
(おつまみが有ると思って用意してたから今更作りたくもないし……。)
勇儀は考え、悩む。
その時ふと脳裏を掠めたのは料理がとても上手い金髪の仲の良い橋姫。
「パルスィに作ってもらえば良いじゃないか!」
善は急げ。
瞬く間に勇儀の姿は見えなくなった。
姐御移動中……
「で?そんな事で私の家に来たの?」
「ああ、おつまみを作ってくれパルスィ!」
言い終わるが早いか勇儀は杯にお酒を入れ、飲もうとする。
(パルスィに作ってもらえば美味しいし、話しながら飲むお酒は旨い。正に一石二鳥さね。)
しかし、その考えもパルスィの一言によって砕かれた。
「嫌よ。面倒臭いし。」
カラン……パシャッ。
勇儀の手から杯が落ち、お酒が零れる。
「作ってくれないのかい……?」
あっという間に両目に涙が溜まり、今にも泣き崩れてしまいそうな勇儀にパルスィは慌てる。
「折角……折角パルスィの手料理を食べようと此処まで来たのにかい……?パルスィと談笑しながらパルスィとおつまみを肴に酒を飲もうとしていたのにかい……?」
そう言い、勇儀は泣き崩れた。
普段はあんなにも元気で楽しそうな鬼がおつまみだけで泣いたのだ。
パルスィは慌てた。
「わ、分かったから!おつまみを作ってあげるから泣くのはやめて!」
「グスッ。本当にかい?」
その言葉に勇儀は頑張って泣く事を止め、顔を上げる。
「嘘じゃないから、ね?」
「有難うパルスィ!」
そう言い勇儀は自身の胸にパルスィを抱きしめる。
「ちょっ、一寸待って!いいから零したお酒を拭いてて!」
しかしこの言葉は嬉しさでテンションが上がっている勇儀には届く事は無かった。
結局、パルスィは軽く酸欠気味になってから勇儀が気付き、解放された。
パルスィがおつまみを作っている間、勇儀は楽しみで仕方がなかった。
パルスィはどんなおつまみを作ってくれるのであろうか。
味の濃ゆい物か薄い物か。
肉類か野菜類か。
焼き物か煮物か茹で物か。
想像すればするほど楽しみで仕方が無い。
だがパルスィの事だ、きっと好みの味にしてくれるだろう。
そして遂に出来たという声が聞こえた瞬間、勇儀は駆けだした……。
「はい、鶏皮茹での梅干しニンニク和えと野菜が少し多めの餃子よ。」
「待ってました!」
その一言と同時に箸を持つ。
まず食べるのは熱々の餃子だ。
一つ摘み、口に入れる。
噛むと中から肉汁が溢れる。
しかし多めに入っている野菜のお陰で後味がさっぱりしていてしつこさが全く無い。
食べ、お酒を飲み、また食べる。
幾ら食べても全く飽きが来ない。
余りの美味しさに顔を綻ばせていると目の端に自己主張しているおかずを見つけた。
パルスィが作ってくれたもう一品だ。
ニンニクの香りがとても食欲をそそる。
一口食べてみる。
プリプリの鶏皮に梅の味がとてもマッチしている。
更に味付けに入れている醤油で後味がさっぱりしていて次の一口がすぐ欲しくなる。
一緒に入れている葱も噛む度にシャッキリとした食感と全ての材料の旨味が出たスープが出る。
これもお酒にとても合う。
どっちのおつまみも美味しすぎる。
(やっぱりパルスィの料理は最高さね。)
箸は止まる事を知らない様に動き続けた。
粗方を食べ終わり、嬉しそうにお腹を擦りながら勇儀は笑う。
そしてパルスィの方を向きながら勇儀は話しかける。
「パルスィの愛情が籠ったおつまみで飲むお酒は格別だねぇ。」
「そ、そんな事を言ってもお酒しか出ないわよ。」
赤面しつつも勇儀の杯にお酒を注ぐパルスィ。
「ところでパルスィはお酒を飲まないのかい?」
その台詞を聞き、パルスィは動揺する。
実は誰にも知られていないがパルスィはお酒に弱い。
宴会の時もほんの少ししか飲まない。
「そういえば宴会の時も全然飲んでいないし……。」
勇儀に悪戯心が芽生えるのに時間はかからなかった。
その様子の変化に気付いたのかパルスィは後ずさる。
「わ、私は飲まなくて良いわよ。」
「そうはいかないねぇ。おつまみも無くなったし、今度はパルスィを食べようと思ったんだが。」
逃げようとしたパルスィの首に腕をまわし、逃がさない様にする。
「少し……お酒飲もうか?」
口にお酒を含み、パルスィの顎を持つ。
幾らパルスィも妖怪といえど力は鬼には敵わない。
顎をがっちり固定され、そして……。
「ちょっ!やめっ!んっ!」
彼女等の夜は始まったばかり……。
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口移しするならそれなりの量入れるだろう。
いかん、これはゲロフラグ……