※割と百合百合してます。
苦手な方はご注意を。
夏の太陽はジリジリしてて熱いから嫌い。
冬の太陽の光は冷たいから好き。
あなたも、冷たいから好き。
好きだから、その手に頬を当ててみたり。
「美鈴。 美鈴は気持ちいいね」
「寒くないですか、フランドール様」
「えへー。 平気だけど、ちょっと涼しいかも」
震えながら私がそう言えば、あなたは目尻を下げて、微笑む。
ふわりとした咲夜お手製の赤いマフラーが、私の首にまるで蛇みたいにからみついてきた。
赤い蛇は、危険色。
身を寄せ合う私たちも、危険。
だって主従なのよ、なんちゃって。
「美鈴のマフラーの巻き方、なんだかえっちぃね」
なんかむずむずする。
慰めるように這う手を思い出すと、なんだか首元が粟立つみたいで。
でも嫌じゃなくて、私までえっちになっちゃったみたい。
「すいません、加減がわからなかったんですよ」
「割れものを扱うみたいだったよ」
「私はあなたが怖いですからね」
「む」
私が拗ねたふりをしても、もう一度すいません、なんて謝ってはくれなかった。
その代わりに、あなたは壁に背を預けたまま、私を回転させながら、思い切り抱き寄せた。
無礼者!
なんて言っておどけようとしたけど、出来なかった。
なんだかすっごく暑くなってきたんだもん。
「め、美鈴あっついよ」
悪い従者に捕まったままで、顔を上げた。
優しそうな顔が見えて、また体温が上がったような気がした。
「ダメですよ。 女の子は体を冷やしちゃいけないんだって、言ってました」
「誰が?」
「さあ、きっと偉い人ですよ」
「お姉さまより?」
答えは返ってこなかったけれど。
きっとNOなんだろうなあ、と考えて、ちょっとだけ胸がキュッとした。
した、後。
「あ……とっ」
「わ」
突然、私を抱き寄せる腕の力が強くなって、もう一度キュッてなった。
爆発しそうな、崩れそうな胸を抑えながら、どうしたのか気になって美鈴の顔を見上げた。
美鈴が見上げていた空を見て、すぐに納得した。
同時にガックリもした。
鈍い輝きを放ちながら、それは空から舞い降りてくる。
「……雪?」
「危ないところでしたね」
まあ、つまり美鈴は私を雪から守ろうとして思いっきり抱きしめてくれた、ということで。
別にムードとか空気とか私の純情ハートを読んでくれたわけでもなくて。
そして私は勘違いしちゃってどうしようもなくドキドキしちゃったわけで。
「フランドール様、やはり寒いんじゃないですか?」
「だ、大丈夫だよ」
「ですが、お顔が……」
「具合が悪くて赤いんじゃないんだよ……」
恥ずかしいなあ、もう。
そんな心配そうに覗き込んでこないでってば。
顔を反らせないよ。
ずっこいよ。
「美鈴のえっち」
「はあ、すいません」
「どうしてそこで謝るのかなぁ」
「あとね、美鈴。 雪は別に平気なんだよ? でもこのままの体勢でいいからね?」
「わかりました。 誠心誠意フランドール様を温めてさしあげます」
「寒くもないんだってば……もう」
どうしようもないくらい溶けそうだけど、熱いのは好きじゃないけど、こうしているのは嫌じゃない。
でも私の心はキュンキュンしてて、落ち着かない。
ああもう。
あなたがどうしてるのか、気になって落ち着かなくて、こっちまで来たのに意味ないよ。
キョトンとした顔で見下ろされるのがなんだか悔しくて、発展途上の銀世界に目を移した。
「もう地面が見えないね」
「そうですねぇ。 今年の除雪も骨が折れそうです」
知ってる。
毎冬の毎朝、こっそり覗いてたもん。
真っ白になった世界と対照的な、美鈴の火照った顔が艶めかしくて、冬の間はなかなか顔を合わせられなくなっちゃったけど。
「もうすぐクリスマスですよ」
「そういえば、そうだね。 またお姉さまの変な遊びに付き合わされるのかなあ」
毎年十二月二十五日のお姉さまは、なんというか、そう、『はじけて』いる。
クリスマスツリーに大量の逆十字を飾り付けてみたり、聖書に悪そうな四字熟語を書き足したりして、とにかく楽しそうにはしゃいでいる。
憎たらしい神様の特別な日なんか、ロックに過ごしてめちゃくちゃにしてやりたいんじゃないかって、パチュリーは言っていた。
私には理解できない。
「たまには、普通のクリスマスにしたいよ」
悪魔の妹が言うのもおかしな話だけれど、本当にそう思う。
「だって、年に一度の特別な日なんだよ。 小悪魔が言ってたもん」
大事な人と、過ごす日で、その、好きな人と一緒にいちゃつく日でもあるって。
「私はフランドール様が少し羨ましいですけどね」
「え、美鈴も、はじけたいの?」
「いえいえ、クリスマスケーキをぶつけ合うのは私もできれば遠慮したいですよ」
ちなみに後片付けは全部咲夜がやっている。
御苦労さまだよ、本当に。
「クリスマスだろうと、正月だろうと私はここを、門を守らなければなりませんからね。 そういう意味では、私はいつだって普通なんですよ。 だからフランドール様たちがにぎやかにされているのが、羨ましいんです」
確かに、そうかもしれないけど。
でも。
「ロック調のジングルベルに乗せて般若心経なんて歌いたくないよ」
「それはまた悪魔的ですね。 さすがはお嬢様です」
でもやっぱり、美鈴と特別な日を過ごしたいよ。
「ねえ美鈴」
「はい?」
「良い子には、サンタクロースが来てくれるんだよね」
「外の世界ではそう言われているそうですね」
「じゃあ、じゃあね」
腕の中に収まったまま、反転して美鈴の顔を正面から見上げた。
「美鈴が良い子にしてたら、私が美鈴のところに行ってあげる。 遅くまでおしゃべりしてたら、寂しくないでしょ?」
初めて、美鈴が呆けたところを見た。
初めて、美鈴が心の底から嬉しそうにしている顔を、見た。
「ありがとうございます、フランドール様!」
「く、苦しいよ、力強いよめいりーん!」
ぎゅーって、抱きしめ合って、どかーん。
どうしよう、お姉さま。
私も弾けちゃいそうだよ。
苦手な方はご注意を。
夏の太陽はジリジリしてて熱いから嫌い。
冬の太陽の光は冷たいから好き。
あなたも、冷たいから好き。
好きだから、その手に頬を当ててみたり。
「美鈴。 美鈴は気持ちいいね」
「寒くないですか、フランドール様」
「えへー。 平気だけど、ちょっと涼しいかも」
震えながら私がそう言えば、あなたは目尻を下げて、微笑む。
ふわりとした咲夜お手製の赤いマフラーが、私の首にまるで蛇みたいにからみついてきた。
赤い蛇は、危険色。
身を寄せ合う私たちも、危険。
だって主従なのよ、なんちゃって。
「美鈴のマフラーの巻き方、なんだかえっちぃね」
なんかむずむずする。
慰めるように這う手を思い出すと、なんだか首元が粟立つみたいで。
でも嫌じゃなくて、私までえっちになっちゃったみたい。
「すいません、加減がわからなかったんですよ」
「割れものを扱うみたいだったよ」
「私はあなたが怖いですからね」
「む」
私が拗ねたふりをしても、もう一度すいません、なんて謝ってはくれなかった。
その代わりに、あなたは壁に背を預けたまま、私を回転させながら、思い切り抱き寄せた。
無礼者!
なんて言っておどけようとしたけど、出来なかった。
なんだかすっごく暑くなってきたんだもん。
「め、美鈴あっついよ」
悪い従者に捕まったままで、顔を上げた。
優しそうな顔が見えて、また体温が上がったような気がした。
「ダメですよ。 女の子は体を冷やしちゃいけないんだって、言ってました」
「誰が?」
「さあ、きっと偉い人ですよ」
「お姉さまより?」
答えは返ってこなかったけれど。
きっとNOなんだろうなあ、と考えて、ちょっとだけ胸がキュッとした。
した、後。
「あ……とっ」
「わ」
突然、私を抱き寄せる腕の力が強くなって、もう一度キュッてなった。
爆発しそうな、崩れそうな胸を抑えながら、どうしたのか気になって美鈴の顔を見上げた。
美鈴が見上げていた空を見て、すぐに納得した。
同時にガックリもした。
鈍い輝きを放ちながら、それは空から舞い降りてくる。
「……雪?」
「危ないところでしたね」
まあ、つまり美鈴は私を雪から守ろうとして思いっきり抱きしめてくれた、ということで。
別にムードとか空気とか私の純情ハートを読んでくれたわけでもなくて。
そして私は勘違いしちゃってどうしようもなくドキドキしちゃったわけで。
「フランドール様、やはり寒いんじゃないですか?」
「だ、大丈夫だよ」
「ですが、お顔が……」
「具合が悪くて赤いんじゃないんだよ……」
恥ずかしいなあ、もう。
そんな心配そうに覗き込んでこないでってば。
顔を反らせないよ。
ずっこいよ。
「美鈴のえっち」
「はあ、すいません」
「どうしてそこで謝るのかなぁ」
「あとね、美鈴。 雪は別に平気なんだよ? でもこのままの体勢でいいからね?」
「わかりました。 誠心誠意フランドール様を温めてさしあげます」
「寒くもないんだってば……もう」
どうしようもないくらい溶けそうだけど、熱いのは好きじゃないけど、こうしているのは嫌じゃない。
でも私の心はキュンキュンしてて、落ち着かない。
ああもう。
あなたがどうしてるのか、気になって落ち着かなくて、こっちまで来たのに意味ないよ。
キョトンとした顔で見下ろされるのがなんだか悔しくて、発展途上の銀世界に目を移した。
「もう地面が見えないね」
「そうですねぇ。 今年の除雪も骨が折れそうです」
知ってる。
毎冬の毎朝、こっそり覗いてたもん。
真っ白になった世界と対照的な、美鈴の火照った顔が艶めかしくて、冬の間はなかなか顔を合わせられなくなっちゃったけど。
「もうすぐクリスマスですよ」
「そういえば、そうだね。 またお姉さまの変な遊びに付き合わされるのかなあ」
毎年十二月二十五日のお姉さまは、なんというか、そう、『はじけて』いる。
クリスマスツリーに大量の逆十字を飾り付けてみたり、聖書に悪そうな四字熟語を書き足したりして、とにかく楽しそうにはしゃいでいる。
憎たらしい神様の特別な日なんか、ロックに過ごしてめちゃくちゃにしてやりたいんじゃないかって、パチュリーは言っていた。
私には理解できない。
「たまには、普通のクリスマスにしたいよ」
悪魔の妹が言うのもおかしな話だけれど、本当にそう思う。
「だって、年に一度の特別な日なんだよ。 小悪魔が言ってたもん」
大事な人と、過ごす日で、その、好きな人と一緒にいちゃつく日でもあるって。
「私はフランドール様が少し羨ましいですけどね」
「え、美鈴も、はじけたいの?」
「いえいえ、クリスマスケーキをぶつけ合うのは私もできれば遠慮したいですよ」
ちなみに後片付けは全部咲夜がやっている。
御苦労さまだよ、本当に。
「クリスマスだろうと、正月だろうと私はここを、門を守らなければなりませんからね。 そういう意味では、私はいつだって普通なんですよ。 だからフランドール様たちがにぎやかにされているのが、羨ましいんです」
確かに、そうかもしれないけど。
でも。
「ロック調のジングルベルに乗せて般若心経なんて歌いたくないよ」
「それはまた悪魔的ですね。 さすがはお嬢様です」
でもやっぱり、美鈴と特別な日を過ごしたいよ。
「ねえ美鈴」
「はい?」
「良い子には、サンタクロースが来てくれるんだよね」
「外の世界ではそう言われているそうですね」
「じゃあ、じゃあね」
腕の中に収まったまま、反転して美鈴の顔を正面から見上げた。
「美鈴が良い子にしてたら、私が美鈴のところに行ってあげる。 遅くまでおしゃべりしてたら、寂しくないでしょ?」
初めて、美鈴が呆けたところを見た。
初めて、美鈴が心の底から嬉しそうにしている顔を、見た。
「ありがとうございます、フランドール様!」
「く、苦しいよ、力強いよめいりーん!」
ぎゅーって、抱きしめ合って、どかーん。
どうしよう、お姉さま。
私も弾けちゃいそうだよ。
おぜう様ロックすぎw
てかクリスマスの過ごし方が実に紅魔館ぽくて楽しそうで何よりw
お嬢様すげえww
そしてフランは美鈴とはじけてまざれ
めーふらごちっした!!
しかしフランちゃんヤバいわ~
おせおせなフランちゃんと可愛いめーりんがたまらん
そして玄関の隙間からこっそり二人を覗きたい